冒険に憧れる少年カールは、1軒の空き家で、
同じく冒険好きな少女エリーと出会い、意気投合。
成人した2人はやがて結婚し、初めて出会った空き家を新居とする。
2人の間に子供は授からなかったものの、”伝説の滝”、
パラダイスフォールについて語り合い、いつかそこに行こうと約束する。
夫婦の時間を楽しみ、長い間共に幸せに生きてきたが、
やがてエリーは病に倒れ、先立ってしまう。
1人なったカールは、街の開発計画にで周囲にビルが建造されていく中、
エリーとの思い出の家を守るために立ち退きを頑固に拒み続けていた。
ところがあるきっかけで事故が起こり、立ち退かざるをえなくなってしまう。
立ち退きの前夜、カールは妻の遺した冒険ブックを眺めながら決心し、
2万個もの風船を結びつけた家ごとパラダイスフォールに向けて旅に出る。
冒頭の回想シーンで、涙ポロポロ。
夫婦生活のカケラも経験のない私だけど、
愛し合っている2人が一緒に暮らし、静かに年を取っていく。
セリフもなく、2人が過ごしてきたであろう時間が流れるだけだけれど、
それがたまらなく幸せそうで、たまらなく切ない。
そして、1人残されたカールじいさん。
再開発にも立ち退かず、子供にもつっけんどんな、
愛する妻の思い出の残る家にこもっている、ただの頑固爺さん。
しかし、とうとう家から出なければならなくなった時。
カールじいさんは冒険に出る。
ここからは、3Dの本領発揮!
冒険好きだった少年は、妻との誓いを守るため、冒険に飛び出す。
たくさんの風船に吊られ、風の吹くまま約束の地、南米を目指す。
順風満帆の空の旅…だったハズが、とんでもない訪問者が。
カールじいさんでなくてもドン臭い子供(笑)にイライラしつつも、
まさか空の上で放り出すわけにもいかず、しぶしぶ同行することに。
そして、やっとたどり着いた南米。
しかしそこは想像していた以上に過酷であり、そして非情でもあり。
足手まといは子供だけでなく、鳥、犬と増えていき。
子供の頃憧れていた冒険家に命を狙われる事態にまで。
この冒険家も、夢に縛られたまま年を取ってしまった可哀想な老人。
老人とは思えないほど(笑)ハデなドンパチの末、夢の地を目前にして、
大切な家を失ってしまうカールじいさん。
妻と誓った夢を、妻の生きている間に果たせなかったカールじいさん。
そのことを悔やみ、家にしがみついていたけれど、妻との生活こそが、
冒険だったのだ、と気付く。
そしてその時、2人の過去の夢が詰まった家はもう必要ではなくなる。
静かに涙がぽろぽろと流れた、映画でした。
同時上映の短編アニメーション、『晴れ ときどき くもり』も、
楽しく可愛く、ほのぼのとした作品でした。
【参考】
カールじいさんの空飛ぶ家 公式サイト
『パッセンジャー』 Passengers 2017.04.01
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』… 2015.08.30
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』… 2015.08.29
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