衣食住 南風一
マズローの欲求五段階説が現実味を持って
立ち現れてくるのは年老いてから
母が死の何か月か前に望んだことといえば
「便意をもよおすからトイレに連れて行ってくれ」
「腹に応えるものを食べさせて欲しい」
「家に帰りたい」
正しくただ生きて行くのに必要なことを
望んだに過ぎない
にもかかわらず一旦病院に入院して寝たきりになると
そんな当たり前のことさえ実現不可能なことに
なってしまう
昨夜急死した会社のOBを偲ぶ会に出席して
食べる料理は少なく暇をつぶすためにビールを随分飲んだ
今朝目が覚めると左胸がちくちく痛い
「心臓かな」と思ったが帰宅後にパンや煎餅を食べて
すぐに寝たから消化不良かなとも思った
私も今死ぬわけには行かない
まだやり残したことがたくさんある
突然死が現実味を帯びてくる
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