トラック販売会社の重役ロジェ・デマレ(イヴ・モンタン)と、
室内装飾家のポーラ(イングリッド・バーグマン)は5年来の恋仲。
2人とも中年だがまだ十分に魅力がある。
ところがロジェは最近仕事が忙しく、パリに住むアメリカ人の富豪、
バンデルベッシュ夫人の邸の室内装飾にポーラを推薦すると、
彼女を同行しながら自分は先に帰ってしまう。
夫人を待つポーラの前に夫人の1人息子フィリップ(アンソニー・パーキンス)
が現れ、以来、フィリップは25歳の熱い思いをささげるようになった。
やがてフィリップはポーラのアパートで暮らすようになり、
ロジェは2人の情事を知る。
彼女を愛していながら彼には腹立たしさが先に立った彼は、
鋭くポーラを問い詰めたまたま彼女の年のことに言い及んだ。
心を傷つけられたポーラは、フィリップのもとへ戻っていった。
ロジェは酒と女におぼれる。
が数ヶ月後、ナイトクラブで他の女を連れたフィリップを見たロジェは、
ポーラと会い、改めて自分の愛を告白した。
まだ40歳なのに…と、現在39歳の私は思いながら見てました。
そんなに自分を縛り付けてしまうには、まだ若いのに、と。
この時代だから、ということも、あったろうけれど。
恋に年齢に結婚に良識に縛られすぎている女。
パートナーと自由な恋愛関係を続けながらも、その「自由」にさえも、
縛られていることに気づいておらず。
結婚に煮え切らず、約束をすっぽかす恋人。
他の女との関係を知りながらも「物分りのいい女」を演じる女の悲しさ。
それは、女の年齢のせいもあり。
この年で捨てられたら、という不安と、この年で取り乱すなんて、
という良識が、女を縛る。
そこに現れたのが、ただ熱情だけで愛をぶつけてくる若い男。
そのストレートな熱情にとまどいながらも、押されてしまう女。
彼には何の駆け引きもなく、ただ愛があるだけ。
ただ愛されるということに、再びときめきを覚える女。
あぁ、なんて危険な罠(爆)。
しかし、そこでまた、女の「良識」が働いてしまう。
若くない女の、悲しい「良識」が。
若い男との燃えるような恋ではなく、同年代の男との結婚を選んだ女の、
「I'm old! I'm old!」という叫びが、切なかった。
「私はもう若くないの!若くないのよ!」と、25歳の恋人に叫ぶ女。
これは、若い人には分かるまい(笑)。
昔の恋人との結婚を選んだものの、男は相も変わらず。
約束をすっぽかされた女は淋しさを感じながらも、
「これでいいのだ」と自分に言い聞かせるかのような表情をする。
若くない自分には、こういう結婚生活でいいのだ、と。
それは諦めでもあり、安心感でもあり。
にしても、中年の恋人も若い恋人も、どちらもダメンズという(爆)。
こんなに美しく良識もある女なのに…。
美しすぎて良識がありすぎるからこそ、ダメな男に惹かれる、
ダメな男が惹かれるのか…。
原作読んでみないと。
『パッセンジャー』 Passengers 2017.04.01
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』… 2015.08.30
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』… 2015.08.29
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