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このブログで難しい言葉を使う気は毛頭ないのですが、様々な要因がある中において「大きな影響を与える要因」によって平均値がズレているかどうかを調べるのに、『標準偏差』というのがあります。高校生の時に習った人は何となく知っていると思いますが、標準偏差が小さい方が信頼性の高い結果という事になります。(標準偏差を知らない人は、単純に標準偏差=バラツキを数値で表したもの、という意味で捉えてもらって構いません)これは株式投資に限った話ではないですが、特に株式投資で「平均」という言葉を多用する人がいたら、多くの場合その人は詐欺師だと思った方が良いでしょう。(ただし、その人が自分で詐欺師だということに気が付いているかどうかは分かりません)平均という言葉は、受ける印象と実像との乖離が大きくなることが多く、そのことを利用して印象操作をすることが可能です。例えば、ある企業の平均年収が600万円だったとします。その企業の90%以上が600万円未満の年収であっても、50%が400万円台の年収であっても、平均年収600万円にすることは可能です。もっというと、600万円前後の給料をもらっている人が一人もいなくても、平均600万円は可能になります。このようなことは何も特別なことではありません。十分に有り得ることです。株式投資のパフォーマンスの良し悪しも同じです。低PBR銘柄の殆どが期待値という名の平均値未満であっても、少数の銘柄が押し上げているかもしれません。また、平均値付近には殆ど銘柄がなく、大きく悪い銘柄と大きく良い銘柄に分かれているかもしれません。という事で、標準偏差の小さいアノマリーを探す、というのは確かに一歩進んだ考え方で悪くはありません。ただ、そんなには良くもありません。少し良いかな、位です。標準偏差の小さい調査結果でも、比較的小さいというだけで、それ以外の要因がどのように影響しているかは分かりません。それこそ全く分からないのです。もうちょっと進んだ考え方に、統計条件をちょっと変えて結果の変化を調べる、というものがあります。統計条件を一要因だけ変えた結果で信頼性がどう変わったかをみれば、その一要因が信頼性に与える影響が分かるんですね。「この統計条件ではこの要因は排除するべきだ」、とか。そんな事が分かります。昔々、KAPPAさんという人がこれに近い分析をやっていました。過去にこのブログでも10年前の投資家を振り返るシリーズで紹介した事があります。統計には色々な方法があると思いますが、僕は門外漢なので適当に端折って分かり易く書きます。次のような傾向があることについては信頼性の高いと一般的に信じられています。1.低PERは高PERよりもパフォーマンスが高い。2.低PBRは高PBRよりもパフォーマンスが高い。3.低PER低PBRは低PER高PBRよりも、高PER低PBRよりも、高PER高PBRよりも、パフォーマンスが高い。4.なので、1と2は相反せず、両方とも同時併用できる項目である。これについてはちょっと標準偏差(バラツキ)の話が抜けていますが、1から4に頭の中で標準偏差の考えを入れて下さい。要すると、こんな感じです。このように単純に書くと分かり易いですが、これはPERとPBR(またはROE)だけの統計なのですね。それ以外の概念を加えたファンダメンタル分析の話ではないのです。 さて、随分と前置きが長くなってしまいました。このテーマだと仕方ないですね。本腰入れてこのランダムウォーク理論に対する自分の考えを書いているブロガーはまだ殆ど居ませんからね。 株式投資のブログは沢山ありますが、みんな何をやっているんでしょうかね。分析というのもおこがましいような分析やって自己満足しているんでしょう。 「それ分析なの?中学生でももっとしっかりした分析ができるんじゃないの?」 次も余談です。いつもですが、僕は本筋に入るまで長いですね。今回は本筋もかなり長いので、ちょこちょこ区切っていきます。
2016.05.15
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統計上、低PBR銘柄の方が高PBR銘柄よりも全体的にパフォーマンスが高くなっています。これは、古今東西、紛れもない事実です。ただ、低PBR全体のパフォーマンスを押し上げている要因の小さくない割合が、一部の低PBR銘柄によるものであった場合。その一部の低PBR銘柄を探り当てるような分析方法でなければ、低PBR銘柄の比較的優れているパフォーマンスを得ることができないかもしれません。一部の低PBRが暴騰する時に、多くのファンダメンタル分析では排除するような項目によるもの、例えば継続する利益の減少だとか急増する負債だとか、そういう内容を含んだ銘柄に集中していた場合は、主なファンダメンタル分析は最も美味しい果実を得られない、という事にもなります。一部の上昇修正した銘柄の暴騰につられて全体のパフォーマンスが向上しているのであれば、その上方修正する銘柄を探し当てないといけません。その銘柄は、ファンダメンタル分析を用いる時に好まれるような確固たる収益性を持った企業には少ないかもしれません。逆に、高PBR銘柄のパフォーマンスを大きく下げている要因の一つに、業績悪化銘柄が絡んでいた場合。高PBR銘柄が市場の期待を裏切る下方修正などしたら、大暴落することは多々あります。それらの銘柄を排除する事が出来た場合は、高PBR銘柄のパフォーマンスは劇的に向上する可能性もあります。ほかにも色々な要因がありますが、仮にそれらの要因の取捨選択を上手に行えばファンダメンタル分析を行った方がパフォーマンスが悪くなるという結果を得ることは可能であると思われます。アノマリーを信じようとする場合、ファンダメンタル分析は、簡単明瞭に、基本に忠実に、行うべきです。つまり、低PER低PBR高ROAが高いパフォーマンスを得られるというアノマリーがあるのであれば、低PER低PBR高ROAであれば何でも買う。取捨選択しないで、それこそ条件に入ったものからランダムに買う。選り好みしない。選り好みしないのであれば、比較的優れたパフォーマンスを得られる可能性は(それが期待するほどではないにしろ)上がるだろうという事については異論はありません。ランダムウォーク理論もこのようなアノマリー群のパフォーマンスについて異を唱えている訳ではありません。ランダムウォーク理論は「全体としての傾向」があるかないかではなく、「個別銘柄の選定結果」が市場平均を上回り続ける事が極めて難しいという結果のみ述べているに過ぎません。ここはとても重要な部分です。恐らくこの部分を勘違いしている人はかなり多いと思います。全体として市場平均を上回る傾向があったとしても、投資家が投資行動をとっている以上結果はそうならない、というのが主張です。(ただし、ランダムウォーク理論支持者にも色々な派閥があり、全体としての傾向はあくまで過去のものに過ぎず、今後有効でないという主張をする専門家もいるようです)前フリ長いですが、もうちょっと続きます。
2016.05.11
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今回から長期シリーズ始めます。(下記は一部2ちゃんねる投稿済文章を改編したものが含まれています)株式投資の永遠の命題の一つに、次のようなものがあります。「ファンダメンタル分析は役に立つか?」この命題には今のところ答え導き出されておらず、また導き出される予定もないので、永遠の命題となっています。ファンダメンタル分析をテクニカル分析と置き換えてもらっても構いません。今回は、ここはファンダメンタル分析としておきましょう。市場には常に価値観というものが存在します。この価値観が正しくないという見解を持っている人は多いですが、単に市場の価値観が間違っているだけではファンダメンタル分析は役に立ちません。市場の価値観が、時間の経過とともにファンダメンタルに裏づけされた価値観に近づいていく、という場合に、初めてファンダメンタル分析が役に立つことになります。間違っている価値観が、間違いを正そうとする場合、その利ざやを稼ぐという事です。キャピタルゲインを考慮しない完全なインカムゲインであれば少し話が違ってきますが、今回はややこしいので横に置いておきます。(それに、もっというと、更にややこしい事にインカムゲインのみを追求した場合でも、そんなに話が変わってくるという訳ではありません)市場の価値観というものは常に変わり続けます。完全なランダムであり、予測不能であるこの動きをランダムウォークという言葉で表したランダムウォーク理論というものがあります。このランダムウォーク理論に僕は非常に近い考えを持っていますが、ランダムウォーク理論を支持しません。これは、10年以上前から書きたかったテーマでした。物凄い長い説明を必要としますが、大して重要でもありません。その為、今まで書かずにずるずると時間ばかり過ぎてしまいました。(実際のところはゆっくりじっくり何年もかけて書きながら、今に至るという感じです)覚えている方はいらっしゃらないでしょうが、ランダムウォーク理論についての僕の考えを書いていないのが心残りだ、という事を8年前のブログ休止時に書きました。そしてランダムウォーク理論についての僕の考えについての投稿予定が2年後か3年後になる、という事を3年前の再開時に書きました。今回投稿するシリーズは、そのランダムウォーク理論と、ランダムウォーク理論に対しての僕の考えについてです。株価は予測不能ではなく、ファンダメンタル分析によって導き出された価値に(時間をかけて)収束する、または近づいていく、或いはその可能性が高い、という事であればファンダメンタル分析は役に立つ事になります。しかし、株価はそんな気配すらありません。株価に業績が近づいていくという事も、明らかにかなりの割合であります。ファンダメンタル分析の方法も千差万別であり、株式の価値を正当に表す分析方法があることは、間違いなく永遠に証明されないでしょう。分析方法が少し変わるだけで、評価される株式の価値は大きく変わるからです。ファンダメンタル分析で用いるのは、当然数字です。数値に表せないパラメータは排除します。不確定要因を排除する為、保守的な評価を行う事が多いです。価値の変動の少ない、パラメータを重要視します。バリュー投資では、資産ではいわゆる現金またはそれに類するものを最も重要視し、景気の波に左右されない収益力を重要視します。乱暴に言うと、上述のような分析方法であるファンダメンタル分析が、果たして役に立つのか?という事です。 長くなりますが、まだ前置きが続きます。
2016.05.05
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世代間格差を考える その1http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201310020000/世代間格差を考える その2 http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201312290000/世代間格差を考える その3http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201403100000/世代間格差を考える その4http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201406140000/ 日本円の価値を担保しているのは、日本の国富、無形及び有形資産です。--日本で法人税は大企業であるほど多く減税されている傾向にあります。安倍政権下で法人税の減税がさらに大幅に進みました。トヨタやソニーやキャノンなどのグローバル企業は、多くが実際に支払っている法人税は20%未満になっています。グローバル企業が支払っている実質的な法人税は、既に海外と比べても決して高くない水準になっています。まだまだ複雑な減税システムもあるため、申請しない企業が損をしている場合があります。これは、ある意味では日本の参入障壁になっており、実際のところ海外のグローバル企業が日本市場に参入する際の障害になっている場合もありました。(デフレ下ではとても好ましいことです)日本の参入障壁は、色々あります。これらを撤廃して外国企業の参入をしやすくしようというのが新自由主義の考えです。言語や文化、地形などのとてつもなく大きな参入障壁であれ、新自由主義では出来る限りない方が好ましいという考えです。国家という枠組みも同じです。あらゆる障壁のない経済圏を作れば、経済的にはほぼ国境がなくなったのと同じ事になります。そのような市場こそ、経済発展の為に優れた市場であり、目指すべきだと考えています。しかし、これは色々前提条件があります。一つは需要より供給が不足しているインフレ社会であること。一つは世界経済が永続的に成長する社会であること。一つは民間企業が全体として取り返しの付かないような致命的な失敗をしないこと。一つは代替の利かない種の資源の枯渇による奪い合いがないこと。一つは各国政府が力を合わせてもリカバリーが効かない位大きなバブルが生じないこと。パッと思いつく限りでこれだけの事があります。実際にはまだまだあるでしょう。 しかし、実際の経済がこれらの前提条件の上に成り立っている訳ではありません。また市場主義経済を進めることでこれら前提条件が崩れる可能性すらあります。経済発展には国民の所得水準が上がることが好ましいですが、至上主義経済は効率的な国民の所得水準の上昇を拒む事になるからです。国民の所得は、片側から見れば「購買力」であり、もう片側か見れば「コスト」となります。当然ながら、企業にとってはコストとなります。しかし、国内を相手にして商売している企業にとっては、購買力でもあるのです。国外を相手にして商売をしている企業にとっては、主な国民の所得=賃金コストとなります。当然ながら国外を相手にして商売をしている限りにおいては、国内の購買力が上昇しても直接的に利益が増えるわけではありません。国民の所得水準の上昇を抑えることが、コスト削減に繋がるのです。(ただし、この話はそれ程単純ではありません。実際は実体経済に為替の影響が複雑に絡み合います)グローバル企業といえど日本企業の多くは日本資本の企業であり、そこで働いているのは日本国民です。高度経済成長下のような実質賃金の伸びが経済成長率を上回るようなインフレ経済においては、自分が勤めている企業の利益が右肩上がりに成長していれば、安心できました。しかし、現在のデフレ経済下では、企業の利益が増加しても日本国民の所得水準は増えず、国内への設備投資も増えていません。その利益は内部留保や海外投資や株式配当に回るのみとなっています。その企業の成長は日本国内において効率的な資本流動の役割を果たせず、全く日本国のためになっていないというのが現状です。国民全てを幸せにする政策は難しいです。恩恵を蒙る人もいれば、直接的には全く恩恵を得られない人もいます。税として膨大に徴収される人もいれば、直接的には全く徴収されない人もいます。しかし、日本政府の政策は、間接的には全ての国民が影響を受けます。間接的な影響は、長期的な展望をもって考えるべきです。格差拡大、格差縮小も、直接的影響だけではなく間接的な影響も含めて考慮する必要があります。ここは忘れがちなので、常に注意をしておく必要があります。
