マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2019.04.23
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カテゴリ: 健康
~救急車で深夜の病院へ~



 「どうぞ」。布団の中で私は答えた。何人かの救急隊員が部屋に入って来た。そのうちの1人が私に問いかける。その一つ一つに小声で返答。本日の経過、過去の病歴、家族構成と緊急連絡先、保険証の有無、服用中の薬と「お薬手帳」、着替えの場所などだ。着替えや財布など一式をリュックに詰めてもらう。担架に乗せられて救急車へ。電気は玄関灯だけ点け、鍵を閉めてもらった。



 救急車の中で血圧を測定しながら質問に答える。通院中の総合病院の有無。「ない」と言うと、幾つかの救急病院へ連絡。揺れる車と逆方向に横たわる感覚。病院が決まった。名前は聞いたことがあるが、正確な場所は知らない。患者の意識と現状、これまでの病歴などを担当医に伝えて、受け入れてもらったようだ。頭の中に地図を思い浮かべ、救急車の現在地を推測。血圧はかなり落ちた由。



 K病院に着き、ストレッチャーでCTスキャンの撮影室へ。頭部を固定されて装置内に入る。身動きが出来ないのは辛いが、MRIの騒音が無いだけマシ。撮影後は心電図と血圧の測定。さらに心音の聴取。当直医は大学病院から派遣された若い医師だった。脳はきれいな状態で全く問題なし。心電図、心音も異常はなかった。このまま帰宅することも可能だが、念のため入院した方が安全とドクター。



 ベッドの準備が済むまで、ドクターと会話。今の状態なら、後何年も生きられる由。ただし健康診断でがん検査各種を受けること。体調が回復したら軽い運動をすること。「血圧手帳」を通院中の病院からもらって、毎日記録することが肝要と。イントネーションから島根出身と分かり、以後は島根の歴史談義に及んだ。ようやくトイレと水を飲む許可が下りた。礼を言って病室に向かう。



 2階の4人部屋で入院関係書類に記入。相棒たちは既に就寝中だ。検温と血圧測定の後、ようやく目を瞑る。だが向かいの部屋の老婆の「お願いします。お願いします」の連呼が気になる。あれはナースコールではなく多分幻覚から来るものだろう。カーテン越しに同室者の呼吸音。「ヒューヒューヒュー」。辛そうな音が気になって眠れない。



 この夜のトイレは4度。その都度水を飲んだ。「鼻呼吸テープ」を持参しなかったため喉が渇く。室温も自宅よりかなり高いせいもある。神経が昂ぶっているのに加えて、早朝には苦し気な呼吸音で目覚めた。どうやら酸素マスクが外れたようだ。そのために痰が溜まり、呼吸困難になったと後で知った。眠ったのは実質3時間程度か。遮光カーテンでないため、早々に朝の光が射し込む。ああ。



 血圧はまだ高い。ほとんど眠ってないことを看護師に伝える。朝食はとても貧相で500キロカロリーもない。7時半に院長の往診。私の表情を観て大丈夫と見たのか、退院OKの判断。退院のための書類に記入し、治療費を支払って外へ出たら見知らぬ場所だった。何とか方向を見極めてバス停まで1km以上歩く。帰宅後、お向かいのKさんにお礼と経過報告。それから長い一日が始まった。<続く>





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Last updated  2019.04.23 08:09:31
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