全905件 (905件中 151-200件目)
午前十時の映画祭で、『エデンの東』を見てきました。カリフォルニアのサリナスで大農場を経営するトラスク家。アロンとキャル(ジェームズ・ディーン)の双子の兄弟が、父親と三人で暮らしていた。品行方正の兄アーロンは父親の信頼が厚いが、弟のキャルは、気難しい暴れん坊の問題児で父親からも嫌われている。アーロンの婚約者アブラは、最初はキャルを軽蔑するが、次第に彼の優しさに目覚めてゆく。キャルはアブラの協力で事業に失敗した父親を助けようとするが、父親は彼を認めようとはしなかった。この映画のジェームズ・ディーンは、何歳の役なんだろ?見た目よりも随分幼い役どころというか。双子の兄ちゃんばっかり可愛がる父さんに反抗してみたり、認められようと必死になってみたり。神を信じ聖書を信じ、親切で品行方正な父は「善」であり、そんな父を捨て、息子たちを捨て、町で飲み屋を開き、商売している母は「悪」で。そんな母に似ている自分は生まれつき「悪」で。僕が母さんに似ているから、父さんは僕が嫌いなんだ。父さんの愛なんか欲しくない。誰の愛も欲しくない。という、ひねくれ息子の物語。なんでそこまでひねくれるかなぁ、こだわんなくていいじゃん、好き勝手しちゃばいいじゃんと、もどかしくもあったのですが。でもそんな、ひねくれてスネたジミーの、可愛いこと♪イケメンならなんでも許す!(爆)父さんもひどいというか、分かるんだけどね。息子に対しても常に善い人でいようとする、その信念は。だけども、息子が一生懸命働いたことに対してあの態度は、可哀想すぎる。しかも、それを兄と比べちゃぁいけない。この物語の基となってる旧約聖書のカインとアベルのお話も、最初読んだ時、神様ひでーって思ったもん。神様のくせに理由もなくえこひいきするわけ?って。兄もいい子なんだけど、大人の言う「いい子」ってのは大概、ずる賢い、要領のいい子なのよね。自分がそうだったから分かるんだけど(爆)。「何をすれば大人が喜ぶか」を知ってる、可愛げのないガキ、というか(笑)。そういうところが不器用で素直な弟は、父に理解されない。多分、父だって弟を愛してないわけはないと思うんだけど、それを表すことができなくて、弟には伝わらない。なんて不器用な父子。兄ちゃんのガールフレンドもねー。ダメだよ、そんな気を持たせるようなことをしたら。そりゃジミーのがカッコいいですけど(爆)。でもそんな彼女のお陰で、最期はなんとか、父と息子は歩み寄れて。ちょっと遅すぎたけれど、でもそうでもないと、分かり合えなかったろうな、この意地っ張り父子は。それにしても昔の映画はどれも、音楽がいいなぁ。James Dean Dialogue & Musicランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.27
午前十時の映画祭で『スタンド・バイ・ミー』を観た後、『NINE』を観ました。1964年、イタリア。世界的に有名な映画監督、グイド(ダニエル・デイ=ルイス)は、新作映画の撮影に取りかかろうとしていた。しかし、撮影を10日後に控えるのに、スタッフはおろか、プロデューサーすらタイトル以外は何も知らされていない。クランクインを目前に控えながら脚本を書くことができず、プレッシャーと女性たちとの複雑な関係に追い詰められていた。そんなグイドは妻にも愛想を尽かされ、いつしか自分の幻想世界へと溺れていく。まぁ何といいましょうか。絢爛豪華。濃厚濃密。めくるめく妄想世界。私も妄想は得意ですけども(爆)グイドさんには負けました。マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ケイト・ハドソン、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレン、ファーギーという名前を並べただけでもその濃ゆさは、一目瞭然でしょうが。