マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2018.02.09
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カテゴリ: スポーツ関係
~果たして真実とは何か?~



 一昨日の夜、TVで特別番組が放送された。渦中の人、貴乃花親方に対する単独インタビューだ。インタビュアーは映画の山本晋也監督。と言うよりも今は気さくな芸能人と言った感じのおっちゃん。彼のフランクな話し方が親方の心を和らげたのか、口ぶりは慎重だったが上手に発言を引き出せたのではないか。寡黙な親方が理路整然と話し、これまで言われて来た印象とまるで違っていたことに驚いた。



 さらに驚いたのは、親方から相撲協会へは全く説明がないと言われていたのに、20通もの各種説明資料を提出されていたことだ。喚問を受けた理事会の席で配布された資料も、わずか15分ほどしか理事や評議委員の目に触れず、その直後に全て回収された。あの時知ることが出来なかった資料内容の一端が、今回明らかにされたのだ。



 あの事件当夜の状況も、協会の説明とはまるで違っていた。元日馬富士が「殺すぞ」と日本語とモンゴル語で言い、アイスピックを持ち出したことも分かった。力を以て他の部屋の力士を脅迫したのだし、モンゴル軍団を乱した不埒者を、モンゴルの3横綱が集団で懲らしめたのが明確になった。貴ノ岩の負傷は一方的な制裁で、決してあってはならないことだ。白鵬に正座させられた照ノ富士も膝が悪化した。



 協会が発表した貴ノ岩の容態は本場所に出場可能と言うもので、提出された診断書に誤解があったとの説明だった。だが今回明らかになった診断書では、「右側頭骨骨折」と「中耳血腫」の病名。頭痛、目まいが起きるほど体調が悪く、病院へなかなか行けなかったのが診断書のタイムラグの原因だ。それに頭部打撃の後遺症は後で現れることが多い。事実貴ノ岩は2場所連続で全休する羽目になった。



 高野危機管理委員長が貴乃花の調査協力拒否をなじったのも、池坊評議員会議長が理事長への不敬をなじったのもすべては個人的見解であり、法的な強制力はなかった。また協会にとって不都合でも、理事資格をはく奪した評議会の決議は、法的に正当なものではなかったことになる。この2人を含めて、評議員は全て八角理事長が推薦した人。おまけに法的な解釈と運用が間違っていたのだから恐ろしい。



 貴乃花親方の理事復帰はならなかった。また盟友錣山親方の副理事当選もならなかった。全ては旧態依然の協会を護持しようとした八角理事長側の計算通りとなった。その全てを、実は貴乃花親方は見通していたのだと思う。だから一門から別の親方を理事候補に立て、自分だけの1票で立候補したのだ。何と言う潔さ。何と言う堅い信念だろう。その親方は、神事である相撲道を自分は守るのだと言う。



 果たしてこんなことが一理事の立場で主張出来ただろうか。答えは否だ。理事長以下、コテンパンに反対され、握りつぶされたと思う。今回の暴力事件好例だ。協会の恥と問題点が明らかになれば、公益法人としての相撲協会は文科省から咎められ、公益法人から外されかねない。そうすれば多大な税金を納付する立場に変わるのだ。それだけは避けようと、理事長グループは結束した。自分達は正義だと信じて。



 さて、この特番で実態が明らかにされたことで、今後どのような進展があるのかどうか。放送局は相撲協会にも取材を申し入れているが、未だに回答はないそうだ。今後平委員に落ちるであろう貴乃花親方への批判はどうなるだろう。まさか相撲界からの追放は出来ないはず。そして肝心の貴ノ岩は、本当に再起出来るのかどうか。いずれも大きな問題だ。



 ともあれ大相撲界の闇は深く、貴乃花部屋にも闇の部分があると聞く。どこまで相撲協会の自浄作用が働くのか。貴乃花親方の理事復活がいつになったら実現するのか。そして貴ノ岩自身の幕内復帰が本当に出来るのか。それ以前に今回の放送が引き金になり、文科省から相撲協会への何らかの指導や喚問があるのかどうか。一連の事件全てが決着した訳ではないと、私は密かに思っているのだが。





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Last updated  2018.02.09 00:00:56
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