2016.04.23
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人間の心理というのは不思議なものです。同じ物事でも、伝え方によって大きく印象が変わります。影響力のある方と同じ見解であれば安心感を持ちますし、何より投資家は他人と同じやり方が正しいと思いがちです。答えのない問題に不安を感じ、皆が認めたモノにより高い価値を見出します。これらを逆手にとれば、時流に乗った時に大きな利益を上げることができるのですが、単純にそのような時ばかりではないので意識して長期的に続けるのは難しいです。
2016.04.20
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もしキミが自信を失って何も分からなくなったら、雨の日に買って、晴れの日に売れば良い。それでキミの自信は幾分か取り戻せるだろう。そんなもんさ。
2016.04.15
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(チャーチスト談)1枚のチャートの中に、喜怒哀楽が見事に全て凝縮されている。チャートは、人類が図らずも生み出した最高峰の芸術だ。決して意図して作られたものではない、というところが見事だ。チャートは、しかし、問いかけても何も答えてくれない。完全なる静寂がそこにある。ただ其処に在る。それ以上を求めても、チャートは何も期待に応えてくれない。だが、素直に心を開くと、そこから欣喜雀躍や阿鼻叫喚が木霊してくる。聞こえてこないなら、まだ君が市場に心を開いてない証拠だ。変なプライドの欠片が邪魔しているんだろう。統計学や心理学を絡めれば、どのチャートにもそれなりに意味を見出すことは可能だろう。もしかしたら、手相占いよりも役に立つかもしれない。しかし、それでは芸術性が薄れてしまう。見てみ給え、このチャートの美しさを。美しいだけではない。とても醜く、汚く、未完成だ。この表現力の豊かさは、決して人間が意図して作り得るものではない。全ての答えが、此処には在る。全ての見方ができ、その見方全てが間違いである。尚且つ、それら全てがこれからの真実を構成する一要素となっている。この素晴らしさは、個々の見解全てを凌駕する。幾らファンダメンタル野郎どもが屁理屈付けてもこのチャートの前では無意味だ。このチャートだけが、完全に、真実を表しているからだ。アイツならきっとこう言うだろう。「迷った時は、素直な気持ちでチャートと向き合ってみると良い」
2016.04.10
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(バリュー投資家談)株価上昇期で多くの人は、保有株が予想通り株価の高騰をもたらし、保有資産の評価額が大幅に上昇した事を喜ぶ。醜いことだ。株価が上昇したのはあくまで結果に過ぎない。本当に尊いものは、どのような結果であれ、そこに至る過程だ。それに気が付かないうちは、まだまだひよっ子だ。投資家が成長しなければ、真に成熟した市場は生まれない。 なにも自分が株価上昇に向かって歩いている、という訳ではない。多くの人はそれに気が付いていない。歩いていくと、隣でいつの間にか株価が上昇していた。これが理想だ。一度保有した株について、評価額を気にして一喜一憂しているようでは、本来の意味で投資家ではない。投機家だ。 真実はどこにあるか。それは、各々が心の中にしっかりと持っている。その事に気が付かず、市場に真理を捜し求める。株価の変動に真理を捜し求める。愚かな行為だ。本当の正しさは自分の心にあるのに、そのことに目を向けず、雑多な群集に答えを求む。言葉にできないものを言葉にしようとするから綻びがでる。数式にできないものを数式にしようとするから矛盾してくる。貴方以外に貴方の心を邪魔することはできない。貴方以外に貴方の真実を捻じ曲げることはできない。永遠に正しい真実を持っているのだから、市場に惑わされてはいけない。株価は市場の適正評価。市場には市場の考えがある。貴方と市場は違うのだ。無理に同調しようとするから寂しくなる。無理に納得しようとするから苦しくなる。彼ならきっとこう言うだろう。「迷った時は、君の素直な心に聞いてみるといい」
2016.04.05
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嘘のようなホントの話。僕の投資にまつわる話。読んでいてもつまらないだろうから、余り長々と書くつもりはない。株式投資を通じてイライラした事がない。一度もない。売買について、後から「しまった」「間違った」と思うときもあるが、鬱憤を溜めたり気が滅入ったりという事はただの一度もない。株の値動きが気になって仕方がない、気が気でない、作業が手に付かない、という事もない。暴落相場で信用取引を用いて買い下がり続けて毎日何百万も損していた時も、正直余り切羽詰ってはいなかった。正直、株価はそこまで気にならなかった。会社で株価をチェックすることもなかった。追証がかかった時も、破産したときも、全く短気を起こした事はなかった。株式投資を始めてから今まで15年、投資に関してイライラしたことは、ただの一度もない。言い切って良いと思う。 僕はそもそも最初から、株式投資でお金を儲けて、それで何かを買おうというつもりはさらさらない。株式投資はメダルゲームみたいなもんだと思っている。増えたり減ったりするが、結局換金する気がない。趣味だ、遊びだと思っていない。株式投資は僕にとって人生そのもの。株式投資は手段ではなくて目的である。本末転倒、ここに極まりました。
2016.04.01
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メモ誤った正しさの根拠とは?・自分にとって都合が良いから・そういう空気だから 自分にとって都合の悪い正しさを受け入れることが出来るか?→大抵の投資家はできない。特に経験が乏しい投資家 →何故? →そもそも自分にとって都合の悪い正しさが多く存在するという事を知らないから →分かり易く言うと? →自分の投資行動が間違っているという情報に耳を傾けない →何故? →自分の投資行動が正しいという情報を心地よく思いながら収集し、逆の心地よくないが自分の過ちを指摘してくれるような情報を比較的軽視してしまう そういう空気の中で違うと思われていることを正しいと受け入れることが出来るか?→大抵の投資家は出来ない。特に素直な投資家。言い換えると協調性を重んじる社会において素晴らしい素質を備えている人間 →何故? →空気の元になるのが情報。信頼性が高いと思われるような情報の後追いになっていまい、多くの場合は株価が先行してしまっているから →決算報告書で記載された内容を吟味して判断すると先回りできるのではないか? →大抵の場合は難しい →何故? →決算報告書に分かり易いような形で反映されない予想の時点で既に株価が動いているから →その株価の値動きは間違っていないか? →間違っている場合もあるし、正しい場合もある。総合的に判断しての株価推移となる →総合的に判断しての株価推移は確率的に判断して正しいか? →それは余り価値のない質問となる。実績でのリターンではリスクが考慮されない →リスクが考慮されないとは? →現実に起こらなかった可能性を加味されない統計データからの判断となる →長期的な統計データである程度判断されるのではないか? →それはかなり難しい。何故なら資本経済は往々にして行き過ぎるし、その反動がどこまで進むかは実績ベースでは判断できない →何故? →一度も起こっていないことであっても起こり得る。何より不完全な現在の株主資本主義社会がまだ不完全な形のままで存在している →崩壊するような反動がいつか来るのか? →そうかもしれないし、そうでないかもしれない →そのような低い可能性を加味しなければならないほど保守的なポートフォリオを構築する必要があるのか? →それは誰にも分からない →それであれば、株価は常に適正価格かどうか誰にも分からないと言うことになる →概ねその通りだ 余談・株価は常に適正価格か? →それは永久に誰にも分からない →それであれば株価は常に適正価格だと断言することは誰にも出来ない筈だ →異論はない →そういうが、断言できないことを断言しているように見受けられる →否定できない事を断言しているに過ぎない。むしろ、株主資本主義社会は株価は常に適正価格であれば資本膨張率が高い。今株価は常に適正価格でないとしても、今後その方向に進むはずである →何故? →株主資本主義社会が市場原理主義に振り回される時が必ず来るからだ →何故? →株主資本主義社会ではお金にお金が集まる。政府が累進課税などで格差をなくそうとする政策を十分にとっていないのであれば、格差拡大によって市場原理主義社会になっていく →(これでは話にならないので質問を一つ前に遡って、)市場原理主義社会になると何故株価が適正価格になるのか?過去の歴史ではむしろ行き過ぎる傾向にあるが? →究極的には株価が常に適正価格である方が市場原理主義社会にとって好ましいからだ →何故? →リスクとリターンが比例する社会が資本家にとって好ましいからだ(※) →何故? →資本家にとってはリスクを抑える投資をすれば良いからだ →リスクとリターンが比例しない社会でリスク小でリターン大、の投資をすれば良いと思うが →誰がそれを判断するというのだ?それを判断するのは資本家なのか? →資本家がそれを判断するような社会を構築すれば良い →資本主義社会ではそれは無理である。資本主義社会は全体として長期的に資本が膨張すれば良い。個々の資本家の資本を増やすことを第一義としていない ※この文章とは違い、僕はリスクとリターンは比例しない、というスタンスを取っています
2016.03.27
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個々の投資家は非合理な行動に出たとしても、投資家全体では合理的な行動になっているのだろうか?これは、下らないが延々と続く命題である。合理的な行動とは何か?短期的な視点に立った合理性と、長期的な視点に立った合理性は、当然違う。資本主義社会での合理性と、半社会主義社会での合理性は、当然違う。では、合理的な行動とは一体なんなのだ?誰がどのように決めるのだ?ということで、今回は行動ファイナンスについて書きます。僕達初心者にとって、「行動ファイナンス」という単語は不要です。中級者気取りでこの単語を使い始めた投資家がいたら、その人は迷路に迷い込んだ可能性が高いです。迷路には、何年も、或いはそれ以上迷い続けている迷路の達人がいますので、彼ら相手に頑張る事になります。ご愁傷様です。『個々人間の行動は非合理的で、その人間の集合体も非合理的。その非合理的な行動を分析する事で儲けてやるぜぐへへ、じゃなかった安定した経済成長をするようにどのように行動するべきかを学ぼう。』というのが行動ファイナンス。要するに心理学みたいなもんです。理屈は数式で表せます。でも、基本は心理学です。自分を見失わないで、非合理性の矛盾を突く。バリュー投資と一見通じる部分が大きいように思われます。バリュー投資家が行動ファイナンスに流れるのはある程度の理解が出来ます。その上で言いますが、行動ファイナンスとバリュー投資は似て非なるものですので、バリュー投資家には不要な考えです。行動ファイナンス理論を出してきたバリュー投資家は、自分を見失っていると断言できます。ちなみに、行動ファイナンスは『株価は常に適正価格』という主張をする考え方とは一線を画します。株価は常に適正価格。でも明日の適正価格とは一致しない。「むぎゅ。」で何度も言っていますよね。
2016.03.23
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株式投資に限らず、パニックに陥って良い事はない。パニックの原因は何であるかを冷静に捉え、原因を作らないような行動をするべきである。常に状況が急変してもパニックに陥らないような心持でいることが重要であり、そのような心持を維持できるような投資手法を取らなければならない。その心持を持たない状態で状況が急変してから行動しようと考えても、決してその通りにはいかない。
2016.03.19
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投資家にとって本当に必要なこととは何だろう?勤勉さ?弛まぬ努力?ちょっと違うように感じる。経験から間違いを一つ一つ正していくこと?これもちょっと違うように感じる。心の底から楽しみ続けること。これではないだろうか。楽しめればとことん追求するし、少しでも改善したいと切望する。努力なんて必要ない。自分が楽しいことを好きなようにやるだけなので、周りの雑音は気にならない。こうすれば良い、などと決め付けることもない。ああすれば良かった、などと後悔することもない。心から楽しんでいるのだから、後悔なんてある筈がない。資産に対する執着心もない。全て無くなったら最初から始めれば良いだけだ。買値はどうでも良い。資産変動は結果であって目的ではない。株価の方が自分の評価より正しい、という事を認めることも全く苦にならない。市場の歪みを利用して資産を増やそうという見地から投資を行っていないので、素直に相場と向き合える。自らの間違いを認めるのも苦にならない。誰だって、それこそ著名な投資家だって往々にして間違うし、なにより本当にそれが間違いだったのかどうかは誰にも分からない。結果論でしかない。結果論など気にならない。自分が正しいと思っていることであれば、結果的に同じ間違いを犯しても気にならない。同じ結果になったのは結果論であり、そうならなかった可能性もあったのだ。投資家にとって本当に必要なこととは何だろう?株式投資が自分の人生そのもの、株式投資をやる為に生きている、と心から素直に言えるような考え方ではないだろうか。それが幸せな人生を送れるかどうかと問われれば、YESと自信を持って答えることができる。楽しんでいるから、株式投資で損しても全く悲しくならない。自分だけが特殊だと気が付くまでに時間がかかった。みんなが株価に一喜一憂していると気が付くまでに時間がかかった。あの投資家も、あの投資家も、誰も彼も株価に一喜一憂している。そんな投資手法は無理があるんじゃないだろうか。もっと自分に合った投資手法でのんびりやれば良いのに。