その彼女たちが、きらびやかな衣装を身にまとい、眩しいスポットライトを浴び、セクシーなダンサーを引き連れて、これでもか!ってくらいに妖艶ボディを見せつけ踊り歌うわけですよ。画面から匂いたつような濃ゆさ!その濃厚なイタリアンな香りにクラックラしそうでした。ストーリー的には、スランプに陥った映画監督さんが現実逃避、妄想の中に逃げ込んで、過去や現在に関係のあった女たちと、アレやコレやを繰り広げるワケです。ママがソフィア・ローレンなわけですから、そりゃ濃ゆい女たちの、股の間を転々としたって仕方ない。三つ子の魂百までです。「イタリア男はこうあるべき」とファーギーの豊満ボディに迫られ、「流行はあなたが作った」なんてケイト・ハドソンに賛美されても、当然です。基本は、彼の幼い頃の思い出というか記憶が、ベースになってるんじゃないかと思うけど。幼い男の子が思い描く、大人の女たちの妖艶な魅惑の世界。女は保護者であり、先導師であり、教師であり、愛する対象であり、愛を与えてくれるものであり、インスピレーションを与えてくれるものであり、そして破壊と破滅の原因でもあり。そういう、グイドの脳内ミュージカルに思わず、「ブラボー!」と叫びたくなってしまった1本でした。どの女優さんもものすごい存在感だったけど、やっぱりニコールが一番好きかなー。カツラを取っても綺麗ですよあなたは、と。ペネロペの妖艶さは、むせそうで私には濃すぎる(笑)。いるだけの濃さでいえば、ソフィア・ローレンがダントツだったけど。オリジナル・サウンドトラック映画の間に時間がちょっとあったので、六本木ヒルズをぶらぶら。電車の乗り換えも慣れてきたし、段々東京人になれてきたかなぁ?1年近く経ってやっと(爆)。六本木から見た東京タワー。映画館の中から。ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.21
午前十時の映画祭で、『スタンド・バイ・ミー』を観てきました。オレゴン州キャッスルロックの田舎町。ゴーディ、クリス、テディ、バーンの4人は、性格も個性も異なっていたが、いつも一緒に遊んでいた。木の上の秘密小屋に集まっては、タバコを喫ったり、カードをしたり、少年期特有の連帯感で堅く結ばれていた。ある日、「行方不明の少年が森の奥で列車にはねられ、死体が野ざらしになっている」という話を盗み聞きしたバーンは、ゴーディたちに話す。『死体を見つければ英雄になれる』と考えた4人は、線路づたいを歩いて死体探しの旅に出かける。私が、映画と英語に興味を持つことになった1本と言っても、過言ではないこの映画。あの頃、この映画を観てアメリカという国に憧れ。自分と同じくらいの年の、ちょっと不良ぽい少年が、ひどく大人びて見え、彼に憧れ、恋焦がれ。映画雑誌「ロードショー」とか「スクリーン」とか買って、切抜きを大事に取ってた。彼にファンレターを出したくて、英語を頑張ってみた。結局、出さなかったけれど。テレビで放映されたのをビデオに録画して、何回も観た。大人になってからは、DVDを買って何度も観た。歌も覚えた。セリフも覚えた。彼がどこでどんな仕草をするかも、覚えた。それから数年、彼は死んでしまって、私も大人になってしまって。思い出すこともほとんどなくなってしまっていたけれど、久しぶりにこの映画を、映画館の大スクリーンで観た。あの時輝いていた彼が、そこにいた。彼のことを大好きだった私も、そこにいた。誰の胸にも「郷愁」というものを呼び起こす1本じゃないかな。それぞれの少年少女時代を。久しく連絡していない、幼い頃の友達を。あの頃、これからもきっとずっと一緒にいるだろう、と思っていたのに、いつの間にか疎遠になって。みんな大人になって、自分も大人になって変わって。だけども、あの頃以上の友達は、あれから現れなくて。そういう、「あの頃」の自分と友達と、広いと思ってたけど、ちっぽけな世界を、思い出すんじゃないかな。でもそれ以上に、ダイレクトに、この映画の存在そのものが、私にとっての「あの頃」だった。