マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2011.10.18
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カテゴリ: 人生論
日曜日の午後は、パソコンで楽天の試合を確かめていた。テレビもラジオの放送もない場合はそうせざるを得ないのだ。この日の先発はマー君。彼の最多勝獲得が懸っている大事な試合だった。高校時代を北海道で過ごした彼は星野監督に直訴して登板を1日ずらしてもらった由。記念すべき試合をお世話になった北海道の人に観てもらいたかったそうだ。

そんなゲームを救ったのが銀次。彼は捕手として入団したのだが、その後打力を買われ野手に転向した選手。1軍での本格的なデビューは確か今年からだと思う。その銀次の一振りが2点タームリー。防御率1点台のマー君にはそれでも十分だった。味方のエラーなどで2度のピンチがあったようだがいずれも気迫で圧倒し、見事完封勝ちを収めた。

最多勝を争っていた日ハムのダルビッシュは、CSに向けての調整を理由にその後の登板を辞退したため18勝に終わった。問題はソフトバンクのホールトン。今日彼が先発して勝てば最多勝に並び、中3日で再び勝利すれば彼が20勝で最多のタイトルを取ることになるが、果たしてどうか。目下マー君は防御率、勝率、完投勝利数などでもトップ。沢村賞獲得も目前だ。

昨日は種屋に玉ネギの苗を買いに行った。今年の苗がようやく入荷すると聞いたのが昨日。早速1束買った。100本の苗が650円。1本6円50銭の計算だが、上手く育つかどうか。その帰り道、橋の上から川の中を観ると大勢の人が作業をしている。予め張ってある網に向かって徐々に包囲を狭めているようだ。

これはきっと鮭の捕獲に間違いない。初めて目にする光景に興奮する。男の人達は名取川・広瀬川漁協の関係者。捕獲した鮭から卵を採り、人工ふ化させて、来春稚魚を放流するのだろう。網の中から鮭が捕えられる。鈍色(にびいろ)に赤の婚姻色が混じった魚体は、まだうろこがしっかりしている。これが自然の産卵だと体が擦り切れて、ボロボロになる。

大きな地震と津波があったにも関わらず、鮭は今年も帰って来た。確か鮭は4年かかって成長し、生まれ故郷の川を遡上すると聞いた。そして人口が100万人を超える大都会の川に、鮭が上るのは珍しいと思う。私が観ているうちに手で捕まえた鮭は10本ほど。網の中には、後どれくらい入っていたのだろう。

夕方のニュースの時間に、懐かしい名前を聞いた。思わずテレビを観ると、やはりKさんだった。45年も前に下宿で一緒だった先輩だ。当時彼は工学部の博士課程で学んでいた。確か専攻は材料破壊で、中でも金属の弾性、塑性に関するものだった。その後私は転勤族となったが、彼は大学に残って助手から助教授と栄進した。

彼がとある研究所に転勤したと聞いたのは数年後。教授は自分の息子を助教授に据えたかったようだ。やがて時は経ち、彼が研究所の所長になったことを知った。その彼は既に70歳を超えている。目の前の顔も若い頃と同様に穏やかで、言葉はさらに優しくなっていた。彼はタンクの破壊研究の第一人者で、肩書はさる国立大学の特任教授となっていた。

今回の大津波で流された石油タンクの画像を観ながら解説する彼の姿は、全国放送でも再び観ることが出来た。若い時から飄々とし、大人の風格があった彼。自然科学はもとより歴史にも造詣が深く、経済的に困っていた私から日本史の全集を買い取り、忙しい中わずか2か月ほどで40巻を読了したのには驚いたものだ。

彼は順調に研究者としての道を極め、世界を相手にして来たのだと思う。その彼に対抗出来る何ものもない私だが、私なりに様々な経験をした積りだ。一緒だったのは若い頃のわずか数年の下宿暮らしだけ。その彼とテレビの画面を通じて出会えたのは、きっと大震災の「お陰」だと思う。不思議な縁だが、時たま人生にはこんなことが起きるから面白い。





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Last updated  2011.10.18 21:15:45
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