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~威嚇するあの人と国家~ ハナズオウ 5月8日日曜日は母の日。大相撲夏場所も始まった。そんな平和な日なのに、ウクライナでは激しい戦争が続いている。今日5月9日にはロシア各地で「戦勝記念日」のパレードがあるようだ。さてマリウポリの製鉄所からは500人近い市民が脱出出来たようなのが嬉しい。2月24日のロシアによる侵攻以来70日が過ぎた。多くの人が地下のシェルターに逃げ込んだ製鉄所は、当初3日で壊滅すると危惧されていたが、あの悪条件の中で良く耐え、生き延びたと思う。あの地区を完全に制圧するため、ロシアにとっては邪魔な人だったのだろう。でも外へ出るのが怖くてまだ潜んでいる市民がいるとも言われる。そして驚くことに。2千名の兵士が立て籠もっていると言う。 オデーサ港埠頭 国連の関連機関であるWFP(世界食糧計画)が、ロシア軍によって封鎖されているオデーサ港の開放を求めた。アフリカなどで飢餓の危機が迫っているためだ。ウクライナはロシアに次いで小麦の生産量が多い。その積出港オデーサが戦争のため機能していない。埠頭近くの倉庫やサイロには、2500万トンの穀物が積まれたまま。そして港に通じる橋が、ロシア軍によって破壊されている。また国内各地の農家には、出荷出来ないままの小麦が大量に残っている。こともあろうに小麦70万トンや大量の農業機械をロシア軍が略奪したと言う。一方ウクライナ軍は、ロシア黒海艦隊の揚陸艇2隻を撃沈したようだ。 ラブロフ外相 ロシアのラブロフ外相はプーチン大統領が1期目の2004年から途切れることなく外相を務めている。その彼がこともあろうに「ヒットラーにもユダヤの血が流れている」と言い放った。これにイスラエル政府が抗議し、代わってプーチン氏が謝罪に追われた。ゼレンスキー大統領がユダヤ系なのを意識しての発言だったのだろう。2つ目の問題発言は「第三次世界大戦はあり得る。核戦争回避が基本的立場ではあるが」と言いつつ、プーチン大統領の「核の準備」示唆をフォローした形だ。 バルト三国付近図 その発言を裏付けるように、先日ロシアはバルト沿岸のカリーニングラード州の「飛び地」で核兵器を搭載可能な地上発射型ミサイル「イスカンダル」の「模擬発射」を実行した。同飛び地はリトアニアとポーランドに挟まれた極めて狭い面積。ここにヨーロッパを監視するようにロシアの軍港と基地があり、イスカンダルが配置されている。ただし先日の「模擬発射」は机上の訓練で、ロシアはいつでも核兵器を発射する準備が出来ているとの脅迫だ。 不気味な別名を持つ飛行機 「戦勝記念日」のパレードに向けて着々と準備を進めているロシアの様子がニュースで伝えられている。そしてそのシンボルイリューシン80が赤の広場の上空を飛ぶ。これは別名「終末の日の飛行機」と言われ、核戦争時に使用する「空飛ぶ指令室」操縦席以外の窓は放射能と電磁波から機体を護るため、すべて分厚い部材で塞がれている。そして操縦席の真上には巨大なレーダーを戴く。この機に乗り込むのはいわゆる「核のボタン」を持つ3人。その際は当然プーチン氏も乗り込むのだろう。 同機は3機の空中給油機を従え、4日間地上に降りることなく飛び続けることが出来るようだ。同型機が4機あると言う念の入れ方。もちろんアメリカにも同様な仕様の軍用機(大統領専用機=エアホース1など3機)はあるが、バイデン大統領はそれを使用する必要があるとは考えていないみたいだ。 あれだけロシア軍に国土を破壊されながらも、ゼレンスキー大統領の闘志は衰えていない。「停戦交渉は2月23日の状態に戻してから」と主張。さらに2014年に奪われたクリミア半島も必ず奪い返すと宣言している。ロシア軍の爆撃によって破壊された鉄道や道路の補修、地雷や不発弾の処理などもあり、欧米からの支援兵器が南部や東部戦線に届くのは今月中旬ころからと言われる。それ以降ウクライナの大反撃が始まるはずだ。 一方のロシア軍は兵器、兵員、軍備品の損耗が激しく、飛行機、ヘリコプター、艦船もかなりの損害を受けているはず。だが国内では徹底的な情報操作で、大部分の国民が真実を知らないまま。だが情報部門を含む軍内部での分裂が進み、公然と戦争反対を口にする若者たちや国外へ脱出する国民が増えているようだ。誤算続きの戦況にプーチン大統領も、早く戦争を終わらせたいはず。だが「特別軍事活動」の成果を強調して来ただけに、焦りがあるように思う。 さて、最後にビッグニュースを載せておこう。プーチン氏が1年半前から腹部のがんとパーキンソン病にり患し、4月末に医師から手術を勧められていたが、今日のパレードが終わるまで引き延ばしていたとのこと。ロシアのSNS「テレグラム・チャンネル」が明らかにしたもので、イギリスの大衆紙「デーリー・メール」電子版によれば、情報源は大統領府の有力者の由。プーチン氏が甲状腺がんで3度手術を受けたことは良く知られた事実だが、今回は一時的に職を離れ、指揮権を元FSB長官のニコライ・パトルシェフ氏(70歳=右上)に委託する由。軍務経験はなく、以前から大統領の信任が厚かったそうだ。 さて、プーチン氏は抗がん剤の副作用で幻覚、躁病、統合失調症の症状を伴う障害がある模様。それで彼のこれまでの行動が理解出来た。手術後の復帰の可能性は不明。ロシア人の平均寿命は70歳で、彼は69歳。欧米もウクライナも、当然この情報を得ているはず。入院中のクーデターも大いにあり得る。さて、本日のパレード以降ロシアにどんな動きがあるか注目だ。 一方のバイデン大統領は認知症と言われながらも、良く健闘してるのではないか。無論優秀な閣僚が補佐しているお陰だが、インフレなどが影響して支持率は低いと聞く。さて、副大統領(兼上院議長)、国務長官、国防長官の3名がコロナにり患したと聞く。幸いにして症状は軽いようだ。 ユリの芽 「ウクライナ戦争」(仮称)が勃発して70日以上が過ぎた。わがブログでその話題に触れない日はほとんどなく、特集も何度か組んだ。その疲労で体調を崩した。「共感疲労」と言うようだが、かなりきつかった。ここらで少し休養を取り、気になっていたことを処理したいと思う。愛読者の皆様、ごきげんよう。ではまた。
2022.05.09
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~私が知るウクライナの戦況~ フリゲート艦「アドミラル・マカロフ」 ロシアとウクライナが戦争状態にあることは誰でも知っているだろう。この戦争の現実の姿と、今後の行方についてはなかなか判断し難いものがある。順不同だが私が知り得た情報を以下に記したい。最初はロシア軍の「黒海艦隊」の話。まだ戦争初期のころ、アゾフ海(黒海内の入り江)の港湾に停泊していた揚陸艇1隻がウクライナ側によって撃沈された。他の2隻も多大の被害を受け、大量の戦車が海中に没した。これでオデーサへの上陸作戦が事実上困難になったと思われる。 次に2隻の哨戒艇が撃沈。さらに黒海艦隊の旗艦「モスクワ」が撃沈。レーダー2基を有するミサイル巡洋艦で、ロシア側が受けた衝撃は大きかったはず。つい最近フリゲート艦「アドミラル・マカロフ」(上)が撃沈。対艦巡航ミサイル「ネプチューン」は元々のロシア製を、ウクライナが改良。黒海艦隊の敗因は油断。2014年のクリミア併合以降ロシアは油断し、ウクライナは戦略や兵器の改良を重ねた。無論欧米の情報提供も大きく作用した。 爆発炎上するロシアの施設 次にロシア国内で起きている「怪現象」について触れたい。ロシア国内の15か所ほどで、爆発事件や大規模な山火事が起きている。対象施設は軍関係、薬品会社、教科書会社の倉庫、天然ガス貯蔵庫、空港施設など多岐にわたっている。位置はウクライナ国境付近から、極東のウラジオストックまで及んでいる。ウクライナ軍による攻撃より、プーチン体制に不満を持つ情報部員や軍関係者の犯行。軍部の腐敗は著しく、戦車の在庫数と実態が合わない。部品を売り払って安い中国製のものにすり替えたりは日常茶飯事。不正がばれたら処罰されるための証拠隠滅だ。これは中国国内でも良くある。 ミサイルで攻撃されたロシアの作戦本部 今月上旬。ロシア軍の作戦会議がウクライナ東部イジュームの学校で開催。その情報を察知したウクライナ軍がミサイルで集中攻撃。400名中司令官を含む200名を殺傷した模様。ゲラシモフ参謀総長も参加していたようだが、午前中に帰国し難を逃れた。これで20名いるロシアの将軍のうち12名が戦死したことになる。なぜ軍の幹部が400名も1か所に集まるのか。これも自軍が有利と信じている油断。 決定的なのはロシア軍の戦法の古さ。第2次世界大戦当時の陸軍の方式を未だに守っているため、ウクライナ軍は予測して堅牢な陣地を構築している。そしてロシア軍は兵士と武器の損耗が激しくて苦戦。新たな補充兵は経験不足で、多数の将軍や司令官が戦死したため、軍としての意思統一が出来ない。軍事通信機器が行き渡らず、トランシーバーなどでの連絡はウクライナに筒抜けなのだ。 東部・南部戦線 一見ロシア軍が圧倒的に支配してるように見えるがロシア軍の兵器と兵士の損耗が激しく、欧米から新たな武器が提供されるウクライナは今後戦況を逆転しそうだ。ロシアはその補給路を断つべく、鉄道や主要道路、ドニエプル川に架かる橋などを攻撃破壊しているが、精度が低いミサイルしかないため決定的な損害を与えられず、ウクライナは今後補修しながら激戦地の東部に向かうはず。 これはウクライナの南西にあるモルドバ。その一部に「沿ドニエストル共和国」と呼ばれる傀儡国家がある。最近ここで「偽旗作戦」があった。ウクライナの攻撃で電波塔が破壊されたと主張したが嘘。ここはロシア人が多く、プーチンが勝手に作った共和国。ウクライナ南部のロシア支配地とここを繋ごうとの意図をウクライナが許すはずがない。 逆にモルドバはウクライナに200名の工兵部隊を派遣する意向。全体で6千人しかいない小さな軍隊。工兵部隊はロシアと戦うためではなく、ロシアがキーウ付近に埋めて行った地雷や不発弾所処理のため。ヨーロッパで一番貧困な国が多数のウクライナ難民を受け入れただけでなく、ウクライナの復興に寄与しようと懸命なのだ。 先ごろポーランドはベラルーシ国境近辺で軍事演習をした。それに伴ってベラルーシは自軍をポーランド国境付近に向かわせた。戦うためではなくその逆。ロシアと軍事協定を結んでいるが、ルカチェンコ大統領はウクライナと戦いたくないのが本音。それで自軍をロシアから遠ざけたのだ。そしてウクライナの義勇兵となったベラルーシの若者。さらにベラルーシとロシアの列車運行を妨げるネット義勇軍もいる。明日5月9日はロシアの戦勝記念日だが、さてロシアはどう動くのか。<続く>
2022.05.08
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~ウクライナ侵略に関する私の想い(1) 昨年の8月。国後島から北海道オホーツク海沿岸の標津町へ泳いでたどり着いたこの人を覚えていますか。名前はワ-スフェニクス・ノカルドさんで39歳でした。何十kmあるのか知らないけど、本当にそんなことってあるんだろうか。ひょっとしてロシアの工作員じゃないの。と私は疑っていました。ゴムボートくらいは持ってたんだろうか。確かほとんど無装備状態での上陸だったように思います。 彼は地元民に通報され、直ちに保護。その後入管施設に収容後取り調べを受け、昨年10月に仮放免後難民申請をしていた由。今回共同通信の取材に答えて言うのには「やはり亡命して正解だった。もし現地に残っていたら、戦地に送られていたと」。彼は専制的なプーチンに嫌気がさし、強権体制のロシアから脱出したかったようです。あの頃北方領土ではロシア軍の軍事演習が行われていましたね。 8月とは言え、冷たいオホーツク海を泳ぐのは命懸けの行為。そして彼の言葉が今頃になって良く分かるのです。実はロシアの極東に近い地方から、全く事情を知らないままにウクライナの前線へ送り出された若者が大勢いるのです。中にはウクライナで初めて「トイレ」を見たと言う極貧の若者も。碌々訓練も受けずに戦場に向かわされた兵士の死体が2万体もバイカル湖畔に埋葬された由。そのことをほとんどのロシア人は知らされないままです。 そしてロシア軍の侵略で捕らえられたウクライナ人は収容所で選別され、無害と認定された男はシベリアや極東の地に強制的に送られたのです。そして大勢の戦争孤児はロシア人の養子とされたようです。どれもみな人道に反する戦争犯罪。それをロシアは正義の戦いと称しているのです。 すっかり有名になったマリウポリの製鉄所。一般市民とウクライナ兵が閉じ込められてから70日ほど。そのうち助かった市民はごくわずか。ロシアが唱える「人道回廊」の設置は、世界に対するポーズだけ。約束が守られたことはほとんどないのです。今は生存している市民も兵士もごくわずか。製鉄所は連日の爆撃で無残な姿に変貌し、構内をロシアの戦車が「獲物」を捜して走り回っています。 ロシア軍と言ってもここに駐屯してるのはチェチェンのゲリラ兵。そのうち300名は初期段階に徒歩で祖国に帰りました。ロシア人の上官が彼らを「弾除け」代わりにしたためです。今も上官の命令に従わない兵士は銃殺される由。元々44万人いた市民は8万人ほどまでに減りました。 ロシアはウクライナ東部から南部にかけて占領し、両軍が激しい戦いを続けています。さてリナト・アフメトフ氏はウクライナ一の大金持ち。いわゆる新興財閥「オルガルヒ」の一人で、あの「アゾフスタリ製鉄所」も彼の資産の一部。かつてはソ連に属し、ロシアとの貿易で儲けていました。だがウクライナが自由経済となって以降は、ロシアとの取引額は5%程度で、後はヨーロッパや世界が相手です。 彼はロシアのクリミア併合で資産を没収され、今回の侵攻でも大きな被害を受けました。ロシアは占領地の住民のロシア化を図っていますが、多分不成功に終わるはず。彼はウクライナ政府に代わって住民に私的な年金を支給し、教育、医療、娯楽など様々な福祉を実践しているのです。親ロシア地区にも彼のようにウクライナを愛する財閥がいて、信頼を勝ち取っているのです。ロシアはきっと負けるでしょう。 マリウポリ市から命からがら逃れて来た家族の話を3組ほどニュースで知りました。いずれも奇跡的な脱出。勇気と決断と運が味方したケースばかりです。途中10数か所のロシア軍検問所を知恵を働かせて突破。酔っぱらっていたり、若い兵士でマリウポリ市での戦況を知らなかったりと偶然が重なってのこと。まさに「奇跡」の物語ばかりでした。それにしてもロシアの不実と残虐行為には呆れるばかりです。<続く>
2022.05.07
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~「ウクライナ戦争(仮称)」に関するわたしの認識~ 最近の戦況についておさらいしておこう。左はウクライナの全域で、オレンジ色の部分がロシアに侵略された地域で東部から南部にかけての一帯。右は南部戦線の拡大図。マリウポリはあの製鉄所がある市。キーウから撤退したロシア軍は体制を立て直し、東部2州へ向かったとされている。ルハンシク州の9割、ドネツク州の6割をロシアが制圧したと言われて来たが、近況ではウクライナ軍が激しく反撃し、占領地を奪回しつつあるようだ。 ウクライナ第2の大都会ハリキウもかなり破壊されたものの、ロシア軍に掌握されてはいない。キーウから東部に向かったロシア軍も途中で食い止めている模様。製鉄所があるマリウポリを包囲していたロシア軍は包囲を解いてサポリージャ経由で東部に向かい、ウクライナ軍を挟み撃ちしようと狙っているが、果たしてその作戦が成功するかどうか。 ロシア軍が包囲を解いたことで、製鉄所の地下シェルターに潜んでいた市民20名ほどが脱出出来た。また瓦礫の中で暮らしていた8万人以上の市民は自由度が増して、少しは楽になったかも知れない。南部のサポリージャ州とへルソン州では、ロシア軍統治の下に、傀儡政権が住民投票やロシア語教育を開始したとの情報がある一方、へルソン州では住民がロシア軍に抵抗して、食料を受け取らないなど頑張っているようだ。 武器や弾薬が尽きかけたロシア軍は、ウクライナ最大の貿易港がある南部オデーサをミサイルで攻撃し、空港と港に向かう橋を破壊したようだ。だがここでも徐々にウクライナ軍の反撃が始まると思われる。 大破したロシアの戦車 ロシア軍が苦戦している理由は、初期作戦の失敗で大量の戦車、飛行機、ヘリコプター、などが破壊されたこと。同時に将軍クラスを含む大勢の兵士が戦死したことにあるが、指揮命令系統が粗末な上に、軍事通信システムをウクライナ側に傍受されたことで、制空権を未だに確保出来てないこと。食料や補給燃料の補給が当初から杜撰だったことなどが挙げられ、未だに改善を見ていない。 一方のウクライナ軍は旧ソ連時代にロシアが開発した武器の近代化を図り、NATO(特にアメリカとイギリスの情報部門)やアメリカの通信会社の協力を得て、ロシア軍の動きを逐一把握していたことが大きい。ロシアの黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈出来たのも、正確な情報と武器の改良の結果。プーチン及びロシア軍にとっては誤算続きの「特別軍事作戦」だったのではないか。 先月25日にドイツで開催された「ウクライナ支援会議」には40か国の国防相、高官が参加し、それまでのウクライナ支援から、ロシアの弱体化を目指す方針に大転回した。侵攻当初にゼレンスキー大統領が言った「私はキーウから離れない。ヨーロッパのために死ぬ」。誰も信じなかった言葉を、彼自身が行動で示し続けたことで、ヨーロッパとNATOの連帯がより一層深まったのではないか。 一方、裸の王様とその家来はどうだろう。5月4日のロシア国債のデフォルトは辛うじて逃れられたが、2人が苦しい立場にあることは変わらない。脅しと詭弁が通じなくなった。国内経済は破綻寸前で、国際的な信用を失った。実はロシア軍には以前から不正が横行し、戦車などの保有数はインチキなのだ。中国同様に腐敗が蔓延して軍備品を横流ししたり、部品を勝手に売り払ったりしていた由。 そして長く続いた恐怖政治で、独裁者に真実の情報を伝えるのが困難になっていた。都合の良い意見しか上申せず、独裁者は自分に立てつく部下や仲間を簡単に暗殺する。謀略が軍事活動の根幹と考え、自分勝手な歴史観、民族観、宗教観で、隣国に攻め入った。ナポレオンやヒットラーと何ら変わらない思い込みの人。そんな為政者に統治される国民も気の毒だが、ロシア国民の気質が「長いものには巻かれろ」、「寄らば大樹の陰」なのだ。 「ロシアにあるのは資源と武器だけ」。その資源も世界から孤立した国では宝の持ち腐れ。武器も経済制裁にあって、今後は製造も困難になるはず。ロシアの戦争犯罪は、今後ウクライナやEUによる共同調査で精査され、国際刑事裁判所に提出されるはず。それでプーチン氏自身が逮捕されることはないだろうが、彼の怒りが今後どこに向かうかが心配だ。<続く>
2022.05.02
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~次第に明らかになりつつある戦争の実態~ 木曜日の早朝に起床以来、40時間ほど眠れていません。10分ほど転寝しただけ。木曜の夕食後に食べたのは、バナナ1本、オレンジ半分、ミニチーズ2片。レーズン少々。飲み物は水、コーヒー、ココアなどを飲んでいます。薬も飲んでいるので、血圧も正常と言えるでしょう。そんな状態で30日分のブログの原稿を書こうとしています。前書きはこれくらいにして早速本題に入りましょう。 モスクワではプーチンの「詭弁」を聞くだけで終わった、グテレス国連事務総長が28日にウクライナを訪問。早速キーウ郊外のブチャで起きたロシア軍の残虐行為の痕跡を視察しました。そして感想を漏らします。「戦争こそ最大の犯罪だ」と。ウクライナが置かれた現実を知っての実感だったのでしょう。ニューヨークにいては分からなかった戦争の実態が、ようやく現地で理解出来たのです。 この後、キーウの大統領府でゼレンスキー大統領に対面します。これは公式の明るい場所でのこと。大統領は南部の都市マリウポリで耐え忍んでいる市民と、2か月以上も製鉄所の地下シェルター内に避難している市民と兵士の救出に国連が尽力して欲しいと訴え、事務総長は「必ず救出します」と明言。私は夢に終わると、その時感じていました。ところが「奇跡」が起きそうなのです。 海岸部にある製鉄所は、周囲をロシア軍に包囲されています。ロシア軍による昼夜にまたがる攻撃で、いつ陥落してもおかしくないと言われて2か月経ちました。それでも頑張っています。水も食べ物も薬もなく、傷ついた兵士や高齢の市民、幼い子供たちが亡くなっています。洗濯しても1週間乾かないそうです。製鉄所への攻撃をプーチンが中止させたことがありました。その夜ウクライナ軍のヘリコプターが密かに近寄り、敷地内に食べ物、飲み物、若干の薬を投下出来、命が少しだけ延びたのです。 侵攻当初のキーフ攻略ではロシア軍が大敗しました。大量の飛行機、ヘリコプター、戦車、装甲車などを失い、大勢のロシア軍兵士が戦死しました。その腹いせに残虐行為をしてベラルーシに逃げ帰ったのです。そして隊列を編成し直して東部のルハンシク、ドネツクに向かわせました。ロシア国内から新たな兵力も追加したと言われています。南部ではクルミア半島から侵攻したロシア軍が優勢で、マリウポリはその典型でした。 ところがロシア軍の内情が分かって来ました。戦車部隊を先頭に、歩兵、砲兵が後に続きます。そして将校や将軍も同行します。第二次世界大戦の戦法を未だに採っているです。ところがウクライナ軍は最新の情報を欧米から得て、部隊の場所を特定し待ち伏せ攻撃。ロシアの通信機能は破壊され、総司令官もプーチンもモスクワにいて、最前線の状況を知らずに突撃命令を出すだけ。 完全制覇を目指した東部の2州も、ロシア軍の勢いが出ません。理由は簡単。モスクワが戦況を正しく把握していないためです。もう兵器や弾薬が底を尽いているのです。ロシア国内での通信をウクライナが傍受したところ、ロシア軍の戦死者が25900人に及ぶことが判明。負傷者はその3倍にはなるでしょう。そして一度恐怖を味わった兵士を戦場に送っても士気が上がりません。おまけにロシアは地方から訓練期間の短い若者を招集したり、旅団同士の連絡が全くない状態。 一方ウクライナ軍は士気が高く、欧米から支援用の兵器が続々届くようになりました。中にはウクライナの戦況に合わせた新兵器も含まれています。ロシア軍の装備は初期の敗北で極めて貧弱。最初にミサイルを使い過ぎて、不正確な攻撃しか出来ません。そしてウクライナには米英の特殊部隊が指導し、人工衛星からの情報と合わせて、確実に敵を追い込んでいます。最近ロシア国内の軍施設や補給所などで火災が相次いでいるのも、これまで防衛に徹していたウクライナが反撃に出たようです。 ドネツクのロシア軍幹部は5月9日の「戦勝記念日」の式典を現地で行うのは無理と表明しました。また南部のマリウポリを包囲していたロシア軍は西北方向のサポリージア方面に転戦し始めたようです。その隙にウクライナ軍が製鉄所の避難民や、市内の地下シェルターで暮らしている市民を救済出来る可能性が高まりました。南部での戦闘も、多様で潤沢な武器を要するウクライナ軍が制圧しそうな気配です。 この人はヴォロブエムさん。ロシアのガスプロム銀行の副総裁でした。だが、前任者が家族共々暗殺されたことや、彼がウクライナ出身であることからロシアを捨て、このほどウクライナの国土防衛隊への入隊を決めた由。祖国の現状をモスクワから悲痛な思いで見ていた由。そして彼のような「オルガルヒ関係者」がプーチンによって次々に粛清されて行くのをみて決断した模様。 それも欧米の策略みたいです。オルガルヒ関係者でも制裁の対象にする人と彼のようにしない人がいると、疑い深いプーチンはこれは裏切り者かと疑心暗鬼になって抹殺するのです。怖いですなあ全く。 そんな訳で、5月9日の戦勝記念日に、独裁者が「勝利宣言」をするでしょう。だが戦争の実態を知らない多くの国民は、何の疑いもなく祖国の「勝利」を信じるでしょう。 怒った独裁者は「核の使用」をチラつかせていますが、今ではNATOもその脅しに乗らなくなりました。国連のグテレス事務総長は6月には食糧援助を開始したいと表明。バイデン大統領はウクライナへのさらなる支援のための追加予算の編成を表明しました。それらの状況を今中国はどんな思いで見つめているのでしょう。下手に領土的野心を出せば、世界からどんな仕打ちを受けるか、ロシアの現状を見て思い知ったはずです。さて、文章はちゃんと書けたかな。ではまた。
2022.04.30
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~プーチンの虚勢~ 水曜日の夕方、あることに気づいて焦りました。午前中は穏やかだったお天気が、午後から強烈な西風。あっ、これは大変。そう思って和室の窓に近づいてビックリ。網戸を開けていたことをすっかり忘れていました。窓の溝を触ってみるとやっぱり。黄砂です。確かにテレビで黄砂のことを話していました。だが午前中の穏やかな天気に喜び、通風のため3か所の窓を開けていたのです。 慌てて閉めてももう遅い。黄砂はともかくとして、怖いのは黄砂に引っ付いて飛んで来たPM2.5。とても微細な粒子で、人間にとっては猛毒。それが肺の奥まで入ったら最悪の場合、炎症を引き起こすでしょう。それで木曜日は朝食後から大掃除に取り掛かりました。先ずは2つの和室に掃除機をかけ、ついで2階の3部屋と書斎コーナーに掃除機。階段とフローリング部分はレンタルのモップ掛け。 それが終了後、ようやく布団と洗濯物を干し、1階の廊下、洗面所、クローゼット、キッチンをモップ掛け。全てのマット類は外へ出し部屋帚の柄で叩いて埃を落とし、トイレとキッチンの床を雑巾で水拭き。それが終わってからようやく居間を掃除機で掃除。全ての部屋とコーナーはマスクをしながら「はたき」で埃落し。最後に掃除機のゴミを捨て、掃除機とモップのゴミと埃掃除。全部で6時間ほど。他にもやることがあるのですが、翌日やることにして終了。良く頑張り、掃除機のゴミの量は新記録でした。 しかし酷かったですねえ。グテレス国連事務総長とプーチン氏の会談。言葉は慇懃無礼でも威圧感溢れる表情。今回の侵攻は「国連憲章」に従ってのことと詭弁の連続。グテレス氏の停戦調停など馬耳東風。別の場では核兵器の使用をちらつかせ、マリウポリの人道回廊設置は、ロシアが設置してもウクライナが守らないと、いつもの論調。北京冬季五輪出場の少女たちに見せた表情とは大違いでしたね。 そのマリウポリ市でロシア兵が行った残虐行為が次々に明らかになって来ました。滅茶苦茶な空爆で亡くなった大勢の市民を大型車で郊外の村3か所に移動させ、予め掘っていた巨大な穴に隠したことが判明。それらの殺され方が残虐過ぎて、とても書くことが出来ません。また証拠隠滅のため、移動式の焼却車で遺体を焼いた形跡もあるよし。女性や子供をロシアに拉致。男性は識別の上、ロシアに無害な者はロシア国内各所に移送。中には極東に送られたウクライナ市民もいます。 ロシア軍に抵抗する市民は東部の2州に兵士として送り、ウクライナ人同士を戦わせるなど、悪魔の所業です。南部の他のロシア占拠地では傀儡自治体を作って人民のロシア化を進め、これに対して必死に抵抗するウクライナ人もいて、混とん状態が続いています。 一説によれば、ロシア軍は2月24日の侵攻以来、既に戦力の4分の1を失ったと言われています。これは少ないようですが、大変な数。ロシアがウクライナ国内に放った傭兵(軍事会社ワグネル、チェチェンやシリアの過激派など)の4割が既に戦死したとも言われています。東部2州での激戦が始まりロシアが優勢にあるようですが、欧米からの大量の兵器が到着すると、戦況は大きく変化するでしょう。 アメリカの国務長官と国防長官がキーウを電撃訪問してゼレンスキー大統領と会談し、ポーランド国内で記者会見。その場所はNATOの米軍基地の倉庫内。絶対安全な場所で、背後には米国からウクライナに供与される大型で大量の「物品」が「包装」されたままの状態で写っていました。ゼレンスキー大統領は、ウクライナにはケーキやスイーツは不要。もし土産をくれるなら兵器が欲しいと断言していました。きっとそれを守ったのでしょう。2人の長官が乗った特別車両も見ましたが、なかなか豪華な内装。激しい戦時下の中、ロシアの攻撃も予想される中、あの豪華な客車で無事往復したのです。 アメリカの国防長官がドイツでNATO加盟国の首脳と会談しました。そこで長官が言いました。「ウクライナは必ず勝てる」と。それを聞いたドイツの女性防衛相は早速戦車の供与を決めたようです。それまではビビった首相がドイツへの影響を心配して何の反応もしなかったのです。そのためゼレンスキー大統領はドイツの首相のキーウ訪問を断った経緯があります。 EUの女性は強いですね。事務局長も女性。スエーデン、フィンランド、モルドバの首相も女性。特にモルドバの首相は「鉄の女」と呼ばれ、国内にあるロシアの傀儡政権「沿ドニエステル共和国」の「偽旗作戦」にも不動の姿勢。EU内の最貧国と言われるモルドバが、大勢のウクライナ難民を快く迎えたのです。その難民が少しずつウクライナに帰国しているみたいです。 今ロシア国内で幾つかの異変が起きています。軍の施設や研究所、空港、ガスタンクなどで次々と火災が発生しているのです。ウクライナの工作ではなく、ロシア国内の反プーチン派の仕業でしょうか。ロシアと軍事協定を結んでいる旧ソ連時代からの友邦5か国が、どこもプーチンのウクライナ派兵の要請を無視しているのです。プーチンの恐怖政治が通じないのです。きっと自由主義陣営の対ロシア経済制裁の本気度を見たせいでしょうね。ロシア国債のデフォルトが近づきつつあります。 ロシア国内では猛烈なインフレと物価高が続き、失業率が高まっています。ロシアはポーランドとブルガリアへの天然ガス供与停止を宣告して脅かしましたが、両国はその脅しに乗らず、逆にロシアからの供与を拒否しました。それを知ったEUは別ルートでの両国へのガス供与を検討する由。大統領がプーチンと仲良しのベラルーシでは、ウクライナ侵攻に反対する有志が、ある作戦を決行中です。それは人を殺さず、両国の列車運行システムに侵入して、邪魔をすることです。それで両国の物流の停滞を起こすのです。 今回のロシアの気違いじみた侵略に対して、様々な形で反対運動と抵抗が続いています。思うように作戦が進まないことに苛立ったプーチンは、中でも日米政府の行動に激怒し、両国への破壊工作実施を明言しています。怖いですねえ。自らの暴走が招いた結果であることを、全く認識していないのです。そんな為政者を戴く国民も、同時代に生きる我々も大迷惑。この記事は全て自分の記憶だけで書きました。もしも事実誤認がありましたらお詫びします。同時にご自分でも「一体何が真実か」をご確認ください。<続く予定>
