マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2011.06.26
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カテゴリ: 俳句





 沖縄本島の北部はヤンバルと呼ばれる。漢字で書くと山原。ここには沖縄本島最高峰の与那覇岳(503m)などの山が連なり、鬱蒼とした森が広がる。豊かな大自然の中では貴重な動物達が暮らしている。セマルハコガメ、ヤンバルテナガコガネ、飛べない鳥で有名なヤンバルクイナなどだ。

 今から20年前の沖縄在住の頃、ヤンバル路を車で通ったことがあった。ほとんど行き交う車もない淋しい道だった。だが、その山に好んで入って研究を続ける人がいることに驚いた。それも本土出身の若い人で、身分の安定しない非常勤職員。山の中にはハブが多く、咬まれたら30分以内に血清を打たないと死んでしまうのだが、もちろん近くに病院などは存在しない。

 一昨年の11月、私はヤンバルの東海岸を走った。沖縄本島を単独で一周する計画の一部だった。辺戸岬をスタートして間もなく、奥集落付近の道路でハブの死骸を見つけてビックリ。夜行性のハブが11月でも道路に出ることを知った。月の無い真っ暗な道で、懐中電灯だけが頼り。道路の黒いヒビがハブに見えて、思わず飛び跳ねたのも良い思い出だ。

 句の赤髭は、スズメ目ツグミ科コマドリ属の小鳥。「赤い毛」が変化し「赤ひげ」になった由。渓流の周辺を好み、昆虫やミミズを捕食するようだ。海から登った月が庭を照らしている。そこへ1匹のアカヒゲが飛来し、「ピュルルピュルル」と美しい声で鳴いた。まるでアンリ・ルソーの絵を観るような光景。物語の世界だ。

 琉球王朝時代、ヤンバルの森から取った薪は山原船で那覇港や王府の首里に運ばれた。山原船は外洋を航海する構造を持たない帆船。首里城の修復などにはヤンバルで伐採した大木を使用したようで、木を曳いた「クンジャンサバクイ」(国頭捌理)の儀式が今も残されている。

 そのヤンバルも私が勤務した20年前に比べれば格段に道路事情が良くなり、行き交う車の数が増えていた。そして東海岸にも巨大なリゾートホテルが出来、本土からの移住者がいることに驚いた。今ヤンバルの森には、飛べない鳥ヤンバルクイナをマングースなどから保護するため、数多くの「わな」が仕掛けられている。





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Last updated  2011.06.26 16:52:47
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