マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.01.13
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 暴風警報発令下のレース 

先ず850mほどコースを逆走。そして折り返し点からゴールラインに戻って来る。これで半端な2.195kmを走り終え、後は1周4kmの周回コースを反時計回りに10周するとフルマラソンの距離になる。1時間前にアーリースタートしたフルの選手の目印は、肩のたすきだ。

本部前を通過。ゴール地点の先にあるのがエードステーション(以下AS)。私の荷物はその中間地点に置いてある。ASを過ぎて暫く走ると急に視界が広がる。実はそこが風が吹き抜ける一番寒い場所。蔵王颪(おろし)の冷たい風が容赦なく体温を奪う。この日の最高気温は3度との予報だが、東部仙台地方には暴風警報が出ていて、体感温度は0度以下だろう。松林の中に入ると風が遮られるせいで、幾分暖かい。

仙台鉄人会のF田さんが後ろから抜いて行った。68歳の彼とコース上で会えたのはその時だけ。300mの差は最後まで縮まらなかった。さすが仙台国際ハーフマラソンに出場し続けたランナーは違う。1周目を走り終え、胸のナンバーカードの「1」の字をちぎる。これが9までちぎって1周すればようやくゴール。単調な戦いだ。1周走って体が温まったためウインドブレーカーと帽子を脱ぎ、手袋も1枚だけにした。

何周かするうちに速いランナーにどんどん抜かれる。一緒にハーフや10kmの選手も走っているため区別が判然としないのだが、あまり気にする必要はない。2周目までは水が入ったペットボトルを持ち、3周目にスポーツドリンクに切り替える。5周目を走り終え初めてASに寄ってバナナとビスケットを食べた。走った距離は22.195kmで、タイムは2時間20分ほど。秋田のJunさんには既に2回抜かれた。

風が通り抜ける地点。広浦の湖水が強風で繰り返し岸に打ち付けられている。遥か彼方の蔵王連峰はすっかり雪雲に隠れてしまって見えない。結局最後まで強風は治まらなかった。5km、10km、ハーフの大部分の選手が走り終えるとコースが空いて、急に寂しくなる。

あっという間に追い越して行ったハーフのH郷さん、明走会のAさんは、既にレースを終えたようだ。また、大崎グループとコース上で出会えたのは1回だけだった。そんな時にK村女史が歩くような速さで走っているのを発見。「足が痛いの」と彼女。レース後にプログラムを見たらエントリーはハーフの部。かなり辛い感じで気の毒だった。

後半もJunさんに1回抜かれたが、彼のゴールシーンを偶然見ることが出来た。タイムは3時間9分を切ったと思う。お正月には「腰が抜け」てコルセットをしていた彼。体調不良と練習不足なのにこのタイムは凄い。O川さんにも1回抜かれたが、その際Y田さんがアーリースタートしたことを聞いた。う~ん、会えなくて残念。

9周目を走っている途中、歩いている10周目のH景さん発見。昨年の「秋田内陸」では、プログラムで名前を見つけたのに私の姿がなかったため心配していたそうだ。長年秋田で一緒だった走友は有難いものだ。ナンバーカードの「9」をちぎって最後の1周。寒さに耐えて最後まで走れたことに感謝。4時間35分27秒の戦いは終わった。コンピュータの不調で、記録は後日送付とのこと。

センターの階段前で素早く着替えを済ませ、遅い昼食を摂る。目の前を通り過ぎるトライアスリートのT橋さん。彼女はもう1周残っているみたい。それを見届ける間もなく帰途に就く。本当に大変なのはこれからだ。荷台にバッグをくくりつけペダルを踏み出す。「これはマラソンよりも疲れるよ」。思わず飛び出した私の言葉に、周囲のランナーが振り返って笑った。名取川の堤防上は向かい風。諦めた老人が自転車を押して歩き出す。<続く>





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Last updated  2009.01.14 14:35:26
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