2022.04.29
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~舞台裏では(1)~ *写真は文章と無関係です トルコと言う国は誰でも知ってるだろう。2つの海峡を隔ててアジアとヨーロッパに跨る国家。アジアで唯一NATO加盟国でもある。エルドアン大統領は時の人。ウクライナに武器供与をする一方、ロシアとウクライナの停戦の仲介をするなど大忙しなのだ。そのトルコの空港に中国の空軍機が立ち寄って何度も給油を受けた由。それが1度に6機で、4回ほど往復したとの情報がある。 行き先はセルビア。解体した旧ユーゴスラビアの一国で、国名が示す通りスラブ系民族。NATOには加盟しないと断言している。さて中国空軍機は一体何を運んで来たのか。どうも大量の兵器のようだ。恐らくはロシアに運ばれるはず。中国から直接ロシアへの武器提供は出来ないが、秘密裡に迂回しての協力。中国はばれないと考えているのだろうが、欧米の情報機関はほぼ正確に事態を把握している。 さてトルコは今注目される立場にあるが、良い恰好をしてるその陰で同時にトンデモナイことをしている。クルド人への攻撃だ。クルド人はトルコ、イラン、シリア、イラクの山岳地帯に住む少数民族。それでも2千万人ほどの人口があるだろうか。第二次世界大戦後、勝利した列強が勝手に国境を定めたため、4つの国の山奥で暮らし、それぞれの国家から迫害を受けている気の毒な民族だ。 ウクライナの悲劇については何度も書いたので、詳しくは書かないが旧ソ連に組み込まれたり、独立した後もロシアから強い圧迫を受けるなど苦難の道を歩んで来た。特に東部の2州においては親ロシア派の一部住民がロシアの後ろ盾を受けて、長く内戦状態にあった。あれは何年前になるか、オランダからマレーシアに向かうマレーシア機が撃墜された事件があった。機はこの地区の危険性を認識してなかった。 乗客は休暇を楽しむためマレーシアに向かったオランダ人がほとんど。墜落の原因は不明だが、親ロシア派が撃ったミサイルだろうと推察されている。今回の侵攻で東部2州の一部はを、ロシアは勝手に2つの独立国として承認した。その前にはクリミア半島を不法に占拠し、自国の領土にしている。プーチンの頭の中には「停戦」の2文字はなく、あるのはただ「領土拡張」の4文字だけだ。 今回国連のグテレス事務総長がロシアを訪問した。ラブロフ外相はにこやかに対応したようだが、それ以前に彼はトンデモナイことを口にしていた。「第3次世界大戦はあり得る。核戦争回避がロシアの基本的な立場だが、ウクライナに武器を提供し続ける欧米を暗に批判。外相の彼にさ大きな権限はない。プーチンの代弁者として記者会見に臨んだだけの話。 その後グテレス氏はプーチン大統領とも会談し、ウクライナとの停戦を切り出したようだが、プーチンの反応は鈍かったようだ。マスコミの報道によれば、マリウポリの製鉄所に避難している市民の救出を図るため一時的に停戦する「人道回廊」の設置をプーチンが了承したと聞いて驚いた。あの残酷無比な彼がねえ。でも私は全く信用していない。5,6度予告された人道回廊が成立したためしがないためだ。 それどころかロシアが占拠中の南部の幾つかの都市では、ロシアが任命した傀儡の市長が、既に学校でのロシア化を実行している。また相当数のウクライナ国民をロシア国内に移住させ、遠くは樺太(サハリン)に送ったり戦争孤児をロシア人の養子にする計画を進めている。また一部の男性を選別して東部戦線に駆り出し、ウクライナ人同士での戦闘を企図するなどまるで鬼のような所業だ。 ただしゼレンスキー大統領やウクライナ政府の認識に首を傾げる事態も幾つか起きている。大統領が米国議会においてリモートで行った演説では「真珠湾攻撃」の話が出たり、先日更新された政府の公式アカウントで、昭和天皇の肖像をヒトラーやムソリーニの肖像と一緒に並べた。つまり戦争犯罪人と言う見解。ただちに外務省が抗議して肖像を削除させたが、事程左様に日本に対する評価が低いのが現実。 2月24日の夜に始まった「ウクライナ戦争」。EUにとっては遠い国の出来事だったのが、数日後にはその認識が激変する。ゼレンスキー大統領が「私はヨーロッパのために死ぬ」と言い切ったためだ。ウクライナはヨーロッパの身代わりになるとの宣言だ。そしてそれから数十日後には「ロシアの侵攻はウクライナだけに終わらない」とも断言した。自らの死を覚悟した元喜劇俳優が、一世一代の芝居を打った。 その後ヨーロッパはどう変わっただろう。ゼレンスキーが断言したように、狂気じみたロシアの戦争犯罪が、世界の人々の心を凍り付かせた。国外に逃れたウクライナ国民は650万人。わずか2か月間で国民の約6分の1が消えた。それは戦争を仕掛けたロシアも同様。祖国の残虐な行為を知った30万人もの人々が国を捨てた。良く知られた事実だが、改めてブログに記した。<続く>
2022.04.28
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~プロローグ・序章~ 爆裂キャベツ 私のブログは当日の午前0時に公開するよう予約しています。でも昨日は公開後3回ほど書き加えました。一度に書けなかったためだし、体調の都合もありました。じれったいでしょうが、一度に読みたい方は夜訪れると良いでしょう。今回もそんな方式で編集する積もりです。それでも膨大な時間を要します。書きたいことはたくさんありますが、時間と体調が許すかどうかが問題です。 昨日は久しぶりに畑仕事をやりました。ほんの少しだけ草を抜いて泥ネギを植え、爆裂キャベツを2個収穫しました。雨が降る前にちょうど良いと思ってのことです。午後はネットで検索後、料理を作りました。写真は撮ってませんが、久しぶりのカレーです。他にもおかずがあるので、暫くは飢えずに済むでしょう。でも気温が上がるこれからは、食品が傷みやすくなるので要注意。勿体ないですからねえ。 このシリーズでは「ウクライナ戦争」(仮称)のことを主なテーマにします。それに日常のこともアクセント代わりに添えるかも知れません。プーチンの妄想から始まった今回の戦争。大変なことになっていますね。世界の経済活動、社会活動にも大きな影響を及ぼしています。戦争の行方は見えませんが、私はウクライナが勝利すると確信しています。ロシアの内情はガタガタなのが実際の姿です。 そのことについて実例を上げて記そうと思います。なお添付する写真は内容と無関係のものも登場します。写真を選んでいる暇もないのです。私が撮った自宅や近所の風景などが出て来ますが、気にしないで流してください。大切なのはウクライナの平和と安定です。そしてロシアにも正常な日々が戻って欲しいと願います。プーチン=ロシアではないからです。第1回はこれで終わるかも知れません。ではまた。<続く>
2022.04.27
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~花曇りの土曜日 土曜日は曇天だったが朝から洗濯気を回した。布団カバーや、掛け布団に縫い付けたバスタオルなどを洗う気になったのだ。風もあって気温も高く、洗濯物はきれいに乾いた。だが一人で布団カバーに布団を突っ込むのが大変。 わが東北楽天は西武ライオンズとのデーゲーム。見事逆転勝ちして首位を守ったが、県内の新型コロナの感染者数が増えているのが気がかりだ。用心しないとね。 プーチンさんがショイグ防衛相と対談してる姿を見た。右手はテーブルを掴んだまま。そして体は硬直してるように見える。一方のショイグ氏は心臓病と伝えられていたが、どうやら毒を盛られたようだ。戦況が思わしくない責任を取らされたのだろう。プーチン氏を見限って外国に逃亡したオルガルヒ関係者が逃亡先で家族ごと死んだ。他にも彼から離れた関係者が何人も消されている。 情報機関出身の大統領は、相手を威嚇し、攻撃し、徹底的に追い込む。割と仲良しだったドイツのメルケル前首相がモスクワを訪ねた際は、会見場に大きな犬を入れたようだ。メルケルさんが大の犬嫌いと知ってのこと。相手の弱点を突き、ビビらせてコントロールする極悪人。 そのプーチン氏を国連のグテレス事務総長が26日に面会し、停戦と和平を勧めるようだ。28日にはウクライナのゼレンスキー大統領を訪問して、会談の予定。他にトルコのエルドアン大統領もプーチン大統領とゼレンスキー氏をトルコに招いて停戦協議を仲介する意向を示した。フランスの大統領選は、マカロン氏が決選投票で野党党首を下しそうだ。女性の野党党首はロシアとの外交を復活すると宣言していたが、国民の支持は得られなかったようだ。 撃沈された「モスクワ」 ロシアの発表で知る限り、戦況はロシア有利に聞こえるが、実際はそうでもないみたいだ。ミサイル巡洋艦「モスクワ」の撃沈や航空機、ヘリコプター、戦車、軍用車両などの損害は著しく、ついうっかり政府系の通信社がロシア兵13414名が戦死と伝え、後日慌てて記事を削除した模様。だが軍事評論家の見立てでは、出兵した19万人のうち6万人ぐらいが「損耗」したと推測される旨。だから東部戦線や南部戦線でも今後ウクライナの猛反撃が在り得る由。 20人いるロシアの将軍のうち、7,8名が戦死し、下士官クラスも40名が戦死していると言われる。また南部のマリウポリ市で虐殺したウクライナ国民の遺体を大型軍用車でマリウポリ郊外の村に穴を掘って埋めたことが米国の衛星写真で確認されている。約9千人と言われるが、瓦礫の下には2万人ぐらいが閉じ込められ、まだ10万人近い市民がロシア軍の監視下で暮らしているのだ。 上念司氏 私のウクライナ関係の情報はテレビの報道番組に出演する専門家の意見に拠っている。またyoutubeでは経済評論家である上念司氏のチャンネルを参考にしている。氏のチャンネルは原則毎日更新され、最新かつ正確な情報が得られる。彼が各種のニュースソースを確認するのみならず、原稿は各分野の専門家のチェックを受けている由。他にも極力その道の専門家の分析を参考にして、ウクライナの戦況と世界の反応に留意している積もり。普段はそれらの細部については書かない。疲労が激しいためだ。 陸揚げされた漁船 ウクライナ戦争勃発のために遅れていたロシアとの今年の「サケマス漁業協定」が、先日リモート方式で妥結した。出漁は5月1日に解禁。漁獲量は昨年より少なめで、ロシアへ支払う「協力金」も2億円前後。最近は海水温が高く、北の海でも異常が起きている。青森県八戸港の「スルメイカ」などは全くの不漁で、代わって太刀魚など南方の魚が増えたそうだ。これで地震が起きたらもっと大変だね。
2022.04.24
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~身勝手な言い分~ この人がかなり怒っているみたいだ。理由は簡単。自分が起こした「特別軍事作戦」が思うように行かないからだ。あのねえプーチンさん。自分が戦争を仕掛けておいて、旗色が悪くなったから怒るのは、なんか違うんじゃないの。って、そう思うよねフツーの人なら。でも情報が完全に統制されているあの国や、C国、北の将軍様の国じゃ、客観的な見方は出来ないんだろうねえ。 最近怒りの度が増した原因は明白。首都の名を冠したミサイル巡洋艦が、なんと警戒もしてなかったウクライナが開発した対艦ミサイル2発に撃沈されたため。それを火災が起きただの、曳航中の悪天候で難破したが、乗員は全員退避させたとか弁解していた。だが隠し切れなくなり、ようやく撃沈されたことを認めた。「モスクワ」はロシア海軍でわずか3隻しかないミサイル巡洋艦の1隻。 しかもウクライナを封じ込めて黒海からの通運を遮断。だが950億円以上の価値がある艦が海の藻屑と消えた。同艦は2基のレーダーでウクライナ南部および東部の制空権を保持し、長距離ミサイルでウクライナの都市を破壊していた。それが轟沈で戦況が一変し、今後の作戦に大きく影響しそう。激オコのプーチン氏は、ドボルニコフ総司令官にウクライナせん滅を命じた由。 アントノフ124輸送機 今回のウクライナ侵攻でのロシアの作戦は2通りあり、A案では4時間でキーウを陥落させてゼレンスキー大統領を退陣に追い込むと言うもの。B案はAが不可能になった場合3日間で実行するもの。結果的には3日どころか50日経ってもウクライナは降伏しない。ロシア軍はキーウから撤退する際、報復に世界最大の輸送機を破壊し、大勢の住民を虐殺して逃げた。ジェノサイドと言われる所以だ。 記念切手 これはロシアの黒海艦隊旗艦「モスクワ」撃沈を記念してウクライナ政府が発行した「記念切手」。なんとウクライナ兵が沖の「モスクワ」に向かって中指を立てた勝利のポーズ。まさかこの切手を貼った郵便物がプーチン氏に届いたわけではないだろうが、彼の怒りは絶頂に達した。一方、ゼレンスキー大統領は冷静だ。ロシアの残虐行為に対して、もう停戦交渉はなくなったと明言。戦争続行の意思を表した。 戦域図 プーチン氏から発破をかけられた総司令官は、最後の猛攻撃に出た。マリウポリ市は陥落寸前。第2の都市ハルキウ、首都オデーサ、そして比較的安全と思われていた西部の都市リビウなどに300発のミサイルを発射。プーチン氏が焦るのは5月9日の「対独戦勝記念日」が近づいているため。情報統制して国民に「特別軍事作戦」の成功を喧伝していたのに、それが嘘だとバレたら大変なことになる。 さて、ウクライナ軍の砲弾は尽きかけていると言われる。一方のロシア軍は破損した戦車、装甲車両数が多く、戦死した兵士の数も膨大。20名いる将軍のうち8名は戦死したようだが、そのことをロシア国民は何も知らず知らされてもいない。だが全世界の人々は、ロシアが仕掛けた戦争の実態と、不条理を知ってしまった。合わせてプーチンの異常な性格とその残忍さも。 ロシア連邦はヨーロッパから極東に至る世界一大きい国。旧ソ連邦時代はさらに多くの国家を含んでおり、ウクライナもその一つだった。右側は現在のロシア連邦で「地方」、「連邦市」、「共和国」、「自治州」、「自治管区」など83の行政区域がある。当然ながら民族、言語、文化、宗教も異なる。それなのに、独立国家であるウクライナの政治体制や宗教や言語をロシアに従わせようとするのは理不尽。 これはロシアのウラジオストック市周辺。不思議な話を聞いた。ロシアと北朝鮮は国境を接している。実はその地下に長いトンネルがある由。建造したのはロシアの土木会社で、目的は「北の将軍様」がいざという時の避難用。だが、逆もあり得る。ロシアの政治体制や経済が崩壊した際は、逆に逃げ込む大物がいるかも。 これほど無慈悲で理不尽な戦争を私は知らなかった。かつて兄弟国と呼んだ隣国を、果たしてここまで破壊し続けられるものだろうか。どうやらゼレンスキー大統領は長期戦になることを覚悟したようだ。戦況が思わしくない場合、血迷ったプーチンは5月9日に「宣戦布告」する可能性もある。この戦争で、化学兵器や核兵器が使用されないとは限らない。21世紀の地球と人類に危機が迫っている。
2022.04.19
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~ロシアの焦り~ 4月15日(金)。仙台はこの日も雨で朝から寒い。暖房を点けないと確実に風邪をひく。朝食を摂りながら朝ドラ「ちむどんどん」を観る。ドラマでの沖縄は晴れ。先日「あべべ」を殺してご馳走したお返しに、一家は那覇のレストランで初めて洋食を食べた。感激し、興奮する暢子。だがヤンバルに帰って、父と母は畑でサトウキビの手入れ。その最中に突然父が倒れた。これは思いがけない展開。 父親役の大森南明 と思ったら、何とその彼が次の番組「あさイチ」のゲスト。なかなかウチナンチュ(沖縄人)の雰囲気を出せる内地人は少ない。彼は良くその役にはまっていた。雰囲気も沖縄人になり切り、三線片手に沖縄民謡まで歌った。あれは相当稽古をしたはず。初めて名前を聞く俳優だったが、独特の雰囲気がある俳優、舞踏家で演出家麿赤児の次男と知って納得。しかし父親はなぜ畑で倒れたのだろう。あの若さで。 謎が一つ解けた。ロシアの黒海艦隊の旗艦で巡洋艦の「モスクワ」(上)が撃沈したこと。当初ロシアは火災が発生したと発表。対してウクライナは対艦ミサイル「ネプチューン」2発で攻撃と発表。当時は夜で雲もあり、衛星からの確認が出来なかった。「ネプチューン」の飛行距離は300km。「モスクワ」が停泊していたのは280km先の港。攻撃型ドローンでかく乱させた上での攻撃だった由。 ウクライナの完全な作戦勝ちで、第二次世界大戦後に戦争で沈没した最大級の艦船だった由。ロシアが受けた痛手は大きく。今後の作戦にも影響しそうだ。以前にはアゾフ海に停泊中のロシアの揚陸艇3隻を沈没や大破の損害を与え、ロシアは最新式の戦車40台を失っていたようだ。これでオデッサ(オデーサ)への上陸作戦はかなり困難になったはず。ウクライナにはまだ未使用の対艦ミサイルが2種ある。 ウクライナ南部の港湾都市マリウポリで、ウクライナ海軍の兵士や将校1200人が投降したとロシアが発表した。ウクライナ側は投降した兵士も確かにいるが、負傷兵と公表。米国の見方では、確かに周囲はロシア軍に包囲されているが、まだ潜んでいるウクライナ兵が2千人ほど確認される由。情報戦ではウクライナ側が完全に勝利。ロシアの電子戦システム「クラナハ」が解読された可能性もある。 これはキエフ近郊から東部戦線に向かうロシアの戦車や装甲車のようだ。だが16kmの車列が、カナダの義勇軍やウクライナ軍による対戦車砲でまたもや餌食になっている。おまけにウクライナは先回りして東部に向かう橋を爆破している。ロシアは再び首都や欧米からの武器輸送路を攻撃する可能性について表明し、フィンランド国境にミサイルを配備したようだ。 これはロシアの軍事組織図で、ある報道番組から借用した。正規軍の他にFSB(情報機関)の特殊部隊や、国家防衛隊、民間軍事組織「ワグネル」などが絡んでいる。またプーチンに協力的なチェチェン共和国の軍隊が加わっているようだ。ただし軍事の専門家は「組織が複雑過ぎて、統制は取れないはず」と言う。またキーフ陥落作戦で失敗した部隊を東部戦線に配置しても、士気は上がらないとも。 果たしてプーチンは戦況をどう分析しているのか。情報機関出身の彼は、軍事活動の本質を理解していないとも言われる。その大統領からウクライナ戦争の全面を委託されたドボルニコフ司令官は、かなり疲弊し、軍事作戦に綻びが出ているロシア軍を果たして勝利に導くことが出来るのか。長らく姿を消していたショイグ防衛相は、北朝鮮に行っていたようだ。北朝鮮の参戦や支援が果たしてあるのか不気味だ。 この女性は元ロシアの国営TV局員で、放送中のアナウンサーの背後から「戦争反対」のプラカードを差し出した勇気ある人。あの後彼女は自ら辞職し、裁判所で3万円余りの罰金を支払って祖国から脱出し、現在はドイツでフリーのジャーナリストとして活動している由。勇気ある人だ。ロシアからは有能な人材がどんどん離れて行く。ウクライナでは、祖国防衛のため身を奉げる国民が多く、士気も高い。神はどちらに味方するのだろうか。
2022.04.16
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~ニュースから見えて来るもの~ レンギョウ 4月14日の木曜日。仙台は朝から小雨。気温は前日より17度以上も下がり、風邪を引かぬよう厚着し、ストーブも点けた。東北新幹線がこの日から復活とのニュース。早朝にテレビを点けて発見した。何とBSで6時29分から「一足早くちむどんどん」と言うのをやっていた。新年度から番組の編成を見直した一環なのだろう。2回ほどそれを観た。 タイトルを観て気づいた。遠景に本部半島の山々が見える。やはり西海岸で、大宜味村付近からの景色。暢子のガチマヤーぶりは相変わらず。ウチナーグチで「ガチ」は餓鬼のこと。マヤーは猫。直訳すると腹ペコネコだが、食いしん坊の意味。東京から転校して来た中学生が徐々に沖縄に馴染んでゆく。かつて私も経験したことだ。だが昭和30年代のヤンバルはさぞかし不便だったに違いない。 シークワーサーの実 だからこそ人情味があり、ヤマトンチューにとっては異次元の世界と感じたことだろう。民俗学者の父親は、糸芭蕉や、お墓や、食べ物や民謡に強い興味を示す。私も同様だった。しかしヤンバルの自然の美しさはどうだろう。しかしヤンバルはハブが多い。夜行性だが昼でも湿った場所など彼らの棲み処に不用心に近づいたら危険。噛まれたら命を落とす。30分以内に血清を打つ必要があるが、近くに病院があるようには見えないからだ。沖縄で暮らした私だからこその老婆心。でもそんな場面は出て来ないはず。 ドニエプル川 今回の戦争で知った事実。小麦、大麦、トウモロコシ、ヒマワリ油の生産は、ロシアとウクライナがかなりの比重を占めている。黒海を封鎖されたことでウクライナの農作物は輸出が厳しくなった。また肥料のうち窒素肥料はロシアの、リン酸肥料はベラルーシの比率がかなり高い由。 食料と肥料の両面で、今後世界のかなりの国が大きな影響を受けるみたいだ。物価高も加わり、この戦争は決して他人事ではないのだ。世界的に見れば今回の戦争で死ぬ人よりは、今後飢餓で死ぬ人の方が断然増加すると識者は見ているようだ。世界を大混乱に陥れたことに、プーチンはまだ気づいていない。 キリル総主教 この人はロシア正教の最高権威者。「キリル」は古代の聖人の名前であり、ロシア語の「文字」の意味でもある。ロシアの中でも地方の人、教育程度の低い人、年齢の高い人、そして旧ソ連時代に過ごした人にとっては絶対的な存在で。プーチンもかつては熱心な信者だった。 キリル総主教の考え方 これはある報道番組から借りた図表。恐ろしいことに彼はウクライナへの侵攻を是認している。単なる聖職者と言うよりは、外交官であり、政治家でもある存在。ロシア軍の兵士に対しては「ウクライナ兵はネオナチなので殺して良い」と語ったそうだ。そのために世界の正教関係者や、ローマ教皇からも非難を浴びていると聞く。ある意味、今回の戦争をプーチンと共に推進した立役者なのだ。 これがプーチンの主張。と言うよりは一方的な思い込み。ソ連から解放されてウクライナが建国されてから30年が経つが、その間も両国の間には激しい確執があった。ロシアが常にウクライナを服属させ、ウクライナ側にもロシアに迎合する政治家がいたからだ。だが、ゼレンスキーはそれまでとは全く異なるタイプの大統領だった。さらにプーチンは武力でクリミア半島を奪った。 モスクワ赤の広場 プーチンには独特の歴史観と宗教観があった。それが今回の戦争の引き金になった原因だと思う。精神病ではないとしても、最近とみに偏執狂的な性格が表れ出したように見える。少し前までロシア側の停戦協議の責任者だった大統領補佐官は文官で、プーチンと共通の歴史観を保有していたようだ。今回の戦争はプーチンの妄想から始まったとしか思えないし、ウクライナにとっては悲劇で迷惑としか言えない。 戦域図(13日:日経) 今回の戦争に関して、様々な情報が飛び交っている。ロシア軍が「化学兵器」を使用したとのニュース。ウクライナ軍の海兵隊員1200名ほどがロシアに投降したとのニュース。ロシアの黒海艦隊の旗艦である「モスクワ」が火災を発生し、乗組員全員が艦を離れたとのニュース。いずれもその詳細は不明。両国は目下激戦のさ中。戦いは行く着くところまで行くと観るべきだろう。ウクライナに平和を。
2022.04.15