2016.03.14
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久々にお気に入りブログ追加しました。「中長期投資の練習記録」ファンダメンタル投資を勉強されているまるのんさんのブログです。基本に忠実に、四半期決算から業績の推移を確認されています。成長銘柄を中心に分析されており、分析している企業の成長度合いが鈍化していないかを着目しています。(僕とは投資手法が異なりますが)成長銘柄が成長鈍化すると株価は悲惨な事になりますから、注目すべきポイントは抑えていると思います。しかしファンダメンタルではどうしても急激な株価変動の後になりがちですので、それに耐えられるかどうか。ブログのタイトルには練習記録と銘打っていますが、この分析について本人が練習だと思っているうちは大丈夫だと思います。このような分析は上昇相場が続く間は利益に直結するので行う人が増えるのですが、下落相場で続けられる人はなかなか居ません。下落相場が1年また1年と続く間に、このような地味な分析を続けるファンダメンタル投資家はドンドン少なくなっていきます。まるのんさんはどうでしょうか。僕は、これらの分析を練習と割り切っている間は大丈夫だと思います。コメント欄などを通じてめんどくさがり屋の人が分析を褒めると思います。褒められて調子に乗ったら終わりです。まるのんさんは、とても丁寧にコメント欄に対して返事をしています。コメント欄を通じて、素直に、真摯に相場と向き合っているという印象を受けます。自分の練習のための四半期決算分析。単調な作業の繰り返しですから、いつかはもうマスターしたと判断して違うことをやり始めるかもしれません。繰り返し、繰り返し、何度も何度も何度も何度も同じ作業の繰り返し。大抵の人はこの作業に耐えられません。何十年も、何千回も、この単調な作業の繰り返し。基礎は大事なので、同じ事をずっとずっとやり続けられる力が重要なのですね。下落相場でもモチベーションを保てるかどうか、期待の意味も含めて僕は応援したいと思います。分析については特別なことは行っていません。基本に忠実に、良い分析をされています。そして分析を基にした自分の見解を、明確に述べられています。自分の見解を述べる、これは練習としてファンダメンタル分析を行う上でとても大切なことだと思います。 グラフ化して分かり易くしていますので、結果として読者に分かり易い作りになっています。グラフが一つも存在しないこのブログとは大違いです。『むぎゅ。』と違い、ブログ内の作りも読者に親切な作りで、非常に好感が持てます。僕も見習わないといけませんね。はっはっは。
2016.03.09
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僕が批判するタイプの投資家は、ある事に対して正しい、とか、何かが優れていて何かが劣っている、とかそういう下らないことを言う様な投資家です。いつの時代にもバリュー投資が優れていてグロース株投資が劣っているとか、ファンダメンタル投資家がテクニカル投資家より優れているとか、PBRは低いほうが良いとかROEは低いほうが良いとか、そういう事を大声で主張している投資家が居ます。大体は誰かが出した統計データを見た反応の延長で、結果から入った思考なので浅いです。相場環境が大きく変化した時にその思考を貫けない。そんな人には「そんな事は知った上で、みんな自分に合った投資をしているのです。」と言っているのですが、なかなか分かってもらえません。統計データから投資手法の正しさや間違いを判断するのは株式初心者誰しもが通る道ではありますが、何が正解で何が間違いかなんて株式投資にはありません。株式投資に正解はない、それが理解できても別に大したことではありません。別に投資家としてレベルアップした訳じゃない。それが理解できないで、統計的にこういうデータが出ているからそれが正しい、とか馬鹿みたいに言う様な投資家が僕は嫌いです。嫌いなので否定します。僕が反バリュー投資家の立場を取り始めたのも、2005年頃に、誰とは言いませんが全く経験乏しい金魚の糞みたいな追従型のバリュー投資家(今ではそれなりに有名な方です)がブログのコメント欄を通じてテクニカル投資家を徹底的に馬鹿にしていたのを目の当たりにしたからでした。正しいのは自分の側であり、それは統計データに裏打ちされているからであり、有名で知識豊富なバリュー投資家がそう言っているからであり、またそのような人が優れたパフォーマンスを出しているからである。そういう浅はかな考えで自信満々に相手の考えを否定していました。そういう考え方も貫ければ確かに一つの正しさを持っているのでしょうが、貫ける人はそんなに多くはありません。その時々で迷いながら試行錯誤してみたり右往左往してみたりとするのです。なので僕は「統計データ」を元に投資手法の真偽を言うような投資家は投資家の中では最も浅はかな投資家だと考えています。時には軽蔑すらします。
2016.03.03
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愛犬こなつのバリュー株式投資http://konatsu368.blog.fc2.com/バリュー投資ブームを通じて昨年までバリュー投資を行った投資犬です。残念ながら亡くなってしまい、ブログは終了となりました。バリュー投資の歴史を身をもって知っている、とても貴重な存在でした。ライブドアショック前までの小型株暴騰期を通じたバリュー投資ブームの最中において、切磋琢磨して学んでいった多くのバリュー投資家の一人です。(正確には一匹ですが)僕はバリュー投資ブーム当時からバリュー投資家たちとは少し離れた場所から違う視点で投資を行っていましたが、バリュー投資家さんたちと共に歩んできましたので様々なバリュー投資家さんの名前は拝見していました。教える側と教えられる側に分かれる今とは違い、当時はバリュー投資を始めた時期が殆ど一緒だったために、皆で仲良く一緒に切磋琢磨していったものです。信じられないかもしれませんが当時のバリュー投資は信じられないくらい広義で、バリュー投資にはグロース投資も含まれていました。何故かグロース投資を行っている投資家さんもバリュー投資家さんと意気投合して仲良く和気藹々と投資を楽しんでいました。頑固なバリュー投資家さんでも、グロース株投資を成長バリューなどと持て囃していたものです。投資している銘柄に価格以上の価値があると判断すれば、それがバリュー投資になるという主張のようでした。(それならファンダメンタル投資家みんながバリュー投資家じゃないか、と思いますが僕は別にその考えを否定しません)グロース投資家には大膨張さんなど今でも再び活躍されている方やokenzumoさんなど今では見なくなった方も居ます。しかしライブドアショックで大暴落した成長株がリーマンショックで更に大暴落、マザーズ指数などの成長株指数が10分の1にまでなってしまうような環境下において、グロース株投資家は壊滅状態でした。通常、グロース株投資家は上昇相場で喝采されますが下落相場では批判されます。そしてグロース株投資に対して否定的な意見を持つバリュー投資家が生き残り、徐々にグロース株投資とバリュー株投資は決別していきました。そんな状況において、紆余曲折視ながらバリュー投資とともに歩き続けてきたこなつさんは、貴重な存在でした。それだけに「こなつ犬」さんという存在が無くなったのが惜しまれます。こなつさんのブログは写真を多用するという、当時は珍しかったものでした。しかもその写真のほとんどが犬の写真です。投資家のブログにはとても思えませんが、自虐ネタを交えて最後に「キャイーン!」と大きな赤文字で〆るこなつさんは、活況している上昇相場ではもちろん、長らく続く下落相場で疲弊しきっている中においても、投資家皆から愛されていました。こなつさんのブログを読むと、犬踊り、などという意味不明の言葉も不思議と楽しく読める、そんな気持ちの余裕ができたものです。犬の視点から視ているブログの内容からふざけていると思われるかもしれませんが、こなつさんは真面目に相場と取り組んでいました。謙虚に、愚直に、日本株一本で。紆余曲折ありましたがバリュー投資の看板は下ろしませんでした。こなつさんのブログは膨大なので、どこから読んで良いか分からず拾い読みする人が多そうですが、年によって内容が大きく変わってきていますのであまり良い印象を受けないで読むのをやめる読者も多いのではないかと思います。非常に勿体無い。昨今のブログにはない、『長期下落相場を通じて悩みながらも下火になったバリュー投資と向き合おうとする真面目な部分』は埋もれさせておくには余りに惜しい。拾い読みするのであれば、バリュー投資に対しての考え方が分かる2006年が一番オススメです。下落相場に突入しているという指摘がチラホラ見えてきましたが、是非2006年の下落相場を悩みながらも真面目に取り組んできたこなつさんのユーモアまみれの心の叫びを読んで欲しいです。晩年の経済(経済学)に対する考え方については、僕と非常に近いところがあります。考え方は保守的なところがあり、経済情勢に振り回されながらもバリュー投資の看板を下ろさなかった、真面目にユーモアたっぷりでバリュー投資と向き合ってきた、そんな投資犬です。なかなかに感慨深いですね。
2016.02.28
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日本は今まで実体経済を無視して過剰な期待で株価が上がってきました。過剰な期待とは、長い間続いていたデフレ経済の転換です。インフレになるのであればカネ余りの日本経済のフローは急上昇するだろう、というものでした。明るい未来が待ち受けているはずだったのです。しかしそうはなりませんでした。消費税増税が実体経済に与えた影響は想定以上に大きく、また将来更なる増税を検討している最中で、デフレ脱却は遠のきました。しかし皮肉にも株価は金融政策のみで支えられて堅調。輸出企業は円安効果で増収増益を続けました。そのお金は国内投資に向かうことはなく、内部保留や株主への配当に回されました。やがてトリクルダウンは死語になり、トリクルダウンを支持していた多くの経済学者は舌の根も乾かないうちに格差容認派へ転向していきました。はてさて、現状を鑑みるとどうでしょうか。徐々に冷えてくる株式投資マインド。短期的な反発を目論んで過剰なリスクを取ってしまい株価変動にやきもきする投資家。なんてことはない、切った張ったの鉄火場に逆戻りしただけ。ぬるま湯につかっていた投資家はまだ心の準備が出来ていないと大慌て。平常心を失っている投資家横目に今日も市場は平常運転。最近の個人投資家の書き込みの中には、過去の株価推移を調べ出してきて、もうすぐ反転だ、いやまだまだ下がる、などと言っているものがありますが、既知の事実から未知の現象を予測することは困難です。その為、今後の株価を予測する方法はあまり有効でないと思います。過去に『むぎゅ。』でも何度も述べていますが、これからどうなるかを問題視するより、そうなった時にどうするかを考えた方が得策です。原因と結果を繋ぎ合わせようとしてばかりの投資家には難しいですが、何故そうなったかよりも、何故そうしなければならないか、を考える視点を持つことが重要です。バリュー投資の本質は未来の株価を予想する事ではないのです。なぜこうなったかを考えてばかりでは進歩がありません。その思考回路では将来どうなるかの予想について、それは何故かを考え出すだけです。そんなもの、予想屋に聞けば色々教えてくれます。そしてそれは既に株価に織り込まれています。いつまでたっても株価の後追いになるだけです。株価変動や金利変動などの個別の現象を取り上げてその原因を追究することはやめることです。今の経済状況は「たまたまそうなった」だけなのです。今後同じ状況になることはありませんし、事前に分かることではありません。そうなった時に自分がどうあるべきかを考える方がもっと大切です。理論の追究でない技術的方法についての思考が必要になります。
2016.02.21
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今日の暴騰に気を良くしている人が居るかもしれませんが、そんなに楽観視することではないという話。別に悲観視する必要もありません。僕たち投資家は淡々と客観的に相場と向き合えば良いだけです。円安になると株価が上がる、円高になると株価が下がる。その傾向はありますが、実際はそれにダウ平均の値動きが加わります。中期的に、日経平均は為替を考慮したダウ平均に連動しています。ここ数日短期的にドル建て日経平均がダウ平均よりも下がっていた為、結果的には今日その水準訂正が行われたというだけです。今のところ、それ以上ではありません。もちろん、それ以下でもありません。暴落は大して珍しいことでもありません。いつ反転するかにばかり気が向いて、急反発を期待して過剰なリスクを取ることがないようにしなければなりません。この程度の暴落で信用取引で買い進むなんて割に合わない。別に大した暴落じゃない。今年に入って日本株の下落は目を見張るものがある、なんて事はありません。先週はドル建て日経平均がダウ平均より下落率が少し高かったですが、それだけの話。中期的には誤差の範囲内。しっかり連動しています。今日も日経平均は平常運転。今年はずっと平常運転。
2016.02.15
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参考記事肝が据わっていないから振り回される真理その13 『自分より市場の方が正しい評価をしている』 今年に入って暴落続きだ、もう含み損を抱えていて苦しい、などと微笑ましいことを言っている投資家が多いです。 バリュー投資家とか投資暦の長い投資家とかがそんなことを言っているのだから、ホントぬるま湯に浸かりすぎて頭がボケてしまっているんでしょうね。 前にも言いましたが、もう一度言いたい。お前らはアベノミクス相場でどれだけ儲けたのだ、どれだけ資産を増加させたのだ。 日経平均が1年半前の水準に戻っただけ。1年半前より資産が増えているなら十分リスクにみあった投資だったと喜んで然るべきだと思いますけどね。
2016.02.11
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孫子曰く「勝兵はまず勝ちて、しかる後に戦い、敗兵はまず戦い、しかる後に勝を求む。」株式投資についても同じ事が言えるのだ、ときっとバリュー投資家は言うだろう。将来のことはハッキリと分からない。起こり得る事は全て起こり得る。それを前提にして、『既に買う時に勝負が付いている』と自信を持って言えるのであれば、成る程確かに、それは悪くない投資だと思う。