あの頃の彼らと同年代だったあの頃にこの映画に出会えて、ほんとによかったと思える1本。そして多分、この後も何度かこの映画を観て、彼のことを思い出し、その時の自分のことを思い出し、新しく何かを思うんだろう。それにしても憎たらしい、ジャック・バウアーめ。とんでもないワルぶってるけど、正味16、17ってとこよね。そのぐらいの年上の人でも、ひどく大人に見えたあの頃…。どうやらこの頃から、群れ少年が好きだったらしい(爆)。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.20
『プロヴァンスの贈りもの』「勝つことがすべてではない。唯一だ!」をモットーに、ロンドンの金融界で大成功を収めている凄腕トレーダーの、マックス(ラッセル・クロウ)。彼のもとにプロヴァンスで暮らしていた叔父の死の知らせが届く。ブドウ園とワイナリーの相続のために30年ぶりに、プロヴァンスの土を踏むマックス。ブドウ園とワイナリー売却のために彼の地を訪れたマックスだが、地下貯蔵庫で見つけた最高品質のワインや、叔父の娘と名乗る、アメリカ娘の出現、そして地元の女性(マリオン・コティヤール)との出会いなど、思いがけない出来事を通してマックスは、本当の豊かさに気づき、生きる喜びを取り戻してゆく。いいねぇプロヴァンス!ピーター・メイルのプロヴァンス物語は、ブームになった頃、何冊も読んだけど、「スローライフ」そのものの生活に、「真の豊かさ」を見出した著者が羨ましかった。この作品も、彼の著書『プロヴァンスの贈りもの』を映画化したもの。大都市ロンドンで、生き馬の目を抜くような生活をしていた、敏腕トレーダーのマックス。姑息な手を使い、並み居るライバルを蹴落とし、「人間的な生活」からはほど遠い殺伐とした生活だけれど、その人生に疑問を持つこともなく、満足している。そんな時、プロヴァンスに移住していたおじさんの、死の知らせが。もう何十年も会ってなかったけれど、子供の頃、おじさんと、おじさんのシャトーで暮らした思い出がよみがえる。しかし今の自分には、ロンドンの生活が全て。自分に遺されたブドウ畑とシャトーをさっさと売りさばいて、その利益だけを持ち帰る予定でプロヴァンスを訪れる。息つく暇もないビジネスマン生活を送ってきたマックスにとって、そこは、すべてがのんびりとした田舎町。あらゆることが思い通りに進まないことに、イライラしながらも、次第にそのペースに飲み込まれていく。焦ったって仕方がない。美味しい食事とワインを愉しむしかない。そして、おじさんのシャトーで蘇る、幼い日々の思い出。あの頃はこんな田舎町での生活が、楽しくて仕方なかった。目にするもの全てが、眩しくて仕方なかった。そして、おじさんを愛していた。プロヴァンスの風に吹かれ、次第にそのことを思い出すマックス。おじさんのことを愛していた魅力的な人々に囲まれ、自分も愛されていたと気づくけれど、それでもやはり、自分の生活はロンドンにあると、思い切れない。週末だけの別荘にしようか。でもロンドンからここは、週末を過ごすには遠い。やはり売るしかない。とそこに、思いも寄らない出会いが。手に入れがたき幻のワインと、手に入れがたき美しい人。「このワインはかなりの収入をもたらすかもしれない」と、そこでチラっと思ったかもしれない。抜け目ないマックスが、そこに思い至らないハズはない。だけどもきっとそれ以上に、プロヴァンスの全てに、心惹かれたに違いない。確かにそれが決定打になったかもしれないけれど、プロヴァンスの光と風と匂いとリズムと人々に、マックスの頑なな心と人生が、ほぐされたに違いない。30年ぐらい長生きしそうな、そんなプロヴァンスに、私も誰か遺産を残しててくれないかしら…と思った(笑)、映画でした。オリジナル・サウンドトラック『プロヴァンスの贈りもの』 著:ピーター・メイルランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.16