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~いのちはただ一つ~ テイカカズラの花 何かで知ったニュース。ある殺人事件の裁判があったと。殺されたのは母と子供。求刑されたのは懲役刑だったはず。残された夫が言う。「犯人が処刑されても妻と幼い娘が帰って来るわけではない」。悲しみを堪えながら、絞り出すように出した声に打たれた。40歳だった妻は何と「エンディングノート」を記していたそうだ。その若さで一体何のために。まるで予期してかのように。一人残された夫の気持ちを思う。私など80近くなってもまだエンディングノートを書けないでいる。机の上に出してはいるのだが。 倒されて笑う村田選手 ボクシングの世界バンタム級統一チャンピオン戦で敗れた村田諒太選手は、2月ごろからNHK「クローズアップ現代」の取材を受けていた由。「負けても引退だが、勝っても引退になるかも」と事前に話していたそうだ。新型コロナのため2年以上も試合から遠ざかっていた村田。その間、どんな風に闘争心を保っていたのだろう。「自分は強くないし、人生はボクシングだけでもない。強いとは一体何だろう」。 ゴロフキン選手が村田にくれたガウン 何年か前、村田はゴロフキン選手の試合をアメリカまで見に行ったそうだ。試合後彼は村田を控室に呼んで談笑した。その数年後二人は一緒にトレーニングもしたそうだ。世界王者の強さと人間性を知った村田は、もう勝ち負けが問題ではなくなった。だからKO負けしてリングで倒れても、ニヤッと笑ったのだ。 下世話な話だが勝ったゴロフキン選手のファイトマネーは15億円で村田は5億円だった由。試合後ゴロフキン選手はカザフスタンの民族衣装のガウンを村田に着せた。それは彼が村田に示した最大の敬意。世界王者とは互いにリスペクトする存在。プロ選手としての経歴は遥かに及ばない村田はロンドン五輪の金メダリスト。アマチュア出身の彼が最後の試合に敗れ、一人の人間としての道を歩み始める。 プーチンが初めてのインタビューに答えて言ったそうだ。「ウクライナのことは悲劇だった。だが、あれしか選択肢はなかった。ロシア、ベラルーシ、ウクライナは兄弟だ」。あれだけ残虐非道なことをしておいて、兄弟国はないだろう。果たして彼は狂っているのだろうか。だが我が国の精神科医は言う。「彼は精神病ではない。理由は話す内容がずっと変わらないから」と。 コミュニケーション能力不足が疑われる「アスペルガー障害」とも言われるが、それも性格みたいなもので、現在では治療は要しないとされる由。パーキンソン病は確実で、高齢化に伴って認知症になる可能性はある。甲状腺がんの手術が彼の寿命や人格にどう影響するかは不明。私はそんな風に理解した。 しかし自分の妄想で始めた戦争を「ウクライナで起きた悲劇」として片付けるのは異常だと思う。南部の都市マリウポリでは2万人もの市民が犠牲になり、まだ10万人が破壊された建物に身を潜めている。だが周囲はロシア軍に包囲されて逃げられない。ウクライナ兵は港の製鋼工場の地下に3千~4千人が隠れているが、ロシアは「化学兵器」で炙り出すと言っている。サリンや塩素ガスが比重が重いため、地下に浸透しやすい。ウクライナ兵も捕虜になり処刑されるのを覚悟している由。まさに生き地獄だ。 ウクライナ国旗 キーウ近郊でのロシア軍による残虐行為が、日を追うごとに明らかになる。目を背けたくなる光景だ。だがさらなる犯罪が明らかになった。キーウ市の北方50kmの農村地帯は新たな湖が出来たかのように水浸しと言う。ダム湖の土手を破壊したのだ。水は広大な麦畑に流れ込んだ。また別の地区では実った小麦畑に火をつけ、一面が真っ黒焦げになった由。ウクライナの重要な作物の麦が台無しにされた。 国外に脱出したウクライナ人のうち80万人以上が帰国し始めた由。親切に対応してもらっても、言葉の不自由さ、衣食住の不自由さ、お金の持ち合わせもない日常。おまけに人身売買を狙う悪人が若い女性に付きまとう。ポーランドの慈善団体が見回りして犯罪を防ぎ、彼女らをウクライナ国境まで車で運んでくれているそう。東部2州の激戦が迫っている。 最後の戦いは戦車での消耗戦になるとのこと。不利と見られているウクライナ軍だが、戦車の数は結構残っているようだ。ただし装備が古いのと、弾薬の残量が問題。ロシアはシリア内戦時に活躍した司令官が作戦全体の指揮を執る。防衛するウクライナ軍の士気は高いはず。何とかウクライナ軍が持ち堪えて、無法なロシア軍を破って欲しいと願う。世界がウクライナに注目し、私は当分寝不足になるだろう。
2022.04.14
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~ウクライナの勇気ある人々に花を捧げる~ 1匹の秋田犬がいる。名前はキーウ州「ロカリウのハチ公」と呼ばれている。彼の女主人はロシア兵にレイプされた上殺害された。ロカリウのハチ公はそれ以来1か月も女主人の帰りを待っている。ボランティアの人が引っ張って行こうとするが、動かないそうだ。仕方なく餌と水を与えている由。ご主人様の帰りを今か今かと待っている忠犬。可哀想な話だ。 2歳の一人娘の背中に、その子の名前、生年月日、連絡先の電話番号を書き込んだ母親がいる。自分が殺害された場合のためのもの。無論夫は兵士として戦っている最中。ウクライナ政府の調査によれば、激戦地マリウポリや東部一帯から65万人以上がロシアに拉致され、うち12万人が子供。筑波大学の中村教授によれば、恐らくは封印列車で極東へ運ばれたのではとのこと。「シベリア抑留」を思い出す。 <ロシアによる侵攻の翌日の大統領と夫人の言葉> ゼレンスキー大統領「敵は私を1番目、家族を2番目の標的にしている」。夫人「パニックにならない。家も潰さない。堂々と振る舞う。子どもたちが私を見ている。子どもに寄り添い夫やウクライナの人々のそばにいよう」。26日の夫人の言葉。「お願いです戦争に慣れないでください。ウクライナ戦争はあなたの玄関先の戦争なのです。平和と人道の傍にいてください。そうすればウクライナの勝利はあなたの勝利になる」。 ボケ 大統領は元喜劇俳優で、夫人は脚本家。ロシアもアメリカも、大統領は直ぐに外国へ亡命すると見ていた。だがキーウに残ると宣言し、夫人も子供たちもその傍から離れない道を選択した。大統領が各国議会で演説した原稿は、ひょっとしたら夫人が書いたのかも知れない。彼女は政府の一員として閣僚やスタッフをコーディネートする役割を果たしていると聞く。ウクライナでは女性も最前線に立っているのだ。 ウクライナの女性検事長が、キーウ近郊でロシア兵に殺害された民間人は1222名だったことと、殺害の命令者と直接手を下した兵士500名を特定した旨公表した。キエフ近郊から去ったロシア軍の戦車はベラルーシなどで給油後、ウクライナ東部に向かって16kmの車列を組んでいることが、米国の衛星で確認されている。 ハナニラ 「死の司令官」が今後の東部戦線の指揮を執るよう、プーチンが命令した。先日起きた鉄道駅舎付近のミサイル攻撃などは、間違いなくその一環だろう。ロシアの弾薬は残り少ないと伝えられている。黒海の戦艦からのミサイル攻撃もそのため。キエフ近郊から配置換えされた戦車が到着してからのここ2週間は阿鼻叫喚の激戦となろう。化学兵器の出番があるかも知れない。ウクライナも国土の防衛に必死だ。改めて大統領夫人の言葉が思い出される。 アケビの花 オーストリアの首相がロシアのプーチン大統領を訪ねるそうだ。オーストリアは永世中立国で、NATOにも加盟していない。訪問の目的はプーチン大統領に停戦を勧めることのようだ。彼はロシアのウクライナ侵攻に反対する立場。しかしこんな危険極まりない状態の中、狂暴なプーチンに対して停戦を勧める勇気があるものだ。ここは自分が行くしかないとの侠気(おとこぎ)の発露だろう。偉いものだ。 月曜日の仙台は最高気温が23度になる予報。これは外へは出られないと思って一日中家の中にいた。ただ折角の好天なので洗濯物と布団だけは干した。夕方4時過ぎの室温が26度もあった。それじゃ今のうちに風呂に入ろうと、残り湯で体を洗った。すっかり水になっていたが、何とか大丈夫。だが薄着のままいたらさすがに体が冷えて来た。夕食前、久しぶりに戦争の話をブログに書いて予約した。疲れた。
2022.04.12
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~なんでもありのせかい~ ゴルフのマスターズ選手権(米)で、松山選手が出場選手全員にご馳走をふるまった。シェフは日本の三ツ星で当然和食。恐らく和食が初めての選手も多かったことだろうが、全員満足して舌鼓を打ったようだ。これは前年の優勝者が翌年の大会の際には、全員におごると言う約束事のため。大金がかかっただろうが、もらった懸賞金に比べたら微々たるものだろう。 ボクシングWBAミドル級世界チャンピオンの村田選手が統一世界チャンピオンマッチで敗れた。相手は確かカザフスタンの強豪。試合を観たいと思ったがAmazonの独占中継だったようだ。しかし世界チャンピオンの統一戦ともなれば大変な金額だろう。9回相手の強打を受けてセコンドがタオルを投げ入れてのTKO負け。2年半のブランクと36歳の年齢が敗因と思ったが、相手は40歳。確かに凄い選手だ。 千葉ロッテの佐々木朗希投手が快挙を達成した。私は楽天対日ハムの試合を見ていたのだが、ゲームが終わる間際に、佐々木投手が完全試合達成の「スーパー」が出た。巨人の槇原以来28年ぶり16人目とのことだが、その内容が凄まじい。13連続奪三振は新記録で、19奪三振は日本タイ記録。そしてキャッチャーが高卒のルーキーと驚きの連続だ。それに比してわが楽天はサヨナラ負けを喫したのだ。 そんな健康的なニュースに比べると、ロシアの戦争犯罪は恐ろしいほどだ。連日のニュースを見聞きすれば、私がブログに書かなくても分かるはず。キーウ近郊での残虐な行為。ベラルーシ経由で自宅へ運送依頼したロシア兵の略奪品は4トンに及んだ由。殺人、レイプ、略奪となんでもあり。それが21世紀の現実なのだ。あまりにも悲惨過ぎて、映像などをとても載せる気にならない。 急いで避難しようと集まった鉄道の駅に向けて発射されたクラスター爆弾搭載の短距離ミサイル。駅に集合した人は4千人。急いで駅舎に逃げたが、たくさんの人と列車が被害を受けた。ミサイルにはロシア語で「子供たちのために」とペンキで書かれていたそうだ。それでもロシアはウクライナの自作自演と主張。流ちょうな日本語を話す駐日ロシア大使も、インタビューには全く同様に答えていた。 酸鼻極まりない話はまだ続く。ロシアは東部の激戦地に、シリア内戦の際に指揮したドボルニコフ司令官を投入する由。彼はシリアでサリンや塩素ガスなどを使った張本人。ロシアが何としてもウクライナ東部を手中にしようとする強い意志が垣間見える。米軍のミリー統合参謀本部議長が言う。「この戦争は長引く」と。ゼレンスキー大統領は言う。「ロシアの狙いはEUに及ぶ。ウクライナは絶対勝つと」。 日曜日の定番は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。ドラマではあるが誰もが知ってる史実もある。いわば事実と虚構の競り合いだ。へえ~っ。そんなことがあったのかと驚くこともしばしば。脚本家の三谷幸喜氏は4月からある番組のキャスターをしながら脚本と格闘中みたいだ。先日は「コマーシャルタイム」の間もメモしたいので、小さなデスクを用意してください」と言っていた。どうやら本気みたいだ。 今日から新しい朝ドラ「ちむどんどん」が始まるが、このブログは前日に書いているので、まだ観てはいない。だが物語の舞台は「ヤンバル」と言うので、「多分あのへ辺だろう」と想像している。私は何度もヤンバルを旅し、自分の足でも歩き走った。きっと明るく楽しい話だろう。暗くて残酷な現実を見ていると、たとえ虚構であっても人はそれらとは反対の世界に逃避したくなるのだ。
2022.04.11
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~病める巨頭~ 水曜日も遅い起床。連日ロシアによるウクライナ侵攻をテーマにしたブログを書き続けていることによる「共感疲労」と「天候病」の連動による激しい疲労感。それでも大至急で片付け。布団を干すため2階に運び。洗濯物を片付け、新聞と郵便物を取りに行き、朝食の準備。慌ただしいことこの上もない。そして7時半から「カムカム」をBSで観る。そして8時から朝食を摂りながら、地デジでもう一度観る。 しかし安子はなんでまたあんなに走ったのだろう。役の上では80歳を超えた彼女がそんなに速くかつ長く走れるれる訳がないのに。演出にしてもあれだけの運動をすれば脚の筋肉も心臓も持たないだろう。無謀な設定も劇的なエンディングのための伏線なのだろう。木、金の残り2回を味わおう。そして来週からは沖縄が舞台の「ちむどんどん」。直訳すると心臓ドキドキで、「わくわく」の意味。楽しみだ。 国連の安保理事会で、ウクライナのゼレンスキー大統領がリモートで演説した。ロシアによるウクライナ国民への残虐行為を戦争犯罪と断罪し、ロシアなどの常任理事国に拒否権を与える、国連のシステムを改革すべきと表明した。当然の主張だ。ロシア軍による残虐行為が世界中に実証されたのだから。欧米から追放されたロシアの大使館員は300名に達した由。 ゼレンスキー大統領の抗議に対して、ロシアの国連大使は「ウクライナの主張はフェイク」との一点張り。ラブロフ外相もウクライナ市民の死体はロシア軍の撤退後にウクライナ側が工作したものと主張。アメリカの民間衛星写真を分析した結果、死体はロシア軍がウクライナに侵攻後、3週間近く道路に放置されたままであることが分かった。 残虐行為が行われた場所では、ウクライナ政府はもとより世界的な人権団体が既に調査を始めており、一般市民が撮影したたくさんの画像やロシア兵が投稿した画像と音声も残されている。EUはウクライナと共同でロシアの戦争犯罪を追及するための調査団結成を表明した。 ところがロシア軍の内部からは今回の軍事作戦はネオナチのウクライナを罰するためで、ウクライナはロシアに統合されるべき存在として「ジェノサイドは当然の行為」と反駁する動きもあるようで驚く。第二次世界大戦でナチスドイツに侵攻されたロシアが、兄弟国である隣国をナチス呼ばわりをして残虐行為を正当化する矛盾。ロシア軍が残虐行為を行った地区は他にもあるだろうし、マリウポリ市は好例だ。 病気が影響したかは断定出来ないが、この人の妄想によって始まった戦争は、かつてのシリアやチェチェン紛争と同様に非人道的だが、今回はその規模が桁外れだ。郊外に脱出したウクライナ人は420万人を超えた。その一方でウクライナ侵攻後に外国へ脱出したロシア人も多い由。ビザ発給が不要のトルコヘは1万4千人、同じ理由でジョージアやアルメニアに出た人も多く、フィンランドへも列車で逃れた。 ただこの人も問題発言が多く、認知症の悪化が心配される。先日ポーランドへ出向いた際の記者会見では、1)ロシアが生物化学兵器を使用した際は、NATOも使用する可能性。2)米兵をウクライナに派兵する可能性。3)プーチンを権力の座に留めておけない。旨の発言をしたが、即座にホワイトハウスによって否定さ入れた。「アンチョコ」の読み間違えとも言われるが、先日も最高裁判事の交代に関する公聴会の翌日にそのことを記者に質問され、出席してないと答えた由。前日のことも忘れてしまうようだ。 報道番組やyoutubeを丹念にチェックすると、様々なことが明らかになる。ロシアは今回2つの作戦を立てていた。1つ目は4時間でキーウを制圧するもの。これは事前に作戦を知ったウクライナ軍に待ち伏せされて壊滅。2つ目の3日間でキーウを包囲する作戦。これも作戦がばれて装甲車を破壊され、逆に空港を包囲されて失敗した。周到な準備でウクライナはキーウを守り、一方ロシアは情報戦で大敗した。 新型コロナ感染症のため2年連続で、紙上開催となった町内会総会が今年も書面上での開催となった。基礎疾患を持った老人会員が多い現状では、会議資料を見ることで合意するのも止むを得ないだろう。私は来年班長の順番だが、果たして無事務め仰せるかどうか。
2022.04.07
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~運命の分岐点~ しかし驚いたね。アニー・ヒラカワがあの安子だったなんて。アメリカに渡った彼女がその後、どのような人生を過ごしたのかは知らされてないが、きっと大変な苦労があったことだろう。しかし作家の構成力や、脚本家のイメージの膨らませ方には驚くばかり。無論俳優も然り。この壮大なドラマを朝ドラで扱ったことに敬意を表したい。「鎌倉殿の13人」もそうだが、意表を突かれる展開の連続だった。 ロシアの戦争犯罪がICC(国際刑事裁判所)によって調査され、断罪される可能性が出て来た。ただし兵士に蛮行を命じた者が特定され、逮捕されるかどうか。ロシアはこの制度を受け入れていないためだ。一方ウクライナのゼレンスキー大統領が国連の安保理事会で演説を行う公算が高い由。ロシアが今回の戦争で行った残虐行為は、世界に良く知られている。 それもゼレンスキー大統領と彼を補佐する若い副総理兼デジタルIT相(31歳)が、昨年の秋以降アメリカのIT企業に協力を申し入れていたお陰。ロシアの侵攻開始直後、副総理はアメリカ企業に通信衛星「スターリンク」を使用させて欲しい旨ツイッターで依頼。同社のCOEは快諾し衛星との通信機器をウクライナに送り無償でシステムを提供した由。スターリンクと連携したドローンの攻撃で、ロシア軍の戦車は侵攻早々壊滅に追い込まれたのだ。 3月下旬。ロシアの情報機関(FSB)から極秘リストが欧米各国に流失。各地で活動するスパイ約600人分の氏名、生年月日、電話番号、コードネームなどが記載されていた。各国は直ちに合計100名のロシア外交官を追放。これによってロシアの欧米におけるスパイ網は壊滅した。 リストを流出させたのはFSB内の反プーチン一派でクーデターの一環と認識される。彼らはプーチンを裏切ってゼレンスキー氏暗殺も阻止した。原因は3月上旬にFSB外交謀略部門トップのセルゲイ・ベセダ氏と副官が拘束され、20人以上の幹部が侵攻失敗の見せしめに逮捕されたこと。これに対してFSB部内では、「最大の戦犯はロシアを潰す無謀な戦争を始めたプーチン」と怒りが爆発。 これが「プーチン暗殺部隊結成」の動きに繋がったとの情報が浮上。この陰にはセルゲイ・ショイグ国防相がいるとされ、それらを契機にプーチンの周囲から多くの側近が離反したようだ。暗殺に怯えたプーチンはウクライナをせん滅させると激怒し、退役軍人6万人の投入、化学兵器使用の示唆、北朝鮮と連動して、欧米・自由主義陣営を恐喝。大規模な戦争犯罪は、その一環として行われた可能性が高いようだ。 それらの状況に鑑みアメリカはウクライナに対して、猛毒の神経ガス「サリン」対応の防護服、ガスマスク、解毒剤などを提供済み。Xデーは4月中旬との情報があるが、4月15日は北朝鮮の「革命の父」金日成生誕110年記念日に当たる。北はロシアと連携して1)核実験2)韓国への軍事行動3)日本列島を飛び超えるICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射などを行う可能性がある。 隣国ウクライナへのロシア軍侵攻を目の当たりにしたヨーロッパ最貧国と称されるモルドバは、NATOへの加盟希望を表明した。ロシアが起こした無謀で残虐な戦争は、東ヨーロッパばかりでなく全世界を恐怖のどん底に陥れた。常軌を逸したプーチンの歴史観、宗教観、民族観が引き起こした悲劇で、一体どれだけの人が犠牲になり、世界の富が損失したのだろう。まさに第三次世界大戦勃発の瀬戸際なのだ。
2022.04.06
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~ロシアの蛮行とプーチンの持病~ 日曜日。「鎌倉殿の13人」を観る。頼朝の想い人で頼朝の子を生した八重(左=新垣結衣)と頼朝の家人である北条義時(右=小栗旬)は幼馴染で姻戚。初恋の人である八重を想いながらも、言い出せなかった義時だったが、頼朝の許しを得て八重を娶る。その日信濃の国から帰った義時を、八重は初めて夫として迎えた。悲恋が実った瞬間だった。頼朝亡き後、義時は執権として鎌倉幕府を担う運命だ。 月曜日。朝ドラ「カムカム」を観て、おや?と思う。アメリカ人のディレクターのアニー・ヒラカワ役の女優が森山良子であることに気づいた。そしてひょっとして彼女はるいの妹ではないかと疑う。アニーは安子と米兵との間に生まれた子で、ひなたにとっては叔母に当たるはず。半年に亘って放送された100年物語の終結が近い。放送は残り4回。戦争、野球、映画、ジャズ、英語。みんな繋がると私は思う。 ムスカリが咲き始めた。朝食後重たい雨雲の中、自転車で郵便局へ出かけ、家計費を引き落とした。帰宅して間もなくチャイムが鳴る。玄関の扉を開けると民生委員のHさんが笑顔で立っていた。先日の地震で被害がなかったを確認に来てくれたのだ。彼女の話によればかなりの被害を受けたお宅もあった由。幸いにして我が家は小物が棚から落ちた程度で済んだ。そう伝えると彼女は次のお宅に向かった。 ロシアがウクライナ国内で行った残虐行為の生々しい映像に愕然とする。400人ほどが惨殺された地区。ナイフで耳をそがれ、無理に歯を抜かれ、後ろ手に縛られての銃殺、下水に投げ込まれた人などなど。11人の村長が拉致され、抵抗した1人は殺された。ロシア兵が奪った家電製品は、ベラルーシの闇市に出された模様。欧米各国はロシアのジェノサイドを非難し、さらに制裁を強める。また国際刑事裁判所(ICC)の検察部門は、既にロシアの戦争犯罪について捜査を開始している。 南オセチアから派兵された兵士300名が脱走して徒歩で帰国した由。彼らはロシアによって最前線に出されて弾除け」代わりにされたことを知ってのこと。ロシア東部のブリヤート州から招致された兵士も激戦地の最前線に送り込まれた。彼らはモンゴル系の民族。ロシアはウクライナ東部でウクライナ人同士を戦わせたり、自国民すら「道具」としか見ていないようだ。 ビッグニュースが飛び込んで来た。プーチン氏の重病説だ。手足が震える「パーキンソン病」の疑いがあることは以前から伝えられていたが、甲状腺がんで昨年手術を受け、最近は治療に当たる医師の数が増えている由。致死率がどれほどかは不明だが、独裁体制に陰りが生じたことは事実。彼が人を遠ざけていた理由も頷ける。もしもそれほどの重病ならば、コロナ感染を恐れるのも当然だろう。 こうなるとロシアは必死だ。5月9日の「対ナチスドイツ戦勝記念日」に向けて、さらにピッチを上げるだろう。一方アメリカによる「ロシア製戦車」をウクライナへ提供するなどの支援が激化するはず。ウクライナ兵が操縦に慣れている武器なのだ。そして残虐行為に抗議するため、ロシアへの制裁をさらに強化するだろう。この戦火でウクライナは小麦の作付けが出来ないでいる。後1か月、ウクライナ軍には何とか持ちこたえて欲しいと祈る。 プーチンではないが、私の孤独なる戦いも続いている。ロシアによるウクライナ侵攻以来、40日間私がブログにその話題を記さない日はなかった。不眠と疲労。それに耐え抜くためには、出来るだけ食事に留意することに努めた。悲惨な目に遭っているウクライナの人々や、たくさんの難民を受け入れて疲弊している隣国の人々に比べたら、天国と地獄ほどの差になるだろう。さて、わが戦争はどこまで続くか。
2022.04.05
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~レ・ミゼラブル~ レンギョウのつぼみ 今月に入ってからTV番組に変化が見られる。担当のアナウンサーが変わったり、構成を変えたり、時間帯が変わったりとなかなか新鮮だ。ある局のアナウンサーがトヨタに転職したみたい。日曜日の午前中は布団を干し大掃除をした。掃除機をかけたのは10日ぶりくらいか。市の健康診断の受診希望項目をチェックしてハガキを投函した。W杯の抽選で日本はE組。いわゆる「死の組。初戦の相手はドイツだ。 あの国がロシアに食料や通信機器を送ったそうだ。それは良しとしても、ロシアの侵攻直前に、なんと中国のサイバー部隊がウクライナに猛攻撃を仕掛けていたことを米英の情報機関が明らかにした。呆れた話だ。重要な貿易相手国を、ロシアと一緒になって攻撃していたとは。そしてぬけぬけと中立を保つような態度をとっていたあの国のあの人。 ロシア軍の残虐さにも驚く。キエフ近郊からは去ったが、夫を銃殺して妻をレイプしたり、食料を奪い、死体や家屋にも地雷を仕掛け、マリウポリ市では建物の9割をミサイルで破壊するなど残虐の限りを尽くした。ロシアにおけるプーチンの支持率の異常な高さ。ただ気配を察した「母の会」が真実を求めて動き始めた模様。ゼレンスキー大統領は停戦に前向きだが、プーチンは5月9日の「勝利記念日」に勝利宣言するため、最後まで攻撃するようだ。 国外に脱出したウクライナ難民は410万人に達した模様。人口の1割以上だ。ヨーロッパ最貧国と言われるモルドバでは国家予算を圧迫しているようで、各国からの支援も盛んだ。ポーランドでは236万人を受け入れて、もう余裕がない状態。 そんな苦しみにつけ込む、人身売買の犯罪も出始めたと聞く。ウクライナからの脱出者の大半は女性と子供たち。混乱に乗じて国際的な「人さらい」が出没。世界の中には結婚相手がいない国や、人口が減少して困ったいる国もある。ロシアはウクライナ東部の人々を脅かしてバスに乗せ、かなりの人数を拉致したようだ。まさに「レ・ミゼラブル状態」。あまりにも気の毒だ。 政府専用機でポーランドに到着した林外相は、早速動き出した。ポーランド政府関係者や、ウクライナの要人、国際機関やNPOの代表、日本の大使館と善後策を打ち合わせ、帰国の際は日本への渡航を希望するウクライナ難民20名を政府専用機に同乗させる由。 ロシアによるウクライナ侵攻のさ中、ロシアの軍用機がスェーデンの領空に侵入した。直ちにスクランブル発進したスェーデン機が接近して領空外に出るよう警告し、観察するとロシア機は4機で、うち2機は核ミサイルを搭載したスホーイ24であることが確認出来た由。ロシアはNATO加盟を表明したスェーデンを脅かした積もりだろうが、危険で野蛮な行為で非難されて当然だ。 SNSを駆使して生の情報を世界に発信し続けるゼレンスキー大統領に対して、プーチン氏は全くインターネットに馴染みがない。方や姿を現して国民を鼓舞し続け、もう一方は密室に潜んで限られた情報しか耳にしない裸の王様。ロシア軍の被害の大きさと、経済制裁による自国の破綻した財政を知った時、独裁者は果たしてどんな反応を示すのだろう。想像するだけでも恐ろしい。
2022.04.04
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~苦戦続く~ 冬の間放置していた白菜に花が咲き始めた。蕾菜状態だ。無論観賞用に飾ると言う選択肢はなく、後はどうやって食べようかと言うだけ。お浸しも良いし、油炒めも美味しい。だが他の野菜と一緒に煮物にすることにした。作り置きおかずが乏しくなっていたためだ。そこでありったけの野菜を取り出した。堅いニンジンは千切りにして予め圧力鍋で煮た。小さなジャガイモは少し厚めに皮を剥いた。 芽が出始めていたのと、表面が緑だったため。スーパーの外で売られていた安物。芽も緑の皮にも有害物質が含まれている。他にはタマネギ、キャベツ、シイタケ。蕾菜の茎も硬くなっていたが、刻んで大鍋で煮た。肉が切れていたためベーコンを大量に。味付けはいつもながら適当だが、案外美味しく出来、その日の夕食の一品となった。3食とも家で摂ると、たちまち冷蔵庫の中身が寂しくなる。 さて好調のわが東北楽天が目下絶好調のソフトバンクと対戦。ところが楽天に問題発生。先発予定の則本ら主力選手6名が新型コロナに感染とのニュース。急遽2軍から上がった涌井が則本に代わっての登板。だが柳田の芸術的なホームランで0-1の惜敗。翌日のデーゲームは、さらに楽天の感染者が増えて土日とも中止になった。折角の地元開催でTVでの中継放送が楽しみだったのだが。 <ウクライナ関係の写真は時事通信社から借用=文章と直接的な関係はありません(以下同様)> ウクライナ側の発表によれば、南部マリウポリ市から避難出来た市民は3071人だった由。ロシアが用意したと言う「人道回廊」は赤十字国際委員会が避難民に付き添ったが、安全確認が出来ず引き返した模様。やはり見せかけだった。ロシアに拉致された市民は4万5千人に達し、16万人が餓死寸前と言われるが、ロシアは攻撃の手を緩めない。全くのジェノサイド状態だ。 ロシア軍に占拠されたチェルノブイリ原発だが、放射能に汚染された「赤い森」と呼ばれる地区に塹壕を掘って立て籠もっていたロシア兵がどうやら放射線を被爆したようだ。危険な場所を攻撃したばかりか、無知で無謀な行動が自らを苦しめることになった。 3月30日。イタリアのドラギ首相との電話会談で、プーチン大統領は「停戦の条件はまだ整っていない」と返答したそうだ。ロシアにはもう武器を製造するお金も素材もないのだ。理由は欧米の制裁が原因。考えたくもないがロシアに残った手段は「化学兵器」か「核兵器」しかない。追い詰められ、自らのロジックしか信じないプーチンは勝たないと停戦には応じないような気もする。 習近平氏が初めてEU側とウクライナ情勢についてネットで意見交換した模様。中国の「やる気」を見せた積もりだろうが、EU側の首脳からは決してロシアを支援するなと釘を刺されたようだ。ベラルーシ軍が軍事演習を開始したとの情報あり。ジョージアから「独立」した南オセチアが正式にロシア連邦の一員となる意思を示したとする情報あり。 ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会で演説をしたい旨申し出ていたのになかなか実現しなかったのは、どうやら親ロ勢力が妨害していたとの情報をかなり前に入手した。それに関連して面白い話を聞いた。3月29日に開催された参議院の外交防衛委員会に参考人として招致されたのが、日本で研究しているウクライナ人で国際政治学が専門のグレンコ・アンドリーさん。 キーウ市内 日本維新の党の音喜多議員に「あなたがご存じの日本で諜報活動をしている人は誰ですか」と聞かれたグレンコさん曰く。「残念ながらあなたの党に、ロシアの侵攻を明らかに弁明してる人がいるので、そろそろ考えた方が良いと言うのが私の個人的な意見です」。それを聞いた某氏が慌てて事務方と何かを掛け合っていた由。そう言えば昔樺太に「ムネオハウス」なるものを持っていたロシア通がいましたなあ。 キーウ市内 自民党から確か日本維新の会に変わったあの人。娘さんは自民党の外交部副部長でしたっけ?。それに「ムネオハウス」に連座して外務省分析官を辞職したロシア通も居ましたなあ。モスクワ大学で宗教学を学んだと言う独特の風貌をしたあのご仁。彼らならきっとロシアを擁護するでしょうなあ。でも今回は庇い切れないんじゃないのかなあ。 トルコのエルドアン大統領は、ロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領にそれぞれ「二人が直接会って停戦に関して会談すること」を勧めているみたいです。今やロシアとウクライナ両国だけの問題に留まらず、全世界の問題になっていますので。こんな時、中国はアフガニスタンのイスラム過激派政権に対する援助を申し入れたそうです。きっと自国の国益追及しか考えてないのでしょう。