2016.02.08
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第一弾から第八弾の銘柄紹介を読んで頂いていない読者は、先にそちらを順に読んで下さい。(お手数おかけして申し訳ありません)過去に紹介した内容を理解されていることを前提として、今回の銘柄紹介を始めます。銘柄紹介 第一弾 7509アイエー銘柄紹介 第二弾 9866マルキョウ銘柄紹介 第三弾 6060こころネット銘柄紹介 第四弾 7865ピープル銘柄紹介 第五弾 9994やまや銘柄紹介 第六弾 7820ニホンフラッシュ銘柄紹介 第七弾 4769インフォメーションクリエーティブ銘柄紹介 第八弾 2337いちごHD※皆さんご存知の通りですが、この銘柄紹介は買いを推奨しているものではありません。 それぞれ毎回テーマがあり、そのテーマに適した銘柄を紹介しています。 今回のテーマは自己株式取得です。企業はどのような時に自己株式取得をするべきなのでしょうか。よく自己株式取得そのものが良い材料だと勘違いしている人が居ます。株式売買の需給に変動があるということで短期的な投資家の思惑に影響することがあり、結果として株価が上昇することもあるからです。しかし自己株式取得は経営方針であって、それ自体が良い・悪い、というものではありません。企業が企業活動で得た資金を投資や内部留保に回さず、自己株式を購入するという使い方をするということです。企業活動の一環であり、方針でもあります。この方針により、企業がどのような未来を描いているのかを推し量る事が出来ます。逆が新株発行による増資です。ただ何も考えずに新株発行などの増資には批判的で、自己株式取得・償却には好意的、ではいけません。 情報企画は2015年に自己株式を取得しています。2015年の自己株式取得による自己資本低下、の影響をみてみましょう。発行済み株式数4,049,926株→3,349,926株B/S面では平成26年9月期→平成27年9月期現金及び預金1,773,511千円→1,023,200千円流動資産合計2,255,898千円→1,601,539千円資産合計3,526,340千円→3,228,347千円P/L面では売上高 1,829百万円→2,340百万円経常利益 479百万円→627百万円売上高純利益率 34.5%→38.2%で結果自己資本比率 75.0%→68.4%1株あたりの利益 70.29円→106.60円1株あたりの純資産 652.99円→659.24円ちなみに企業活動を通じた別の株主還元としては配当 25円/株→38円/株配当性向 35.6%→35.6%銘柄紹介シリーズを全部読んでいるという前提ですので、上記の変動に対する説明は省きます。それほど難しいことではありません。しかし、この株式取得による影響は結構大きいものですね。この利益成長があったからこその大幅自社株買いをしつつの配当性向維持とみるべきでしょう。しかし単純に考えるのは早計です。将来の企業運営の為の手元流動資金のかなり多くを使用しているのです。足元の業績だけが重要なのではありません。中期的な視野だけでなく、長期的な視点がかならず反映されているからです。実際に大規模な自社株買いをするという事を発表して、その後殆ど設定枠を使わなかった企業は枚挙に暇がありません。その企業は予定していた枠の自社株買いを何故しなかったのか。思ったほどの株価水準ではなかったのか別の思惑があったのかは分かりませんが、実行するかどうかで企業の腰の据わり方が分かります。市場で買うのかどうかに限らず、本気で取り組まないと大規模な自社株買いなど出来ません。企業が自ら発行している株式を株主から買い取るというのは、その規模が大きければ大きいほど、企業側に強い意思が必要になります。その意思はどのようなものかを読み解くことが重要です。株式発行数の変動としては、他にも株式分割があります。この会社は発行株式数を減らす前に株式分割で発行株式を急増させています。(平成25年10月に1株を100株にする株式分割を実施)発行株式数だけに着目すると、一気に100倍に急増したものがその後16%程度減少した、という事になります。しかし、この株式の急増と減少では本質的に違います。株式取得・償却が自己資本の変動を伴うのに対し、株式分割は伴いません。(※厳密には伴いますが説明をわかりやすくするため割愛します)株式分割による影響は1株あたりの数値のみです。例えば、1株あたりの純資産、1株あたりの利益、1株あたりの配当、など。それ以外は全く影響ありません。同じ発行株式数を変動させるものでも、株式の分割による影響と株式取得による影響、この2つは本質的に違います。自己株式取得→償却、は株主が保有する株式の価値を変動させます。大抵の場合は一株あたりの利益を増加させ、一株あたりの資産を減少させます。敢えて乱暴に言うと、企業運営に回さないで企業活動で得た利益を株主還元するという意味で本質的には配当と同じです。ただし配当は一時的な影響、自社株買いは長期的な影響、という違いがあります。(※2016/2/1追記 コメント欄に説明あり)かかる税金の影響がない分だけ自己株式取得の方がコストが少なくて済みます。上の例のように配当性向が同じで自己株式取得を行った場合、実際には増配していると言えます。合計が利益の額を超えている場合、考え方によってはいわゆる蛸足配当と似たものであると言えるでしょう。蛸足配当が悪いものだと考えているのにその期に得た利益以上の額の自己株式の取得は悪いものだと考えていない投資家が多いですが、両方とも本質的に同じでROEの増加に繋がるものです。その影響が一時的なもの(その時の株主が利益を受ける)か長期的なもの(それ以降の株主が利益を受ける)かの違いです。不要な自己資本(非効率な自己資本)を減らすことによる企業経営の有効化です。バリュー投資家には、備えあれば憂いなし、と使い道のない資本を溜め込み続ける企業を善しとしている投資家が多いので、この点は強調しておきたいと思います。もっとも、赤字企業や資本の有効化の見込みが立っていない企業が利益以上の配当や自己株式の取得をしてはいけません。ROEを増加させる経営は企業経営に自信がある場合にのみ行うべきで、またそうである為に強烈な投資家へのアピールになるべき行為です。 話を情報企画に戻します。この業種は人材不足に悩まされ続けています。今後労働人口が減少していく中、優秀な人材確保が今以上に困難な状況になっていきます。その中において、どのように人材を確保するのかが問われる社会が日本に必ず来るでしょう。情報企画の社員は2007年104人→現在121人。会社目標は『売上高営業利益率30%』と『従業員一人当たり売上高20百万円以上』ですので、優秀な人材を確保しないと企業の売上成長はありません。この企業は急激な成長をすることはないでしょう。緩やかな成長を続けていく。それがノウハウとなり暗黙知となり地力となります。緩やかな成長には良い面もあれば悪い面もあります。一つ間違えば、退屈な万年割安株です。低PER低PBR低ROE。そうならない為にはどうすれば良いか。一つの手段が配当による株主還元策であり、もう一つの手段が自社株買いによる株主還元策です。 急激な成長をしない企業が得た利益をどのように使うのか、この企業は一つの答えを出しています。過去に第四弾で紹介したピープルも同様。日本企業では珍しいですが、ROEを低下させない努力というのは資本主義社会の企業として当たり前のことです。
2016.01.31
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自分より市場の方が正しい評価をしている。当たり前だ。株価は常に適正価格なのだから。理屈をこねて自分の正当性を幾ら叫んでみても、他人から見れば馬鹿丸出し。市場より自分のほうが正しい評価をしているというのなら、それは貴方が現状を正確に見抜くことが出来ていない証拠だ。
2016.01.28
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今年に入ってからの暴落相場でオロオロしている投資家が多いが、一体彼らは何をやっているのだろうか。振り回される側、烏合の衆の一人でしかない。投資家たるもの、常に孤独なのです。周りの意見を参考にしようとしているから、周りがオロオロするとどうして良いか判らず心配になる。肝っ玉の小さい投資家になると、周りがオロオロしているのを見て、自分だけじゃないと安心する。自分が安心したいが為に、周りの投資家のオロオロしている姿を探そうとする。馬鹿じゃないか、と言いたい。 投資歴が長い人でも同様に、下落する株価が気になって気になって仕方がない様子。下落中に株を買い、それをブログで公表する。さも自分が勇気を持って買い下がっているというように。昨日の大幅上昇した後で、自分の取引は結果的に成功だった、良い所で買えた、などとのたまう。本当に馬鹿みたいだ。 一昨日の時点でも、日経平均は年初来から15%程度下落しただけ。たった15%の下落で、資産が大きく減少した、これ以上は気持ち的に余裕がない、などと言う。投資初心者が言うのではなく、何年も投資を経験して暴落相場を何度も経験している人がそう言うので驚く。アベノミクス相場でどれだけ儲けたのだ、どれだけ資産を増加させたのだ。15%程度なんて、誤差みたいなもんだろう。自分が保有している株式の評価額は自分のものだ、誰にも渡したくない、という欲が強すぎる。執着心が強すぎる。アベノミクス相場を通じて資産が増加しているので絶対額が増えて、その資産に対する執着心が増えたのだろう。執着心を捨てられないのならその資産を守る投資をすれば良い。暴落相場を何度も経験しながらも資産に対する執着心を持ち、それでいてリスクの高い成長株を買っているくせに暴落時にオロオロと右往左往するのは笑い話だ。なんで日本の個人投資家のメンタルはこんなにも弱くなってしまったんだろうかね。やれやれ。
2016.01.23
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参考記事http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201312310000/http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201508010000/ 今年の相場は下落続きですが、全体的に同じように下落しているのではなく、個々の銘柄によって下落率がかなり異なります。全面安の暴落相場ではありません。去年の前半まで続いていた全面高相場ではリスクを取れば取るほど上昇するという状況で、成長する銘柄を買って放置すれば良いという馬鹿みたいな浅い考えで儲かる相場でした。それまで大幅に株価が上昇していてもなお、ROEが持続して高い銘柄、利益成長率が高い銘柄、長期的に売り上げが上昇している銘柄、そういう銘柄を買っておけば儲かるという物足りない相場でした。逆張り投資家としてはテンションが上がりませんでした。実体経済は期待されているほどには良くならず、薄れ行く高揚感の中で堅調な株価に辟易していました。 僕は2010年、2011年、2012年、2013年と異常なほど儲かりました。この期間、本格的な分散投資家で信用取引をせずに僕より資産増加率の高い人が居るのかどうか。勿論何処かにいるんでしょうが、僕は知りません。2008年にマイナスから再スタートした僕でしたが予想に反して絶好調、2011年の大震災を経ても相変わらず日本株に強気だった僕はリスクの高い銘柄を買い漁りました。引き続き2014年と2015年も出来過ぎなくらい儲かりました。現物株投資だけで資産は過去最高を更新。正に順風満帆。ただ、増え続ける資産に反比例して株式投資に面白味がなくなってきたなぁと感じ、徐々にバリュー投資家寄りのスタンスを取るようになりました。 そして今年は下落続き。ダウの大幅下落を受けて月曜日も日経平均は大幅下落となる可能性が高いです。 このところずっと全面高の上昇相場が続きましたからまだ十二分に余裕がある投資家ばかりでしょうが、これからは楽観悲観が入り交える、普通の株式相場になるでしょう。国内外にはまだ一般には十分知られていないような悪材料は沢山あります。年初から随分下落した株価ですが、この水準が低いかどうかは全く分かりません。 株価は常に適正価格。自分が買った値段など何の価値もありません。含み益がなくなった、含み損が膨らんだ、そんなのは全く何の意味もないのです。僕たちが持っている株式の価値は、株式に応じた会社の保有権利なのです。市況に応じて会社の業績は変動するので保有する株式の価値も変動するでしょう。しかし、買値は何の意味も成しません。(利益確定時に支払う税金が影響する程度です) 相対的に割安な所へ資金を集中させる。個々の値動きが独自性を帯びているのであれば、割安投資家が本領発揮できる相場です。資産の評価額が増えるかどうかは二の次。保有している資産の価値が増えるかどうかの方が大切。そして、今のような相場は保有する価値を増やす絶好のチャンス。 分かってない人が多いですね。ここ数年、ぬるま湯に浸かりきって呆けているんでしょう。
2016.01.16
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「この企業を見てみろ。PERが4.7倍だ。分かるか?前々期よりも前期、前期よりも今期の方が業績が良い。年々業績が伸びて成長している企業ということだ。その企業のPERが4.7倍だ。現金もたっぷりある。負債も少ない。自己資本比率は70%を超えている。殆ど無借金だ。それでPBRは0.6倍。いいか、この企業の株価は下がらない。まぁ、ちょっとくらい下がるかもしれないが、大きくは下がらない。もしこの企業の株価が大きく下がるようなら、市場全体が大暴落をしているだろう。」相変わらず広場ではピエロが下らない事をのたまっている。聴衆は聞く耳を持たない。なぜだろうか。
2016.01.12
