南風一の世界

南風一の世界

2017/02/14
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  バレンタインデー   南風一

高校生の時代は随分長かったと思う
色々なことがあったから
ただそう感じるだけかも知れない

サラリーマンになって
いや定年まで数年を残すばかりになって
1年が経つのはとても早く短い
大人になってからの1年の短さに比べるから
余計高校時代が長かったと感じるのかも知れない

思い出に残る事柄といったものが
高校時代にはやたら多かったからかも知れない
近頃の2月14日は暖かくなり過ぎて
雪が降る年も少なくなった

私が高校生の頃は
下校時刻に霙混じりの雪がちらついて
2月の雨は随分冷たかった
ようやく高校1年生が終わろうとして学年末考査が
始まろうとする頃だったかな

校門から出て駅に向かって歩くうちに
ふと見ると10メートルほど手前を
霙混じりの雨に濡れて女子高生たちが歩いている
その先の2、3人はなんとか傘に入っているが
一番最後の女子高生は傘に入り切れなかったのか
長い髪に水滴を付けてことさら急ぐでもなく歩いている

私は100メートルくらい女子高生たちに付いて歩いたが
歩道橋を上がって降りたところで
女子高生たちに追い付いてしまった
ちょうど歩道橋を降りたところで
髪の長い女子高生に傘を差し出して
「俺は駅から近いので」と言って
そのまま足早に立ち去った

その翌日が2月14日のバレンタインデーだった
1時間目の授業が終わった休み時間に
廊下の方で何やらざわざわ声が聞こえる
「おい南風、誰か女子がお前を呼んでるぞ」という友だちの声

廊下に出てみると
昨日霙混じりの雨に黒髪を濡らして歩いていた女子高生だった
「昨日はどうもありがとうございました」そう言って
何やら包み物を差し出した
俺は照れくさくて何とも返答できず
黙って包みを受け取って
すぐに足早に立ち去っていく女子高生たちを
見送った

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Last updated  2017/02/14 09:24:14 PM
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