マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2013.11.27
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カテゴリ: 文化論
≪ 特別展を観る その1 ≫

 日本庭園を出て私が向かった先は、お隣の「みんぱく」でした。正式な名前は国立民族学博物館。「民俗学」が民話や習俗などを研究するのに対して、「民族学」は世界の民族の言語、宗教、文化、生活などを研究の対象とします。イギリスやアメリカでは「文化人類学」と呼びますが、ドイツやフランスでは民族学と呼び、太陽の塔を作った岡本太郎も、パリ大学で民族学を学んでいます。なお、民族学では美術品ではなく身近な生活品を研究、収集の対象としています。



民2.jpg


 前置きが長くなりましたが、これが「みんぱく」です。建物の設計者は、女優若尾文子の夫君黒川紀章です。ここへは毎日のように通っていました。何故ならここが私の8番目の勤務先だったからです。17年前、ここでは既に国内では最先端の「マルチメディア展示」を開発していました。今なら当たり前の小型端末で、展示品の解説をしてくれる装置などがそうです。

 もちろん私は博物館の専門家でも、マルチメディアの専門家でもありません。異分野から転勤した私が苦しんだのは当然です。ここに勤務したのは2年間でしたが、苦労の末に転勤する頃にはなんとか完成したのです。私が「神戸マラソン」のついでにここを訪れたのは、みんぱくの展示が、その後どうなったかを、自分の目で確かめるためでした。



民博特別展ポスター.jpg


 たまたま特別展「屋根裏部屋の博物館」が開催中だったので、これを最初に観ました。日銀の総裁で戦後間もなく大蔵大臣を務めた渋沢敬三のコレクションです。明治新政府の元勲だった渋沢栄一を祖父に持つ彼は、経済人でありながら民族学に深い関心を持ち、自ら収集して自宅の屋根裏部屋に収容していたのです。これがみんぱくのコレクションの端緒です。今年は彼の没後50年目に当たり、今回の特別展はそれを記念しての事業でした。

 このみんぱくでは、展示物の写真も原則として許可されています。特別展でも指定された展示物以外は、撮影出来ました。何せ大忙しで廻ったため、説明はほとんど読んでいません。それに展示品は初めて観るものばかりです。間違いがあるかも知れませんが、簡単な説明を加えましたので参考にしていただけたら幸いです。なお、特別展は2回に分けて紹介しますが、これでも展示品のごく一部です。



特1.jpg

1)凧(たこ)



特2.jpg

2)凧(たこ)



特4.jpg

3)絵馬(えま)



特3.jpg

4)



特5.jpg

5)



特6.jpg

6) 4から6までは、いずれも民間信仰の対象である「おしら様」や「桑神様」の類と思われます。



特7.jpg

7)江戸時代から明治期に使用された作業着と思われます。恐らくは東北地方での収集品でしょう。


特11わら手袋.jpg

8)わら製の手袋。恐らくは東北での収集品だと思われます。



特12わら長くつ.jpg

9)長靴  



特10.jpg

10)



特9.jpg

11) 10と11は沖縄の藁算(わらざん)です。かつて文字が読めない農民のために、どんな作物をどれくらい税金として納めるかを、わらを使って示した道具です。主に宮古島以西の離島で使用されていたようです。<続く>





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Last updated  2013.11.28 13:46:50
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