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「決算書を読みこなす事典」この本は決算書を全く読んだ事がない初心者向けですが、基礎的なことは大抵書かれています。株式投資において最も重要なのは基礎なのです。後は、自分で色々やって慣れていくしかない。別にどんな本でも良いですし、別に本からではなくインターネットからでも良いので、基礎的な本に書いてある内容程度はしっかりと理解しておく必要があります。決算書を読むための会計知識を学ぶに当たり、肝心な点があります。それは一番最初に全体を網羅しておくということです。重要なところだけのつまみ食いではなく、自分にとって必要ないと思う部分についても一通り理解する。インターネットのみで調べようとすると大切な部分だけのつまみ食いで全体を理解した気になるので注意が必要です。この本を読めば決算書を読む上で必要になる基礎的な知識が網羅できます。この本を通読すれば、基礎的なことについては他の本を読む必要はないでしょう。逆に言うと、決算書を読む際にはこの本に書いてあること程度は全て理解していなければなりません。ただしこの本はもう10年以上も前の本なので、今の会計方式と違う箇所があります。ご注意下さい。現在の会計ルールに則って書かれている基礎的な本を紹介出来ればいいのですが、僕は知らないのでこの本を紹介します。知っているつもりになって知らないこと、忘れていることはよくあることです。例えば、○損益分岐点の算出方法は?○自己資本がマイナスでも倒産しない理由は?○労働分配率が上がるというのはどういうこと?○子会社から親会社への配当は、決算書上ではどのような処理をされる?○損益計算書の中の、少数株主損益とはどのような意味?○連結企業は親会社の税引き前利益を連結内の子会社の赤字と相殺できる?○暖簾代は無形固定資産に含まれる?○期末仕掛品の評価(算出)方法は?○キャッシュフロー計算方法の直接式と間接式の違いは?基礎的なことはどれも全て大切なことです。大切だから基礎なのです。財務諸表は最初のうちはじっくり一つ一つの項目を時間をかけて吟味していても、慣れてくるとパッとみてパッと判断するようになります。その時、知らないことを知らないままにしていると、分析したつもりになって表面的なことしか見ていなかったという事になりかねません。表面的で大枠の分析はとても重要ですが、それだけやって終わりというのであれば子供でも出来ます。子供でも出来る程度のことしかやらずに財務諸表の分析をしたというのであれば、それは単なる自己満足に過ぎないでしょう。実際に掘り下げて分析するかどうかはその時々で変わるにしろ、知ろうと思った時に分かるかどうかの違いは大きいものです。この本はアマゾンなどで二束三文で叩き売られています。決算書に関する本をまだ持っていない人は、買ってみることをオススメします。2004年発行の古い本ですのでIFRSには対応していません。IFRS自体はそれほど難しいことではありませんので、基礎を学んだ後で改めて勉強することをオススメします。
2016.01.03
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「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ3 錬金術入門編」資産運用とは裁定取引である、という究極に突き詰めた考えを懇々と説いています。また増加していくその資産運用を錬金術に喩えています。この本を読めば、裁定取引の何たるかが分かるでしょう。裁定取引は儲かる。世の中の役にも立つ。しかし根拠のない裁定取引であればあるほどリスクが高くなり、それは投資期間に関わらない。というような事が書かれています。その他にも信用創造や信用収縮を絡めてバリュー投資家の投資タイミングについても書かれており、なかなか面白いです。少し説明が間違っていると思われる部分もありますが、初心者の読み手に合わせて簡易的な説明に終始するように意識しているようですので仕方ない面もあると思います。この本に書かれている自体はそれほど大した内容を書いていないのですが、裁定取引の重要性を強調していること、独特の雰囲気で面白い作りになっていること、あまり他の本に書かれていない内容が含まれていること、などでちょっと甘めの評価で9位としました。こんなふざけきった文章で投資について本質的なことを書く本は珍しいですね。実は投資本と違い経済本にはふざけた内容で切り味鋭く本質的なことを書いてある本がそこそこあったりします。そういうのも今後紹介していけると良いですね。この本はシリーズ3部作で、ホントは教えたくない資産運用のカラクリ1と2があるのですが、この2つは株式投資に直接関係のない内容で、別に大したことは書かれておらず面白みにも欠けるので特段読む必要はありません。株式投資をする上で読む必要があるのは3だけです。3を読んで面白かったと1と2も買ってしまうと後悔すること請け合いですのでご注意下さい。本の中で『情報の価値は受け手の能力に依存する』というなんだか分かったような分からないようなことを明言していますが、この言葉は平九朗さんの言葉のようです。平九朗さんは昔からの投資家であれば割とお馴染みの投資家さんですが、著者の安間伸さんと仲が良いみたいですね。こういうような事を平気でどうどうと言うような人間はよほど自分の能力を過大評価しているんでしょうね。僕には依存しているかどうかなんてサッパリ分かりません。世の中は裁定で動いている、とこの本は述べています。残念ながらそんな単純なものではないのですが、そのような一面も確かにあり、そういう視点はとても重要です。同じものだったら安い値段で書いたいし、高い値段で売りたい。これが経済活動の基本であり、錬金術の原点だ。とこの本は述べています。価格というシグナルを通じて需要と供給が調整され、リソースが効率的に配分される。とも述べています。そこで裁定取引となるわけです。ただ、裁定取引は根拠が薄くなればなるほどリスクが高まる。とも述べています。明確な根拠がある裁定取引をすれば、それは錬金術になる、という算段ですね。「逆張りは、市場の循環を予測した時間的な裁定である」全体的に市場原理主義的な考えが目立つので異を唱えたくなる部分はありますが、とても優れた内容です。 蛇足になりますが、https://books.google.co.jp/books?id=yCS9Y8wOgY4C&printsec=frontcover&dq=%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AF%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E8%B3%87%E7%94%A3%E9%81%8B%E7%94%A8%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AA3&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwiN66a01PrJAhWhnqYKHY3hC3MQ6AEILzAA#v=onepage&q=%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AF%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%84%E8%B3%87%E7%94%A3%E9%81%8B%E7%94%A8%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AA3&f=falseで最初の方の一部分が読めるようです。最初の方の部分は面白味に欠ける内容なので特段読む必要はないですが、この本独特のふざけた雰囲気は分かると思います。興味がある方は是非読んでみて下さい。
2015.12.27
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「最新版 投資戦略の発想法」 著者は悪名高い木村剛ですが、なかなかに優れた投資本です。最近の投資家は知らないと思いますが、今から10年と少し前、不良債権が騒がれまくった時に『倒産リスト30』というのリークという形で世に出しまして、その中に入った企業の株価が売り叩かれまくったという事がありました。リストに入っていたのは大手ゼネコンその他諸々の有利子負債比率の極端に高い企業ばかりでした。しかし、『倒産リスト30』の中にはその後倒産した企業は殆どありませんでした。売り叩かれていたこれら企業の株を二束三文で買い叩いたのは、いわゆるハゲタカ。その為、木村剛は暴利を貪ったハゲタカの手先という評判もあります。この木村剛ですが、今では廃刊になった『フィナンシャルタイムズ』という雑誌の監督もしていました。「1億円を目指す金融セレブのための金融雑誌」と銘打ったこの雑誌は大変よく出来ていた本でした。今でも僕の本棚に綺麗に陳列されています。僕はこの雑誌以上の金融雑誌を読んだ事がありません。前置きが長くなりましたが、この本はタイトルそのまま投資戦略の発想法を書いた本です。2005年の発売当時この本はそこそこ売れましたが、当時から今に至るまでこの本を絶賛している個人投資家を僕は見たことがありません。ビギナー向けですが、8位として紹介したいと思います。※この投資戦略の発想法は、度々改訂されて内容が加筆修正されているようですが、僕が紹介するのは2005年度のものです。この本は個人投資家に向けて書かれている本で、株式投資の心構えについて書かれています。しかし、経済や金融の基礎についてもしっかり丁寧に説明されており、単に株式投資のみについて書かれている投資本とは一線を画しています。400ページを超える厚い本ですが分かり易くスラスラ読める、それでいて投資に必要な心構えについての理解が深まる大変優れた本です。この本に書かれている内容は侮れません。ポートフォリオ理論など、理解しているようでなかなか理解しきれていない投資家もいるでしょう。お金の働きという基礎的な考え方についても、機能、概念、などから本質的に説明しています。資本主義経済を突き詰めると金利に辿り着きますが、この本は金利に対する考え方も懇切丁寧に記述されています。基礎的な景気との結びつき以外にも、お金の量との関係、物価との関係、それらを総合して考えることが出来るようにキホンのキから全体的に説明されています。「経済理論が想定している純粋な温室よりも、経済は複雑かつ乱暴なのです」と著者は言います。整然と基本的なルールに則り金利や株価や物価や経済が決まる訳ではありません。色々な反応を示すので、考え方は人それぞれです。さまざまな思惑を持った投資家の先読みの違いにも影響します。何が正解かという考え方は通用しないのです。頭が固い人にはいまさら読んでも無駄でしょうが、投資を始めて間もない頃にこの本を読むとその後の投資人生に良い影響を与えること請け合いだ、と僕は思います。この本には『資本主義社会との付き合い方』という項目があり、なかなか為になる事が書かれています。・資本主義経済は拡大再生産を要求するシステム・売上からコストを引いたものが利益だが、そのコストは誰かの売上になっている・資本主義経済においては供給と需要が拡大しながら均衡していく・人間の限りない欲望が資本主義経済システムとの相乗効果をもたらす・経済全体が常にプラスにならないと資本主義経済は成り立たないなどの基本的なことは一通り抑えておいた方が良いと思います。その他でも、この本は『自分のバランスシートを作ろう』と、なかなか面白いことが書いてあります。自分のバランスシートすら管理できない人間は投資で成功することなど出来ない、とも書かれています。なるほどそういう考え方もあるか、と感心してしまいました。まぁ実際はそんな事はないんですが、バランスシートのイメージ化は大切ですね。
2015.12.21
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「ゾーン」 相場で一貫性のある行動を取るためには無心で淡々と同じ事を繰り返す『ゾーン』に入ることだ、と主張している本です。書いてあることはシンプルですが、ここまで膨らませる文章力は賞賛に値します。シンプルなテーマを多角的に広げることで、読み物としてとても面白い作品に仕上がっています。この本を上級者向けとして扱うのは間違っています。この本はあくまで相場心理学『入門』なのです。誰にでも分かり易いように意図して書かれているので、株式投資の簡単な言葉さえ分かっていれば、相場を経験していない全くの素人にも『相場心理学』が分かります。しかし、相場を通じて色々と経験した人ほど著者の言いたいことに共感するでしょう。とても多くの投資家の様々な思惑によって動く株式市場です。相手よりも深いところを考え、出し抜こうと目論んでいる百戦錬磨の投資家ばかりです。短期的・中期的・長期的視点が入り乱れています。単純な思考による投資手法が最もパフォーマンスが高い時もあれば、逆もあります。同じ投資手法が持続して良い結果をもたらすこともあれば、逆もあります。その時々で必要とされる思考回路が変わります。簡単なことであれ、相場心理は奥が深いのです。 相場は何事も起こりうる。最高のトレーダーはそのことを信じて疑わない。決して信じている振りをしているわけではない。そうであるから取るべきリスクを明確に把握して、どのような時であれ感情に振り回されずに同じ行動を取る。その行動を取る際の心理状態(ゾーン)が、将来が分からない恐怖に打ち勝つ。重要なのは、安定した利益を出すためには「将来何が起こるかを知る必要は全くなく」、「企業分析力があるかどうかは全く関係ない」ということ。結局のところ、この本はこれを主張しているに過ぎません。この主張に賛同できない(するつもりもない)のであれば、この本を読むのは時間の無駄でしょう。ただし、繰り返しになりますがこの本は読み物としてとても面白いです。この本が読み物として面白いのは、一つは明確に伝わる面白い表現を使っているからです。絶妙な言い回しを読者に伝える為に色々抜粋したくなりますが、きりがないので止めておきます。兎に角、やるべきことを淡々とやれば良い。正しいとか間違っているとか、そういう観点でトレードをする必要はない。とそうこの本は主張しています。相場に正解はないとはいえ、なかなかユニークで面白い本です。
2015.12.16