2022.04.03
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~裸の王様が怒ったら~ 甲子園のセンバツは大阪桐蔭が圧倒的な力を発揮して優勝した。準々決勝、準決勝、そして決勝と、いずれも10点以上の大差をつけての勝利。情報によれば大阪市内出身の選手は少数で、広く関西圏内や中には東海や関東地方出身の選手もいるとのこと。スカウト担当の教師がいて、いずれはスカウトの手が東北地方にも及ぶだろうと。小学生時代から目をつける子もいる由。並みの高校ではないのだ。 庭の梅がようやく咲いた。昨年秋にかなり思い切った剪定をした。そのため残った枝は少なく、蕾もほんのわずかしか確認出来なかった。ひょっとして今年は咲かないかもと思ったのだが、雨が降り気温が上がったせいか、ごくわずかだが咲いてくれた。花のある枝はとても少なくて、これでは恒例の「梅干し」作りは無理かも知れない。畑作業も無理で梅干しもダメとなったら楽しみがなくなるが。 ウクライナとロシアの停戦交渉はかなり長引きそうな気配だ。4月以降もリモートで停戦のための交渉が続くと報道されているのに何故と思うだろうが。それはうわべだけのことで、ロシア側の最終決定者つまりプーチン大統領に問題があるためだ。彼の独断性に関しては、これまで何度も報じられて来たので驚かないだろう。だが、彼が置かれた現状が異常とのこと。 ロシアのウクライナ侵攻開始から5週間が経った。だが最初の1か月もの間、プーチンは戦況も、その後に受けた欧米などからの経済制裁の実態も、全く聞かされてなかったと言うのだ。広い会議室内の長いテーブルの遥か彼方に座る防衛大臣と参謀長。それを無言で眺めるプーチン。そんな映像を何度か見たが、あれすらもう1か月も前の話らしい。果たしてロシアに何が起きているのか。 ワイノ大統領府長官 最近私が知ったのがこの男。プーチンのお気に入りで彼より10歳も若い。ここ1か月もの間、ほとんどの情報は彼の口からしか聞いてない由。彼が冷酷で残虐な上司に真実を話すはずがない。米国の情報機関が、ロシア政権内部で異常事態が生じている可能性があると報じたのもそれを裏付ける。これまでプーチンを取り巻いていた「シロビキ」の首脳陣が、更迭されたか追放されたのかは不明。 ラブロフ外相 しかしそんな状況下でラブロフ外相は、果たしてどんな心境で任務を遂行していたのだろう。中国を訪れ王毅外相と両国の協力関係について協議した。だが中国の立場は微妙で、軍事的な応援は出来ず表立った経済援助も出来ないはず。後は石油や天然ガスを廉価で購入することか。次いで赴いたインドでも同じように依頼したはずだ。ロシアとは昔から深いつながりがあるインド。だが「クワッド」の一員としては、廉価でエネルギー資源を購入する程度だろう。 ロシア兵がウクライナの市民権と1万ドルの報奨金を得る代わりに、自分が乗った戦車をウクライナに引き渡したと言うエピソード。ウクライナ戦線に駆り出された「南オセチア」の兵士が、ロシア軍の統制のなさとウクライナ軍の士気の高さに恐れをなして、戦線を離脱して帰国したエピソード。リシア軍が誤って自軍の戦闘機を撃ち落としたエピソード。それらは一体何を物語るのだろう。 ロシア経済は4月いっぱいしか持たないとの説がある。5月9日の「戦勝記念日」までは、何とかロシアが優勢であることを示すだろうとの説も。市内の建物の9割がロシア軍の攻撃で破壊されたマリウポリ市で、「人道回廊」が設けられた。16万人の市民は餓死寸前のはずだが、果たしてどれだけの市民が脱出出来たのだろう。 戦っている最中の停戦交渉は矛盾に満ちている。私たちは多くの「見える」情報を得ているが、「見えてない」人が出す結論はどんなものなのだろう。「妥協的な和平」はどこかで折り合いをつけるもので、交渉が長引く可能性がある。一方「根本的解決」は、最後まで戦って白黒をつける選択で、多大の犠牲を伴う。だがプーチンの首に鈴をつける人がいないと、ことは運ばない。さて歴史はどう転ぶのか。
2022.04.02
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~春雨降る日~ 私は予約システムを使ってブログを書いている。書いているのは3月31日の木曜日。外は雨。暖かかった前日と一変して気温は10度ほど下がった。ブログが公開されるのは翌日で、新年度の4月1日になっている。生活の話だとタイムラグがあっても支障はないが、ニュースの場合は多少の齟齬が生じるのは止むを得ない。私はニュースキャスターではないし、自分が気になったことを書くだけの話。 先日の地震で脱線した東北新幹線だが、脱線した車両はレールに戻って現場から引率された。今後は曲がったレールの取り換えや、折れた電柱の取り換えや電線の張替え、そしてひびが入った橋脚などの補強工事が行われるようだ。全線復旧は4月20日ころとされているが、その間に極力不通区間を減らすため臨時便を増発するようだ。ただし速度は通常の半分ほどで。 仙台城(青葉城)の石垣が崩れたことは知っていたが、地元紙のオンライン版をチェックすると、崩落の規模の大きさに驚いた。修復には3年を要し、工事費は7億円かかる由。そして傾いた「政宗の騎馬像」(右)は前足にひびが入り、どう修復すべきか調査中とか。東日本大震災当時の被害も大きかったが、今回の被害もかなりのものと改めて感じた次第。今もまだ余震が残って、時々揺れる。 ウクライナとロシアとの間で開催された停戦協議は、今日からオンライン方式に変えたようだ。ロシアが表明していた「キエフからの撤退」はデマで、移動した車両はほんの一部。それも一旦ベラルーシ国内で給油などした後、ドンバスなどの激戦地に向かうとウクライナ側は警戒している。そして以前から噂されていたことだが、今回の戦争に関して正確な情報が全くプーチンに伝わっていないようだと。 イギリスのコンサルティング会社の試算によると、今回の戦争でロシアが使った戦費は少なく見ても1日当たり2兆4700億円。侵攻開始から数えるとまる5週間では87.5兆円。ところがロシア連邦上院が昨年末に可決した連邦予算案によれば、今年の歳出経費は約35兆円。既に国家予算の2.5倍に達していると言うのだ。それすらも知らないプーチン。国立銀行の女性頭取が辞意を表明したが、プーチンが慰留したそうだ。軍部も経済界も怖くてプーチンに本当のことを言えないのだ。 ロシアのラブロフ外相がこのたび中国を訪問した。当然軍事と経済両面の支援を依頼したのだろうが、中国に対してはバイデン大統領がロシアへの支援しないよう強くけん制をして来た。「両国の良好な関係に変化はない」。表立って軍事的な支援が出来ない中国は、そんな話でお茶を濁したのではないだろうか。 国債のドル建てによる最初の利払いは何とかクリヤーしたロシアだが、4月4日には利息と元本のドルでの支払い20億円が待っている。さてどうなるか。ロシアの弾薬はほぼ尽きて、残った中距離ミサイルで盲滅法ウクライナの都市部を攻撃している状況。 先日のブログで書いたロシア軍が残していった軍事通信システム「クラスハ4A」は、その後陸路でドイツのNATO基地へ輸送され、そこから空路でアメリカに渡ったと聞いた。優秀なアメリカの宇宙軍と情報機関は、ロシアの軍事システムを解読することだろう。今後ロシアへの経済制裁はますます厳しくなる。停戦協議が現実味を帯び出したのもそれらのせいだろうが、油断は出来ない。 国外へ脱出したウクライナ人は401万人。そのうち200万人が子供だと言われる。そしてウクライナ国内で避難出来ずにいる子供も約200万人。停戦が長引けば長引くほど犠牲者の数は増えるだろう。そして今回の戦争の真相を知ったプーチンが、今後どんな手段を使うかは誰も予測出来ない。暫く姿を見せなかったショイグ国防相が久々にTVの画面に映った。だがプーチンの近況は誰も知らない。
2022.04.01
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~昼寝から目覚めると~ あまりにも疲れすぎたので本格的に昼寝することにした火曜日の午後。洗面所の鏡を見ると、目が落ち窪んだ顔が目の前にある。連日連夜ロシアのウクライナ侵攻に関する情報を収集し、ブログのネタにしようとしていた。ついでにカットになる「絵」も。それが何日続いただろうか。心理学の専門用語で言う「共感疲労」。ついのめり込んで、心身の疲弊が現れる現象。そして何者かからの「妨害」も何度か受けた。 目が覚めると「情報ミヤネ屋」で面白いことを話していた。なんとウクライナのデジタル大臣がウクライナへの寄付を呼び掛けるための広告を作った由。「プーチンを木星に送るための基金」の名目で、ロケットはウクライナカラーの青と黄色に塗り分けられ、丸窓から恨めしそうな顔をしたプーチンが外を見ている。何と言うブラックユーモア。若くて柔軟な頭脳からしか生まれない発想だ。 ニュースを漁ると、次々に明るい話題が見つかった。何とイギリスのエリザベス女王がウクライナ支援のためにたくさんの支援金を拠出した由。それがヨーロッパの各王室にも波及したようだ。無論人道のためのチャリティーで、どの国を擁護すると言う意味ではない。さらに夕方になって、ビッグニュースが飛び込んで来た。 トルコでの停戦協議 日本時間の16時。トルコのイスタンブールで対面方式でロシアとウクライナが4回目の停戦合意が持たれるとのことで、世界各国の報道陣が参集した。協議内容は明白ではないが、双方ともかなり前進があったと認識しているようだ。協議内容は今後両国の外相へ報告され、大統領へ伝えられる。対面での協議後さらにリモートでの協議が長時間続いた模様。 さらに事態は動いた。バイデン大統領が両国の停戦協議に関してイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの首脳と電話会談すると発表。その後はフランスのマクロン大統領がプーチン大統領に電話で協議する運びになった由。ロシア軍はキエフ付近から軍を撤退すると表明。たった1日で事態が大きく動き出した感があるが、果たしてその裏に何があったのか。 アブラモビッチ氏はロシアの新興財閥「オルガルヒ」の一員でプーチン大統領の信頼も厚い人物。つい先日まで英国のサッカーチーム「チェルシー」のCOEを務めていた。その彼が今回のイスタンブールでの対面会議を実現させた黒幕との話に驚く。彼は先ずウクライナに赴き、ゼレンスキー大統領の親書を受け取ってプーチンに届け、次いでトルコに赴いた。すべて個人ジェットでの移動だった由。 ウクライナの主張の要点だが、1)ウクライナがNATOに加わらない代わりに、米ロ、中国、トルコ、カナダ、イスラエルなどがウクライナの安全を保障する新たな体制を作ること。2)クリミア半島の統治に関しては今後15年かけて協議を継続すること。ドンバス地方も含め、現在侵攻している地域から2月24日以前の状態にロシア軍が撤退することなどだ。 これに関してアメリカは、キエフからの撤退はごくわずかで、依然としてキエフを陥落させる野望を捨てていないと見ているようだ。また米国空軍Eー4B「ナイトウォッチ」機がイギリスに到着している。この機は核戦争時に空中指揮所となる特殊装置を保有する。大統領や重要閣僚が乗り込むのは当然だ。アメリカが事態を楽観していないことが分かる。 しかしあれほど強硬だったプーチンが変化した原因は何なのだろう。一説によればウクライナ軍によって人的物的に大きな痛手を被った軍の内部で混乱が生じていると疑われること。オルガルヒなどこれまでプーチンを支持して来たグループからの離反やクーデターの噂もある。経済制裁の打撃は予想以上だったようで、このままだとロシア経済の破綻は目に見えており、さらに制裁が強まるはず。 その一方でプーチンはチェチェンからロシア軍を呼び戻して東部ドネツク州の侵攻に当たらせたり、民間軍事会社「ワグネル」のゲリラ兵を投入したとも言われる。ロシア側にとってより有利な停戦条件を相手に飲ませるため、総攻撃を考えている節がある。生物化学兵器部隊の出番の有無も明確ではない。ただNATO側もロシア軍の生物化学兵器使用に対する断固たる意志を示しており、予断は許さない。 一番の心配はウクライナ南部の都市マリウポリ市の戦況だ。ロシア軍による見境のない攻撃で建物の9割が破壊され、子供を含む4千人の死者を出し、数万人がロシアに連行され、未だに17万人余が餓死寸前の状態で瓦礫に身を潜めている。一刻も早い市民の救出が望まれる。ロシアの思惑に反して、世界中の人々が今回の戦争の実態を知ってしまった。ウクライナへの連帯の輪が広がってゆくのが唯一の救いだ。さて明日から4月。新たな展望が開けると良いのだが。
2022.03.31
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~残酷な罠~ 区の施設からハガキが届いた。来年度の「俳句教室」当選の返事だ。コロナが終息し出したことと、講師の体調が講義に耐えられると言うことだろう。私は今年度で5年目に入る。ウクライナ戦争が始まって以降、どうしても句を詠む気持ちになれなかったが、思い直して休会になった3月の宿題「紅梅や」に手をつけてみた。 紅梅や戦火止まざる国ありと 停戦交渉再開へ 3月28日(月)のBS-TBS報道1930を観た。資料や写真はそこから借用させていただいた。今回の停戦交渉はトルコ大統領の肝いりで実現したもので、イスタンブールにおいて対面で行われるとされる。交渉の内容は16項目あるとされている。そのうちの2項目が上図だが、両国の言い分にはかなりの開きがありそうだ。まだ戦争中で、ロシアは何とか自国の影響が及ぶ範囲を拡大しようとし、ウクライナは自国領の割譲を基本的に認めていない。 今懸念されているのがロシアが生物兵器や化学兵器を使用する危険性だ。上は両兵器の具体的な内容。 化学兵器使用に関するイギリス情報部の見解(左)とそれに対するロシアの見解(偽旗作戦)。ウクライナには生物兵器も化学兵器も存在しないが、ロシアには存在の可能性がある。ロシア派化学兵器禁止条例を批准した後も、保存している疑いがある。 これはシリア内戦でロシアの化学兵器使用が疑われる事項。2013年のグータ地区ではサリンの使用が、2016年のアレッポ地区では塩素ガスが使用されたとされる。右はサリンによる被害者。ロケット弾で打ち込まれたサリンで350人以上が死亡し、3千人以上の負傷者を出したと言われる。「オウム真理教」によるサリン事件が思い出される。サリンは殺人以外に使い道のない猛毒だ。 上はかつてロシア政府が公開した化学兵器対応部隊のプロモーションビデオの映像。 ロシア軍化学兵器対応部隊の実態。 化学兵器禁止条約には「防護研究」と言う例外規定がある。いわば抜け道だ。そしてロシアにおいては過去に自国内で使用例があるのが怖いところ。プーチンが盛んに「ウクライナにはアメリカと共同で開発した生物化学兵器がある」と主張するのは、ロシアが使用する口実の「偽旗作戦」。そしてKGB出身のプーチンは政権反対者をこれまで何人も毒物などで殺害して来た。こんな危険なロシアが要求する「停戦条件」は何なのか。今後の交渉に注目だ。
2022.03.30
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~わが暮らしとウクライナ戦争~ 写真は庭の花と畑の野菜など バラの新芽 月曜日の朝目覚める。どうやらまだ生きているようだ。洗濯機を回し、布団を上げ、洗濯物を干し、朝ドラを観ながら朝食を食べ、ブロ友にコメントを書き、コーヒーを飲みながら新聞を読んだ後、おもむろに翌日用のブログの原稿を書き始める。ロシアがウクライナに侵攻してから1か月以上が経ち、私もブログでその戦争を取り上げない日はなかった。 春キャベツ そんな生活だと出来ないこともある。大掃除は10日ほどしていないが、それで死ぬことはあるまい。雨が降り気温が上がり出すと、庭や畑の雑草の伸び方が凄い。でも腰痛があるため庭仕事は休止中。昨秋はタマネギの苗を植えず、今月はジャガイモを植えなかった。畑仕事はもう無理かも知れない。草取りも生協か便利屋さんに頼むしかないかも。 白菜の花のつぼみ 冬の間放置していた白菜の残りはほとんどが凍結を繰り返して腐った。結球しなかった苗から花の蕾が芽吹いている。森保ジャパンは最終戦のオーストラリアを下して8連続のW杯出場を決めた、試合終了際に交代した三苫のシュートが光った。大相撲春場所は関脇若隆景の初優勝。祖父、父そして3人の息子がいずれも力士と言う大相撲一家。プロ野球が開幕し第2戦でようやくわが楽天が初白星を挙げた。 ホソバスイセン 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では凄まじい女の闘いを観た。知識としては知っていたが、なるほどそんな事情だったのかと納得。まあ史実を交えたドラマなので、演出過剰の気味があるが、それでも面白い。朝ドラ「カムカム」の最後は英語づくめと聞いたが、なるほどそう来たか。アメリカへ渡ったきり姿を消した安子とアニーとの関係が気になる。新聞の俳句欄はこのところまったく読まなくなった。 フキノトウ 裏庭に3、4個のフキノトウが出た。ウクライナ戦争の情報は、新聞やテレビのニュースだけでなく、ネットから様々な形で確認している。衛星放送の専門家による解説はほとんど聞いた。それらを合わせると、今回の戦争の実態がかなり正確に把握出来ると感じる。前回のアメリカの大統領選は酷かった。フェイクニュースのオンパレードで、一体何を信じたら良いか迷ったものだ。 ボケのつぼみ その点今回の戦争に関しては、ロシア政府機関の報道は大部分が捏造とプロパガンダだったが、欧米側およびウクライナ政府発表のニュースには信憑性を感じた。それに一般市民による情報提供や、ゼレンスキー大統領自らが発信したSNSがかなり有効だったのではないか。ただしそのことによる思わぬ被害も起きた。 キエフのショッピングセンター 一市民が投稿したキエフのショッピングセンターの画像には、入口の前に多連砲を積載したウクライナ軍の車両が停まっていた。それを観たのかロシア軍はミサイルでショッピングセンターを全壊した。ロシア軍のキエフ侵攻に備えて、ビルの屋上から多連砲で狙い撃ちする作戦だったのだろう。軍の機密を市民が漏らした失敗例だ。 ハナニラ 意外なことを知った。ウクライナ軍がキエフ市民に35時間の外出禁止令を2度出したことがあった。それはロシア側のスパイをあぶり出すための措置だったのだ。市民は忠実に命令に従った。だからその時間帯にキエフ市内を移動する人物を検問すれば、敵側の人間を見つけることが出来る。あの長い外出禁止令の裏には、そのような背景があったのだ。 チオノドクサ ロシア側に封じ込められた南部の都市マリウポリ市内から2週間ぶりに脱出したウクライナ人の実話をyoutubeで観た。途中14か所の関門でロシア兵に呼び止められたが、その都度「関門突破マニュアル」に従って冷静に対処し、無事ルーマニア国境付近に脱出出来た由。途中で彼らをチェックした若いロシア兵は、マリウポリ市を自軍が連日攻撃してることを知らなかったそうだ。これほどロシア軍内の情報が不徹底だったとは。 マリウポリ市内のロシア軍戦車 ロシア軍の兵士が上官の命令に逆らい、その上官を戦車で轢いたとの情報をネットで知って「ホンマかいな」と疑問を持ったが、真実だったようだ。キエフを包囲していた地域では最高で60数kmロシアの戦車や車両が一時長い隊列を組んでいた。あれではウクライナ軍の餌食になると自衛隊の元幹部が解説していた。食料や燃料もなく、指揮命令系統がバラバラな中での「事件」。骨折した上官は「名誉の帰還」をした後で、死んだようだ。 あの長い車列は結局、動けなくなったためと後に判明したが、車両と兵士の大半をウクライナの攻撃で失ったロシア軍は、大事なものを忘れて行った。左側は「クラスハ4A」と呼ばれるロシア軍の電子システムを搭載した車両で、右はそのコンテナを「擬装」して森の中に置いて逃げた状態。 こちらはウクライナ軍によって捕縛された「ポリソグレブスク2Bシステム」と呼ばれるロシア軍の電子システム。やむを得ない場合はデータを消去するのが通常だが、果たしてウクライナ軍の猛攻で戦死したり負傷したロシア軍にその暇があったかどうか。今回の戦争でロシア軍の将官7名が戦死したことが判明している。これらの装置がNATO軍によって解析された場合、ロシアの軍事情報は「丸裸」となる。 プーチンに対する主な反対者 しばらく姿を見せなかったショイグ国防相が先日久しぶりにテレビに映ったが、西側の分析では以前の映像を使ったと判明。重い心臓病と言うのはどうやら本当のようだ。行き詰まったプーチンは当初の「キエフ包囲」によるゼレンスキー追放を諦め、南部のマリウポリと東部2州の完全制圧作戦に切り替えた。今回の戦争に反対する幹部も出だした。だが軍部のクーデターが起きるかは不確実。 アメリカはこの度ロシアのIT企業「カスペルスキー」のウイルス対策ソフト使用禁止の検討を表明した。本社はモスクワにあるが世界各国に現地法人があり、事業の8割はロシア国外でのものだが、警戒するに越したことはない。両陣営のサイバー攻撃合戦は目下火花を上げている。またそれに乗じた「ネット犯罪」も多発していると聞く。 ウクライナ東部および南部におけるロシア軍の無差別的な攻撃は、常軌を逸している。多くの市民がロシアに拉致され、16万人がまだ逃げられずにいると聞く。追い詰められたプーチンが生物化学兵器や核兵器を使わない保証はどこにもない。ロシアには40万人の「プーチン親衛隊」がいるようだ。こうした中今日からトルコで対面での停戦協議があるとの情報。だが、かなり困難な状況に変わりはないだろう。
2022.03.29
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~戦争と表~ こんな無慈悲で無節操な戦争があるんだろうか。たとえ戦争と言うものが昔から残酷なものであったとしても。ロシアの経済学者で「ポスト工業化社会センター」所長だったイノゼムツェフ氏は「このままだとロシア経済は12月までに死ぬ」と忠告して、ロシアから去ったそうだ。 ロシア大統領特別代表で元第一副首相だったアナトリー・チュバイス氏は、今回のウクライナ侵攻に反対して辞職し、国外へ脱出したと言われる。またウクライナ国境に接するロシアの州の女性議長が、この戦争は間違ってると公然と反対したそうだ。いずれも勇気ある人ばかり。ロシア国内でも少しずつ何かが変化してるようだ。 ゼレンスキー大統領の要請を受けて、ルノーはモスクワ工場の操業を停止したそうだ。クラスター爆弾、燃料気化爆弾に次いで、ロシアが白リン爆弾を使用したとゼレンスキー大統領が発言。またドンバス地方に化学物質を積んだ特別部隊が入ったとの情報がある。化学物質積載のミサイル「イスカンダル」と言うのだが。 化学兵器使用に関するロシアとアメリカの観方。プーチンは例によって「偽旗作戦」のデマだが、バイデン大統領は明言しないものの、もしロシアが化学兵器を使用した場合はNATOとしても何らかの措置を取ると話したようだ。(表はBS-TBSの報道番組から借用。以下同じ) ウクライナとアメリカの立場の違い。アメリカはロシアとの直接的な戦いになることを避けている。もちろん核戦争や第三次世界大戦になることを避けるためだ。 ロシアが考える「核兵器を使用する条件」。4つ目の条件「通常兵器による侵略で国家存立の危機」が怖い。ロシアはウクライナの領土内に「独立した2つの共和国」を作った気でいるので最初の条件も該当するとも言える。いずれも一方的で自分勝手な論理だ。 24日開催のNATO首脳会議における主な合意事項。 NATO(軍事組織)とEU(政治と経済の連携)の立場の相違。戦争の内容と地域の変化で、EUの対応にも変化が窺える。 トルコの仲介で開催したロシアとウクライナの外相会談の際に話し合われた「停戦の条件」。黄色の4条件に関してはゼレンスキー大統領も譲歩する姿勢を見せている。ただし5)と6)に関しては「国民投票」によって自国民の意思を問う必要があると考えているようだ。プーチン大統領も一時は停戦に前向きな姿勢を見せた時期もあったが、ロシア軍の被害の大きさと、経済制裁の厳しさから考えを変えた可能性がある。 マリウポリ市への執拗な破壊活動、大量の市民のロシア拉致と極東への送還、地政学的な状況に鑑みると、この戦争は行き着くところまで行くように思える。プーチンが化学兵器や核兵器を使うか、その前にクーデターが起きて、プーチンが追放さるか暗殺されるか。それは多分プーチンしか決められないだろう。 こんな状況での中国の出番はないはず。習近平に対して「プーチンと早く手を切れ」と忠告した中国共産党幹部の論文が、その後削除された。そしてつい最近「国土統一法」制定の検討に入るみたいなニュースを聞いた。この人もプーチンに釣られて台湾をわがものにしたくなったか。狂ったプーチンは北朝鮮に命令して、アメリカやNATOの目を極東に向けさせたようにも思える。何でもありの陽動作戦だ。
2022.03.28