「午前十時の映画祭」で『昼下がりの情事』を観た後、TOHOのシネマイレージのポイントが貯まってたので、続けて、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』を。母親と、飲んだくれの義父と暮らす17歳の少年・パーシー(ローガン・ラーマン)は、課外授業で訪れた美術館で突然、自分がギリシャ神話の神々の息子、デミゴッドであると知る。しかも、ゼウスの雷撃を盗んだ容疑がかかっており、14日後の12時までに返さないと、神々は戦争を起こすという。他の神々も、稲妻はパーシーが盗んだと思い込み、それを手にしようと、冥界の神ハデスはパーシーの母を誘拐する。パーシーは母を助け、盗まれたゼウスの雷撃を探すため、デミゴッド養成所で知り合ったアナベス(アレクサンドラ・ダダリオ)と守護神グローバーとともに、冥界へ向かう旅に出る。TOHO六本木ヒルズのARTって小さい部屋だったんだけど、音がすごいよかった。もったいないくらい(笑)。ハリポタの監督さんで、少年2少女1ていう構成もハリポタぽい、とは聞いてたんだけど、なにしろ神話系が大好物なもので、観てきました。結論、ダニエルよりも、ローガンの方が好み。顔がね(爆)。古来より神々は人間と交わり、半神半人の子を生み出してきた。それらは歴史上、「ヒーロー」と呼ばれる人たちである。というお話を、現代の少年にズームインした感じ。いきなり、お前の父親はポセイドンなんだよ、なんて言われても、「はぁ?」だよね。そんなローガンくんの、ちょ、待てよ!な感じもよかった。難読症なのも、頭の中にラテン語が入ってるからで、多動性障害なのも、、戦いたい衝動の神の血のせいだって。パーシーの他にもそんな子はたくさんいて、その養成所も、中世チックで。現代に適応する「ヒーロー」を作り出すのなら、鎧兜をつけて剣で戦うよりも、頭脳の方が必要だと思うんだけど。ヘルメスの息子、ルークのように。ま、頭がいいというか、賢すぎるのも問題、ということだったけど。展開としては、落ちこぼれくんが仲間と力を合わせて、悪いヤツをやっつける、というお決まりのパターン。高校生だけで、車でアメリカ大陸横断できるのかよ、なんていう疑問は、神の子に対して愚問(笑)。そして、オリンポスへの入口も、そんなとこにあったなんて!とまぁそれは、「象徴」として、という感じなんでしょうかね。日本だったらどこにあるんだろ?いや、日本にはデミゴッドいないだろ。ギリシャ彫刻のような顔してちゃ目だってしょうがない(笑)。会ったこともない、自分を捨てた父との和解、てのも、テーマだったのでしょうか。きっと昔なら、「お前の父親は神なんだよ」と言われたら、それはそのまま納得したんでしょうけど、ペルセウスとか、だったら俺が怪物倒さにゃいかん!と。でも現代の子は、色々悩んじゃっていけません(笑)。神々が人間の感情を抱くのを避けるために、ゼウスが子供たちを会うのを禁じたらしいけど、じゃなくて、人間との間に子供を作るのを禁止すべきじゃ?と思うけど、子供に会うのは我慢できても、愛欲は我慢できない、と(爆)。「神々」と言っても、クローズアップされるのはゼウスと、パーシーの父、ポセイドンくらいで。メデューサとかミノタウロスとかって、それは神じゃないよね?ハデスとその妻ペルセポネも主要っちゃぁ主要だったけど。もうちょっと、神々一人一人をしっかり見たかったなぁ。しかし養成所に、あんなにたくさんデミゴッドがいるなんて。オリンポスの神々って、12人しかいないのに。神様は今も昔もお盛んなようで。やっぱり神が人間と交わるのを禁止すべきだよ!(爆)『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(盗まれた雷撃)』著:リック・リオーダンランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.14
