マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2022.05.02
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~「ウクライナ戦争(仮称)」に関するわたしの認識~



 最近の戦況についておさらいしておこう。左はウクライナの全域で、オレンジ色の部分がロシアに侵略された地域で東部から南部にかけての一帯。右は南部戦線の拡大図。マリウポリはあの製鉄所がある市。キーウから撤退したロシア軍は体制を立て直し、東部2州へ向かったとされている。ルハンシク州の9割、ドネツク州の6割をロシアが制圧したと言われて来たが、近況ではウクライナ軍が激しく反撃し、占領地を奪回しつつあるようだ。

 ウクライナ第2の大都会ハリキウもかなり破壊されたものの、ロシア軍に掌握されてはいない。キーウから東部に向かったロシア軍も途中で食い止めている模様。製鉄所があるマリウポリを包囲していたロシア軍は包囲を解いてサポリージャ経由で東部に向かい、ウクライナ軍を挟み撃ちしようと狙っているが、果たしてその作戦が成功するかどうか。



 ロシア軍が包囲を解いたことで、製鉄所の地下シェルターに潜んでいた市民20名ほどが脱出出来た。また瓦礫の中で暮らしていた8万人以上の市民は自由度が増して、少しは楽になったかも知れない。南部のサポリージャ州とへルソン州では、ロシア軍統治の下に、傀儡政権が住民投票やロシア語教育を開始したとの情報がある一方、へルソン州では住民がロシア軍に抵抗して、食料を受け取らないなど頑張っているようだ。

 武器や弾薬が尽きかけたロシア軍は、ウクライナ最大の貿易港がある南部オデーサをミサイルで攻撃し、空港と港に向かう橋を破壊したようだ。だがここでも徐々にウクライナ軍の反撃が始まると思われる。

           大破したロシアの戦車  

 ロシア軍が苦戦している理由は、初期作戦の失敗で大量の戦車、飛行機、ヘリコプター、などが破壊されたこと。同時に将軍クラスを含む大勢の兵士が戦死したことにあるが、指揮命令系統が粗末な上に、軍事通信システムをウクライナ側に傍受されたことで、制空権を未だに確保出来てないこと。食料や補給燃料の補給が当初から杜撰だったことなどが挙げられ、未だに改善を見ていない。



 一方のウクライナ軍は旧ソ連時代にロシアが開発した武器の近代化を図り、NATO(特にアメリカとイギリスの情報部門)やアメリカの通信会社の協力を得て、ロシア軍の動きを逐一把握していたことが大きい。ロシアの黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈出来たのも、正確な情報と武器の改良の結果。プーチン及びロシア軍にとっては誤算続きの「特別軍事作戦」だったのではないか。



 先月25日にドイツで開催された「ウクライナ支援会議」には40か国の国防相、高官が参加し、それまでのウクライナ支援から、ロシアの弱体化を目指す方針に大転回した。侵攻当初にゼレンスキー大統領が言った「私はキーウから離れない。ヨーロッパのために死ぬ」。誰も信じなかった言葉を、彼自身が行動で示し続けたことで、ヨーロッパとNATOの連帯がより一層深まったのではないか。



 一方、裸の王様とその家来はどうだろう。5月4日のロシア国債のデフォルトは辛うじて逃れられたが、2人が苦しい立場にあることは変わらない。脅しと詭弁が通じなくなった。国内経済は破綻寸前で、国際的な信用を失った。実はロシア軍には以前から不正が横行し、戦車などの保有数はインチキなのだ。中国同様に腐敗が蔓延して軍備品を横流ししたり、部品を勝手に売り払ったりしていた由。

 そして長く続いた恐怖政治で、独裁者に真実の情報を伝えるのが困難になっていた。都合の良い意見しか上申せず、独裁者は自分に立てつく部下や仲間を簡単に暗殺する。謀略が軍事活動の根幹と考え、自分勝手な歴史観、民族観、宗教観で、隣国に攻め入った。ナポレオンやヒットラーと何ら変わらない思い込みの人。そんな為政者に統治される国民も気の毒だが、ロシア国民の気質が「長いものには巻かれろ」、「寄らば大樹の陰」なのだ。



 「ロシアにあるのは資源と武器だけ」。その資源も世界から孤立した国では宝の持ち腐れ。武器も経済制裁にあって、今後は製造も困難になるはず。ロシアの戦争犯罪は、今後ウクライナやEUによる共同調査で精査され、国際刑事裁判所に提出されるはず。それでプーチン氏自身が逮捕されることはないだろうが、彼の怒りが今後どこに向かうかが心配だ。<続く>





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Last updated  2022.05.02 00:00:09
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