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~情報の精粗~ 私はこの男が嫌いだった。先の大統領選挙で不正をした民主党の候補者だったからだ。上院議員としての経歴が長く、20年間も副大統領を務めた。だがその割にほとんど実績を上げていない。民主党が彼を候補として選んだ理由は、共産主義や社会主義者が多いラディカルな左派では、トランプに勝てないと踏んだのだろう。あの大統領選は酷かった。認知症の疑いがあるこの人を勝たせるための数々の不正。 あの時のアメリカのマスコミや巨大IT企業の不公平で不実な行為は、トランプを勝たせないためのもの。そして不正な手段で勝った民主党はトランプを下院と上院で2度弾劾裁判を行った。大統領になったバイデンは、ウクライナの前政権や中国政府と結託して巨万の富を得た、息子ハンター・バイデンの犯罪的行為をもみ消した。しかし中国に強硬姿勢を貫いたトランプの方針を継承せざるを得なかった。 バイデン氏がこれまでの間大統領の職責を全う出来たのは、オバマ政権当時の優秀な閣僚が残っていたためだ。アフガニスタンでは功を焦ったバイデンが、米軍を引き上げるタイミングを見誤り、あっと言う間にアフガニスタンの政権を過激派に奪われた。プーチンは、バイデンが大統領に就任した当初、「あんな爺は俺が一ひねりしてやる」と公言していたものだ。 だがアメリカの情報機関は優秀で、昨年10月の段階でロシアのウクライナ侵攻の兆しを察知し、サイバー軍関係者がウクライナ入りして様々な対策を立てて来た。その勧告を受けてウクライナはIT軍創設を決定し、国内外のウクライナ人などに参戦を呼びかけた。その後も米国情報機関はロシアの動向を正確に把握して、ウクライナやNATOに伝えた。ウクライナは1か月間、ロシアの猛攻に耐えた。 今回のウクライナ侵攻で、この男の粗暴さと残虐性を改めて知った思いだ。今回の戦争には何の大義も必然性もない。プーチンが帝政ロシア時代の統治に心酔し、ウクライナを「ネオナチ」と呼んでいたことを初めて知った。ロシアはナポレオン戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦と3度もヨーロッパに侵略された歴史があることは知っているが、かと言って帝政ロシアや旧ソ連時代に戻ることは出来ない。 左がショイグ防衛大臣で、右がゲラシモフ参謀長。プーチン大統領を交えた3人がいわゆる「核のボタン」を持っているとされる。ところが最近どうも様子がおかしい。この二人がほとんど姿を見せないのだとか。以前観た映像では、広い会議室の20mもあるテーブルの先にこの2人が座り、ずっと離れてプーチンが眺めている不思議な光景。防衛大臣は心臓病や、解任されたとの噂もある。 この戦争はぷ-チンが始めた戦争で、彼が満足するまで戦争は終わらないようだ。この3人に2人を加えた5人がロシアの意思決定機関だが、誰もプーチンには逆らえない。従って本当のことを言えない。今回の戦争では3日でキエフが落ちると、プーチンは信じていたのだろう。だが実態は全く異なる。軍備にも大きな損害を受け、たくさんの兵士が死んだ。それを察したプーチンは逆上してさらに孤立する。 巡回中のウクライナ兵 キエフを包囲していたロシア軍がほとんど消えた。食料や燃料不足に加えて、寒さによる凍傷で動けないようだ。中には自分で自分の足を銃撃し、傷病兵となって祖国へ帰ろうとする兵士もいると聞く。わずか1か月の戦闘で、これだけの被害を出したのは今回が初めてのようだ。だが、その実態をプーチンもロシアの国民もまだ気づいていない感じがする。何とも不思議な戦争だ。 ロシア軍は作戦を変えたようだ。ミサイルで遠方から攻撃して味方の被害を抑えているようだ。南部のマリウポリ市では建物の8割が破壊され、市の機能を失った市長は退散したようだ。食料、水、医薬品がない中で避難出来ない市民が10万人近くおり、1万5千人がロシアに拉致され、中にはサハリン(樺太)に送還された市民もいると聞く。この残虐な戦争は果たしていつ終わるのだろう。<続く>
2022.03.27
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~私がウクライナ侵攻で感じたこと~ 3月24日の朝わたしはいつも通り目覚め、晴れて78歳の誕生日を迎えた。もち米入りのご飯。海藻のフノリと豆腐の味噌汁。塩サケの小片、コロッケ半分、イカのリング揚げ3個。ワカメと小松菜のお浸し、野菜のピクルスが朝食。それを食べて眼科へ向かった。その日は「視野検査」の予約が入っていた。眼圧も見える視野の範囲もいつも通りの老化現象。薬局で目薬2本をもらって帰宅。 眼科からの帰路、近所のスーパーに寄って「助六寿司」とラーメンを買った。昼食は買ったばかりの太巻き寿司と稲荷ずし。そして果物とヨーグルト。夜は大盛のミートソースを作った。太めのスパゲティを茹でるのに手間取った。ミートソースは予め購入していた「缶詰」を鍋に移して弱火で温めるだけ。薄い1杯の焼酎で誕生日を祝った。夜音がするので外へ出ると雷鳴だった。春先の星が寒そうに瞬いていた。 今回の戦争で死んだ1人の女性ジャーナリストのことを知った。まだ30代半ばの美人で祖国はロシア。プーチンの独裁体制に抵抗してバルト三国に逃れ、祖国のウクライナ侵攻を知ってキエフに取材に来ていたようだ。それが潜んでいた兵士に狙撃されての死亡。彼女を撃ったのはなんと母国ロシアの兵士だった。何と言う皮肉な巡り合わせだろう。言論統制を嫌って脱出した母国の兵に命を絶たれるとは。 2008年。ロシアが当時のグルジア(現ジョージア)に侵攻した際、わざわざポーランドから駆け付けたドウダ大統領(当時)が語った言葉がある。「今日のグルジアは明日のウクライナ、明後日のバルト三国になる。その次はポーランドだ」と。それが現実のものになった。ロシアはその後ウクライナ東部2州の一部を勝手に独立させ、クリミア半島も奪った。プーチンの野望は留まるところを知らない。 これはバルト海付近の地図。ドウダ元大統領が懸念した「バルト三国」がエストニア、ラトビア、リトアニア。いずれも旧ソ連邦の一部で、リトアニアでは第二次世界大戦中日本の大使館員が杉原千畝がナチスドイツの追及から逃れる大勢のユダヤ人に独断でパスポートを発行して救ったことで有名だ。その南にある赤い色の地区がロシアのカリーニングラード州の飛び地。NATOは今この地を心配している。 ロシアの軍事基地が2か所あり、ここからウクライナへミサイルを発射することを恐れ、ベラルーシがプーチンとの軍事同盟でポーランドとリトアニアの国境に攻め入ることを恐れているのだ。もしそこを塞がれるとバルト三国が孤立するからだ。今回のウクライナ侵攻を目の当たりにしたバルト海沿岸の国家がこぞってNATOの傘下に入ることを希望したのも頷ける。NATO軍をより東へと接近させたのはプーチンの愚行の結果だ。 3月24日。ロシアとウクライナがそれぞれの捕虜10人ずつを交換で引き渡した。侵攻後1か月で初めての出来事。またこれとは別にウクライナ側は黒海で沈没した船から救出したロシアの民間船員10名を、ロシアは黒海の小島で孤立した兵士を救助しようとして拘束されたウクライナの乗組員19人を互いに引き渡したようだ。今は膠着状態だが、この戦争はプーチンが満足しない限り終わらない。 これはあるTV番組から借用した画像でNATO軍高官の観方。ロシア軍の将軍20名中5名が戦死している。ロシア軍兵士の大量の遺体はクリミア半島で火葬されたようだ。遺体がそのままの形で帰国すれば、プーチンの嘘がばれてしまうためだ。それで火葬したまま置き去りにした。一方ウクライナ側の市民の遺体も埋葬出来ず、道端に掘った穴に仮埋葬している由。<続く>
2022.03.26
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~祖国を愛するひとびと~ <大部分の写真はウクライナ国歌のyoutubeより借用> ロシアのウクライナ侵攻から昨日で1か月が過ぎた。私もあらん限りの力を尽くして、この戦争のことをブログで取り上げている。私のブログを読んで、「あまりにも無力」とコメントしたブロ友がいる。彼女の気持ちが痛いほど良く理解出来る。連日あれだけ残酷で無慈悲な映像を観たら、誰しもが自らの無力や非力を感じることだろう。 普通の人ならそれも分かる。だが一部の知識人に「ウクライナはなぜ早く降参しないのだろう」と言った人がいると聞いて呆れ果てた。命が大事なことは分かる。だがウクライナ人は正当な理由もなく隣国に侵攻されたのだ。そして旧ソ連時代からウクライナは隣国に苦しめられて来た。東部の2州はプーチンの身勝手な理屈で独立国とされ、クリミア半島は偽の「住民投票」でロシアに併合された。 ウクライナ人がウクライナを思うのは当然だ。ウクライナが祖国だからだ。それを事情も知らない他国の人間が、さっさとロシアに降参しろと言えるのか。あれだけ残虐な戦争を仕掛けられても、まだウクライナは戦い続けている。もう70年も戦争を体験していない平和な日本人には、ウクライナの人々の悲痛な叫びがきっと聞こえないのだろう。ウクライナにどんな罪があると言うのだろう。 今回の戦争で私は1人のウクライナの少女を知った。名前はアメリア・アニソビッチちゃん7歳。彼女はキエフの地下シェルターで、避難した人々を慰めるために「アナと雪の女王」の主題歌let it goを歌った。その映像がネットに流れ、世界中に広まった。左がその姿。彼女はその後家族と共にポーランドに逃れた。優しい隣国は、彼女にステージを用意した。そこで彼女はウクライナ国歌を歌った。 右の画像がそれだ。私も彼女の歌声を聞いた。まるで天使のような美しい声だった。アメリアちゃんは歌が好きで、戦火の中でも朝昼夜と3回の練習を欠かさなかった由。因みにウクライナ国歌は「ウクライナは滅びず」と言う。7歳の少女が祖国の栄光と復活を信じて異国で歌う国歌。決して無力でもなければ、簡単に降参するのでもないウクライナの魂が、私の心を揺さぶった。 ゼレンスキー大統領 ウクライナのゼレンスキー大統領が23日の夕方6時から、日本に対してリモートで演説した。1か月にも及ぶ長い戦いで、表情は少し疲れているように感じた。だが物静かで論理的な12分間の演説だった。「日本はアジアで初めてロシアに圧力をかけてくれた国。ウクライナの安定と平和な明日のため、さらなる協力をお願いしたいこと。機能していない国連の改革を、日本が中心になって進めて欲しいこと。 ウクライナカラーの山東参議院議長 ロシアに攻撃された原発の話もしたし、「侵略の津波」と日本人の心に響く言葉を選んだ。そして日本とは価値観が共通するとも語った。ロシア軍による「アンモニアガス」の使用や猛毒の「サリン」使用の可能性について語ったことに驚いた。岸田総理はウクライナに対するさらなる支援とロシアへの制裁継続」を口にして、ブリュッセルでのG7に向けて旅立った。 ウクライナ南部の都市マリウポリ市では、建物の80%がロシア軍によって破壊されたと言う。地上軍ではなくアゾフ海に浮かぶ艦船からのミサイルによる攻撃のようだ。水も食料も薬品も尽き、電気もない中で身を潜める市民。何百人もの人が瓦礫に閉じ込められ、10万人の市民が避難出来ないまま取り残され、一部の人はロシアに連行されたようだ。それでも決して敗北を口にしない人々。わたしは彼らの戦いを見続けるつもりだ。歴史の生き証人として。<続く>
2022.03.25
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~誕生日と戦争の思い出~ 東京電力と東北電力管内に節電警報が出た日の仙台は、日中の温度が1度の寒い1日になった。冬に逆戻りしたみたいで、空調機を入れっ放しにしていた私。日が差さないどころか時々雪が舞う荒れ模様の一日。つくば勤務時代の後輩で埼玉に住むK君から地震見舞いのメールが届いた。今回の地震の被害の大きさが日を追って増して来る。すっかり疲れ果て、時々よだれを垂らしながらつい居眠りしてしまう。 空襲後の仙台市中心部 私の戦争の記憶を辿ってみる。戦中に生まれた私は戦争そのものの実感はない。だが幼少期や少年時代の仙台の風景をまだ覚えている。空襲の残骸や、「防空壕」の跡を市内の数か所で見た。「米穀通帳」の存在や「食糧の配給制度」も良く覚えている。飢えをしのぐことが出来たのは、「学校給食」があったため。だが父の夜逃げで、給食費が払えないほどの貧乏も体験した。 進駐軍の戦車 次の思い出は進駐軍。家の近所にテニスコートがあり、アメリカ人がテニスに興じていた。進駐軍の本部は川内地区にあり、ゲートの前には2人の兵士が立哨していた。現在東北大学の川内地区には、木造平屋で白いペンキで塗られた宿舎があった。朝鮮戦争が始まると家の近所を進駐軍の戦車が、大衡村の射撃訓練場へ向かった。兵士がガムやチョコレートを投げたが、コーヒーは飲み方を知らず、不味かった。 裸で逃げる少女 次の思い出はベトナム戦争。私は「アメリカはベトナムから出て行け」と書いたプラカードを持ってメーデーへ行った。カメラを持った人事係長が後から着いて来た。公務員の政治運動が禁止されていたのだ。写真は1973年のピューリッツアァー賞受賞作品。米軍が大量に撒いた「枯葉剤」のダイオキシンで多くの奇形児が生まれた。腹部が癒着した双生児ベトちゃんドクちゃんの分離手術が日本で行われた。 ひめゆり学徒隊が医療奉仕した洞窟 平成元年4月。私は沖縄に転勤した。ひめゆりの塔が建てられ、地下に資料館が整備され「語り部」のオバーが沖縄戦の悲惨さを訴えていた。長女は語り部たちが学んだ女学校の後輩に当たる首里高校に転校した。ひめゆりの塔の東にある「摩文仁の丘平和公園」には、大戦で亡くなった兵士の慰霊碑が各県ごとに整備されているが、沖縄県民の慰霊碑の前で毎年「慰霊の日」の式典が挙行されている。 普天間飛行場 私の勤務先は那覇市の北隣の西原町にあるが、職場の数km西方にあるのが普天間飛行場。建設後に増加した人口により、住宅地に取り囲まれた超危険な空港。沖縄の海兵隊がここからベトナム戦争に参加したのだろう。私が勤務した当時は「湾岸戦争」の時で、米軍機が職場の上空を旋回しながら「タッチアンドゴー」の訓練をしていた。距離が近くて物凄い爆音だ。基地周辺の住民の苦しみが初めて分かった。 オーストラリア戦争記念館の展示物 博物館に転勤した際は、いくつもの博物館や美術館を見学する機会を得た。オーストラリアの首都キャンベラにある「オーストラリア戦争記念館」もそのうちの一つ。記念館の一角に日本コーナーがあった。第一次世界大戦で日本軍は友軍だったが、第二次世界大戦では敵国となり、オーストラリア本土を爆撃して死者も出た。だが展示は実に客観的で、事実を冷静に伝える内容だったことに感動を受けた。 旅順郊外203高地の戦い 3年前の1月。私はツアーで中国の大連と旅順へ旅した。明治時代の「日露戦争」の際の激戦地。堅固なトーチカからの砲撃で、数万の歩兵が犠牲になった。戦争後勝利した日本軍の乃木大将と敗北したロシアのステッセル将軍が会見した「水師営の会見所」も見学したが、展示された写真の説明板に「偽満州」とあったのが印象的。司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」のドラマが懐かしく思い出された。 3月24日。私は78歳の誕生日を迎える。寒さが厳しかったこの冬。新型コロナ感染症の蔓延もあり、ロシアによるウクライナ侵攻と言う暴虐にも遭遇した。そしてかなり大きな地震の被害。私は疲労困憊状態でブログを書いていた。この冬に咲いたシンビジュームの1本目は向かいのKさんに上げ、3本目は裏のSさんに上げた。今は少し草臥れた2本目の花が居間の窓辺で咲いている。<続く>
2022.03.24
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~プーチンとロシアが犯した過ち~ 写真は本文と関係ありません。 英国国防省が17日に発表した分析によれば、太平洋戦争の「硫黄島の戦い」で米国海兵隊が36日間で失った兵士は7千人なのに対し、今回のウクライナ侵攻でロシア軍は20日間で8千人(ウクライナ側の発表では1万2千人)の兵士を失い、装備の10%を失ったと。別の情報によれば、ロシア軍内の通信、ラジオ及び携帯電話の内容は全てウクライナ側に筒抜けで、戦死した4人の高級将官も狙い撃ちされたようだ。 以下は3月16日の夕刊フジ電子版「ZAKZAK」に寄せた、元自衛隊東部方面総監渡辺悦和氏が考える「プーチンとロシア軍の誤算」に関するレポートを、筆者の責任で取りまとめたもの。① ロシアは「全領域戦」で敗北している。つまり陸軍、海軍、空軍に加えて情報戦、サイバー戦、メディア戦、経済戦の総力を上げて戦うのが現代戦争だが、ウクライナはゼレンスキー大統領自らが連日国民を勇気づけ、世界にロシアの暴挙を訴えるメッセージを発信し続けている。これに対してロシアは「嘘」や「陰謀論」で固めた粗雑な情報を発信した。 ② ロシアは侵攻を開始した2月24日から20日経っても、首都キエフを陥落させていない。それどころか武器の供与や経済的な支援を中国に要請していると伝えられるほど。一方ウクライナ軍の士気の高さと欧米が供与した兵器の性能の高さ、ロシア軍の侵攻計画の杜撰さが、ロシア軍の苦境を招いた。 ➂ ロシア軍の現兵力で戦力を分散させる多方向への侵攻作戦は間違い。昨年11月からウクライナ国境付近でロシア軍は軍事演習をしていて疲れている。第一線の部隊は数日間程度の燃料や食料しか携行しておらず、兵站線(食料や燃料を補給するための部隊)が長距離になっている。そして制空権も取ってないため空輸も出来ない。加えて西側諸国のロシア侵攻に対する反発や軍事支援の「見積」が甘く、多くのミスが重なった。 ④ 欧米諸国がウクライナに供与した武器の中でも、トルコが提供した偵察型攻撃ドローン。米国が提供した対戦車ミサイル「ジャベリン、携帯型地対空ミサイル「スティンガー」などが特に効果を発揮した。しかしこれまでロシアが発射したミサイルは千発を超え、市民が避難するビルなどを砲撃する非人道的行為は日を増すごとに激しくなっている。プーチンの焦りが深刻だ。 ⑤ 通常戦争では攻撃側5,防御側1の割合で戦うのが普通。ロシアがウクライナに勝つためにはウクライナの5倍の兵力が必要。ところがウクライナ軍は正規軍が16万人、国家親衛隊が6万人、市民の義勇軍である領土防衛隊が13万人の合計35万人がいる。この5倍だとロシア軍は175万人必要なことになるが、侵攻に参加した正規兵は15万人から19万人。しかもこれが分散したため1正面は4万人ちょっとにしかならない。 ⑥ 独裁政権の情報機関で分析官は、トップが喜ぶような情報しか出さない。ロシア連邦保安庁(FSB=KGBの後継組織)自体が「侵攻は完全に失敗した」との内部文書を出していることを西側の情報機関が確認している。 ⑦ 米国の情報機関はロシア側の軍事機密を完全に掌握しており、それを開示することで敵を動揺させる作戦を取った。欧米諸国は今後ロシア国内の反政府運動を拡大させる戦略を考え、プーチン政権は倒れることになる。 <追補> 元軍人の渡辺氏は軍事的な要素からの敗因を述べたが、ロシアを困窮に追い詰めたのは欧米日などが徹底して行った経済制裁やSWIFTのような国際的な決済手段から排除したのが大きかったように思う。ルーブルの価値は半分以下に下がり、外貨建てによる決済不能いわゆるデフォルトが、今後利払いの度に困窮するはず。4月には元本支払いが待っている。欧米は今後電子マネーによる決済にも制限をかける模様だ。 しかし「経済制裁」はそれを受けるロシアのみならず、制裁する欧米日側にとっても厳しい側面がある。いわゆる「両刃の刃だ。経済の減速、株価と通貨の下落、商品流通の停滞などを伴うためだ。円は弱いが「戦時のドル買い」でドルは強い。このまま行けばロシア経済は5月には破綻すると言われる。ロシアの中国への支払いは「人民元」になるかも。停戦の行方と戦争終結後の世界の変化が懸念される。 行き詰まったロシアが、生物化学兵器や核兵器を使うのを懸念する。プーチンはウクライナのみならず国際関係を破壊した。機能不全の国連の存在意義を問いたい。国際司法裁判所が出した裁決を、ロシアは無視すると表明。中国も東シナ海や南シナ海を自国の領海と宣言して同裁判所から不法と裁定されたが無視した。世界には国際法を守らない「ならず者国家」が存在することを忘れてはならない。<続く>
2022.03.20
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~ウラジーミル・プーチンと言う男~ キエフ包囲網 私たちは今、ロシア軍の残虐性を目の当たりにし、死に瀕したウクライナ国民の苦しみを連日目にしている。こんな理不尽なことが21世紀に起きた。ユーラシア大陸に跨る巨大な国家が、隣の主権国家に大量の兵器と共に侵攻して理不尽な戦争となった。こんな暴挙を許して良いのだろうか。今回は歴史を逆転させようとしている一人の独裁者の話をしたい。 若き日のプーチン 1952年10月7日。彼は旧ソ連邦のレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)に生まれた。レニングラード国立大学で法律を学び、1975年に卒業。対外情報部(KGB)の部員として16年間勤務した。 KGB時代 ドイツ語語が堪能で旧東ドイツのドレスデンで対外情報活動に従事し、当時は分裂都市だった西ベルリン側にも潜入し、西側国家の内情を探ったこともあった。彼の劣等感は身長が低いことだったようだ。そして身分が中佐で終わったことも。1991年に辞任後は政治活動に従事し、サンクトペテルブルク市の副市長となる。1996年活躍の場をモスクワに移し、エリツィン大統領政権に参加。連邦保安長官、連邦安全保障会議事務局長を務めた後、首相に就任する。 <ベルリンの壁崩壊=左と旧ソ連邦の崩壊=右> 彼の運命を変えたものの一つが1989年に起きたベルリンの壁崩壊で、2つ目が1991年に起きた共産主義国家旧ソ連の崩壊だった。エリツィン辞任後大統領代行となり、4か月足らずで大統領に初当選。第2次チェチェン戦争、グルジア(当時)の南オセチア戦争を指揮して勝利。ロシアの経済回復を実現した。2014年ウクライナ東部に軍事介入し、クリミア半島を併合してG8から外された。 1983年客室乗務員だったリュトミラ夫人と結婚し、2子を得た。長女のマリアさんは1985年生まれで生物学を学んだ後医学に転じ、「小人症」の研究に従事している。次女のカリーナさんは1986年生まれでモスクワ大学の研究者兼ダンサー。古い写真で観たら3人とも大変な美女だった。2013年に離婚。原因はプーチンのDVとのこと。 プーチンの愛人とされているのが元新体操の選手でオリンピックで金メダルを取ったカリーナ・カバエワさん。8年間国会議員を務めた後、国営メディアの経営者に就任。2015年スイスで双子の女児を出産。その後2人の男児を出産。いずれもプーチンの子と伝わる。今回のロシアによるウクライナ侵攻の前日2月23日に4人の子供と共にスイスに退避した。その他プーチンは清掃婦との間に30代の女児をもうけている。 プーチンを支える政治体制が「シロビキ集団」と呼ばれる5人で、旧KGB仲間が多いが独裁者プーチンの叱責が怖くて本音が言えない。また経済的側面から支えて来たのが「オルガルヒ」(右)で、旧ソ連時代の国家企業を手に入れた新興財閥。ただし今回の侵攻による欧米の経済制裁による損失が著しく、中にはプーチン氏を見限る者が出だした模様。 黒海付近にあるプーチンの別荘はオルガルヒなどから提供された賄賂19億円で建てられた。敷地は山手線の内側に相当し、専用の劇場、ワイン工場などがある。プーチンの個人資産は113兆円と言われる。オルガルヒの一部はロシア侵攻前日に大量の現金と金塊を持って国外に脱出。その日は60機の自家用ジェット機がモスクワから飛び立った由。無論彼らの国外資産の大半は、目下凍結されている。 ブリゴシン(写真)は「プーチンの料理番」と呼ばれた悪友。こねを利用して巨万の富を築き、プーチンに貢ぐ一方民間軍事会社「ワグネル」を経営。アフリカなどの国内紛争に関与している。今回のウクライナ侵攻ではアフリカから精鋭400名をベラルーシ経由で帰国させ、そのうち200名を工作兵としてウクライナ国内に潜り込ませた。ウクライナ東部2州の独立運動にも加担している。 引退したメルケリ元ドイツ首相は東ドイツ出身でロシア語が話せた。ドイツ語を話せるプーチンとは自由な意思疎通が出来たと言われる。だが独裁者プーチンを怖がる側近は真実のことが話せず、今回のウクライナ侵攻でもキエフは数日で陥落すると報告。だが侵攻計画の失敗と過酷な経済制裁を知った今、情報部門の長や軍事部門上層部に命令して、さらなる攻撃を加速させるのだろうか。 側近がコロナに感染して以来、プーチンは人を寄せ付けなくなったそうだ。長さが6mもある楕円形のテーブルはイタリアの特製。左がプーチンで右端がフランスのマクロン大統領。コロナと暗殺を恐れるプーチンはすっかり臆病になった。1日2兆円を費やす戦費。ルーブルの価値は下がり、困窮する国民。ウクライナとの協議もそう簡単に結論は出ないはず。私の目は悪魔の戦争を見続ける。<未完>
2022.03.16
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~共感疲労そしてわが闘い~ 連日連夜、残酷極まりない映像を見続け、ウクライナの人々が苦しみ逃げ惑うニュースを聞き、ロシアへの抗議を書き続けていると、深い疲労感に苛まれる。どうやら専門用語で「共感疲労」というようだ。先日は朝起きたら洗面所から水道が流れっ放し状態。トイレに起きた際電気も点けずに水を飲んだ時に止めるのを忘れたようだ。無駄になった水量を考え、間を置いて風呂を2回休んだ。 最近食料品の急激な値上げとも戦っている。先日は思いついて「パンケーキ」を作ってみた。賞味期限がとっくに過ぎた強力粉を水で溶き、生卵、餡子、黄粉を混ぜたのをフライパンで焼いた。(左側)もっちりして旨かった。野菜不足を感じて塩もみ(右)を作った。材料は新キャベツ、キュウリ、千切りのニンジン。これにゆずポンと出汁の素を加えた。やもめ男の簡単手料理。 ウクライナ侵攻に夢中になり普通のニュースを忘れた。藤井五冠のA級入りの話、プロ野球のオープン戦やパラリンピックのことなど。朝ドラや1週間ぶりに観た大河ドラマが新鮮。そして2か月ぶりの大相撲。そんな平和な世界を、すっかり忘れていた。新聞を読むのが息抜きだったが、新聞休刊日でその楽しみも奪われた日。だがウクライナ人の地獄の苦しみに比べたら、そんなもの屁でもない。 先日、中国政治研究家興梠(こうろき)一郎さんのyoutubeを観て驚いた。習近平の顧問(恐らくは経済専攻の大学教授か)を務める人の意見。ロシアは現在の戦争に必ず負ける。たとえ勝ったとしても、ウクライナを屈服させることは不能。そしてロシア経済は2年以内に崩壊する。もしも中国が仲介に乗り出すとしたら今しかない。だがそれで戦争が終結するかは不明。 オオイヌノフグリ 今回の無謀な戦争でロシアは国際社会から孤立した。欧米やG7サイドは一致してロシアに厳しい制裁を下した。その制裁は今後さらに強まる。だからロシアを支援すれば中国も同じ道を辿る。この紛争が治まった後の世界は、欧米が主導権を握り中国が孤立する恐れがある。世界の現状を冷静に分析してるだけでなく、近未来をも見据えている。しかしこの助言を習近平が聞き入れ、どう行動するかは不明。 福寿草 今回の戦争で世界はプーチンの残虐性と独裁者に振り回されるロシア社会の実態を目の当たりにした。だが中国の少数民族への激しい人権抑圧と中国化政策は、ロシア以上の恐怖政治でもある。世界は専制国家の閉鎖性と怖さを知った。言論統制と変則的で不自由な経済活動。富が権力者に集中する異常な国家。それは北朝鮮も同様だ。世界は今後も専制国家と戦い続け、結束を深めるだろう。 ロシア軍によって破壊され尽くした美しいウクライナの国土。平和を愛するウクライナ国民が再び祖国に帰れる日を願う。だがその日まで、一体どれだけの血が流されるのだろう。そしてロシアと中国の国民がいつ真実を知るのだろう。自由主義国家にいる私たちは、真実を目にし耳にすることが出来るが、言論と情報の統制下にある彼らは、歪められた「事実」や「独裁者の偏見」しか知らない。 私は昨日大量の「煮物」を作った。味見はまだしていないが、多分美味しいはず。私は初めて残酷な映像のない抗議のブログを書いた。これから布団を干し、自転車で買い物に行く。17度はこの冬一番の高温だ。防寒着も手袋も不要。少しゆったりとして気分を和らげ、出来れば少し昼寝をしたい。 ウクライナに栄光と平和を。世界に良識を。ではでは。
2022.03.15