今日も行ってきました、午前十時の映画祭。着いた時には「完売」のお知らせが。2日前からネットでチケットが買えるので、水曜日の夜0時に即購入したから良席でよかったけど。後ろで老夫婦が、「もう売り切れなの?」って聞いてたけど、ネットで予約できない人(お年寄りとか)には、ちょっと可哀想というか、ハンデあるよね。まぁ平日は、ここまで多くないだろうと思うけど。さすがはオードリー・ヘップバーン主演の、『昼下がりの情事』。アリアーヌ(オードリー・ヘプバーン)は、パリの音楽院で、チェロを学ぶ学生。父は探偵だが、ある日、フラナガン(ゲイリー・クーパー)という男の調査書を盗み見て興味を抱く。アリアーヌは、彼が愛人の夫に殺されそうになるところを助け、そのことをきっかけに、彼に恋してしまう。フラナガンもチャーミングなアリアーヌに惹かれていく。父親ほども年上の男性に惹かれるってのが、年下好き(爆)の私からしてみれば不可解なんだけれども、でもそんな年上のプレイボーイに必死に対抗してみせている、オードリーのキュートなこと。恋の遍歴を語ったり、他の男の贈り物を身に着けてみたり(全部アリアーヌの作り事なんだけど)、男を翻弄するさまは、お手本にしたいくらい。そんなアリアーヌに、百戦錬磨のプレイボーイのフラナガンも、段々本気になり始める。今までの女のように、遊び慣れてる風でもなく、人妻でもなく、グラマラスでもなく。痩せっぽっちで子供のようなところがよかったのか。素性も明かさず、自分に本気になってない(と見せる)ところが、プレイボーイの本能を刺激したのか。しかしこのアリアーヌも、なかなかの役者。フラナガンに近づいたところからして芸達者だったけれど、探偵の父親譲り?のポーカーフェイスとファニーフェイスで、窮地もなんなく切り抜けちゃう。結果を言ってしまえば、アリアーヌの作戦勝ちなんだけど、娘のことを思う父親の言動が泣かせる。いいなぁ、こんな風な、「誰にでも愛される」女の子に、なりたい。女の子、って年じゃぁないけど(爆)。なんとも可愛らしくチャーミングなラブコメでした。いたるところに笑いやジョークが散りばめられていて。散水車が水をかけてもキスし続けるカップルとか。吠えるワンちゃんを叱るホテルの隣室の婦人とか。一番ナイスだったのは、楽団の人たち。サウナの中でびしょ濡れになりながらも、音楽を続けたり。プロ根性を見たね(笑)。昼間のTOHOシネマズ六本木。もっと写真撮ろうと思ったんだけど、さすがにできなかった。人、多いんだもん。田舎モンのおのぼりさんだと思われちゃうじゃーん。こうやって写真撮ってる時点で、おのぼりさん?(爆)ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.13
風邪っぴきで早退して、『プリンセスと魔法のキス』の次は、2本目、『コララインとボタンの魔女』。大きな古い家に引っ越してきた女の子、コラライン。ある日、どこにも通じていないはずのドアを開くと、不思議なサーカスやミュージカルで賑わう異世界が。そしてそこにはコララインのいうことを何でも聞いてくれる、優しい両親がいた。しかし彼らの目は、なぜかボタンでできていた。「だれにでもみんな、もうひとりのママがいるのよ、コラライン」部屋に戻ると、本物の両親はあとかたもなく消えていた。頼りになるのは名なしの黒ネコと、穴の開いた不思議な石だけ。3D×アニメ(『クリスマスキャロル』、『カールじいさんの空飛ぶ家』)、3D×CG(『アバター』)と観たけれど、3D×ストップモーションも、相性抜群の出来。小さなドアを開けて違う世界へ続くトンネルの、ふわんふわんバウンドしてる質感とかもリアルで。まぁ何でもかんでも、飛び出してリアルぽくすりゃいい、てモンでもないけれど。もともとストップモーションなんだから、リアルもないんだが。それでもその「世界」に入り込むのには、3Dてのは必要不可欠かもしれない、と改めて思った1本。その「世界」とは子供向け、と思いきや、かなり不気味でした。