マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2017.05.28
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カテゴリ: 人生論
<マックスと語る恋愛論>




 「ご主人様、何だか元気がありませんねえ。お母さんと別れたって本当ですか?」。「おいマックス、天国にいるお前にまでそんな噂が届いてるの?」。「ふふふ。それについ最近失恋したこともね」。「んんん?それはちとまずいなあ」。「四国のお母さんとお姉ちゃんも笑っているかもよ」。「うん。お父さんはやっぱり失敗する人だとね」。「わはは」。




 「失恋は失恋だけど、あれは俺の勘違いだった」。「何をです?」。「指輪さ、指輪」。「指輪がどうしたんです、ご主人様?」。「天女さまが指輪をしてなかったので、てっきり独身だとばかり思っていたのさ」。「でもご主人様は独身なのに指輪をしてる」。「うむ、これか。これは49歳の時にお母さんと大喧嘩し、反省して自分で買ったのさ」。「何とまあ」。




 「これは自分からは決して裏切らないと誓ってのものなんだよマックス」。「それでお母さんと別れた後も指にはめてるのか」。「まあな」。「ところでその天女さまって?」。「それがとても素敵な人でね。抜群の距離感を持っていたのさ」。「んんん?」。「つまり初対面のレースで馴れ馴れしくもなく、かと言って冷たくもない」。「それで参ったのね。ご主人様は?」。




 「うむ。人間的にもランナーとしても実に立派な人だった」。「どうして分かるんです?」。「距離感もだが、心配りかな。それに・・」。「何です?」。「フルマラソンを走るのは普段から鍛えていると言うことだし、レースに出ると言うのは生活が安定してる証拠っていう訳」。「なるほどねえ」。「それにブログに書いてくれたコメントが素晴らしい」。「それも気配りの文章?」。「そう言うことさ、マックス」。




 「それは残念でしたね、ご主人様」。「うん。とっても残念だ。でも俺は嬉しい」。「失恋して嬉しいんですか?」。「やはり俺が思ってた通りの立派な女性だったからね」。「ふ~ん。でも淋しそう」。「あれは夢だと思って次も頑張る」。「まだ頑張る積りですか、ご主人様?」。「牛ちゃんなんか、振られても振られてもラブレターを出した」。「四四十六ですね」。「いや獅子文六の大番だ。マックス」。




 「女性ってのは実に厄介だなあ」。そう言ってマックスを振り帰った時、愛犬の姿はもうなかった。きっと天国に帰る時間だったのだろう。「変にプライドの高い人。お芝居をする人。ご主人がいるのに裏切ろうとする人。初めはその気にしておいて、いざとなると逃げる人。良いなと思った人は結婚してるし」。声は小さくなり、最後は聞こえなくなった。でも人間不信じゃないようだが。




 「可哀想なご主人様。誰か良い人が見つかると良いんだけど」。天国で男の様子を見ていたマックスがつぶやいた。「ヘックション。また誰か俺の噂をしたな」。男はブルブルっと震えながら、バラの花びらを掃除し始めた。「美しいバラも最後は散る。命短し恋せよ爺さん・・」。男が一人ごちた。風が笑いながら空を駆け抜けて行った5月下旬のある日のお話。<続く>





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Last updated  2017.05.28 04:30:07
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