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~戦争の行方~ ロシアのウクライナ侵攻が始まってから昨日で18日目。この間私たちは一体どれだけの残酷な映像を見せられ、プーチンとロシア側の詭弁を聞かされ続けて来ただろう。美しいウクライナの国土はめちゃくちゃに破壊され、兵士のみならず善良な市民や幼児児童までも無意味な戦争の犠牲になった。国外に脱出したウクライナの難民は251万人を超え、さらに増え続けている。 独裁者 だがこの男に戦争を止める意思はなさそうだ。21世紀に入ってから、まさかこんな理不尽な戦争が勃発し、大量の血が流される事態を一体誰が予想しただろうか。一人の男の幻想が生み出した戦争。習近平が毛沢東と肩を並べたように、この独裁者はレーニンに代わろうとしてるのだろうか。独裁国家は怖い。近辺に助言者を置かず。忠告も聞かない。もしもそうなら行き着く先は破滅しかないではないか。 ヒットラーの顔と合成したバルセロナのデモのプラカード ロシアはベラルーシに最新鋭兵器を供与することで合意した。ベラルーシの参戦を促すようだ。プーチンは対外諜報部門のトップらを自宅軟禁した。作戦が思い通り行かないための粛清。ザポロジエ原発をロシアの原子力企業が支配下に置いた。ウクライナ南部のメリトポリ市長が拘束され、ロシアに連行された。ロシアに妨害活動したと言うのが言い分。無法国家ロシアにとって理由などどうでも良いのだ。 ロシアはウクライナ西部の軍の空港2か所をミサイルで破壊した。キエフ近郊の空港も破壊された。共にEUからの物資補給を恐れてのこと。またベラルーシをウクライナが攻撃したと虚報。ウクライナは直ちに否定。いつもの「偽旗作戦」でウクライナに罪を擦り付けるためだろう。経済制裁でルーブルが80%下落した模様。今後ロシア経済は立ち直れないほど破綻すると言われる。 今回の侵攻前にタイのプーケット島に観光に行ったロシア人2500名ほどが、帰国出来ないでいる。カードでの支払いが不可能で帰国のあてはない。ロシアの航空会社の飛行機の大部分は外国からのレンタルらしい。怒ったプーチンは飛行機を没収すると言い始めたが、必要な整備員は不在。ロシア国内からかなりの外国企業が撤退し、営業を停止した。ロシア国民の不安はさらに強まるだろう。 プーチンはキエフ包囲網にシリア兵1万6千人を登用することを言明。ロシア兵は都市でのゲリラ戦を知らず、犠牲者が増えるための措置みたい。ロシア軍兵士1万2千人が戦死したとウクライナ側の発表。プーチンの怒りは絶頂に達し、何が何でもウクライナを屈服させようとしている。情報を遮断されたロシア国民は今回のロシアの暴挙も、ロシア兵大量死の事実も知らぬまま。 狭まる首都キエフ包囲網 キエフ市民400万人のうちほぼ半数が脱出した。兵士及び市民の義勇軍は市内各所に塹壕を掘り、土嚢を積み、近づく市街戦に備えている模様。3方向から迫るロシア軍の一部はキエフ市内に入ったが、中心部にまでは達しておらず、キエフ近郊で両軍の激しい戦いが続いている。水や食料が乏しい中でも、ウクライナ軍兵士と義勇軍の士気は衰えていないのが救い。 ゼレンスキー大統領 詭弁を弄するプーチンに対して、ウクライナ大統領の言葉は誠実で明瞭。祖国を愛し正義のためロシアの攻撃から国民を守り続け、欧米などの救援を得て、最後まで戦い続ける覚悟だ。国民は若い大統領を信じている。国外に脱出した人も国内に留まった人も。あれだけ国土を破壊されたら、心が折れてしまうのが普通。だがウクライナ人は実に我慢強い民族だと思う。それだけ抑圧された歴史が長いのだろう。 ウクライナ兵士の死者数は1300人ほど。勇者の命懸けの抵抗で、ロシア軍のロケット弾は底を尽き始めていると言う。黒海沿いの港町オデッサ市内では、市民に対する銃撃の訓練と「野戦病院」の準備が進む。ウクライナ側の避難路設定で脱出した市民は約7千名。ロシアによる侵攻以来誕生した新しい命は4311。また結婚したカップルは3973組。ウクライナに栄光と平和を。 国外に脱出したウクライナ国民は251万人。そのうち100万人が子供たち。中にはたった1人で逃れた子供がいた。また川を渡って国境を越えた中には凍傷になって、足の指を切断した気の毒な子供もいたと聞く。やむなく国内に留まった人々の中には停電で冷蔵庫が使えず、食料や牛乳が腐って食べ物や飲み物に事欠く人がたくさんいるようで気の毒だ。冷酷なプーチンはそれをあざ笑うのだろうか。 ロシアで暮らあう日本人の中には、帰国のめどがつかない人や、商売が出来ない人がいる。またロシア人とウクライナ人の両親を持つ人も多く、親戚が2つの国にいる。日本国内のロシア人も気の毒で、いじめや差別の対象になってる人も多いようだ。彼らには何の罪もないのに。ウクライナ人も同じで、きっと複雑な想いで暮らしていることだろう。政府は亡命ウクライナ人の受け入れを決めた。 バイデン大統領はロシアに与えていた「最恵国待遇」を解消した。これでロシアからの貿易品に係る関税が一層厳しくなる。またロシアの侵攻財閥オルガルヒ関係者の海岸資産を凍結した。彼らはプーチンを支えて来た連中だ。ウクライナ侵攻翌日の2月25日、ロシアから60機の自家用ジェット機が海外に向かった。資産凍結される前に、出来る限りのドルと金塊を運び出そうとの魂胆だ。追い詰められた彼らが、プーチンを見限る日が早く来ることを願る。 フランスとドイツの首脳、そしてプーチンとの電話での会談では、何の進展もなかった。プーチンが戦争を止める意思がないためだ。核大国かつ国連安保理常任理事国であるロシアは国連憲章を作った当事者だが、その当事国が自ら法を破った今回の戦争。これでは国連が機能するはずがない。中国も他山の石。今回のロシアと同様の行動をしないとの保証はない。 ロシアのISS プーチンが核の使用をちらつかせるのは、干渉して欲しくないため。ウクライナがどっち側に就くかで、世界の情勢が変化する。ロシアのISS(国際宇宙ステーション」は、欧米の援助が途絶えたことで落下する恐れがあるとロシアの宇宙企業。前澤友作氏が宇宙旅行した例のあれだ。だがそれはロシア自身が招いた災難。米英はロシアからの原油輸入禁止に踏み切った。ロシア経済はさらに深刻になるはずだ。一方ウクライナに対する支援の輪は世界に広がっている。<続く予定>
2022.03.14
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~プーチンの狂気とメディアによる情報(1)~ 我が家の椿 今日も私の戦いが始まった。翌日のブログの原稿書き。写真の整理だけでも1時間近くかかった。戦争の実態を、どの写真を使ってどんな内容を、どんな順番で書いてゆくか。それがまた凄まじいエネルギーを要し、腱鞘炎で痛む我が指が悲鳴を上げる。そんなことは些細な問題。キエフの包囲網が縮まり、ウクライナ国土が焦土化し、逃げ惑う市民たち。だが詭弁と猛攻撃を続けるロシア。プーチンは異常人格だ。 チェルノブイリ原発構内 ロシア軍に攻撃されたチェルノブイリ原発。使用済み核燃料の冷却用電源は落ちてないとIAEA(国際原子力機構)は言うが、同原発からの連絡は途絶えている。攻撃をうけた2月24日から2週間以上200名の職員がロシア軍の監禁状態にあり、暖房、寝具のない廊下で不眠状態、極度の緊張状態で勤務し、食事は1日1回のパンのみ。<BBC,CNN,読売> 事情はロシア軍の攻撃で被害を受けたザポリーリジャ原発(左)や国立物理技術研究(右)も同様だ。電源の確保はもとより、原発や小型原子炉の管理のためには常時勤務する監視のための職員が必要だが、彼らとIAEAの連絡が取れてないのだ。ロシアは「汚い原爆を作っている」とのプーチンの虚言は、自軍の核使用の言い訳か。4番目の南ウクライナ原発にもロシア軍が迫っている。一旦原子炉が爆発するとどんなことになるか、福島原発でもチェルノブイリ原発でも体験したはずなのに。 キエフへの包囲網 画像は11日のBS-TBSの番組から借用した。西北のルートは市内中心地から15km地点。もう市内に潜入したようだ。60km以上も滞っていた隊列を新たに組み替え、燃料補給も済ませたようだ。北東及び東北東からのルートは共に40km地点に迫り、ウクライナ軍が必死に抵抗をしてるようだ。ロシア軍の傭兵1600人は、シリアのISを相手にして戦ったプロのゲリラ兵。一方ウクライナ軍に参加した義勇兵は正義のために名乗り出たボランティアだ。 左はウクライナ軍の攻撃で爆撃中のロシア軍戦車隊。対戦車砲欧米が提供した「ジャベリン」などが効果を上げているようだ。右はトルコが提供した戦闘用ドローンが小型レーダーで捉えたロ軍の戦車。真上に弱点を持つ戦車をピンポイントで狙っている。ウクライナの発表によるロシア軍の死者数は1万2千人。プーチンが苛立っている原因の一つ。もし2万人を超えたら、ロシア国内に動揺が走るだろう。 焦ったロシアは液体気化爆弾(左)の使用を認めた。周囲の酸素を奪って窒息させる爆弾。中央は「無誘導爆弾」で破壊された建物。単価が安くコントロールが効かない。そのため目的物以外の建物や人間も巻き添えを食う。右は南部マリウポリの病院への攻撃で、産科小児科棟の被害者を救出する救助隊。ロシア軍は病院への爆撃を否定するが。映像は世界に流れる。国際法違反の殺人鬼がプーチンの実像だ。 ロシア語圏内の国々 プーチンの野望は「ロシア語を話し、ロシア正教を信じる国の統合」とソビエト連邦への帰旧にあるようだ。だからチェチェン、やグルジア(現在のジョージア)に進軍してロシア語族の国家を独立させ、クリミアをロシアに編入し、ウクライナ東部の親ロシア派住民を「独立」させてロシアに編入させようとした。それが今回の戦争の根源にある。法治国家を侵略する自分勝手な論理は、迷惑なだけの話。 プーチンの表情を読み解く ロシアの経済を立て直してG8メンバーに入った頃のプーチン(左)はにこやかだった。だが2014年の武力によるクリミア併合で欧米から非難を浴び、G8から追放された後のプーチンは厳しい表情に変わった。さらにコロナが蔓延するとテロやコロナを恐れて、側近とも距離を取り始めた。そして誰の意見も聞かなくなった。以前は多数の意見を聞き、バランスが良いと評価されたこともあったそうだ。 大統領と首相を交互に務め、もう20年も政権に居座っている独裁者プーチン。バイデン爺さんは副大統領時代からプーチンを信用出来ない人物と評していたようだ。その米国の世論調査で、「ウクライナ戦争」へのアメリカの参戦にイエスと答えたのは35%に過ぎない。ただロシアへの経済制裁強化への賛成者は80%を超えるそうだ。世界は今回のプーチンの目論見に「ノー」を突き付けた。 ハリコフ市内の惨状 「だが」と日本の識者は言う。「経済制裁は戦争の一種だ」と。G7の我が国は、欧米と共にロシアへの経済制裁を決めて実行した。それ自体が戦争行為と受け取られる由。そうなった以上は最後まで戦う以外ない。当然ロシアも国内の外国企業資産を差し抑えて、自国のものとするだろう。事実プーチンがそれを宣言した。アメリカはさらなる制裁案を発表。EU諸国のロシア離れが急速に進んだ。 夜間の無差別攻撃 ロシアルーブルは急激に下落し、ロシア国債の投げ売りが始まった。決済手段をほぼ失ったロシア経済はかなりの打撃を受け、ロシア国民のみならず世界各国の経済状況を悪化させるだろう。日本も円安、株安、物価上昇のトリプル安が始まった。だが国際法を破り非人道的な手段を使ったロシアを許してはいけない。中国もこの現状を観て欧米の本気度を知ったはず。今、習近平は黙って見過ごすしか方法はない。 ウクライナの妥協案 怒れるプーチンは何もかも破壊しようとしている。これに対してゼレンスキー大統領は冷静だ。国民の命を救うために「妥協案」すら示した。だがプーチンは主張を変えず、力で屈服させウクライナの領土を奪おうとしている。この戦争が果たしてどこまで行き着くのか。「核戦争」を避ける欧米の努力を、プーチンはせせら笑っているのだろうか。このシリーズと私の健康が果たしてどこまで持つか。 ウクライナに栄光あれ。一日も早く世界に平和が戻ることを祈る。専制主義国家ロシア、中国、北朝鮮の策謀を許してはいけない。日本はもっと勇気を持たなくては。<続く予定>
2022.03.13
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~あれから11年そして世界は今~ 花屋の店頭にて 昨日は3月11日。忘れもしない「東日本大震災」の当日。早くもあれから11年が経った。確かに国家予算を注ぎ込んで復興した部分もある。だが福島原発の事故などで、やむなく故郷を捨てた方々。亡くなられた方々。行方不明の方々。心の傷が癒えない方々。遺族の深い悲しみと嘆き。あれから我が家でも色んなことが起き、人生が変わった。出来たら何か有意義なことをしよう。そう思って朝起きた。 作業 先ずは燃えるごみを出しに行き、資源ごみをまとめ、ベランダで布団を干し、粗大ごみの古い布団を紐で括った。指定日に外に出して置くと取り扱い業者が引き取りに来る。これで400円。チケットはコンビニで取り扱っている。今回が初めて利用。2年前の断捨離では50リットルのゴミ袋60袋以上と、本を200冊以上廃棄処分した。あの作業で腰を傷め、今もまだ痛む。 お徳用ネギと散髪後のマックス爺 そうだ。歩いて床屋へ行こう。往復で3km弱。元気な頃だったら散歩にもならない距離。でもたちまち腰が悲鳴を上げた。デジカメ持参なので撮影しながら。結構客がいて私がもらった「札」は10。だがそこは15分ぐらいで仕上げる超安い店。帰り道生協の前で100円のネギを購入。待ち時間も含めて1時間30分かかった。腰も持ったが、トイレも良く我慢出来たもの。さっぱりした。 わが手料理 前日に購入した魚を捌いて干物にしていた。イワシが5匹とダツが4匹。塩を振り1日干しただけで、とても美味しい干物になった。合わせて320円くらいだったはず。右側は100円で買った「茎ワカメ」の半分を一旦茹でて塩分を抜き、佃煮にしたもの。煮汁の残りなどを使った超安物料理だが、歯応えもあって美味しい。ご飯のおかずにも、お酒の「お供」にもピッタリ。 腐った古株 トルコが仲介して実現したロシアとウクライナの外相会談。だが全くの期待外れだった。きっとロシアの外相は何の権限もないのだろう。ウクライナは妥協の余地まで示したのに。世界各国による経済制裁や、甚大な自軍の被害に苛立ったプーチンは、原発や核関係施設、病院、学校、集合住宅など見境なしにロケットで攻撃し、キエフ包囲網が急速に狭まった。それでもゼレンスキー大統領は音を上げない。 樹影 またしてもロシアはデマを言い始めた。「ウクライナは汚い原爆を作っている」に続き、今度は「アメリカはウクライナ国内で生物化学兵器を作っている」と。核兵器や生物化学兵器を使用したいロシアが反対のことを言うのはいつものこと。「燃料気化爆弾」の使用を初めて認めたようだ。クラスター爆弾や費用が安い「無誘導爆弾」で、住民ごと建物を破壊している。プーチンの焦りと狂気そのものだ。 ゴムの枯葉 チェルノブイリ原発や核物理学研究施設から原発などを監視する国際機関あてに、ここ数日間メールが届かないと言うのが気になる。廃炉も小型の実験炉も管理職員が常時コントロールしないと、いざと言う時に困るのだが、ロシア軍はむやみやたらに砲撃して後は見ぬふり知らぬふり。責任を全部ウクライナに押し付ける卑怯で無謀な集団だ。常識が通用しない為政者は、他国民だけでなく自国民も地獄に落とす。 孤独な水鳥 プーチンは孤独な水鳥だ。外国企業が次々とロシアから撤退するのも当然だ。全てはプーチンの妄想から始まったこと。盟友習近平もどうにも出来ないだろう。近付けばロシアの仲間と見なされ、西側諸国から同様の制裁を受ける。プーチンの「暴走」で、習近平の幻想と野望にも影が差したのではないか。バイデン爺さんが頑張れるのも、優れた閣僚たちが支えているからだろう。副大統領は何もしてないけど。 ウクライナのパラ選手団 北京冬季パラリンピックで、ウクライナの選手たちが自国に攻め入ったロシアに抗議している。本来なら政治的な問題には触れないのがオリンピック精神だが、今回はやむを得ない行動のように思え、逆に応援したい気持ちだ。彼らには帰る国が無くなる可能性すらあるのだ。スポ-ツすら政治の道具にしたプーチンとロシア政府を憎む。きっと良識あるロシア国民は心苦しく思っているはずだ。 ウクライナに平和を 当分ウクライナ情勢から目が離せない。ゼレンスキー大統領はじめウクライナ国民の皆さんには、ただただ何とか生き延び、戦争終了後の祖国の復興と明るい未来を信じて頑張って欲しいと願っている。国外に脱出した人々も慣れない土地だろうが、親切に甘え健康で過ごして欲しい。ウクライナに平和と栄光を。そして一日も早く、世界に正常と秩序の日々を。わが3.11は長い祈りの一日だった。
2022.03.12
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~ウクライナに危機迫る~ キエフからの脱出者(ロイター) 私のブログは公開の前日に書き始めるため、どうしてもタイムラグが生じる。連日ウクライナ関係の情報をテレビのニュース、報道番組、新聞のネット版、youtubeなどで確認しているが、かなり深刻な状況に陥っていると感じる。ロシアの経済がジワジワ弱っている。情報統制で国民の不満を抑圧しているが、若者たちはウクライナ侵攻と世界の情勢を知り、反戦ムードは高まっているようだ。 BS-TBSの番組から借用 これはアメリカCIAのバーンズ長官の観方。プーチンは決して狂人ではなく、判断力を持っている。プーチンの目論見が外れた原因(左側)は、側近に異議を唱える者がいないこと。また誤算(右側)の1)は弱いと思ったウクライナが意外に強かったこと。2)はEUが今回の侵攻に関わらないと考えたこと。3)は世界各国による経済制裁を甘く見ていたこと。4)は近代的な装備のロシア軍は数日でウクライナを制圧出来ると判断したこと。 バーンズ長官はシナリオが全てが狂ったことでプーチンは苛立ち、今後は過激な攻撃でウクライナを制圧する恐れがあると言う。(9日)写真左上はシリアのアレッポで市街地を徹底的に破壊した作戦。右上はチェチェン紛争で、ロシアの特殊部隊がゲリラ作戦で街を制圧した。共にプーチンが指揮して勝利した。「人道回廊」は邪魔な市民を追い出す口実で、残った市民は「敵」と見なしてビルごと破壊すると。 ロシア兵士の死者数(BS-TBS)より借用 国連によるウクライナ市民の死者数は474名。ウクライナ側の発表によるロシア軍兵士の死者数は1万2千人。ロシアの発表は498人。CIAの観方はその中間で2千人~4千人。おそらく当初プーチンが予想しなかった数。ウクライナ軍の高級将校2人もウクライナ側の攻撃で戦死している。 ロシア軍による首都キエフへの侵攻ルート推定図。左側はNHKより、右側はBS-TBSの番組より借用。どちらも3方向からキエフに向かっている。キエフの西側に向かう車列は10日ほど停止中。今は北からキエフに向かうルートと東側からキエフに向かうルートで交戦しながらジワジワ前進している模様。キエフの人口は400万人。脱出した市民もいるが、逆に逃げ込んだ市民も多い。 ロシア軍のキエフ侵攻に備えるウクライナ兵(NHK) ウクライナ軍兵士の士気は高いが、連日の戦いで疲労し切っている。それに水も食料も乏しく、電気を止められて暖房もない状態。早ければ10日の早朝5時(日本時間)から13日の間にキエフへの総攻撃が開始される可能性があるとアメリカは見ている。車両で迫るとゲリラ戦法を受けるため、遠方から中距離ミサイルで攻撃する可能性がある由。長ければ10日間攻撃が続くとの見方も。 ウクライナ内務省高官も今後7日から10日間ロシア側の攻撃に耐える必要があると認識してる(上)のようだ。そのため空軍機の入手をEUに要望したが、戦線の拡大を恐れたアメリカとEUは断念した。対戦車砲などの武器は届いたはずだが、国内での戦線は広い。キエフ籠城戦も考えられる。ウクライナはその積もりで昨年から準備をしていたはず。 ウインクするゼレンスキー大統領 米国およびEUの首脳の中では、ゼレンスキー氏を国外に脱出させて「亡命政権」を樹立させる計画も準備されている。8日のタス(共同)によればロシアが求める「ウクライナの中立」に関して、欧米にロシアを加えた各国による安全の確約を条件に、NATOへの早期加盟を断念することも有り得る。ただしクリミア半島の領有権や東部2州の独立は受け入れないとの情報ありと。ただし、ゼレンスキー大統領自身は「自分は最後までキエフに残る」と断言している。 戦況は行き詰まっている。SWIFTからの除名や経済制裁、欧米企業のロシアからの撤退が急速に進んで、ロシアへの影響がかなり効き出した。焦ったこの人は今後徹底的にウクライナを破壊し焦土と化す作戦を取る可能性が高い。ウクライナも瀕死状態になるが、ロシアも衰弱するはずだ。そしてその影響は全世界に長期に及ぶと想定される。どこまで破滅が進むかは、この男の判断にかかっている。 ウクライナには各国から義勇軍が入っている。一方ロシアは経験豊富な外人部隊を金で集め、キエフ攻撃に参加させる予定でいる。恐らく既にキエフ市内にも潜り込んでいるはず。そして米英の情報部隊が大統領の身辺を常に警護してるはず。最後の決戦が迫っている。世界は歴史を塗り変えようとしているプーチンの残虐さを目の当たりにするはずだ。知らぬは情報統制されているロシアと中国の国民だけ。 破壊された街に残るウクライナの老婆。幸せに暮らしていた家族は、安全のためにキエフを離れて父親と別れて行く。ロシアは平和な暮らしをウクライナから奪った。ウクライナのジェノサイドを訴えたプーチンこそが世界史を書き換え、人類を滅亡の危機に陥れた張本人だ。 北京パラリンピックのウクライナ選手団は、14日の閉会式には参加する由。ただ終了後は祖国に帰れず、一旦隣国のポーランドに滞在して、状況判断するそうだ。習近平はこの事態をどう見てるのだろう。韓国の大統領選では野党候補者が勝った。パラリンピック期間中もウクライナの戦火は広まる一方。ロシアがこれ以上原発や原子核研究施設への攻撃をしないことを祈る。ヨーロッパもそしてロシア、世界中が放射能に汚染される危険性があるのだ。プーチンに判断力が残っていることを祈りたい。<続く> 2011年3月11日。震度7強マグニチュード9.0に揺れたわが東北。「東日本大震災」から今日で11年目。あの日の悲劇と、その後にも苦しみ続ける人々の映像を目にする東北の3県。行方不明者はまだ2千人以上もいる。あの大震災で亡くなられた方々のご冥福と、遺族の方々の悲しみを想い白菊の画像を奉げたい。安らかにお眠りください。合掌
2022.03.11
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~キエフ全面攻撃まであと何日?~ チェルノブイリ原発 恐れていたことが現実のものになった。ロシア軍が攻撃したチェルノブイリ原発で、昨日電源が喪失した。使用済み核燃料は冷却が必要だが、予備電源で冷却出来るのは最大48時間とのこと。それであれば明日中にメルトダウンする可能性がある。まだ制御する必要があったのだ。ロシア軍の無謀な原発や核物理学研究所攻撃。新たな放射能汚染発生の危機が高まった。ロシア軍の無知と無謀に驚く。 避難するウクライナの人々 幅50cmほどの傾いた「板」を伝って向こう岸に逃げるキエフ近郊の人々。8日ここから1万人が避難した模様。。キエフ西側からキエフに向かう3か所の橋はウクライナがロシア軍の侵攻を停めるために破壊した。ロシア軍が設定した5か所の「人道回廊」のうちウクライナが受け入れたのは2か所のみ。ルートには地雷が埋めてあったり、バスごと避難民を爆撃される恐れがあるためだ。その後ウクライナは国内の避難路を整備した模様。 南部の主要都市マリウポリのルートを已む無く受け入れたのは、脱水症の市民が出始めたため。ウクライナの補給隊をロシアが攻撃するため市民へ届けられないのだ。ロシアの「人道」は国際世論を欺く手段に過ぎない。8日現在の国外脱出者は200万人を超えた。国連難民高等弁務官事務所の予測だと難民の総数は400万人に上るだろうと。 驚くべきニュースが飛び込んで来た。ウクライナ側の停戦交渉メンバーの中にロシアのスパイがいたと言うのだ。デニス・キレフ氏はオシャドバンク取締役第一副代表。財務担当として交渉に臨んで来た。ところが情報機関が彼の通話記録を調査した結果、ロシアと通じていたことが判明。情報機関によって直ちに処刑された模様。(英国BBC)ロシアはゼレンスキー大統領を失脚させた後に傀儡政権を作る構想を持つとされているが、ひょっとしたら彼は候補者の一人だったのかも。 ロシア側の画像がでっち上げなのに対して、元喜劇俳優のゼレンスキー大統領はスマフォの自撮り画像で直接世界に訴えかける。左は大統領府隣の通称「怪物屋敷」。自分はキエフにいるとアピールするため、時々怪物屋敷の映像が入る。彼はそのスタイルで、先日英国下院議会の議員に支持をアピールした。議員らは全員起立してゼレンスキーの誠意に応えた。ロシアの情報操作作戦は大失敗だ。 ロシア軍のトラックに乗る親ロ派武装集団 7日国際司法裁判所の公聴会に、ロシア側は出席しなかった。ウクライナ東部ではロシアが派遣した軍事会社の工作員が親ロ派住民を煽っているのが実態。国連のグテレス事務総長はウクライナ東部の状況は「ジェノサイド」とは認定しないと言明し、国際法協会の有志会員は「親露派地域」は国家ではなくロシアは集団的自衛権を行使出来ず、国連憲章に違反して「侵略行為」を行っていると断定。国際司法裁判所は早期に判断を下す予定。(読売) ウクライナのパラリンピック選手 北京パラリンピックから追放されたロシアとベラルーシの選手だが、ウクライナ選手にも影響が出ている。左のアナスタシア・ラレチナ選手は父がロシア軍に拘束されたことで精神が不安定となり、選手村で待機中。右のリュドミラ・リアシェンコ選手はロシア軍に自宅が破壊されたことを知ってショックを受け、今大会を棄権したと言う。(読売) <ウクライナ軍に撃墜されたロシア機(左)とミサイルを発射するウクライナ兵> 私のブログは公開の前日に原稿を書いて予約する方法を取っている。公開は午前0時なので時差は14時間ほど。写真はBSーTBSやBSフジなどの報道番組から無断借用している。上はBSーTBSの8日夜放送のもの。グーグルの画像検索で得た写真だと追跡と妨害の恐れがあるためだ。デジカメで撮り編集すると時間がかかるが安全のため。メモを取り、シャッターを押し、パソコンでブログの原稿を作成すると指に腱鞘炎が出る。シャッターを何度も押すため、切り難くなった。 ロシア軍の攻撃で炎上する石油タンク 9日朝に自分のブログを見て驚いた。0時公開が7時前で800アクセス以上、11時過には1000アクセスを超えた。名も知らぬ読者諸氏に心から感謝したい。予約した画像は直ちに廃棄する。パソコンに負担を掛けないためだ。全くのアナログ派の爺だが、一人暮らしの生活も含めて奮闘している。キエフへの全面侵攻まで残り数日。ウクライナ国民には何とか耐えて首都を死守してほしいものだ。<続く>
2022.03.10