古い家に引っ越してきたばかりの女の子、コララインは、両親にも相手にされないし、一人で家の探検中。すると、壁紙で貼られた小さなドアが…。隠されてる、ってだけでも怪しさマンマンなのに、開けたら、絶対何か悪いことが起こりそうだと思っていても、抑えられない好奇心。と、鍵を開けてみると、そこはレンガで塗りこめられた壁。なぁんだ、と拍子抜けしたけれど、夜、コララインが寝た後に…。ドアの向こうの世界は、コララインの理想の世界。もう一人のママもパパも優しいし、ご飯も美味しいし、お庭も綺麗だし、楽しいことがたくさんある。ネズミたちのサーカスや、カマキリの耕運機(?)、下の階に住む2人の老婦人も若返って空中ブランコ!こういう細かいディテールがすごく凝ってて面白い。「虫」が多いんだけど、虫たちも虫なりに役立ってます(笑)。あっちの世界ではしゃべってばっかりのワイビーも、口を縫い付けられてしゃべられなくっていい気味!ずっとここにいたい!というコララインに、目をボタンにすればいられるわ、ともう一人のママ。このもう一人のママは優しくて理想のママなんだけれども、目がボタンということで表情が読めず、かなり不気味。口が笑っていても、目がぽかんとした黒い丸のボタンだと、嘘っぽく見えるというか。なぜボタンなのか(人形の目がボタンで作られているから?)は分からないけど、口でも鼻でもなく、「目」が無機質ってのは、思う以上に薄気味悪いもんで。そしてその、優しいもうひとりのママの正体は…!仕事ばっかりでちっとも構ってくれなくっても、やっぱり本物のママがいい、ってとこに結局落ち着くんだけども、天気も雨とか霧とか夜とか、なんとなくダークな感じだったり、階下のおばあちゃま方が飼ってた犬をはく製にしちゃってたり、そういう「不気味さ」満点の映画でした。しかし「ボタンの魔女」てのは、何なんだろ?寂しい子供の心につけ込んで、さらって…。コララインに「愛し方を間違えてるわ」なんて言われてたけど、そう思うと可哀想な人(人?)なのかも。吹替3Dで見たのだけれど、劇団ひとりだと分からなかったよ。オリジナル・サウンドトラック『コララインとボタンの魔女』著:ニール・ゲイマンランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.11
気温の変化が激しくて、ちょっとカゼをひいちゃったみたいで、熱はないんだけど咳してたら「もう上がっていいよ」と言われたので、早退して病院行って、薬もらったらなんだか咳も止まったので、そうだ今日はレディースデーじゃん?駅近いじゃん、と気付いて、映画観てきちゃいました。観てきたのは、『プリンセスと魔法のキス』。ティアナはいつか自分のレストランを持つことを夢見て、頑張っている普通の女の子。ある仮装舞踏会の夜、プリンセスの衣装を着たティアナの前に、一匹のカエルが現れ、自分は呪いによってカエルに姿を変えられた、ナヴィーン王子だと告げる。そして、プリンセスがキスしてくれれば、この呪いを解くことができるというのだ。カエルの必死な願いに、勇気を振り絞ってキスするティアナ。ところが、カエルが王子に戻るどころか、ティアナ自身がカエルに変身してしまったのだ!プリンセスと言っても、ウェイトレスがお祭りで仮装したお姫様。王子様と言っても、親に勘当された、逆玉狙いの怠け者王子。場所はお城でも森の中でもなく、ジャズの流れるニューオリンズ。舞台は昔々ではなく、人々が汗かき働く現代。夢を叶えるためには星に願いをかけるだけじゃダメ、コツコツ努力して、我慢して、一生懸命働かなくちゃ!と、なんとも現実主義のヒロイン。子供の頃童話を読んで、たとえそれが王子様でも、カエルとなんか絶対キスしない!と言っていたのに、夢まであと一歩というところで、悪魔ならぬカエルの囁きが…。カエルが王子様に戻るんじゃなくって、キスした相手までもが、カエルになっちゃう。その発想の転換?はさすが。童話ならば、助けたいと思ったからキスするのだろうけれど、ティアナの頭に浮かんだのは、夢のレストランのこと。