マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2011.03.08
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 病院での説得 

 月曜日の10時過ぎ。第2現場へ移動する時間を利用し、病院へ診察券を出しに行く。義肢製作所の人が病院に来るのは午後の2時半だが、その前に診察を受けようと思ったのだ。第2現場での勤務後、予め買っておいたお握りで早めの昼食。一体何事かと驚く仲間に、これから整形外科へ行くことを告げる。

 12時前に病院に行き、受付に「外出券」を出す。インソールの調整の話は、医師と義肢製作所の方の立会いの下で行うことになった。これだと診察も兼ねて1度で済むので助かる。2時間半以上待合室で待つことになるが、読みかけの「沙中の回廊」を読めるのがむしろ楽しみ。私は相変わらず宮城谷昌光の中国歴史小説に夢中なのだ。

 ようやく名前が呼ばれて処置室に入る。既に義肢製作所の社長が来ていた。約2年ぶりの対面だが、私のことは覚えていた。驚くことに私が昨年走った「伊豆大島100km」の新聞記事を見たとも話してくれた。T田さんが地元紙に投稿した記事の中に、私の名前を見つけたようだ。靴下を脱いで足の症状を話し、自分で削ったギザギザのインソールを見せた。それで私の必死な思いが伝わったようだ。

 専門医には注射後の経過と、練習した際の状況を話す。彼はインソールを一目見るなり、「作り直しましょう」と一言。ここから必死の巻き返しが始まった。確かに足をしっかり保持するためにはインソールに凹凸が必要だがそれは日常生活のことであって、ランニングの際は逆に強い摩擦の原因になること。左足のインソールはこれまでに何度も調整してもらったことを説明。

 インソールの製作と調整にはこれまでに6万円以上の経費がかかり、かつ練習で試すなど多大なエネルギーを使って来た。片方とは言え再び型を取って作り直すとしたら、経費と走れない日がさらに増えることになる。先ずは今日持参したインソールの表面を滑らかに手直しし、それでも走って痛みが出た場合は新たに作ることで医師には納得してもらった。この選択には当然リスクが付き物。天国となるか地獄となるかは全て自分の責任だ。

 先日の宮城UMC新年会でF田さんから「仙台国際ハーフマラソン」と「仙台市民マラソン」を統合した新しいレースが誕生するとの報告があった。それは彼らの熱心な取り組みが実を結んでようやく実現する夢。これまで走りたくても走れなかった仙台市内の目抜き通りを、来年こそ自分の足で走れる。そのためにも何とか治したいのだ。

 長らく地元の町で体育関係の指導的立場にあった義肢製作所の社長は、私の話を聞いて「料金は千円だけで良い」と言ってくれた。それでは送料だけで終わり、利益にはならない。私は2千円以上渡す積りだったが、どうしても受け取らなかった。こんな顛末を経て近々インソールが届く予定だが、果たして足に馴染んでくれるかどうか。「実験」の結果が出るのは、もう少し先になりそうだ。<完>






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.03.08 15:35:26
コメント(6) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: