マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.01.18
XML
カテゴリ: ランニング全般
 「一泊するマラソンは止めてください」。突然妻がそう言い出したのは、帰省していた次男が東京に帰った数日後だったと思う。「ええっ?」私は驚いた。日帰りのレースは限られるし、復活を目指すウルトラマラソンで、日帰りなんて言うのはほとんど不可能なのだ。喧嘩になってはいけないと思い、「もう幾つか申し込んであるよ」と言って、自室へ戻った。



 第2弾はその数日後。「私はマラソンに反対だからね」。再び妻が言い出した。新年の挨拶のため実家へ行った時、妻の兄に「心臓の手術をした人間が走っても良いのか」とでも言われたのだろう。そのことは何度も妻に話した。今走っているのは主治医の了解の上なのだ。そしてジョギングが不整脈治療の一環としてアメリカで始まったことも。

 もし私の体調を心配するなら、なぜ手術の時に立ち会わなかったのか。妻の性格からも手術当日は来ないだろうと、私は不安を感じつつ1人で手術室へ向かったのだ。マラソンは長年の趣味。苦しい練習に耐えたのも、いつの日にかレースに復帰するためだった。それがようやく実現しようとする時に、今さら何を言い出すのか。私は激高し、激しい口論になった。

 口も利かない日が何日か続いた後、妻が言い出した。定年を待たず今年で仕事を辞めること。有給休暇がたくさん残っているので、それを利用して私と2人で旅行へ行きたいこと。そのためにお金がかかるので、私にも小遣いを有効に使って欲しいことなどだ。一応妻の言い分は分かった。そこで何処へ行きたいのか尋ねた。

 ツーリストのパンフレットを見ながら「屋久島の宮之浦岳に登りたい」と言う。とんでもない話だ。「洋上のアルプス」と呼ばれる宮之浦岳は九州一の高山で2千m近い。山が深く、いわば海抜0mから登るためかなり時間がかかるし、経験と技術を要する山だ。私の説明でもう一度パンフレットを読み直すと、「上級」と書かれていたと妻。それで諦めたようだ。

 「それなら縄文杉のトレッキングはどう?」と言う。パンフレットを見ると、高低差700m以上で11時間の行程。「去年行った南蔵王の2倍の時間だよ」。そう言うと、再び諦めた妻。6時間の行程であれだけ苦しんだのだから、11時間では到底体がついて行けないだろう。結局妻は「行きたい」と言う気持ちばかりで、対象となる場所の情報も持たず、自分の実力も知らないのだ。

 3月の南九州だって1500mを越える山には、まだ雪が残っているだろう。その雪道を登る装備もなければ、経験もない。「先ずどんなところへ行きたいか、じっくり考えたら?」。そう言ったら、ようやく妻は納得したようだ。私もマラソンは日帰りだけに止める積りはない。体力の限界は自分で判断出来る。無理だと感じたら、自然と距離が短いレースになり、年齢と共に近場の大会に落ち着くだろうと思うのだ。

 さて、明日は早朝から妻とバスツアーに出かける。これは昨年の晩秋に申し込んだもの。行き先は福島県の会津地方。それも結構山奥のようだ。多分かなりの積雪のはず。その深い雪を見ながらイチゴを食べ、露天風呂を楽しみたいと思う。そして2月は箱根の温泉に泊り、伊豆半島の河津桜を観る予定。折角の人生、なるべく喧嘩をしないで老後を楽しまないとね。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.01.18 05:49:00
コメント(6) | コメントを書く
[ランニング全般] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: