マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2017.05.04
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テーマ: 離婚(252)
カテゴリ: 人生論
<捨てられたもの>



 認知症の初期症状の一つが「お金を盗った」と訴えることと聞いたことがある。私は前妻の職場を訪ね、彼女の勤務状況を上司の方に尋ねた。もちろん具体的なことは伏せてある。素晴らしい上司で、「訪問先でも人気は高いんですよ」とフォローしてくれた。勤務態度に特段の問題はないようだ。すると彼女の心身に、一体何が生じているのだろう。他にも気になることがあった。




 旅先などで彼女が勝手な行動をすることが稀にあった。それが私の疑問になり、不和の原因にもなるのだ。転勤先の鳴門では4,5回そんなことがあった。沖縄ではなかったが、松山で1回、大阪でも2回あった。仙台に自宅を建ててからは、良く齟齬が生じた。

 花見に行った先で姿が見えなくなったり、東京駅でも姿を消した。旅先の奈良ではその夜泊まる宿を知らないのに、勝手な方向へ行こうとした。長野でも2度大喧嘩になり、京都の東寺前では「お前なんか死んでしまえ」と人通りのある中で罵られた。




 夫婦喧嘩の時に彼女が包丁を持ち出すことも何度かあった。刺しはしないとタカを括っていたが、ある時などは寸胴鍋で頭部を殴られて出血した。「これは危険」と察知した私は、それ以降必要以上の抵抗を止めた。彼女自身も「暴走」には気づいており、「でもコントロール出来ない」とつぶやいていたことがあった。




 その極限が発狂。実父が亡くなった当夜、階段を上がって誰かが私の部屋に入って来た。照明を点けると、手を広げて私の首を絞めようとする前妻の姿があった。「どうしたのお母さん。今俺を殺そうとしていたんだよ」と言うと、彼女は黙って1階へ下りた。

 翌朝の早朝、長男が驚くべきことを口にした。半狂乱の前妻が裸足で外へ飛び出して行った由。「飯食ったんだ。美味かった」と言って。そのことを後で彼女に言うと、全く覚えていない様子。私への恨みは、病院に入院中の実父を見舞いに行かなかったと言う理由。私はまさか急死するとは考えず、週末に行く予定でいたのだが。




 振り返って見れば、彼女の奇異な行動は独身時代からあった。ハイキングや登山の時に、彼女だけ先に帰ることがあったし、結婚後1年7か月もの間、私に体を許さなかった。東京転勤後に告白を受けたが、職場の人とキスしたのだとか。私はそんなことも知らず、彼女に代わって年賀状まで書いていたのだ。何せ彼女は結婚後、自分の友人たちへ年賀状を出さなかった。理由は今でも良く分からないままだ。




 その一方、私の後輩が結婚を祝って贈ってくれた手編みのセーターをさっさと解き、毛糸玉にしてしまった。その毛糸玉さえもいつの間にか無くなった。私の本箱のカーテンを取り外して捨て、ニスを塗り直して散々な姿にしたのも彼女。新婚旅行用に買ったバッグの色が気に入らなかったのか、実家に行って安物のズックのバックに取り換えて来たのも彼女。




 大好きだった沖縄で買ったエメラルドグリーン色のパジャマも、いつの間にか捨てられた。好きで買ったマツバボタンの花も、2度の移植後に姿を消した。結婚指輪は大きく変形させた上に切断し、左の薬指から消えた。私がプレゼントした高級腕時計は、堆肥を作る容器の底から姿を現した。そうして最後に捨てられたのが73歳になった私自身。長い忍耐にも関わらず、「粗大ゴミ」になったのだ。<続く>

(チュウ) 心無いコメントは即刻削除しますので、ごチュウいを!!





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Last updated  2017.05.04 07:18:20
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