続々・絨毯屋へようこそ トルコの絨毯屋のお仕事記

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July 4, 2022
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イーネオヤ千本ノックの合間にお姑さんが隣の部屋で糸撚りをしていたので、撮影させてもらった。
ムシュクレ村で現役でイーネオヤを作り続けているお姑さんは、こうして暇があると糸を撚って用意しておくのだと言う。



昔はシルク糸を使っていたので、自分で撚ってイーネオヤを作るのが習慣になっている。
シルク糸を使わなくなって以降も、未撚りの人工シルク糸を使って自分で撚る。
撚り加減が自分の好みに調整できる。

現在は市場ではオヤ用の撚り済みの人工シルク糸、ポリエステル糸が手に入る。
トルコの市販の糸はZ撚りが主流で(たぶん日本もそうだと思うけれど)、だけど昔からのイーネオヤの作り手さんたちの多くは右から左方向に作るため、Z撚りは糸が開いてしまい、使いにくい。
かつて自分で糸撚りをしていた地域の人たちが好む撚り済み人工シルク糸は撚る手間がなくて人気があるのだけれど、人気のメーカーさんの糸はZ撚り。
S撚りの糸を探すとブルサのメーカーさんのものがあるのだが、このメーカーさんの人工シルク糸はどういうわけか半分がZ撚りで半分がS撚り。色で選べないのである。



とても扱いやすい糸と評判なのでその分残念なのだが、店頭で1つ1つ糸の撚り方向を確認して買わないと使えない糸に当たってしまう。
S撚りが良いのか、Z撚りが良いのかは作り手さんがどう習ったのかによるので、好みになるのだけれど、もし扱いにくいなと思ったら、自分にとって糸の撚りが逆の可能性があるので一度お手持ちの糸を確認してみるといいかもしれない。
もちろん、工夫次第でどちらでも問題ない、気にしていないと言われる方も少なくないかと思う。

その点、自分で撚る糸は自分の好みの方向に撚ればいいだけなので、方向だけでなく太さや固さなども調整できるってこと。
昔、市販の糸がない時代は自分で作るオヤに合わせた撚り方をしていたので、地域ごとにオヤの形態や大きさ、作り方にそれぞれ特長があったのだろう。
オヤの違いは使われる糸(当時、手に入った材料)によって作れるものが異なったため・・・と言える。

さて、お家にイーネオヤを習いに行く楽しみの一つに「お家ごはん」がある。
今日のお昼はセルダ―先生のお姑さんお手製の「チーボレキ」。

チーボレキは薄く伸ばした生地にひき肉や玉ねぎのみじん切りの具を入れて、半円に畳んで油で揚げる食べ物。
トルコ語で「チー(çiğ)」は「生」の意味になるので、生のひき肉を揉みながら調理するチーキョフテ同様、生の肉を使ったボレキかと誤解されることがあるが、1860年代に戦争から避難してトルコで移民となったタタール人たちが持ち込んだ料理のひとつで、彼らの言葉でシュルボレキ、シュベレッキ、チべレッキ、チュべレッキ、チボレキがトルコ語化する過程でチーボレキになったらしい。
タタール人の多いエスキシェヒールの名物料理にもなっていて、イメージ的には巨大揚げ餃子みたいで、私は地方でチーボレキの看板を見つけると必ず食べるほどお気に入り。
ただ外で食べると一人前の量が多過ぎるのがたまにきずである。



セルダ―先生のお家でも家族みんながチーボレキが大好きで、週に2回以上はお昼に食べると言う。
セルダ―先生がレッスン中にお姑さんが昨夜に用意しておいた生地を丸めて伸ばして、具を入れてチーボレキの形を作り、それを村の自分の畑で採れたオリーブオイルで揚げていく。



レッスン中もいい匂いがして、気もそぞろになる。← 私だけぽっ
出来立てのチーボレキと自家製オリーブ漬け、そして村で採れたブドウの葉で作ったサルマなどが食卓に並ぶ。



同行の日本人の友人は小食中の小食なので、事前にたくさん盛らないでね、とセルダ―先生に念を押したのだけれど、1枚食べ終わる寸前に2枚目が間を置かずに皿に投入される。
2枚目を頑張って食べると3枚目が・・・。
まるで椀子そば状態である。
トルコの食卓はもっと食え、もっと食え~と勧められるのだけれど、断れないし、残すことに罪悪感を持つ私たち日本人は頑張って食べきろうとする。
しかしそれが仇になる。綺麗に食べ終わると足りなかっただろうとどんどん追加される。
かと言って断り続けると気に入らなかったのかと心配される。
そして欲望のままにおかわりを続けているとトルコで肥えるのである・・・。

(旅は続く)

ギリシャのトルコ人村のイーネオヤ文化について、取材した内容を現地のイーネオヤの写真をふんだんに載せたパワポを用いてお話します。
オスマン帝国の拡大に伴い16、17世紀に移民としてこの地に渡ったトルコの農民たち、その子孫としてギリシャ国籍で暮らしながら独自の文化を守ってきた彼女らのイーネオヤ、どんなものが興味ありませんか?
トルコのどこのオヤとも似ていない、大きな盛り盛りの不思議な造りのイーネオヤを現在も行われている風習やモチーフ名とともにご紹介します。
また古いオヤの変貌の例を見ながら、どうしてこの形になっていったかなどを解説します。



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Last updated  July 4, 2022 08:45:29 PM


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