マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.03.15
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カテゴリ: 人生論


 「ええっ、設置してまだ1年も経ってないのに、もう故障?」「そんな訳ないし、もしそうだとしても保障期間だから大丈夫」。私は咄嗟にそう思った。先日もお風呂の回転窓のハンドルを壊し、「壊れたのは自分のせいじゃない」と、修理業者の前でしきりに言いわけをしていた彼女。そのうち階下から声が聞こえた。「お父さん、お湯溜まったよ~」。あのなあ、出かかった言葉をグッと飲み込んだ。

 9時過ぎ、私はランニング姿に着替えて走りに行こうとした。「ピンポ~ン♪」。おっと来客のようだ。玄関の扉を開けると妙齢の婦人が2人。それも美人だ。あらら、これは保険の勧誘か、それとも宗教団体か、はたまた北朝鮮の・・。「今度引っ越して来ます○○です」。一人が名刺と挨拶代わりのティッシュの箱を差し出す。昨年亡くなった老人宅の後に住まうようだ。

 「美人歓迎です」。思わずそう答えるともう一人も挨拶代わりのサランラップと封筒を渡す。こちらはリフォーム会社の方。40年以上にもなる古家を全面的にリフォームし、フラワースクールにするようだ。へえ、こんな住宅街に若いお譲さん達がたくさん集まるの~?完成は2カ月後とのこと。「どうぞよろしくお願いします」2人はにこやかに帰って行った。

 準備を終えて走り出すと、近所のスーパーの前に先刻の婦人がいた。私だと気づき「気をつけてくださ~い」の声。これは嬉しい声援。傍にいた老夫婦は彼女の両親のようだ。この日のコースは12kmの山道。結構風が強く、特に登り坂では息が上がった。苦しいけれど、これも練習のうち。4月、5月と連続してハーフマラソンを走る予定。こんなことで参っちゃいられない。

 「ピンポ~ン♪」昼食中にまたしてもチャイム。今度は何?とドアを開けると、頭の薄い中年男性が立っていた。「味噌屋の番頭です。美味しい味噌はいかがでしょう」。大きな前掛けをつけた男が言う。「結構です」。そう言うと男は素直に帰って行った。その後は外国の保険会社から電話。「お宅の保険には既に入ってますよ」。電話が来るのはこれで3度目。一体どうなっているのだろう。

 午後1時半に再びチャイム。これは住宅メーカーの点検と分かっている。東日本大震災後の2回目の点検で無料。先日ペンキがはげて修理した際、気になる所があり来てもらったのだ。潜望鏡のような道具で屋根を見、後は外壁や排水路の点検など。結果は基礎部分に細かいひびが数か所。そして玄関脇の外壁にひびが1か所。いずれも原因は地震で、特段問題はないとの診断だった。やれやれ助かった。

 ところでつい最近私のブログで問題発生。12日に書いた東日本大震災に関する私の詩へのコメントで、「関東の人は驚いただろう」云々の書き込みがあり、私は地震は東北の方が酷いと返事した。ところが翌日同じ人が「認識としては関東周辺の地震」云々と再び書き込み。本人がそう思い、自分のブログに書くのならともかく、今も震災や津波や原発事故の後遺症に苦しむ被災地の人に適切な言葉とは到底思えない。

 そのことを指摘したら再び当人からコメント。内容は「私はあなたの千倍以上情報に接している」云々。すっかり気分を害し、私のコメントと、その人の最後のコメントを削除した。今回の大震災で多くの犠牲者と被害が出たことは誰でも知ってるはず。それが「関東周辺」との認識とはおかしい。その方の住む地方では皆同じ認識とも書かれていた。

 恐らくその人は東北の鉄道の路線が何本、どこで不通になっているか知らないはず。私も地震で不整脈を発症し、親戚が2人津波で死んだことを詩にも書いた。書いてはいないが、妻の兄宅や私の兄宅は地震で全壊した。東北はまだ復興が進んでおらず、大切な家族や家や財産を失くして悲痛な暮らしをしている人がたくさんいるし、故郷すら失った人も多いのだ。

 今回の大震災は初め「三陸沖大震災」と呼ばれ、次に「東北大震災」と名前が変わり、最後に「東日本大震災」に落ち着いた。それらはいずれも気象庁の正式な命名だ。「サラダ記念日」で知られる女性歌人が、放射能汚染を恐れ両親を仙台に遺したまま去ったことも、コメントしてくれた人は多分知らないはず。

 その人の翌日のブログのタイトルは「ブログ炎上」。東北に住む○○爺云々とある。やはり私の真意を分かってなかったようだ。でなければそんなタイトルはつけないと思う。文章を読めば状況は分かるはずなのに、それが読めないのだ。まして書いて無いことは分からないだろう。だが短い間でもブログ友であったことに感謝したい。私は孤立を恐れない。死ぬ時は誰しもたった一人で向かわなければならないからだ。今はその修行中の身。

 「ピンポ~ン♪」。「ハイ、どなたですか~?用件は何ですか~?ネットは虚構の世界です。ほかのお家を訪ねて書き込みする時は、よほど注意してくださいね~」。ブログを読めばその人の暮らしや人生観や価値観がつい分かったような気になるが、それは錯覚。たとえ何年間も続いたブログ友でも「親しき中に礼儀あり」。相手の心情を思いやるのが真の友情だと私は思う。





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Last updated  2013.03.15 09:15:02
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