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「バフェットとソロス勝利の投資学」巷に溢れている『バフェット』と名の付く投資本の内容は、本当にどれも酷いです。殆ど全てが著者のフィルターを通していますし、また読み手に誤解を与えるような表現が散見されます。しかし、それらの投資本のいくつかは優れた名著としてバリュー投資家が絶賛しています。まるでその本の内容を理解することがバリュー投資家への登竜門であるかのように。そんな投資本を読んでバフェットに近づけるなら、株式投資で長期的に利益を上げるのは簡単です。バリュー投資が優れたパフォーマンスを上げられるという統計があるなら、バリュー投資家に絶賛されている本を読むだけで良い。他の本は一切読む必要がありません。 実際は違います。バリュー投資をやるのにバフェット関連の本は一切読む必要がありません。むしろ読まない方が良いくらいだと僕は確信しています。また、バフェットはバリュー投資の亜種亜流なので、バリュー投資とは別のものだと理解しておいた方が良いでしょう。ただ、それにしても、たとえバリュー投資ではなくバフェットの投資をやりたいのであったとしても、巷に溢れるバフェット本を読むのは全く効果がないと思います。どっちにしろパフォーマンスを上げる為の行動としては全く無駄でしょう。ただし中には幾つか読み物としては面白いものもあります。暇つぶしとして大変重宝します。その読み物の中で一番優れているのが本書だと思います。残念ながらこの本を絶賛している投資家は殆ど見たことがありませんが、埋もれてしまうのは余りに惜しいので今回紹介します。バフェットの投資手法の核心について、リスクを抑えることだと本書は言っています。(実際は負債に対する支払い能力がどれだけあるかという面も重要なのですがそこは割愛するとして、)バフェットが投資でやる事は買うまでで殆ど全て終了している、買った時に利益が出ている、と表現しています。ここは非常に重要な点だと思います。買うまでにやる事は全て済ませれば、買った時に利益は確定している。バフェットの投資は、突き詰めればここに集約されるのではないかと思います。非常に分かり易い。この本は成功する習慣として、「達人」と「負け犬」に分けて考え方の違いを表しています。非常に趣味が悪いやり方ですが、その内容は秀逸なものが多いので、この部分を読むだけでもこの本を買う価値はあると思います。 『投資哲学は達人にとって行動指針なのだ』とこの本は述べています。『投資哲学のおかげで投資の基準は明確になる』と続きます。全く異論ありません。『投資哲学のおかげで達人は心理的優位に立つ』とこの本は述べています。『周りがみな冷静さを失っているときにも、達人は冷静でいられるのだ』と続きます。全く異論はありません。しかし、上の文章を読んでそうだそうだ、と同意しても全く役に立ちません。。『成功例に裏付された投資哲学を誰かが真似しても、自分自身に関する無意識的な信念が妨げとなって失敗に終わることが多い』からです。 『投資の達人は、自分の限界を知っているので、理解できない投資には無関心である』。貴方はどうでしょうか?『熱狂で損をするのはいつも懐疑派なのだ』とこの本は述べています。懐疑派がパーティーに参加するのはいつも最後なので結局多くのリスクを取ってしまう、という意味です。非常に納得のいく表現なので抜粋しておきます。
2015.12.11
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「株で幸運をつかむ」この本は過去に『むぎゅ。』でも紹介しました。中身がスッカラカンでよく200ページ超に膨らましたなと感心してしまう位ですが、なんと5位にランクインです。この本は長期投資の心得を木を育てる庭師の心得に準えています。色々あるけど慌てないで気長に成長するのを待ちましょう、というような内容が延々と綴られているだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。「何もしないで良い時に売り買いを控えないと株で成功は出来ない」と著者は言います。曰く、「多くの投資家が感情に溺れてしまう」。「大きな儲けがあると、楽天的で注意が散漫になる。大きな損失があると、悲観的で注意深くなりすぎる」ので「自分をコントロールできるように」努める必要がある。書いてある内容は当たり前のことで、目新しいことは何もありません。落ち着いて何もしないことを学ぶこと。基本に忠実にしていれば、長期的に優れたパフォーマンスを得ることはそれほど難しいことではない。そう著者は繰り返し述べています。そんな事はみんな知っているのです。知っていてできないのです。著者は言います。「適切な価格で優良な銘柄を購入し、売却するタイミングをどんどん遅くすることが自分の戦略だ」と。著者は言います。「その会社に何も変化がないことをチェックしているなら、何も心配することはありません」と。著者は言います。「何もしない、これが戦略上の強みです。何もしないことが一番有利な結果を生むのです」と。「株式市場は貴方を幸せにするわけではありません。貴方にちょっとお金を儲けさせてくれるだけです」。何もかもが天国にあるような収穫の秋を迎える為に、何が必要でしょうか。それは、『自分の能力を精一杯過小評価すること』です。『自身や虚栄心を捨てること』です。『兎に角、じっと辛抱すること』です。つまり、『分からないこと、自分ではコントロールできないことに対して、謙虚な気持ちで、畏怖の念を持って望むこと』です。どうです、簡単でしょう?株式市場のことを良く分かっていると思い上がるのではなく、畏怖や尊敬の念を持って接することです。庭師が自然に対して畏怖や尊敬の念を持って接しているように。何もかもがうまくいっている時でも自分が知らないことが無数にあるということを知っている、より正確に言うのであれば、自分が殆ど何も知らないということを知っている、そういう賢さがあることを知ることが重要なのだとこの本は繰り返し繰り返し述べています。
2015.12.06
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「科学的「株」投資術」統計データを知識として知っておくことは大切です。統計データに振り回されることなく投資が出来るからです。「低PBRは高PBRよりパフォーマンスが良い」という統計データはそれ単体には何の価値もありません。そこに至る思考の経緯が重要なのです。その為、経緯を省略した統計データそのもの単体では優れたパフォーマンスを残せません。このブログで何度も何度もしつこいくらい書いてきた通りです。しかし統計データを知識として知っていることは自分の武器になるのです。経済知識があるかないかで、景気転換点や相場転換期に腹の据わった自分の投資ができるかが変わります。外部環境に振り回されず、自分の投資を貫けるか。使い方を間違えず、過大評価をすることなく利用すれば、知識は強力な武器になります。統計データに気をつけろ。特にパフォーマンスを交えた統計データには気をつけろ。統計データから得られる情報を使って安易に近道をしようとするな。これが前提で、今回この本を紹介します。この本は統計データの山です。大抵はパフォーマンスを交えています。PER、PBR、ROE、ROA、ROIC、ROD、アクルーアルなどといった基礎指標を2つ絡めて、パフォーマンスや業績修正を比較しています。例えば、ROEの数値によって上場企業を5つのグループに分類し、さらにそれぞれのグループをRODによって5つに細分化。25に分類されたそれぞれのグループについてパフォーマンスを比較。そうすることで、ROEとRODが互いに別指標としての有効性があるかどうかが判断するというのです。ちなみにこの本ではこのグラフから、ROEとRODは互いに相関のあるファクターだが、どちらか片方で判断すると間違った選択となりかねない、という結論が導かれています。古今東西ROEをからめた統計データにはろくなものがありません。ROEはその時点以降の将来の推移が重要なのに、その時点でのROEが高いか低いかだけで分類をしているからです。ある時点でROEが高いのであれば、その高いROEを維持できなければ年々ROEが下がり続けることになります。年々ROEが下がり続ける企業というのは、年々資金効率が下がってくる企業という事になります。そのような企業は、投資家の評価が下がる可能性が高いです。それらの流れを省いて、ROEが高い企業のパフォーマンスが悪いと単純に述べている。未来指標のROEをその時以降の未来の推移で区別している統計データは専門のレポートなどの例外を除いて殆どありません。投資本に載っている程度の統計データであれば、皆無と言っていいくらいです。この本もご他聞に漏れず、ある時点での単体のROEで分類してパフォーマンスとの相関図を描いています。僕はこの本にあるROEが含まれる統計データには異論しかありません。しかし、自分が納得しない統計の取り方のデータでも、そのような取り方でどのような結果が得られるかについて知識として知っておくのはとても重要だと思います。特に株式投資を始めて間もない頃、今まで知らなかった様々な統計データに巡りあうと思います。どれも大した意味は隠されていません。しかし先の「低PBRは高PBRよりパフォーマンスが良い」という統計データを初めて見ると、短絡的に『それでは低PBR銘柄を中心に投資をしてみよう』となるのです。何故低PBR銘柄が高PBR銘柄よりもパフォーマンスが良いかを考えていないので、思ったようなパフォーマンスが得られず低PBR投資手法を貫けないのです。「低PBRは高PBRよりパフォーマンスが良い」、ある程度投資をしている人なら誰でもそんなことは知識として知っているのです。知った上で自分の投資をしているのです。統計データに振り回されてはいけません。統計データで重要なのは『その事実を知っているかどうか』です。これに尽きます。 この本は統計データの山です。この本1冊あれば基礎的な統計データの知識は十分です。この本の内容を頭の中に叩き込めば、経済環境の変化時に自分の立ち位置を見失い難くなるでしょう。著者の本業がお医者さんですので、医学的な統計データの取り方になっています。様々な見地から各ファクターの有効性を知ることが出来るでしょう。
2015.12.01
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「一度やってみたかった!はじめての株」株を始めていない人向けに書かれた、『普通の人が「投資家」になるための無理のない株式投資レッスン』です。この本も紹介しているブログは皆無ですね。なんででしょうか。タイトルが悪いだけなのではないかと僕は思っていますが。何事も基礎的なことが一番重要で、肝要なのです。株式投資では基礎がすっぽり抜け落ちている投資家が散見されますが、まず基礎ありきです。徹底的に、これでもかというほど基礎を固める必要があります。この徹底的な基礎固めをやったかどうかで投資家の地力が大きく変わってきます。地盤が強固でないとしっかりした建物は建てられません。独創的な建物を建てようとするのであれば尚更、強固な地盤が必要なのです。その意味では、この本はとても有用です。なにしろ1冊丸まる投資家になる為に必要な基礎が書かれていますから。キャッシュフロー計算書とは何でしょうか。何故重要なのでしょうか。この本は言います。企業の財務諸表は現金主義ではなく発生主義で全ての取引を記帳しているからだ、と。まさに簡潔明瞭です。基礎が分かっていないとキャッシュフロー計算書の使い方が分かりません。この本のキャッシュフローに関する記述の中に、次のような箇所があります。『ここで注意しなければいけないことが一つあります。最終的には企業に現金が残ればいいわけですから、資金の流入は良くても流出は悪いと思いがちです。(中略)途中経過としての資金流出入は、例えば(中略)どちらが良くてどちらが悪いというものでは(中略)ただ、毎年のキャッシュフローが安定して(中略)キャッシュを産まない無駄な資産を売却して(中略)従って投資家にとって価値が高いキャッシュフローを増やすような経営を目指す(中略)理由にはこのような背景があるのです。』バランスシートの説明を終えた後にこの本は言います。バランスシートのイメージを常に頭の中に入れておくべきだ、と。もちろんこれは基礎的なことです。初心者に向けて書かれているものですから、初心者でもやるべきことです。しかしバランスシートのイメージを常に頭の中に入れている投資家がどれだけいるでしょうか。恐らくバランスシートは投資する時に調べたきりで、その後にはイメージを持ち続けていない投資家が多いのではないでしょうか。個別銘柄のバランスシートのイメージを常に持ち続ける、そんなこともやっていないでファンダメンタル投資家だと言えるでしょうか。この本は次のようにも述べています。『バランスシートに載っている資産の評価額が正しいかどうかは不明であるため(中略)割安株に投資をする場合は、バランスシートの中身を見て(中略)分析する必要があります』『まず感覚的に資産・負債・資本の3要素のバランスシートを頭の中にイメージすることができるようになることが財務分析では最も重要な第一歩なのです。(中略)このような財務センスを磨くことは絶対に必要なことでしょう』バランスシートのイメージを持ち続けるだけでなく、中身を分析する必要がある。一体、中身の分析をしながらバランスシートのイメージを持ち続けている投資家がどれだけいるでしょうか。そんなこともやっていないでファンダメンタル投資家だと言えるでしょうか。まだまだ魅力的な言葉に溢れています。『どんなに研究をしても、損をしてしまうことはあります。むしろ、ありふれたことといってよいでしょう。もし損をしても、自分で納得した判断をしたうえでなら、仕方がないことです。また、その経験をフィードバックして判断力を磨いていく材料にもなります。しかし、自分で考えもせず他人の意見で投資判断を行っていたら、お金がいくらあっても足りないでしょう。(中略)玉も石も混合している膨大な情報の中で自分を見失いためには、自分で判断するための投資の基本を見につけなければならない、ということです。どんな投資も自分で投資判断を行い、自分のフォームで行うことが、長期に渡って株式投資を行ううえで絶対に必要なことなのです。』耳が痛い人も多いのではないでしょうか。投資経験が長くても、他人の投資に影響されているようでは全然駄目です。そのような投資家は今まで長い間何をやってきたのでしょうか。自分の投資は自分の判断で行う必要があります。そこに他人の意見を参考にするなどというような甘い考えはありません。他人の意見など参考にせず、自分で、決めるのです。この本は、成長株投資の落とし穴、割安株投資の落とし穴、小型株投資の落とし穴、についてもそれぞれ分かり易く説明しています。また、それだけでなく、この本は極めて珍しく複利のマジックの落とし穴(負の部分)にも述べています。複利の良い面しか見ていないような投資家は、こういう本をしっかり読んで基礎から学び直すと良いでしょうね。
2015.11.26