王子だって、お金を餌にティアナとキスしようとしたのだから(ほんとはお金なんてないくせに)、魔法が解けなくっても当然。朝も夜も働き詰めで、ダンスひとつしたことないティアナと、甘ったれで怠け者で楽しむことしか考えてないナヴィーン王子。なんとかしなきゃ!なティアナと、なんとかなるさ、のナヴィーン。水と油のような2人だけども、カエルになった2人(2匹?)は、人間に戻りたいと、よい魔術師ママ・オーディを訪ねて、ミシシッピ川を遡る。途中、ジャズ好きのワニのルイスや、気のいい蛍、レイも加わって、賑やかな旅に。懐かしいというか、温かみのある手書きの絵や、ミュージカルシーンで展開されるいかにも2次元的な絵も、CGや3Dを見慣れた目にはすごく新鮮で、柔らかい。そして文句なしの音楽。アメリカ南部、ニューオリンズということで、ジャズやゴスペルが、物語を盛り上げ、見ている人を引き込む。脇役もそれぞれ魅力的で。ティアナの幼馴染シャーロットも、金持ちのわがまま娘なんだけど、すごくキュート。そしてディズニーおなじみのヴィランズも、見るからに悪いヤツ。タワーオブテラーのシリキみたいな仮面やブードゥ人形も登場。レイと、彼の想い人、星のように輝くエバンジェリーンの顛末は、思わず涙。まさかディズニーだもん、そんなことないよね…?との期待は、あっさり裏切られ。そういうしょっぱいことがあるのも、現実なんだよ、と。もちろん最後は、ママ・オーディの予言どおり、「本物のプリンセスとキス」して、元通り!ティアナと王子も、悠々とお城で…ではなく、「ティアナの城」というレストランで働いていますとさ。設定は超現代的で超現実的なんだけれども、久しぶりに、ディズニー映画の王道を観た気がした映画でした。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.10
『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』勝手に動き回るおもちゃ、風もないのに空を飛ぶ紙飛行機、絵本から飛び出す本物の動物たち…。まるで魔法の国のような、マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋は、今日も大盛況。オーナー・マゴリアムおじさん(ダスティン・ホフマン)の下で働く、若き支配人のモリー(ナタリー・ポートマン)もこのおもちゃ屋を、こよなく愛していた。ある日、モリーはマゴリアムおじさんにこの店を継ぐように言われる。ところが、マゴリアムの引退に不満なおもちゃたちは、その日から荒れ始める。すっかり落ち込んでしまったモリー。果たして大好きなおもちゃ屋を守ることが出来るのか?マゴリアムおじさんのおもちゃ屋にある、おもちゃたち。おじさんの言うとおりに動いたり、子供たちをからかったり、本の中から飛び出したり、まるで自分の意思を持ってるかのような、色彩豊かで心そそられるおもちゃたち。子供の頃に観た、サンタクロースの映画を思い出した。サンタの国の小人たちが世界中の子供たちのプレゼントを作ってる、おもちゃ工場を。暖かい色と賑やかな音に溢れた、楽しい空間を。子供たちは、そのおもちゃ屋を不思議に思わない。いや、不思議に思っているんだろうけれど、それを疑わない。そんな時、マゴリアムおじさんが、引退宣言をする。おじさんの魔法で店のおもちゃたちは動いてるのに、私にはムリ!と、後任を任せられたモリーはとまどう。と同時に、店にも異変が…。キラキラしたおもちゃ屋のその仕様は子供向けだけれども、自分のピアノの才能の限界に気づいているモリーが、このままでいいのか…と悶々としているところなんかは、大人なら誰しも共感できる部分。ステレオタイプな(笑)頭の固い会計士も、魔法に気づいて変わるんじゃ…?という予想通りではあるけれど、その予定調和が嬉しい。テレビゲームの方が好きそうな現代の子供たちでも、あの、部屋中ぴょんぴょん跳ねまくるスーパーボールは、興味をそそられること間違いなしだろうなーと思った、1本でした。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋 公式サイト映画レビュー
