見るもの聞くもの全てが 南風一
大学に合格したばかり
まだ何者にもなっていなかったけれど
何者にもなれるという可能性があったからかな
ただ嬉しかった
首尾よく目標を達成した喜びもあったかな
何より努力した甲斐があったという安堵もあっただろう
うきうきした喜びはいつまで続いただろう?
郷里を去って東京へ向かうときまで?
東京に着いて大学へ通うまで?
大学に通って夏休みや冬休みになるまで?
1学年が終わって次の学年に進級するまで?
大学を卒業するまで?
どれも当たっているようだけれど
どれも当たっていない
まだ何者にもなっていない
可能性だけで滅茶苦茶輝いていた頃
大学に入学するか入学したばかりの頃
あの頃の何物でもない
無責任な宙ぶらりんの頃が
一番楽しかった
軽々しくて
明るくて
見るもの聞くもの全てが楽しかった
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