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「投資で一番大切な20の教え」 この本に書かれていることの殆ど全ての内容に僕は賛同します。ある程度長い期間投資を続けた人で、恐らくこの本に記載されている内容を理路整然と批判できる人はいないでしょう。非常に内容の濃い、優れた名著です。この本には分析の精度を高めることにより将来のことをある程度予測できるという『知っている派』と、どんなに分析の精度を高めても将来のことは分からないという『知らない派』についての説明があります。この部分は中々に面白いです。『知っている派』に属した人と『知らない派』に属した人、それぞれ良い面と悪い面がありどちらが優れているとはなかなか言えません。ただ僕は『知らない派』に属していますし、余計なお世話ですが『知っている派』に属した人に警笛を鳴らしています。僕は昔から『知らない派』でしたが、信用取引で買い下がるという手法を取ったことにより全てを無くしました。信用取引をしている間に一時的に『知っている派』に転属したのでしょうか。過去の投稿内容を何度読み直しても分かりません。リスクの対処こそが投資における唯一の必須要素である。この本はそう述べています。未来に起こりうるリスクの殆どは主観的で、見え難く、定量化できない。その為に極めてまれな「深刻なリスク」に対する対応を取っているかどうかは評価されない。とも述べています。結局はリスクコントロールに尽きます。投資家たるもの、常に自分がとっているリスクを把握しなければなりません。自分が取っているリスクを把握していなければ、それは投資家ではありません。間違った根拠に基づき投資をして、結果優れたパフォーマンスが得られたとして、その投資家が優れているといえるのでしょうか。成功した投資が優れていたかどうかの評価は非常に難しいです。であるからこそ、成功した投資を行った投資家がこれからも成功するかどうかは分からないのです。それぞれの投資家によるリスクに対する評価は過去の事象の枠に近い範囲で行われるものであり、人はいつも未来が過去の変化と同じようになると見込みます。過去と違う変化になる可能性を軽視して、過去と同じ変化になった時にその(過去と同じ変化になるという)予測をした投資家を優れた投資家と人は判断する。しかし、その投資家は本当に優れた投資家なのだろうか?とこの本は問いています。評価が出来ないのであれば、未来に対する予測が出来ないのであれば、いま自分が立っている位置を明確に把握することだ。それがリスクコントロールの第一歩だ、とこの本は主張していると僕は理解しています。この本は必ずしもバリュー投資家寄りのものではなく、バリュー投資家にとって耳が痛いことも多く書かれています。例えば、安い株価で買えばいつかは報われる、というバリュー投資家の主張にも反論しています。ケインズの言葉を借りて、「市場の不条理が続く期間は貴方の支払い能力が続く期間よりも長いかもしれないよ」と。これは極めて重要な指摘だと思います。この本の内容の殆どに賛同できるのは、僕がバリュー投資家ではないからでしょう。しかし、この本はバリュー投資家でも多くの内容に付いて賛同するであろうと僕は確信しています。彼らはバリュー投資の軸がぶれていますから。今の日本にバリュー投資家がどれだけいるかは分かりませんが…。
2015.11.21
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「上昇株で勝つ」 株式投資でもっとも優れている本として、僕はこの本を上げたい。過去にも『むぎゅ。』で紹介した本だ。相変わらずこの本を絶賛しているブログを未だかつて見たことがない。それどころか、話題に出しているブログすら今までお目にかかっていない。この本がタイトルにバフェットやソロスなどの名前を加えただけで、絶賛されるだろうと僕は確信している。投資家というのはネームバリューに弱いのだ。巷にあるバフェットやソロスの名前が付いているクソみたいな本の評価が高いのをみると、やるせなさを感じる。この本は基礎的なことを書いてある本なので、全くの投資初心者が最初に読む本としても全く差し支えない。投資先(銘柄)によって業績変動の仕方が変わる。そのため個別銘柄毎に投資戦略は変えるべきだというのがこの本を読むと良く分かる。ROEの考え方と、PERやPBRの捉え方が書かれている。順番は、ROEの説明→PERの説明→PBRの説明、だ。この順番はとても正しいと思う。しかし多くの投資家はこの順番で理解していない。基礎指標の説明をしてる本やサイトのほとんどがPERの説明から入るからだ。何故か?PERが一番大切だからだ。一番大切な指標であるから一番最初に説明するのだ。しかし、PERの前にROEだろう。まず企業が企業活動を通じて利益を上げ、その利益を投資家が評価するのだ。PERから分析に入る投資家のなんと多いことか。教科書通りの投資家は、まず分析でPERから入る。しかしPERから一体企業の何が分かるというのだろうか。むしろPERは企業分析では邪魔になる指標だ。投資するかどうかを判断する為の指標であって、企業活動を調べる為の指標ではない。この本を読めば、優良企業、低迷企業、循環企業の違いの判断は何よりも重要だという事が分かる。これらの何れに分類されるのかを知る上で、企業のBSの変化を見る必要がある。これらはキホンのキで、初心者にこそ重要なことだ。PERの説明よりも重要なことで、この判断ができてからPERが意味を成す。この本はそれを教えてくれる。基本的なことは理解する流れを間違えなければ何も難しいことではない。しかしそれが最も重要なことなのだ。この本はよくまとめられていて、流れも良い。財務諸表や各指標、それぞれに深い関連性があるのがよく理解できる作りになっている。それぞれを個別で理解するのは危険なのだ。この基本的なことを理解していない投資家は、残念ながらこのような優れた本を読んでいなかったんだろうと思う。 著者は若いですがよく基本を抑えており、分かり易い流れで説明をしています。それだけ深い理解をしているのだと思います。この本を読むと株式投資においての基本がROEというのが良く分かります。企業分析ではまずBSとPL、そしてその関連であるROEを抑えていないと駄目なのです。
2015.11.15
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みきまるさんに触発され、オススメ投資本シリーズをやりたいと思います。長期シリーズは久しぶりですね。本当は以前予告していた「常識を疑おうシリーズ」をやろうと思っていたのですが、そしてその為に「MEANINGの投資手法」を公開したのですが、何だか常識を疑おうと声を大にして言おうとしても、その常識に捕らわれている人が現在の市場参加者に殆どいないというのが現状のようで。むしろ、「みんなもっと基本に忠実にやろうよ」と反対のことを書きたくなる始末。僕も今現在バリュー投資寄りの立場で投資をしているのは先に書いた通りです。やれやれ、といった感じです。「常識を疑おうシリーズ」として書いた幾つかの文章が現在お蔵入り状態です。 閑話休題。今回新たに「オススメ投資本シリーズ」と銘打って、僕が今まで読んできた投資本の中からBEST10を1位から順に発表していきたいと思います。普通の発表と順番が逆ですね。皆さん興味がないと思いますが、それでも僕は人並みのバリュー投資家よりは随分多くの投資本を読んできました。僕がオススメする本はそこそこ優れた本だと思います。また、僕は皆さんご存知の通り少々変わった投資家です。なので誰も紹介したことがない、聞いたこともないような本がでると思います。大抵の投資本は読み尽くしたよ、という投資家さんでも読んでない本が出てくるかもしれません。本当は僕は投資本よりも経済本を多く読んでおり、様々な観点から市場を見ることが出来るためにも経済本を紹介したいのですが、まぁそれはあるかどうか分からないまたの機会に譲るとします。一番紹介したいのは海外純文学なのですが、割愛。BEST10だったらほぼ全てロシア文学で埋め尽くされるでしょうしね。僕の文章は、ドストエフスキーの影響が大きいです。文章を書くときにドストエフスキーのような文章が頭の中で埋め尽くされるような、そんな悪影響がありました。あります。 閑話休題。2回も閑話休題する文章ってどうなんでしょうかね。最近は『むぎゅ。』に投稿する文章は練りに練って、下書きして推敲して暫く温めて、時間を置いて読み返してまた推敲して、タイミングを見計らって投稿する、そんなのばかりでしたから久しぶりです。文章を書くって楽しいですね。僕は思いつくままに文章を書くのが好きだった。忘れていた感覚を思い出した感じです。何が「バリュー投資に騙されるな」だ。そんなもんクソ喰らえ。株式投資なんて好きなようにやれば良いんだ。またリンク厳禁で好き勝手やろうかな。もうこれ以上アクセス数は要らんよ。一体僕は誰に向かって文章を書いていたんだろう。推敲に推敲を重ねて書いた文章なんて何の価値があるんだろうかね。昔の『むぎゅ。』の文章の方が光り輝いているよ。信用取引で破産した頃の方がずっと活き活きしている。今は何だ、誰に何を批判しているんだ。このブログの存在意義はあるのか?山のような投稿待ち文章を消化するだけのブログになっている。本末転倒だ。まぁいいや、全然閑話休題していないし。 そんなこんなで新シリーズ始めます。
2015.11.11
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利潤を追い求めていては、損失が大きくなる。儲からなくても良いじゃない。完璧主義には株式投資はちょっと辛い。神経質では暴落相場が耐えられない。融通が利かなければ相場転換期の対応が遅れる。マニュアル人間では理由が説明できない事に納得できない。形にこだわれば枠にはまる。適当に力を抜いて、好きなようにやれば良い。肩肘張ってたって良い結果が得られる訳ではないからね。
2015.11.06
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見当たらない。見当たらない。見当たらない。いつからいなくなったのだろうか、バリュー投資家が見当たらない。別に探しもしていなかったから、全く気が付かなかった。探してみて初めて気が付いた。バリュー投資家が何処にもいない。
2015.10.31
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怠け者ほどこの言葉の表面的な意味合いに魅力を感じてしまうようで、21世紀に入った頃からずっと、色々なところでこのフレーズをちょくちょく見かけます。「金持ち父さん貧乏父さん」が好きで感銘を受けたとか言っている人っているじゃないですか。そのような人に多いです。所謂、お金に働いてもらうシステム作りを目指す人。でも、ちょっと待って。お金に働いてもらう。その意味を知っていますか?株式投資を通じて利益を得る場合、働くのはお金ではありません。投資先の会社の従業員です。働くのは人間です。僕達と同じ、人間です。僕たちよりも多くの能力に秀でている人が適材適所で働いた結果、優れた業績を上げているのです。株主だから偉い。そういう考え方で経営権の一部を買ってはいけません。経営者が従業員に対する感謝の気持ちがなければ、その会社は潰れてしまうでしょう。株主も然りです。お金に働いてもらう。その意味を曲解している個人投資家。ずっと長い間曲解したままになっている個人投資家。笑止千万です。株式投資という行為を奴隷制度か何かと勘違いしているのではないか、と懇々と問い詰めたい。この曲解されるような考えを広めた一因は、間違いなく投資家、特に自称バリュー投資家にあります。そのような投資家に投資された企業の従業員は、さぞかし迷惑している事でしょう。ありがとう、という感謝の気持ち。株主は従業員に対して、感謝の心を持たなければなりません。皮肉ではなく、本心から感謝する心を持たなければ、お金に働いてもらうつもりの投資家に本当の意味での未来はありません。バリュー投資家と呼ばれる投資家にこの視点が完全に欠けているのは、もはや出来損ないの笑えないブラックジョークでしかありません。 やれやれ。最低限、投資先の企業の従業員給与(平均年収)と従業員平均年齢くらいは注視してもらいたいものです。低ければ良い、というものではありません。高ければ良い、というものでもありません。何をしている会社で、どのような会社か、を見る時の判断材料に従業員給与はとても重要な数値です。人材という貴重なリソースに対する評価を株主として会社と同じ数値とするかどうか、は投資活動にとって重要な考え方です。「お金に働いてもらう」ために従業員給与は低い方が良い、というのは投資家としてはレベルが低いと言わざるを得ません。バリュー投資家であればなおさらです。
2015.10.25
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僕は消費税増税反対法人税減税反対の立場です。法人税は減税ではなく、むしろ増税した方が良いとも思います。(消費税も増税ではなく、減税した方が良いと思います)今の日本の資本の流れは、『国債発行して政府が支出→収益となって主に大企業に分配→企業が国内に使わず海外投資か内部留保にまわす』という感じです。企業の利益を増加させても、賃金となって家計に下りない。法人税減税は、企業の内部留保か海外投資にまわされるだけで、内需拡大に繋がりません。簡単な話です。法人税を減税させることで税収が増える、というような事を言う人がいます。そのようなことを言う人は全体像が見えていないと僕は思っています。今現在、企業は有り余る資金の使い先がない、使う気がない。そんな状況下で法人税を減税して、税収が増えるメカニズムを説明して欲しいです。法人税を減税して海外から企業を誘致する?日本企業の海外進出を防ぐ?何を言っているのでしょうか。今の日本は絶賛大企業ボロ儲け中の真っ只中です。政府発表資料の数字を読み解くと、こう書いてあります。『日本国が国債を発行して財政政策をしても、大企業の利益に留まって家計収入が増えずデフレ脱却できない。日本国が負債を増加させ続ける中、大企業のみが資産を増やし続けている』(意訳) 今何が必要なのか。生産性を高める、供給量を増やす、そんな必要はありません。お金の動きを良くする、資金需要がない所からある所にお金を回す、お金を使わない人や企業にお金を使わせるように働きかける、そんな政策が必要です。その政策は何を目的としているのか?何を目的としているのかが明確にならない政策は、愚の骨頂です。今の日本に何が必要なのか、そのための政策は何なのか。法人税減税が今必要な政策でしょうか?もっと他にやるべき政策が山ほどあるでしょう。法人税増税と大規模な投資減税をセットでやれば、法人税減税するよりも税収は上がるでしょう。当たり前です。儲かってもお金を使わない企業に投資をさせれば、お金が国内に回り、経済が活性化するからです。デフレ脱却の光明も見えてくるでしょう。 ※2015年10月19日注釈 日本政府は現在一時的な措置で行われている投資減税の撤廃を検討中で、ほぼ確実に投資減税の少なくない部分が撤廃されるでしょう。セットで法人税減税を絶賛検討中です。やれやれ。デフレ脱却まで道のりは遠いです。デフレ経済下で儲かっている企業の税金を削減しても、税収は増えません。法人税減税を推し進めたい人は居るでしょう。その人が政府の中枢に居ることも事実です。法人税減税は、デフレ脱却を阻害します。消費税増税とセットでやれば最悪です。デフレ推進政策は阻止しなければいけません。