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~泥沼化する戦争の虚像と実像~ ロシア軍の原発攻撃に抗議する市民たち このシリーズを書き始めてから10回目に達した。その中で4回の妨害があった。本シリーズと無関係の「詐欺メール」も1件。何とか知恵を絞って妨害や犯罪の手から逃れている。水や食料、電気のない中で命懸けで戦っているウクライナの人々に比べたら小さな出来事だ。 ウクライナ戦線の拡大 左側は2月25日の戦況で、右は3月7日現在の戦況。ロシア軍の侵攻が確実に進んでいるのが一目瞭然だ。ウクライナ国境にいたロシア軍は100%ウクライナに入ったようだ。東部からクリミア半島にかけての海岸部は赤の帯に連なった。首都キエフへの総攻撃も近いと噂されている。これまで3回持たれた「停戦会議」は全て物別れに終わった。ロシアの要求は無条件でウクライナを引き渡すことに等しい。 ロシアは「人道回廊」を6か所設定したと言うが、砲撃がある中での避難は無理とウクライナは主張。それに避難先はロシアかベラルーシと言うのだから聞いて呆れる。かつてシリアでもロシアは「人道回廊」を作ったが、ただ難民を砂漠に放り出しただけ。彼らが去った後、都市は更地になるほどの猛爆を受けた。ウクライナの抵抗に手を焼いたロシアは口だけの「人道」を示しながら村や町を破壊した。 左側は今回ロシアが攻撃した「物理科学研究所」。ここには研究用の小型炉がある。構内の建物2か所を破壊したようだ。右はウクライナ国内の原発と。原子力関係の研究所。ロシアが執拗に攻撃する理由は「ウクライナは密かに核兵器を製造している」とのプーチンの主張を「でっち上げるため」。原発が停止すれば発電を原発に頼るウクライナは重要なライフラインを失う。さらにプーチンは「あり得ない原発攻撃すら辞さない」と、ウクライナや欧米に対して「恐怖心」を植え付けることだ。「核兵器も使うぞ」と脅すプーチンはまさに狂人。フランス、トルコ、中国の仲介など目にもかけない。 両国の兵力の差は一目瞭然だ。だがこれだけでウクライナが不利とは言えないと識者。士気の高さが違う。ロシアは前線まで軍の意向が伝わっていない。「お前たちがウクライナに向かえば、国民から歓迎される」と言われて来た兵士たち。ところが実態は地獄。いくら攻撃してウクライナ兵はひるまず、飢えているはずの市民たちはロシア兵が差し出す食料を受け取らない。2,3日で陥落する予定の首都キエフが2週間近く経ってもまだ落ちない。ここ20年の間に、ウクライナはゲリラ戦法を学んだのだ。 激しい戦火の中でウクライナの国土防衛隊員同士が結婚式を挙げた。祖国の危機を救うために、命を投げ出す覚悟だ。暗いシェルターや地下鉄の駅で、苦しみながら出産する妊婦たち。食料や医療品すら満足にない戦火の最中にだ。「ウクライナはロシアの一部になるべきだ」。そんなプーチンの勝手な論理が、長年虐げられて来たウクライナ国民の胸に、果たして響くだろうか。 家族で国外に脱出したウクライナ人もいれば、たった一人で逃げて来た少年もいる。隣国の人たちはそんなウクライナ難民に、出来る限りの親切を尽くす。脱出者の総計は確か126万人を超えたはずだが、最大で400万人の難民が誕生する可能性があると言う。 ゼレンスキー大統領 驚いたことには、米英政府は昨年からもしもの場合に備えて、ゼレンスキー大統領の亡命政権への準備もしていた由。これまで3度ゼレンスキー大統領は暗殺されかかった。それでも彼はなおキエフに留まると言う。現在彼の身辺を警護してるのはSAS(英国陸軍特殊空挺隊)のようだ。また、ロシアが放った暗殺団400名のうち200名はロシア国内のプーチン政権反対派に殺されたと言われる。 この度アメリカのクレジット会社がロシア国内でのサービス停止に踏み切った。ビザカード、マスターカード、アメリカンエキスプレスカードだ。日本のJCBもロシア国内でのサービス停止を発表。経済制裁と銀行決済システムからの排斥によるルーブル暴落とインフレ、外国との通商や貿易の激減で、国民総生産も低下に向かうだろう。プーチン政権への批判はますます強くなりそうだ。 プーチンは世界柔道連盟名誉会長の職を解かれた。EUの女性委員長は言う。「この戦争は歴史を変え、今後の世界を変える。中国も世界のロシアへの制裁の厳しさを認識したことだろう。日本の軍事評論家は言う。ロシア軍は準備不足だった。当初キエフは2,3日で陥落すると見ていたが、ウクライナは予想外に善戦している。 プーチンは当初東部2州の独立を擁護するための戦争と言っていたが、ゴールポストを動かしてウクライナ全土に戦線を拡大し、現在も完全な制空権を得ていない。焦ったプーチンは原発への攻撃や核兵器使用の可能性で脅しているが、軍部内では亀裂が出始めたようだ。また国内の経済界首脳の反発が強い。 欧米諸国からの武器供与が明らかになり、今後はポーランド経由でウクライナに持ち込まれることが予想されるため、西部の都市リビウに移転した欧米の大使館は国外に脱出。日本大使館も出国の予定。ロシア軍によるキエフ包囲作戦など戦線は拡大し、兵力が劣るウクライナ軍は、ゲリラ戦法を取ることになろう。それにしても食料や水の確保がより一層心配される。 バイデン大統領は昨年から習近平に対し、ロシア軍のウクライナ侵攻の可能性について情報提供していたが、彼は全く取り合わなかった。プーチンが仕掛けた戦争でロシアが経済制裁を受けたのを観、今頃になって「仲介」などと言い出した。だが利害が一致している両者は、今後難しい立ち位置に立つことが予想される。この戦争は長引きそうだ。そしてプーチンの悪名は歴史に残るだろう。<続く>
2022.03.09
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~1人の男の狂気が歴史と世界を破壊した~ 気化爆弾の閃光か ウクライナ第2の都市ハリコフ周辺での爆発の映像。広範囲に炎が広がっていることから「気化爆弾」と推察される由。空中の大量の酸素を奪って人を窒息させる危険な兵器だ。また「クラスター爆弾」も使用された形跡がある。こちらは爆弾の中から大量の「子爆弾」が飛散し、不発弾の処理も大変な危険を伴う。共に「非人道的武器」だが、ロシアはウクライナを壊滅させるため、非常手段を使った。 サポリージア原発を攻撃するロ軍 ウクライナに侵攻したロ軍は、先ずチェルノブイリ原発を抑えた。ウクライナが核兵器を製造してるとの「偽情報」を流すためだ。次にヨーロッパ最大のサポリージア原発を手中にした。電力を原発に頼るウクライナのインフラ破壊のためだが、運転員を追放し管理不能になった場合はメルトダウンの恐れがある。ロ軍は次に「南ウクライナ原発」に向かうようだ。「核使用」の脅しもかけているので極めて危険。 ロ軍の空爆で地下倉庫に身をひそめる家族。食料や水は確保出来ているのだろうか。キエフ近郊のある村では、女性市民がウクライナ軍に村の様子を連絡していた。彼女はもう5日間もパンを食べていないと言う。薄暗い部屋に隠れ、祖国防衛のために命がけでの行動。最前線の兵士たちにも水や食料は届いているのだろうか。ロ軍の侵攻から12日。兵士たちの疲労は極限に達しているはずだ。 犠牲者の遺影 ある女性の葬儀が執り行われた。写真は飾られていた遺影。彼女は救急救助隊員で、負傷者を救助中にロ軍の攻撃で亡くなったと言う。今私は翌日公開分のブログを編集中だが、初めて邪魔が入った。急に写真が取り込めなくなったのだ。一旦シャットダウンして再開したらいけた。これは妨害か。勇敢に戦うウクライナ国民は英雄だ。それを狙撃するロ軍は最低。この戦争には大義がない。 祖母と共にポーランドへ脱出中の子供。父は病気のため、母はその看病のため祖国に残った。祖母は幼い孫の手を引いて、必死に国外に脱出しようとしていた。涙なしでは見られない映像ばかりだ。右はウクライナ人の国外脱出者数とその脱出先。2つのTV番組から画像を借用した。ロ軍が攻撃の手を緩める気配がない。ウクライナ難民はまだまだ増えそうな気配だ。 不鮮明な画像だが、ロシアがここ20年ほどの間に武力で軍事介入した地域。グルジア(現ジョージア)の2つの地区はその後独立し、ロ軍が駐留している。ウクライナの西隣モルドバにも紛争地。そしてウクライナ東部の2州の一部とクリミア半島。いずれもロシア人保護を理由にロ軍が介入し、実質支配している。今回は東部への介入から一気にウクライナ全土の支配へとプーチンの野望が広まった。 仲介に来たイスラエルのベネット首相(左)と プーチンはフランスのマクロン大統領、トルコのエルドラン大統領、イスラエル首相らの進言を聞き入れなかった。逆に「経済制裁はロシアへの宣戦布告と一緒」と主張。「ウクライナは密かに核兵器を製造している」の妄想も変わらず、ウクライナに全面降伏と中立を要求。最後の仲介者は習近平との見方も。だが中国が果たして「火中の栗」を拾うだろうか。ロシア国内の蜂起を根気強く待つしかないのか。 3度目の「停戦交渉」は7日にある予定だがどうなるか。南部の都市マリウポリからの市民の脱出もまだ実現していない。ゼレンスキー大統領は国民に徹底抗戦を呼びかけ、市民も手作りのバリケードを作ってロ軍の侵攻を防ごうとしている。バリケードに書かれた言葉は「ようこそ地獄へ」。ウクライナの美しい国土はロシアの攻撃によって破壊され、さらに焦土と化す恐れが出だした。まさにジェノサイドだ。 ウクライナ避難民ら さすがにこの戦況を見てドイツもフランスもこれまでの考えを変えたようだ。両国とも軍事費を大幅に増強すると公表。EUの女性委員長は避難するウクライナ国民を励ます。プーチンの狂気が21世紀の歴史を変え、世界の平和と経済を破綻に追い込んだ。まあプーチンを支持し続けて来た中国と習近平の責任は重い。プーチンはオリンピックもパラリンピックも破壊した。世界は今後どこへ向かうのだろうか。8日朝に気づいた変換ミスを修正した。<続く>
2022.03.08
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~ウクライナの戦況と戦争反対の声~ 3月6日(日)の午前9時50分。仙台は小雪が降っている。これから7日公開分のブログを書き始める。ウクライナ情勢についてテレビや新聞などでたくさんの情報が流れるようになった今、私がブログを書く意義があるかは不明。それでも頭をひねって何とか書こうとする自分がいる。プーチンの非人道的な隣国への攻撃に抗議するためだ。読者の多寡は、大きな問題ではない。 カテリーナさんの故郷はウクライナ。チェルノブイリ原発事故で首都キエフへ移り、その後1人で日本に移住しウクライナの楽器と歌を披露している通称「ウクライナの歌姫」。その彼女が故国の母とスマフォで話す。何とかキエフから脱出してと。「どこへ逃げろと言うの。脱出の方法もないのに」と老母。「ポーランドへ逃げて、私が何とかして迎えに行くから」。その願いが叶うのは極めて困難だろう。今キエフはロシア軍に包囲され、ここ数日後には猛攻撃が始まるはずだ。 ルーマニア国境で抱き合う家族。外国へ脱出したウクライナ人は120万人を超えた。最大限400万人の難民が発生する恐れがあるとの意見もある。遅まきながら日本政府もウクライナ人の受け入れを表明した。カテリーナさんもお母さんを日本に呼びたいようだが。 地下シェルターの壁に絵を描くウクライナの子供たち。ウクライナにはまだ国外へ脱出出来ない市民がたくさんいる。一旦停戦が合意した南部の都市マリウポリではその後もロシアによる攻撃が続き、市民の脱出は6日以降にずれ込んだ。市民の死者数は2千人を超え、殺したロシア兵の数は9千人以上とウクライナ政府の発表。 3月5日。プーチンはウクライナの軍事施設の破壊は事実上完了し、作戦は予定通りと強調。(共同)停戦の条件はクリミアのロシアへの編入、東部のドネツク州ほか1州全体のロシアへの編入を認め、NATOへの非加盟と憲法に「中立」を盛り込むことと、要求がエスカレートしている。到底ウクライナが飲めるものではなく、ロシア軍によるジェノサイド、一斉攻撃の口実に過ぎない脅迫だ。 ロシア政府は「ウクライナ侵略」の実態と自軍の被害を一切伝えていない。政府側の報道しか許可せず、市民の反戦デモに対する規制は日々激化している。それでもモスクワ市民は公然と戦争反対を叫び続けているようだ。プーチンが恐れるのは反戦デモが政権転覆の原因となること。そのためにも情報統制が欠かせない。欧米の報道社は厳しいチェックのため、国外退避を余儀なくされた。 東京の駐日ロシア大使館前で戦争反対を唱えるロシア人たち。大使館前での抗議活動は勇気が必要だ。前を通りかかるロシア人が、運動家たちに「止めるよう」声をかける。中にはプーチンとロシア政府の主張を信じる人が結構いるのだ。「大義なき戦争」はロシア人の間にも分裂を生んでいる。 アンドレイ・ゾリン氏はモスクワ出身のロシア文学者。現在イギリスのオックスフォード大学教授。今回のロシアによるウクライナ侵略について、プーチンは過去の神話の時代に戻ろうとしていると分析。ロシア誕生の基盤となった8世紀の「キエフ大公国」。そこではロシア人は「大ロシア人」であり、ウクライナ人は「小ロシア人」。そしてベラルーシ人は「白ロシア人」だった。またプーチンの頭では帝政ロシア時代や旧ソ連時代の「強いロシア」がまだ生き続けているのではないかと分析。 北京冬季パラリンピックのバイアスロン男子スプリント立位で、ウクライナのグレゴリー・ポウチンスキー選手が金メダルをゲットした。同国選手団はバスでポーランドへ出国し、スロバキア~オーストリア経由でイタリアで合宿中の仲間と合流。20選手全員が出場出来た。これは奇跡と同国パラリンピック委員会会長の談話。バイアスロンでは7名がメダルを取る活躍だった。 NHKニュースによる4日現在のロシア軍による侵攻状況。左側はウクライナ全土で、中央はキエフ付近。首都キエフ北西約50kmにある町ボロシェンカではロシア軍の爆撃でビルが崩壊し、約100名が生き埋めになったとの情報がある。(写真右)ロシアは「停戦会議」で出した答えを自ら破り、執拗に攻撃を続けている。世界はウクライナを見殺しにするしかないのか。<続く>
2022.03.07
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~ロシアの詭弁・中国の思惑・ウクライナの善戦~ 畑から大根を掘り出し、やせた白菜を収穫し、雑草を抜き、キャベツに追肥。晴れた日は布団を干し、洗濯機を回し、時々おかずを作る。2月24日にロシアがウクライナに攻め入ってから10日になる。世界はその凶暴性に驚いて国連で非難決議をし、義援金や兵器などを送り、経済制裁を課すなどあらゆる手を使ってロシアの攻撃を停めようと必死だ。だが狂ったプーチンの行動はエスカレートする一方。 ザポロジエ原発へのロシアの攻撃 ロシアつがいに原発への攻撃を始めた。欧州でも最大規模の6基を持つサポロジエ原発。幸いにも消火されたが、ロシア軍が制圧中。運転を誤ると大事故の原因となる。爆発すればチェルノブイリの10倍の規模でロシアを含むヨーロッパ全体に被害が及ぶ。ここの原発でウクライナの20%分の電力を供給している由。だがロシアはウクライナの破壊工作と言い逃れしている。<写真はBSTBS報道1930より借用。以下特に注記したもの以外は同様> キエフに向かうロシア軍の隊列(アメリカの民間衛星写真) 2回目の「停戦会議」で「人道回廊」の設置が決まった。だがロシアはこの設置後数日間で国外に脱出しない人は敵と見なし、「爆撃」の対象とするようだ。文字通り「ジェノサイド」になるだろう。60km以上に及ぶロシアの隊列は、ウクライナの攻撃、燃料不足、雪解けにより身動きが取れず、アメリカはここ6日間動いておらず、国境に集結したロシア軍の9割がウクライナに侵入したと分析している模様。 ロシア軍の装甲車 国連の難民高等弁務官事務所によれば、ウクライナから国外に脱出した難民は120万人に達した。この週末に3回目の「停戦会議」が開かれる予定だが、プーチンは一切妥協案を示さず、彼が主張する停戦の条件は「全面降伏」に等しい。ゼレンスキー大統領とウクライナ国民の安全を切に祈るばかりだ。 これはプーチンの主張で、狂っているとしか思えない内容だ。つまりロシアが攻撃したのはヨーロッパ側の責任で、核兵器の使用も辞さないと主張してるのと一緒。「ロシアのない世界など、なぜ必要なのか」この主張が彼の狂気を物語っている。これが脅しで済めば良いが、「北海」に小規模の核ミサイルを発射する可能性があると識者の言。今ロ軍の原発攻撃に対しては、あの中国も懸念を表明したようだ。 リチャード・バロンズ氏は英国軍の元将校で、NATO軍の副将を務めた人。ロシア軍の原発攻撃などの行動を見て、ヨーロッパ全体が危険な状況下に置かれたと認識しているようだ。プーチンの予測不能の狂気。ヨーロッパの安全保障が新たな段階に入ったと危惧している。側近に彼を制止出来る人物がいないことも強い懸念材料だ。 もし戦略核が使われた場合。放出する「電子パルス」が、広範囲の電子機器(電気・電子)を破壊し、恐らくヨーロッパ中に影響が及ぶと専門家。 これはウクライナ空軍将校のフェイスブックへの投稿をTBSが編集したもの。ウクライナ軍は意気軒昂だ。オレンジ革命以降のウクライナは、常にロシアとの緊張関係の中にあった。ロシアが何かと言いがかりをつけて軍事介入をして来たのだ。その結果がクリミア半島の併合であり、今回のウクライナ東部ドネツク州などの併合。プーチンの歴史観にも基づく一方的な侵略行為。全て国際法違反の蛮行だ。 youtubeに載った「プーチンの懸賞金」広告。載せたのは元ロシアの資産家で、現在はアメリカ在住の人。プーチンを殺すか逮捕した者に100万ドル(1億1千500万円)提供するとある。アメリカはつい最近ロシアの資産家グループ「オルガルヒ」とその家族の資産凍結を表明した。莫大な資金でプーチンを支えて来た彼らも、今回の強力な経済制裁で、専制政治体制に危機感を感じ始めたようだ。 一方タイムズ社(英)によれば、ウクライナのゼレンスキー大統領もこの1週間に3度暗殺されかかり、双方に負傷者が出たが大統領は助かった由。狙ったのは「プーチンの料理人」ことブリゴシン(右)が経営する民間軍事会社の民兵。またチェチェンの特殊部隊による暗殺計画については、プーチン体制に不満を持つロシア報機関関係者がウクライナ側に通報したようだ。 世界からウクライナに集まった義勇軍(AP) ウクライナが募集した義勇軍に1万6千人が応募。条件は元軍人であること。日本人60名の希望者は、日本政府が駐日ウクライナ大使館に削除を要請した。国内法で日本人の参加は許されない。ただし自衛隊装備品の防弾チョッキ、ヘルメット、テント、携行食料品などをウクライナに提供するため、自衛隊機がポーランドへ輸送する予定。日本も変わった。北京冬季パラリンピックでは女子スキーの村岡桃佳選手が金メダルを取った。<続く>
2022.03.06
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~プーチンの幻想と虚偽の停戦交渉~ 第2回停戦協議<ヤフーニュースから> 3月3日。ベラルーシのポーランド国境近くで、第2回目の停戦協定が開かれた。前回もそうだがウクライナ側は一旦ポーランドに入ってからヘリで会場へ向かう方法を取っている。ロシアが派遣した「暗殺部隊」を避けるためだ。2回目で合意出来たのは、ウクライナの民間人を外国に避難させるための「人道回廊」を設置することだけ。ウクライナからの脱出者は既に100万人を超えた。 <写真はいずれもBS・TBS報道19:30より借用=以下同様> 協議中にもロシアからの砲撃が続いている。左は首都キエフ郊外での大爆発。かなりの規模だ。右は3月2日現在の戦況をアメリカの情報に基づいて作成したもの。停戦は名ばかりで、プーチンの主張は全く変化していない。再掲するのも嫌なので省く。ウクライナ北部の侵攻状況には大きな変化がないが、南部への侵攻が激しく、東部2州からクリミア半島にかけて「ロシア軍の回廊」が出来たようだ。ここを抑えられると、ウクライナへの補給がより困難となる。 (NHKの番組から借用) キエフに向かうロシア軍の60kmもの車列に大きな変化は見えない。燃料不足か、作戦再編のための休止かは不明。ただしキエフから30kmの位置にあるアントロフ空港はロシア軍の管制下にあるようだ。時々ロシア空軍機が爆撃のために飛び立っているような映像がある。 <ヤフーニュースから借用> ハーグの国際司法裁判所で、ウクライナから提出されたロシアの侵略についての審理が始まった模様。採決のためには現地に入っての状況確認が必要で、時間はまだかかりそうだ。その他小さなニュースはたくさんあるが割愛する。ロシアへの制裁(銀行、経済ほか)がかなり効き出して、プーチンはかなり焦っているようだ。そのために国内の報道と言論を統制。独立系のラジオ局とTV局も閉鎖に追い込まれた。 <画像はBS・TBS報道9:30より借用> プーチンを支える数名のグループが「シロビキ」ほとんどがプーチン同様に旧ソ連KGB(対外情報機関)の仲間で旧ソ連時代の「歴史観念」を持つ。「強国ロシアの復活」を妄想するプーチンに影響され、核兵器の使用意欲を停める力はない。プーチンはかなり前からウクライナ侵攻を計画していたようだ。 シロビキメンバーには防衛相ら2人が加わっているが、軍の最前線には彼らの「真意」が伝わらず、「兵站」(へいたん=軍備や燃料、食料などの補給体制)が整ってないことが、侵攻速度が急激に落ちた原因のようだ。 「オルガルヒ」はプーチンを経済的な側面から支える企業人だが、全世界からの銀行統制と経済制裁とで彼らの企業にも大きな影響が出ている。彼らは最側近ではなく、国家的なプロジェクトクトに加わる大物が他にいる模様。ロシアの内情はこんな感じで、中国の習近平体制の方がプーチンよりも自由に物申せるとする専門家の意見が意外だった。最近アメリカがプーチンの精神状況の分析に乗り出した。 NHKのニュースから ウクライナのザポリージャ原発にロシアの戦車が侵入し砲撃。火災が発生した訓練施設は消火され放射線量に変化はない。その後欧州一の規模を誇る同原発は、ロシア軍に制圧された。イギリスは国連安保理の常任理事国からロシアを追放する案を検討中。同調する国もあろうが、ロシアと中国の拒否権行使が目に見えている。プーチンの危険な野望がどこまで暴走するのか。 イギリスのCNNによれば、ロシアが発射したミサイルは450発。失った兵器は3~5%。一方ウクライナが失った兵器は全体の10%に達した模様とのこと。ICC(国際刑事裁判所)がロシアの戦争犯罪と人道に反する罪の疑いで調査活動を開始した。コルスキー駐日ウクライナ大使は「ジェノサイド」と判断されることを望んでいると語った。(後半は産経新聞) キエフではロシア軍が付けた「シェルターのある場所を示すサイン」を、ウクライナ軍の指示で片っ端から消している。たとえプーチンがウクライナの現政権を倒して「傀儡政権」を送り込んだとしても、ウクライナ国民は決して支持しないだろうと識者の見方。30年前の「オレンジ革命」以来ウクライナでは親ロと反ロの政権が交互に誕生し、現在の民主国家になった経緯があるためと。 EUはウクライナ難民に対して、パスポートやビザなしでも無償で1年間生活、教育、医療を提供保証することを表明した。期限は1年を超えることがあるとも。EUありがとう。そしてウクライナに栄光あれ。4日の夜北京冬季パラリンピックの開会式があり、間もなく競技が開始されるが、ロシアへの強い抗議を示すため、私はこのシリーズを続ける予定だ。<続く>
2022.03.05
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~プーチンの狂気と世界の良識~ 3月4日0時に公開するブログを前日3日の朝8時15分から書き始めている。連日の寝不足で頭痛がしている。それでも何とか書いてアピールしたい。それが私が出来る唯一の訴えだ。さて私は様々な媒体をニュースソースとしている。それらを見聞きしてると、急速にウクライナに危機が迫っていることを感じる。同国の市民の死者数は2千名に達したそうだ。早く救援が届くと良いのだが。 左は首都キエフのテレビ塔にロケットが命中した瞬間。放送の一部が麻痺したが、懸命に修復しているようだ。ロシアの狙いはウクライナ国民に真実を知られないため。右はキエフ市内のマーケットの棚。パンやケーキなどは全くない。昨日聞いたのはニンジンが棚に残っていたようだ。それでもウクライナ国民の戦う士気は下がっていない。兵器もだがウクライナに食料を届けて上げたいものだ。 国連の緊急特別会議では、ロシア軍の完全撤退などを要求する決議案が採択された。ロシアに忖度した国もあったが、世界の意思をロシアは知ったことだろう。ウクライナからの提訴を受けてオランダハーグの国際司法裁判所での審理が約1週間後から始まる見通しだ。拘束力はないが、国際法の精神は示せるはずだ。日本はウクライナ難民の受け入れを決めた。国外に出たウクライナ人は87万人を超えた。 米国の情報機関は、目下プーチンの精神状態の分析に追われている。明らかに異常な行動が続いているからだ。パーキンソン氏病の兆候が見られ、激怒を抑え切れず「核の使用」を示唆する彼の表情は正気とは思えない。そして周囲には彼を諫める者が不在。ウクライナへの侵攻を決めたのも、ソ連のKGB(秘密警察)時代の仲間数人との「密室会談」。「核の準備」を命令された軍上層部は表情が強張っていた。 米国防総省(ペンタゴン) アメリカの「戦争研究所」は、日本時間3月3日午前5時ころから24時間以内に、ロシア軍による「キエフ包囲作戦」が開始される恐れがあると公表した模様。ロシアが発表した2回目の「停戦会議」は行われなかった。ウクライナのゼレンスキー大統領が「戦争を停止しない中での協議は無意味」と蹴ったためだ。ロシア軍には思い通り運ばず、ウクライナの強い抵抗に戸惑っているようだ。 ロシアは当初、「エネルギー問題」で欧州はあっさり諦めるだろうと楽観していたようだ。ところが天然ガスの輸送も石油の開発も、EU及びイギリスの企業や事業体が全て撤退した。その上にSWIFTからロシアの7つの銀行が排除され、アメリカはロシア国立銀行との取引にも制限をかけた。ロシアも苦しいが、世界各国も食料や商品生産で苦しむ。それが分かった上での強固な制裁だった。 中露は共に専制主義、覇権主義国家で、情報統制と言論統制を行っている。中国国民は今回のウクライナ侵攻に関して、ロシア政府の情報しか知らされておらず、ロシアへの批判は少ないようだ。これに対してロシア国民は生活が急速に苦しくなるのを実感し、何らかの方法で「侵攻の実態」を知った人が多く、9千人近く拘束されても、未だに政権批判運動が継続しているようだ。彼らの良心に期待したい。 ウクライナでの被害が広がっている。ロシア軍による無差別的な攻撃で、病院、大学、幼稚園、アパート、テレビ局、献血センター、一般住居などが破壊され、87万人の女性、子供、老人が国外に脱出した。国内での死者数もこのところ急激に増加したようだ。食料は乏しく、地下シェルターは冷たく、堅く、かつ密室状態。健康状態も良くないはずだ。それでも国を守ろうとする意識は高い。 ウクライナにEU各国やアメリカから供与される武器は隣国ポーランドに送られ、列車でウクライナ国境へ。そこからはウクライナ軍が列車で国内各地に配備する計画のようだ。だがロシアの包囲網がどこまで進み、列車が爆破されないかが心配だ。ロシア軍は今後東部からウクライナ西部へ転戦するとも聞く。ここ2週間から3週間で事態が急変しそう。その先はきっとゲリラ戦になりそうだ。ウクライナに平和を。ウクライナに栄光あれ。 ウクライナのパラ選手団が無事北京に到着した。IPCはIOCと異なり、ロシア及びベラルーシのパラ選手団を個人資格で参加させることに同意した。だがこの決定は後に覆され、IOCと同様の措置を取ることになった。スポーツの世界にも政治が絡み、中国は盟友のロシアにメンツを潰された形になった。いよいよ今日から北京パラリンピックが始まるが、ウクライナ情勢が心配だ。<続く>
2022.03.04
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~世界の制裁とロシアの焦り~ 記事と直接関係のない写真があります。また著作権侵害をお許し願います。 雪の中を歩いてポーランド国境に向かうウクライナ国民 「停戦のための会合」は、結局ロシアの引き延ばしだったのだろう。その間にロシアはハリコフの州庁舎を爆破し、キエフのテレビ塔を爆破するなど、攻撃の手を緩めなかった。それどころか人道的な見地から使用を禁止されている「クラスター爆弾」や「燃料気化爆弾」でウクライナの国土を破壊し、子供の命まで奪った。プーチンが非難した東部地区でのジェノサイドは、詭弁でしかなかった。 国外へ逃げる途中に暖を取る難民 昨日載せた衛星から撮影したロシア軍車両の60kmにも及ぶ隊列は、キエフ侵攻を目指したものと言う見方がある一方、燃料不足で動けなくなったとも、首都キエフへの食糧や兵器の補給を妨げるための「包囲作戦」「兵糧攻め」との見方もある。だが制空権を奪われてもいないし、キエフから30km地点にあるアントロフ空港の機能はまだ損なわれていないとの見方がある。 トルコはボスポラス海峡及びダーダネルス海峡の軍艦通過を禁止した。定められた基地に戻る艦船は例外。これで黒海からの攻撃が少しは治まるかどうか。米国並びにヨーロッパ各国から提供が表明された武器輸送ルートが確保された気もする。中立国のフィンランドやスェーデンが武器提供と、NATOへの加盟を表明したことに驚いた。フィンランドはかつてロシア帝国に攻められた歴史があるのだ。 「全ロシア将校の会」会長イワショフ氏は言う。この戦争に大義はなく、NATOもロシアにとって脅威ではない。プーチンの周りには「常識を持った普通の人がいない。彼は秘密警察の出身で、軍のことは門外漢。今回の戦争はプーチンが自分の権力保持と国民から盗んだ富を守るため」と批判し、公開書簡でプーチンの辞任を求めた。プーチンはロシアを代表していない。6千人以上拘束されても戦争反対の抗議が続き、プーチンの暴挙に対する抗議が全世界に広がっている。 EUへの加盟申請書に署名したゼレンスキー大統領だが、EUへの加盟はNATOへの加盟よりもかなりハードルが高いと言う。国内の経済が安定してることが前提であり、戦争のさ中にあるウクライナが直ちに加盟することは困難。それは他の加盟国の「お荷物」にならないためで、EU側としても「ゆくゆくは」とコメントしている。 今回の事態を予測して、NATOは軍をより当方にシフトさせた。これはロシアが自ら招いたことによる。おまけに中立国としてロシアとNATOの緩衝地帯だったフィンランドとスェーデンが今回の事態を見てNATOへの加盟を表明した。それもロシアが火をつけた結果だ。EUはロシア民間機の域内上空通過を禁止する措置に出た。ロシアも対抗上EU諸国機のロシア上空通航を禁止した。 ドイツが「ノルドストリーム2」の発行手続きを停止し、EUの元首相がロシアの天然ガス機構の役職を辞職し、アメリカとイギリスが制裁発動を宣言したことで、ロシアの「ノルドストリーム2事業公社が破産手続きの検討に入り、今週内にスイスで破産手続き開始となるようだ。樺太の油田開発からイギリスシェル石油が撤退したことと併せて、ロシアは財源とヨーロッパを恐喝する手段を失うことになる。 今回のロシアの暴挙で微妙な立ち位置にいるのが中国。ウクライナとは「一対一路」でつながり、武漢からキエフまで専用の貨物鉄道路線があるのだ。そしてウクライナからは武器の提供も受けていた。2013年にはウクライナが核攻撃に遭う場合は中国が援助するとの取り決めが交わされているが、恐らく中国はウクライナを守らずに、ロシア側に立つはずだ。中露が互いに助け合わないと共に倒れるはずだ。 「国連緊急総会」の動きが急。国の名は出さないものの、今回の紛争に対する「強い遺憾の意」を表明することになりそうだ。ウクライナ国連大使の演説に心打たれた。彼はわざわざロシア語で、1人の若き兵士が母と交わした最後の言葉を伝えた。行き先も目的も告げられず前線に送られながら、愛する家族と別れた悲しみを。SNSで祖国の母へ発信した翌日、彼は死んだと。大義のない戦争。ロシアとウクライナは兄弟国だと言うのに。 プーチンは400人の刺客をウクライナに送った。刺客は「プーチンの料理人」と呼ばれる男が経営する民間軍事会社の傭兵。アフリカから2千人を呼び返し、そのうちの精鋭をベラルーシ経由で潜入させたと言う。ゼレンスキー大統領とその閣僚、ボクシングの元オリンピックチャンピオン(現キエフ市長)らが「斬首リスト」に載っている由。プーチンは魂を悪魔に売った。彼こそが暗殺者だ。<続く>
2022.03.03
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~世界のロシア包囲網強まる~ (注)画像の無断使用をお許し願います。「ウイルス追跡」の危険を恐れ、「素材」を自分のデジカメで撮影したものを転載しています。 軍への入隊手続きに並ぶウクライナ国民 プーチンが火を点けた「ウクライナ侵攻」の暴挙。国を挙げて戦っているウクライナの窮状を知った世界の国々は、ウクライナ支援とロシアへの制裁に乗り出した。世界史を書き換えかねない危機。事態は刻々と変化し、ブロガーを戸惑わせる。それでも関連するニュースを丹念に拾い集め、私なりの認識を記したいと思う。 プーチン(左)とルカシェンコ(右) プーチンは何を思ったか「戦略核」の準備を軍に命じた。ロシアに進撃基地を提供したベラルーシのルカシェンコ大統領は自国にロシアの核施設を置くため、かつ自らの任期を延ばすため急遽憲法を改正した。また、ベラルーシ軍によるウクライナへの侵攻にも同意したようだ。何という危険な思想だろう。世界は一斉にロシアとベラルーシに対する制裁へ動き始めた。 2月28日深夜。ベラルーシの一地方で、ロシア代表とウクライナ代表による停戦交渉が始まった。ウクライナの非武装化と中立化を主張するロシアに対して、ウクライナは拒否して物別れに終わった。次回は数日後ポーランドのウクライナ寄りの地区での開催が決定。ロシアに停戦する意思はない。初めから前提が違っているのだ。ウクライナ政府幹部の暗殺が心配されたが、ロシア代表の補佐官は「文化担当」で、弱弱しい人物だった。 欧米各国によるウクライナへの武器供与が明確になった。字が潰れて分かり難いが、ロシアにとっては脅威になる内容。トルコも軍事用ドローンの提供を申し出ている。問題はそれらの大量の武器を、どのような方法でウクライナ国内に輸送するかだが、何らかの方策を考え出すことだろう。業を煮やしたプーチンは援軍の増員と、暗殺部隊400名のキエフへの潜入を命令したようだ。 SWIFTからのロシアの主要銀行の締め出しが決定し、早速ロシアルーブルが急降下。アメリカの中央銀行に当たるFRBがロシア国立銀行との取引を中止した。EUはロシア航空機の域内航行の禁止を通告した。スイスもプーチンとラブロフ外相の資産を凍結し、ロシア機を領空から閉鎖した。ロシア国民は情報統制されて、ウクライナへの侵攻もロシアへの制裁も知らされていない。恐るべき独裁体制だ。 イギリスの石油大手「シェル」はロシアのサハリン(樺太)で展開してる石油掘削事業、及び他のプロジェクトからの撤退を表明した。ノルウェーの石油大手もロシア関連資産を売却し、合弁事業からの撤退を表明。フランスの元首相、フィンランドの元首相、オーストリアの元首相、イタリアの元首相らがロシア企業の役員を辞任した。日本もロシア及びベラルーシに対する制裁を明言した。 この2人は「北京冬季五輪」での会合などを通じて協議し、習近平はロシアの方針を支持。ヨーロッパが受け入れ停止を決めた天然ガスの大量購入と小麦の大量購入を約束した。窮地に陥ったロシアを救助するのが目的。いずれはロシアに助けてもらえると考えているのだろう。北朝鮮はこの混乱に乗じてミサイルを発射した。今ロシア、中国、北朝鮮、ベラルーシが「悪の枢軸国」として連帯するようだ。 IOCは全ての競技団体に対して、ロシアを追放するよう勧告した。ようやくバッハ会長も目が覚めたか。ロシア国内では通貨ルーブルの急激な低下によるインフレが発生。ルーブルとロシア国債を買い支えようとしても外貨が不足、海外資産も持ち出せない状況だ。ロシア国民は預金を引き出すためにATMに並んでも、お金は出て来ない。本来なら今後急速にプーチン批判が高まるはずなのだが。 国連では特別緊急会議が開催されている。議長はロシアに対してウクライナ侵攻を非難し、ケニアの国連大使は、堂々とロシアを非難した。今後ロシアに対する「非難決議」が採択されるまで、数日間討議が行われる模様。アメリカはロシアの国連代表部職員12名に対し、「好ましからざる人物」として8日以内に国外に出るよう宣言した。どうやら身分を利用して工作活動を行っていた模様。 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、正式にEU加盟申請書にサインした。ロシアとの停戦協議」を全く信用していない。この現状を、プーチンはどう認識しているのだろう。国民の支持率はガタ落ちだが権力で制圧し、世界を「核」で脅し続けるのだろうか。400人の暗殺団を送られたゼレンスキー大統領の生命が懸念される。プーチンは何と言う卑怯者。そんな男に「正義」を語る資格などない。 キエフに向かうロシア軍戦車の隊列 人工衛星から観た画像(CNN)。首都キエフに向かって約60km続くロシア軍の車両。だがウクライナ軍の抵抗で燃料や食料の補給が出来ず、士気が下がり逃亡する兵士も出ているようだ。ロシア兵はプーチンの「真の目的」を知らさせずに前線に送り出され、現状に違和感を抱いているようだ。兵力では圧倒的に不利なウクライナ軍が善戦してる理由が分かる。この混乱はいつまで続くのだろうか。狂った独裁者ほど危険なものはない。<続く>
2022.03.02
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~映像は雄弁だ~ 画像に関する著作権は大めに見てください。本来の所有者が不明なので。 ロシアの爆撃で炎上するエネルギー施設 地下シェルターに避難した少女の悲痛な叫び。 世界はたくさんの映像でロシアの大義なき侵略の実態を知ってしまった。情報が統制されたロシア国内ではロシア軍によるウクライナ侵攻のニュースは伝わらず、プーチンの詭弁を垂れ流している。だが何らかの方法で母国の不正義を知った多くの市民が、ロシア軍の暴挙に抗議し、大量の市民が拘束された。それでも大義なき戦争に反対する署名が、増え続けているという。 欧州通信社連盟はロシア政府の情報統制で自由な報道が出来ないとして、ロシア国営のタス通信の会員資格を即時停止した。カザフスタンのトカエフ大統領は、今回ロシアからウクライナ侵攻参加を求められていたが断った由。またルーマニア東部の2つの傀儡国家の独立も認めていない。楽天の三木谷社長はウクライナ1210億円の寄付を表明。 ポーランドやリトアニアではウクライナから脱出した避難民を助けるために、様々な形でのボランティア活動が展開されている。上記2国とルーマニアに脱出したウクライナ人は15万人以上。戦線が拡大すれば400万人の難民が発生するとの見方もある。ポーランドはウクライナまで医療列車を向かわせた。 左はキエフ市郊外で拘束されたロシア兵。右はロシア軍の装甲車(戦車)に素手で立ち向かうウクライナ国民。中にはロシア兵を説教するウクライナ婦人も居たりして、ロシア兵の士気は低い。装甲車の排気筒に火炎瓶を投げ入れたり、アメリカが供与した対戦車ミサイルで撃破されたロシアの車両が、累々と道端に転がっている。 ロシア軍によるウクライナ国内の被害状況(左)と、同国内に侵攻したロシア軍の被害状況(右)。上は28日のフジテレビ系ワイドショウ番組から借用。ロシアの被害は相当なものだ。 字が潰れてしまったが、ベルギー、オランダ、ドイツ(携帯式地対空ミサイル500発、対戦車砲千門)、イギリス、フランスへの武器供与の最新状況。同じくフジテレビ系ワイドショウ(28にち)の画面から借用したはず。このほかアメリカも対戦車用ミサイルなどを追加供与を表明した。ロシアは今回の大義なき戦争で、世界を敵に回してしまった。 SWIFTからのロシア国営銀行の排除対象と制裁開始は近く決定する予定。クリミア半島を奪った際の経済制裁ではロシアの国民総生産は半分に落ちた由。今回制裁を加える側にも経済的なリスクは少なくないが、不正義なロシアへの制裁を決めた。通貨のルーブルが不安定になって経済が破綻し、いずれ「中国の元」に頼らざるを得なくなる状況となることが予測される。 黙とうするウクライナ国連大使 2月の安保理の議長はロシア。そのロシアがウクライナに侵攻した。ウクライナの国連大使は出席者に黙とうを呼びかけ多数の国がウクライナのために祈った。また本日午前0時(日本時間)から緊急特別会合の開催が賛成多数で決定した。実に40年ぶりの出来事。世界はロシアの暴挙を許さない。狂ったプーチンが打った悪手は、自国民を苦しめることになるだろう。 この男と何度も交渉を重ねたフランスのマカロン大統領は、「プーチンは以前と変わった」と言った。なかなかウクライナを屈服させられない短気なこの男は、軍に「特別戦闘態勢」に入ることを命じた。「核」で脅かす戦法だ。ベラルーシは憲法を改正して、ロシアの核設備を受け入れる決定をしたようだ。そのベラルーシ国内での協議を、ウクライナに持ち掛け、ウクライナも受ける構えのようだ。 ゼレンスキー大統領の覚悟のほどは分かったが、彼が生きてウクライナに還れる保証はない。何せ相手は独断と偏見の狂人だ。恐らくは精神が病んでいるように感じる。彼の行動と最近書いた論文の論調があまりにも奇異過ぎるのだ。協議が本当に成立するかは不明。世界は協議の行方と国連の緊急特別会合の行方を見守っている。どちらもほぼ同時刻の開催予定。ゼレンスキー氏の無事とウクライナの平和を祈りたい。 つい最近、私のPCに異常発生。古いルーターからウイルス侵入のニュースを知ったばかり。画像取り込みソフトに出たエラー表示を無視ししていたら、保存した画像データが全て英語に書き換えられていた。慌てて異常をチェックして回復し、ウイルス対策ソフトを最新状態に更新。こんな爺のブログにも追跡の手が及ぶとは、恐ろしい時代だ。もしも命があればさらに続く予定でいる。ではまた。
2022.03.01
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~戦況とプーチンの嘘について~ 首都キエフの高層アパートにミサイルが命中 「ロシアはウクライナの軍事施設しか破壊しない」。プーチンの嘘がすぐにばれた。上は首都キエフの中心部から5km離れた地区にある高層アパートに、ロシアのミサイルが命中した瞬間。キエフ市長が自ら撮影してネット上に公開した。(2月26日ロイター配信) ロシアのトーチカ弾ミサイル ロシアは24日ウクライナ東部の病院に対して殺傷力の極めて高いクラスター弾搭載のミサイルを発射、攻撃した。上のl写真はネットで画像検索したロシアのミサイルで、確か14年前のもの。26日夜の段階で、ウクライナ側の死者は子供も含めて198名。 破壊されたキエフ市内の一般住宅 ロシアは首都キエフに向かって侵攻を続けているが、被害は市民の住宅にまで及び、たくさんのウクライナ人が郊外や隣国のポーランドに向けて脱出を図っている。(ロイター)国連難民高等弁務官事務所によれば、既にウクライナから国外に避難した人は15万人に及ぶ由。 ポーランド国境のリビウへ避難した人々 ポーランドとの国境に近いリビウの市街には、首都キエフなどから避難し、ポーランドへ向かうウクライナ市民が続々集まっている。リビウの町の人々は、逃げて来た同胞に対して食料や休憩所を提供している由。その中で何度も空襲警報が鳴り響く由。ポーランド政府はウクライナからの難民受け入れを表明した。(写真は25日三浦邦彦氏撮影=読売) 父と娘の最後の抱擁(リビウにて) 女や子供は隣国に脱出出来ても、18歳から60歳までの男は予備役として軍務に就くよう、命令が出ているため引き返すことになる。これが最後の抱擁になるかどうかは不明。(25日三浦邦彦氏撮影=読売) キエフ市内のウクライナ軍戦車 首都キエフに迫るロシア軍に対して、ウクライナ軍も激しく抵抗しているようだ。アメリカが提供した高性能の「対戦車砲」が善戦の原因とも。キエフ郊外の飛行場で、ロシアの輸送機を撃墜したとの情報もある。アメリカとドイツはウクライナへの兵器の追加提供を表明した。(写真はロイター) 火炎瓶を作るウクライナの女性 ウクライナ軍は自国民に対して「火炎ビン」の作成方法をネットで伝授。それを受けて一般市民も戦闘に加わっている模様。写真はBBC 決意を述べるゼレンスキー大統領 プーチンとウクライナのゼレンスキー大統領は激しい駆け引きをしている。対話を話しかけるロシアに対して、ウクライナも対話の意思を表明。だがロシアの真の目的は、現政権の打倒と傀儡政権の樹立。そしてNATO加盟を阻止して、ロシアにとっての脅威を排除すること。ロシアは協議の会場としてベラルーシを指定。ウクライナはポーランドを主張して、合意に至っていない。(写真はNHKの番組から) プーチンの狙い ロシア政治研究の専門家が見た「プーチンの狙い」。この考え方で、これまでもグルジア(現在のジョージア)国内の親ロシア地区2か所を独立させ、クリミア半島を奪った。軍事力に加えてサイバー攻撃やフェイクニュースや偽の画像を故意に流す「ハイパー戦略」で敵を篭絡して来た。今回も全く同様で、過去の無関係な映像を駆使して、ウクライナの脅威を世界にアピールしている。(NHKの番組から) 双方の兵力軍事力比較図 質量的にロシアが圧倒的にウクライナを上回っている。プーチンはまだ全軍の出動を命じていない。だが劣勢のウクライナが奮闘しているのは、自らに正義があると信じるためだ。日本在住のウクライナ人研究者は、ロシアへの強烈な経済制裁と、武器の提供を呼び掛けている。(NHKの番組から)27日アメリカとドイツはウクライナへの武器提供を決定した。 スペイン・バルセロナのデ抗議集会で 写真はウクライナ国旗(左)とヒットラーとプーチンの顔写真を合成したプラカード。ヒットラー率いるナチスドイツは第二次世界大戦でロシアに侵攻した。ヤルタ会談以降に落ち着いた国境だが、長い米ソの冷戦。ソ連の崩壊と多数の独立国の誕生。そしてNATOへの加盟。これに逆上したプーチンは力で隣国に攻め入った。自らの歪んだ歴史観、国際状況判断に基づいて。(写真は24日ロイター) 26日現在の攻防 ロシアは優勢だが、ウクライナの首都キエフは26日夜の段階(日本時間と現地との時差は7時間)でまだ持ち堪えている。プーチンが総攻撃を命じたら、双方に大量の死傷者が出ることだろう。世界はプーチンの狂気を見つめ、ロシア国民も不正義で邪悪な戦争に反対する動きが強まったと伝えられる。世界はウクライナとの連帯を選んだ。 SWIFTの仕組み アメリカとEUは27日、ロシアの主要銀行に対して近くSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除を決定したようだ。ヨーロッパにはドイツやイタリアのように、エネルギーの50%近くをロシアの天然ガスに依存してる国もあるが。ようやく了解を得たようだ。無論世界各国のその影響は及ぶが、ロシアを制裁するためには止むを得ないと判断したのだろう。<続く>
2022.02.28
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~プーチンの狂気とウクライナ支援の連帯~ ロシアによるウクライナ侵攻関係のニュースを見続けていた。それにしてもロシアの侵略は凄まじいスピードだった。あっという間にウクライナ空軍の基地と空港を大量のミサイルで破壊し、翌日には三方から戦車でウクライナの領土を蹂躙した。プーチンに対する外相の忠告など、世界を欺く猿芝居。時間稼ぎに過ぎなかった。初日だけでウクライナ軍施設83か所を粉砕。大勢のウクライナ兵士が犠牲になった。 2日目はロシア軍の戦車がっ首都キエフほかウクライナの主要都市を襲った。その途中で「チェルノブイリ原発」を占拠。ウクライナが核兵器を開発しているとのプーチンの詭弁によるもの。ロシア軍が放った砲弾が「核廃棄物格納庫」に命中し、一帯の放射線濃度が上昇した模様。一体何を考えているのか。狂気の沙汰としか考えられない軍事行動だ。 首都キエフにもロシア軍が迫り、30km郊外にある国際空港がロシア軍の手に落ちた。ゼレンスキー大統領は全国民と兵士に対して、徹底的な抵抗を訴えた。それでロシア軍の侵攻がキエフの10km手前で食い止められたようだ。恐らくウクライナ側に相当の犠牲者が出たと思われる。その尊い犠牲によって、第2日目(25日)中の首都陥落は免れた。(詳細は明日記そう) BSーTBS画面から借用 ゼレンスキー大統領は、軍服姿でロシアの「斬首作戦」を世界に訴えた。ロシア作成の「殺害リスト」に自分がトップの標的として載っていること。そして2番目に彼の家族が載っていると。国家元首を失脚させ、傀儡政権を樹立させることがロシアの目的とも。だが自分は亡命せずに首都キエフに留まると宣言した模様。 その一方で、もしロシアがウクライナへの攻撃を停止した際は、交渉に応じるとも発言したようだ。それをロシアは了解したと伝わる。対談の場所はかつて紛争の合意が成立したベラルーシのキエフ。ロシアの言い分はウクライナが武器を放棄し、永世中立を宣言すること。それを聞いたゼレンスキー大統領は了承したとの情報もあるが、そうではないようだ。(詳細は明日記載予定) キエフ中心部への総攻撃は第3日目(26日)以降か。この異常な精神の持ち主が、約束を守る保証はどこにもない。ゼレンスキーは生き延びて交渉の場に臨むことが出来るのだろうか。世界は今回この男の狂気を目の当たりにし、彼が善良な人々を迷わず殺害する侵略者であることを知った。 ロシア国内(左)では大勢の国民が彼の侵略戦争に反対の意思を表明し、1800人が拘束されたと伝わる。日本国内(右)でもウクライナ支援の抗議活動が展開され、世界各国でロシアの暴挙に抗議する集会が開かれたようだ。その折も折、ウクライナのオデッサ港で小麦粉を荷揚げしていた日本の貨物船がロシアのロケット砲で被害を受け、目下トルコに向け自力で脱出中のようだ。 国連の緊急安保理事会が招集され、日本ほか120か国が共同提案した「ロシアへの非難決議」が審議された。だが今月の議長国はロシア。常任理事国15のうち、中国とインドとUAEが態度保留し、ロシアが拒否権を発動して否決された。だがウクライナの国連大使が、急遽犠牲者に対する黙とうを提案し、議長が制止したものの数十秒間、議場内が沈黙に包まれた。出席した120か国が黙とうしたようだ。 ウクライナと連帯し、今回の事態を招いたロシアに対する強力な制裁は2つ。その1つはロシアからヨーロッパに向けての天然ガス輸送管「ノルドストリーム2」の凍結。だがEUの中でもドイツとイタリアは(右上)の図のようにロシアの天然ガスへの依存率が高いため、反対出来ないのだ。 もう一つはSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアを排除すること。こちらもロシアとの取引が多いヨーロッパ諸国にとっては自国も苦しむ二律排反の要素があるため、実施困難なのだ。アメリカやイギリスなど無縁な国のみの制裁だけでは、ロシアに打撃を与えることは不可能。それにロシアには中国と言う「良き協力者」が存在する。 目下ロシアのサニーバレーで開催中のフリースタイルスキーのW杯だが、国際スキー連盟が中止を決定した。ロシア以外の外国選手が決勝への出場を棄権したためだ。私はこの戦争が続く間、出来る限りニュースを収集してブログに書くことにした。ロシアはパラリンピックが始まる3月4日までに、キエフを陥落しウクライナを支配する積もりだろうが、そう行くかどうか。世界はロシアの狂乱を注視している。<続く>
2022.02.27
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~狂気と独断~ 1人の男の狂気が現代ヨーロッパの歴史を破壊し、世界史を塗り替えてしまった。彼の耳に他人の言葉は届かず、彼の目には自国ロシアのことしか見えず、彼の心からは慈しみ、哀れみ、慰めなどの感情は失せた。そうしてこれまでジョージアの国土に踏み込んで親ロシアの分裂国家2つを創り、自分勝手な理由でクリミア半島をウクライナから奪った。 24日のTV画面から 現地時間24日の早朝5時から始まったウクライナへの侵攻で、たくさんの死者が出た。狙ったのは軍事施設と彼は言うが、民間人にも多数の死傷者が出た模様。被害の実態は徐々に明白になるだろう。彼が主張するウクライナへの侵攻の理由は、全て口実に過ぎない。少なくとも昨年の6月ごろから丹念に練られた作戦の結果。理由は「後付け」だ。 Y新聞の紙面より借用 〇午前5時ごろ。プーチンがウクライナ東部での軍事作戦開始を表明。軍事施設などに攻撃開始。〇午前5時半ごろ。キエフ空港の航空便停止。〇6時ごろ。ロシアの黒海艦隊が南部オデッサに上陸。東部ハリコフのウクライナ軍司令部がミサイル攻撃を受ける。〇6時半ごろ。東部ドネツクで爆撃音。キエフ市長が市民に自宅待機を呼びかけ。外務省がロシアの目的はウクライナ国家の破壊と断定。 〇6時半ごろ。ウクライナ全土に戒厳令発令。〇7時ごろ。東部ドネツクの親ロシア派勢力が大規模攻撃開始。東部マリウポリで大きな爆発音2度。〇8時半ごろ。東部の親ロシア派勢力がルガンスク州の2つの町を制圧と発表。〇9時ごろ。ロシアの攻撃でウクライナ人が少なくとも8人死亡、9人負傷。大統領府がインフラ施設が大規模な砲撃を受けたと公表。<ロイター通信、タス通信などからY新聞が作成> 写真1)ウクライナ東部マリウポリ近郊の軍事施設で破壊されたレーダーなどの設備。(AP) 写真2)首都キエフで地下鉄の駅に避難した家族。(AFP、時事) 写真3)キエフで道路に落下したミサイルの残骸を調べる警察官。(ロイター) 写真4)ミサイルが着弾したキエフ市内の道路。(ロイター) 写真5)キエフから市外に向かう車の列。(ロイター) 写真6)キエフ州で砲撃の被害を受けた国境警備隊の拠点。(ロイター) 写真7)ロシア南部ロストフ州に終結したロシアのトラック。(AFP、時事) ロイター通信社はイギリスの国際通信社。AFPはフランス通信の略称。タス通信はロシアの国営通信社で、正確にはイタルタス通信。時事通信社は日本の民間通信社で、報道機関や出版社などにニュースを配信する。 〇昨年12月の国連総会決議で決まった「五輪休戦」(五輪開催の5日前からパラリンピック終了後の7日後までを休戦すると決めていた)を、ロシアが破ったことをIOCが非難した。国連決議だろうが、ドーピングだろうが、ロシアは世界が決めたルールを破る「無法国家」であることが分かる。 この男は憲法を改正して大統領の任期を変えた。大統領と首相に交互に就任して、独裁を続けたこともあった。今回彼はウクライナ国民に対して「早く逃げろ、降参しろ」と放言し、侵略占領後に暗殺や拷問を加えるウクライナ人の「粛清リスト」を準備していると言われる。彼は言う「侵攻の他に方法がなかった」と。だがその前に「ウクライナを自分の思い通りにするためには」が付くのだろう。 短時間のうちにロシア軍によって80か所以上の軍事施設と11の飛行場が破壊され、国土を制圧されたウクライナ。隣国ポーランドへ脱出したくても道路が混みあって国境に近づけない模様。また18歳から60歳までの予備役は、祖国に留まるよう政府から呼びかけがあった。ポーランドは隣国から逃げ込む難民を200万人と見ているようだ。事態が明白になれば、死傷者の数はさらに増えるだろう。 リモートで協議したG7の首脳は、ロシアへのさらに強烈な制裁案を出した模様。ただしロシアはそれを見越して、既に海外の金融機関から外貨を還流させていたようだ。また、中国はロシアへの経済支援を表明。大量の天然ガスを購入するようだ。 今回の隣国への侵攻に対して、ロシア国民の間には賛否両論があるようだ。熱烈な支持者がいる一方で、プーチンの野蛮な行動を非難する良心的な国民も多いようだ。だが独裁者プーチンは直ちに動き、侵攻反対を表明した市民1800人を拘束したとのニュースもある。そして翌25日の早朝から、ロシアはウクライナへのミサイル攻撃を再開した。 今後国際社会から非難を浴び、経済的な制裁を受けるロシアにどんな影響があるのか、そして国民の間にプーチンへの不信感や自由への待望論が湧き上がることはないのだろうか。ロシアにも良識を持った人は多くいると信じたい。そして今後の中国の動静が心配だ。何せ似たような独裁者がいるので。 緊張関係が長く続いた今回の騒動中、「プーチンと仲の良い森元総理に頼んでみたら」などと言う国内の声があったと聞いて驚いた。もう個人的なつながりで国際情勢が動くような時代ではないことに、日本の政治家もジャーナリストも気づかないとは。とかく日本人は人が良く、認識が甘いのだ。中露のように謀略を駆使しろとは言わないが、普段からの危機管理が重要。すべてが後手後手では国民の信頼は得られないだろう。 TBC系の25日の画面から ロシアの侵攻は2日目も素早かった。24日は制空権を制したが、25日は3方向から戦車で首都に迫った。チェルノブイリ原発も制圧し、ロシアの強い決意を表した。首都キエフは25日中に陥落する見込み。プーチンの狙いは「斬首作戦」。ウクライナの現首脳を殺戮して親ロシアの傀儡政権を成立させ、ウクライナのNATO加盟を永久に阻止することにあるみたい。もちろんロシア安泰のためだ。 日本国民もこのまま甘い認識でいたら、ウクライナの二の舞を踏む事態を招かないとも限らない。今回の激動は、私の国家観、政治観、歴史観に強い影響を与えた。果たして世界はウクライナの苦しみに寄り添えたのだろうか。そしてロシアに強烈な制裁を下すことが出来るのだろうか。私はせめてブログで自分の想いを伝えたい。それが老人の務めと考えるので。
2022.02.26
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