2015.10.19
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自分に対して自信が無い人ほど、つまらない事を気にする。本来、確たる哲学がある人間は軸がぶれないものだが、自信が無い人間は確たる哲学が無くすぐぶれる。気にしてもしょうがない事は、気にしないことだ。常に適正価格で販売中なのだから、株式投資は成功もあれば失敗もある。当たり前のことだ。他人の成功に嫉妬しても、何の特にもならない。羨む心があるのも、結局は自分に自信が無いからである。自分に自信を持っていれば、他人の成功を心から喜べる。株式投資で敵対心など百害あって一利なし。指標だってそうだ。日経平均相手にパフォーマンスを競っている訳じゃない。株式市場は、よく考えてみると気にしなくていい事ばかりだ。気にしなくていい事は、気にしない。簡単なことだ。
2015.10.14
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心理学者のユングさんは、人間の感情について相反する2種類が2つ、合計4種類あるといっている。思考機能と感情機能、感覚機能と直感機能。思考機能が優れている場合は感情機能が劣っており、感覚機能が優れている場合は直感機能が劣っている。逆も然り。これらのバランスは心の個性であり、それ以上でもそれ以下でもない。 さて、ここから投資の話。投資家の個性の話。投資家として求められているのは、思考機能。感情機能は不要である為、思考機能が優れている者が投資家としての資質を備えている。もしかしたら、貴方はそう思うだろうか。ファンダメンタル派の貴方ならそういうかもしれない。思考機能が優れており、感情機能が劣っている場合、人の心を読む事が苦手な人間が出来上がる。そのような人間ばかりに投資家たる資質があるかといわれれば、大きく首を傾げざるを得ない。感情機能が優れている場合、思考機能が劣っていても、共感性に優れた気配りのできる人間が出来上がる。しかし、そのような人間ばかりに投資家たる資質があるかといわれれば、これもまた大きく首を傾げざるを得ない。むしろ投資家としての資質は、思考機能や感情機能ではなく、直感機能の有無にあるのではないだろうか。テクニカル派の貴方はそういうかもしれない。しかし、直感機能に優れている人間も、先のことを見渡せる能力に長けているものの、物事にじっくりと腰を据えて長期的に取り組む能力に欠けている。逆も然り。感覚機能に優れている人間は、一度理解すれば長期的に物事を推し進める事ができるが、経験しなければ理解する事が困難である。つまり、心の個性は投資家のタイプを分ける事ができても、優劣を決めるものではない。しかし、個々の投資家が自分に合った投資手法をとっていない場合は、自分の優れた部分を活かす事ができない。宝の持ち腐れである。投資家はこうあるべき、という指針は当然の如く無数にあるが、自分に合っていない指針は無視するべきである。要は楽しければそれで良い。自分の心のタイプにあっている投資極意こそが真実である。
2015.10.08
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国家単位の経常収支がバランスする水準を維持しながら、世界貿易全体を押し上げていく「国際主義」がケインズの主張だ。特定の国が経常赤字を受け入れているような状態は長くは続かないし、市場の気まぐれに実体経済が振り回される状態に、人間は耐えることが出来ない。市場経済がもたらす不安定さを、国家が押さえ込もうとしなければならない。このような結末への帰結は、行き過ぎた自由化の必然的結末になる。資本主義の本質は借金経済であり、借金は金融工学の発展で様々な手法が生み出されてきた。資本主義は不安定化し、将来への期待が高まる時には無理な借り入れを防ぐ事が困難になる。結果バブルが生まれ、弾ける。グローバル化社会は長続きしないのかもしれない。特定の国が慢性的に黒字であったり、赤字であったりするのは経済的植民地化の第一歩である。基軸通貨の発行権を持つ国であれば慢性的な経常赤字もかなりの水準まで耐えられるが、それ以外の国では慢性的な経常赤字は耐えられないだろう。景気悪化時の急激な通貨暴落により国内経済が混乱し、少なくともある程度の期間、自国のみの力では回復不能に陥る。その際に経済的植民地化が行われる。流入する資本が金融を抑えれば、経済的植民地化はほぼ達成していると見て間違いないだろう。
2015.10.03
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バリュー投資で用いられているファンダメンタル分析ができないという事を言うような投資家が居ますが、バリュー投資など数年分(またはまれに10年分以上)の財務諸表を並べて個別項目についての推移を見れば、誰でも出来ます。参入障壁についても、長期的な利益率推移から判断する、という位でもある程度は分かります。個別セクターの中での売上高利益率推移の比較をしながらどの程度あるかを推し量る、というのでも良いです。それ以上余計なことをやると、その行動が逆にバリュー投資から遠ざかる危険があります。バリュー投資では独特の主観など要らないのです。バリュー投資はやり方を知れば、誰にでも出来るファンダメンタル分析です。バリュー投資としての詳細なファンダメンタル分析が出来るか出来ないかは、全く投資家の能力とは関係ありません。やる気があるかどうか程度の差で、誰でも出来る分析方法です。出来るから偉い、優れている、といった代物ではありません。時々、バリュー投資でのファンダメンタル分析を難しいものとして捉えて、バリュー投資をしている投資家がレベルの高い投資家だと考えている人が居ますので、この所は強調しておきます。
2015.09.27
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これまで僕がブログなどを通じてインターネット上でみてきた投資家の中には、気分屋さんが多く存在しました。気分屋さんは、ノイズトレーダーと揶揄される類の投資家で、次のような特徴があります。・相場が活況を示すと、頻繁に情報を発信したがる・儲かってくると自分のパフォーマンスを誇示したがる・将来の相場予想を公言したがる・損失が続くと急速に情報を発信しなくなる・他の投資家の持株やパフォーマンスを知りたがる・儲かるほど自信を付け、損するほど自信を無くす これに対し長いスパンで利潤を得る投資家は違う性質を持っています。長期にわたり成功する投資家の条件として次のようなものが挙げられると思われています。(というか僕がそう思っています)・相場環境の良し悪しに影響されることなく、常に自分が成功することを信じて疑わない・自分のパフォーマンスの良し悪しに影響されることなく、常に自分が成功することを信じて疑わない・損得や技能向上の為ではなく、純粋に投資に対して限りない知的欲求を感じている・自分が将来の株価推移については殆ど何も分からないことを知っている (常に将来が殆ど何も分からない中で、未来に投資をする為に自分が何をするべきかを明確に認識している) 自分の成功を信じるというのは強い意志が必要です。どのような分野であれ、長期にわたって自らの成功を信じて疑わないような自信家であり続けると、その人は知らず知らずのうちに相当の努力をしている事が多々あります。成功するために無意識下で常に成功する為の思考するからです。本人は、その努力を全く苦痛だと思っておらず(その結果その行動は一時的な努力とは違ってその人の生き様になり)、生涯を通じて自身の能力を向上させ続けることが出来ます。
2015.09.23
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「お前らには本当のバリュー投資は理解できないはずだ。このニセモノめ」「俺は解き放ちたいんだ。純粋な昔の概念を。俺が死ぬ前に。俺達の時代が死滅する前に」 と彼は言う。続きはこうだ。「俺は時間を無駄にしない。やる事がたくさんあるからだ。何もしないのがバリュー投資だと勘違いしているようなお前らとは違う。何もしないで惰眠を貪り、怠惰の日々を送り、気が向いたら売買する。そんな投資家がバリュー投資を理解できるとでも?お前らが分かった気になってバリュー投資を語るのも、その分かった気になったバリュー投資を喧伝するのも良いだろう。俺には興味がない。しかし、お前らが良い気になって教えたバリュー投資教の信者は日々増え続けている。その信者の言動は目に余る。多数派になったバリュー投資家のやりそうな事など、俺は簡単に想像が出来る。一度得た多数派に属していることの安心感。正しいのは自分の方だという優越感。ファンダメンタル分析の手法を取得したという達成感。それらを奴らが手放すはずがない。本当の意味で少数派で居続けるという事がどういうことかは理解できないだろう。残念。教えた先生が悪かったのだ。ゲームオーバー。はい、さようなら。」まだ彼は広場で御高説をのたまっている。相変わらず、聞き役は僕しか居ない。正直、もう彼の聞き役は辟易している。誰か代わって欲しいと周りを見回してみても、人っ子一人いやしない。唯一の聞き役の僕が居なくなったら、彼は一体どうしてしまうだろうか。頭の中の聴衆に話しかけるようになるのだろうか。まだまだ僕が聞き役を続けるしかないようだ。白く大きな溜息は、しかし僕を嘲笑うかのように自由気ままに霧散していった。
2015.09.18
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こんな当たり前のことを、当たり前に分かっているファンダメンタリストは意外に少ない。長い時間をかけて財務諸表を分析して、思い描く未来が現実のものになったとして、果たしてそれは貴方の緻密な分析通りの結果と言えるのでしょうか?貴方の予想外のことによる影響がどれだけ多くあったことでしょう。幾ら情報を集めても、どんなに相場観を磨いても、分からないものは分からないのです。幾ら時間をかけても、どんなに努力をしても、分からないものは分からないのです。誰にも分からないのに、貴方に分かるはずが無い。 財務諸表の分析が無駄だということではありません。財務諸表の分析の腕を上げることと個別企業の業績予想の精度向上は多くの場合殆ど一致しないということです。
2015.09.14
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損ばかりしていた投資家があるとき急に儲かるようになった場合、その投資家は変わったのでしょうか。違います。本質的には変わっていません。その投資手法が時流に乗っただけです。ただし、自分に合った投資手法を見出した、とも表現できます。あとは、その投資手法に磨きをかけることです。他人の投資手法に惑わされるべきではありません。逆も然り。儲かってばかりいた投資家があるとき急に損ばかりするようになった場合も、その投資家は本質的には変わっていません。その投資手法が時流に乗らなくなっただけです。損失に心惑わされるようならまだ自分に合った投資手法を見出していない、とも表現できます。自分の納得のいく損失計上(リスク管理)が出来るまで投資手法を模索することです。ただし、こちらも他人の投資手法に惑わされるべきではありません。
2015.09.10
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参考記事http://plaza.rakuten.co.jp/meaning1/diary/201508120000/恐らくですが、これから「忙しい」などというよく分からない理由でブログの更新頻度が低下する人が多くなるでしょう。相場が反転した後、手のひらを返したようにポツポツとバリュー投資賛美が出てきています。曰く、今まで目立った上昇をしなかったが、暴落時バリュー銘柄の下落率は低い。やはりバリュー投資が正しい。やれやれ。先月からバリュー投資側に立ったばかりの僕ですが、そのような意見には反吐を出し、なに考えてるんだコイツ、という目で見ています。短期的な相場でどっちが正しいとかいう意見を言いたがる人、ころころ意見が変わる人、そういう人はもう少し真面目に相場と向き合った方が良いと思います。相場反転期など、これから何度も何度も経験することです。特に投資期間・投資年数が長い人。何故自分の意見がどっしりとしていないのか、右往左往するのか。それは貴方の投資が薄っぺらいから。薄っぺらい投資を長い間続けていたから。投資暦10年だろうが20年だろうが、或いはそれ以上だろうが、その程度の投資家なのです。長年右往左往しているだけの投資家です。情けない。長いだけの投資暦をひけらかすのを恥ずかしいと思いなさい。 保有株の株価が変わっても、何も気にせず淡々とやるのが宜しい。株価変動に一喜一憂するのは短気トレーダーだ。そこのあの人、貴方もよく知るあの人。彼は長期投資を謳う短気トレーダーです。まぁ彼のブログの読者なら分かっていると思いますが。(※「彼」は特定の人を指しているのではありません)
2015.09.05
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今週の値動きで「感情を」振り回されている投資家が本当に多いです。そういう人はマクロ経済をもう少し学んで状況の把握に努めると良いかもしれませんね。この程度の暴落は珍しくもなんともなく、本当に良くある程度のものなので、この値動きで感情を大きく振り回されているというのはかなり胆力が小さいと言わざるを得ません。月曜日の暴落に悲観し、夜のダウ暴落に怯え、火曜日の寄り付き気配に絶望し、ザラ場中に急反発して喜んだ後に下落に転じて再び落胆し、そうかと思えば一転して水曜日以降の上昇に狂喜し、、、というのはバリュー投資家の言う『ミスターマーケット』そのものです。もうちょっと冷静になりなさい。保有株の評価額が変動しただけのこと。必要以上に悲観したり楽観したりする必要はありません。この所ずっと上昇相場でしたから、日本の投資家みんながみんな、ぬるま湯に浸かりすぎているのかもしれません。月曜日の夜や火曜日の朝に悲観的な書き込みをして、火曜日の夜にダウが上昇した後や水曜日以降に楽観的な書き込みをした投資家はちょっと胆力を磨いた方が良いかもしれませんね。 これだけ長い間株価上昇が続いた後にこの程度の下落で感情に振り回されているような投資家は鼻くそみたいなもんです。いや、大袈裟でもなんでもなく。
2015.08.29
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