2010.03.09
『インビクタス-負けざる者たち』を観て来ました。もう終わりかけだったので、1日に1回上映、観客も少なく。だから終わりがけに行くのが好きなんだ(笑)。1994年、南アフリカ共和国初の黒人大統領に就任した、ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)だが、新生国家の船出には、多くの問題があった。ある日、ラグビー南ア代表の試合を観戦したマンデラの、頭の中で何かが閃いた。南アではラグビーは白人が愛好するスポーツで、黒人にとってはアパルトヘイトの象徴。しかし、1年後に南アで開催されるラグビーのワールドカップで、南アの代表チームが勝てば、それが人種間の和解に、つながるかもしれない…と。代表チームのキャプテン、ピナール(マット・デイモン)との、接触を図る。暴力や抑圧でなく、スポーツで一つになる。あの国も、フクザツな国だよねぇ。アフリカの国なのに、何もかもが白人の支配下。そして、「アパルトヘイト」という徹底した黒人差別。それらを乗り越え、黒人初の南ア大統領となったマンデラ。しかし、政治、経済、教育、国交と問題は山積み。中でも人種間の和解というのは、とても一筋縄ではいかない、根深い問題で。綺麗事は言っていても、今まで行われてきたことは許しがたく、そう簡単に受け入れられないのが人間。それは、白人、黒人の両方共にあって。黒人は、長いこと肌の色が違うというだけで虐げられてきた怒り。白人は、黒人たちが自分たちを傷つけるのではないかと恐れる。まずはそこを何とかしなければと、マンデラは考える。そして、南アフリカを象徴するスポーツであるラグビーに、目をつける。そこがまた、この人のすごいところなんだろう。力で押さえつけることもできたはず。徹底して排除することもできたはず。しかし白人を抑圧するのでもなく、黒人を特別扱いするのでもなく、共に、この南アフリカという新しい国を作っていこう、と呼びかける。力ではなく、スポーツで。「敵」を国民のお互いの中ではなく、国外に作ることによって、国民を一つにさせるという政治的視点による策略だとしても、「南アフリカを一つにしたい」「暴力はもういらない」という熱意が、人を動かす。大統領とともに常に国民の目に留まるSPにも黒人と白人を配置し、「新しい国家の象徴」とするところもまた、この人の賢いところ。当然のことながら、最初はお互い不快感をあらわにするが、「大統領を守る」という共通の使命のもと、理解までは至らずとも、相手を受け入れるようになる。それにしてもSPは大変だよな。大統領はほいほい民衆の前に姿を現し、中に入っていくけれど、彼を守るSPたちは気が気じゃないだろう。もういっそ、執務室にこもって仕事してください!って言いたくなりそう。ラグビーなんか全然分からなくても、その迫力たるやすごかった。応援はサッカーと同じ、「オーレーオレオレオレー!」なのね。思わず「いたっ!」「うわっ!」なんて声が出てしまったり。決戦では「ボール出して!」「押して押して!」「パスパス!」なんて、思わず心の中で応援しちゃったよ(笑)。試合シーンは、ほんとに映画のために人を集めたんだろうか?と思ってしまうほど、スタジアムのすごい熱狂ぶり。大統領もスタンドに座り、南アフリカの国民も、TVの前、ラジオの前に集まり、心から自分の国の代表を応援する。そこには、黒人も白人もなく。あるのは「南アフリカの国民」という意識。マオリの試合前の歌「ガンバーレガンバーレ」(と聞こえる)が、選手たちの士気を鼓舞したように、歌には強い力がある。南アフリカの代表選手たちも、「こんなの歌えるか」と吐き捨てた、新しい国歌に背中を押される。そしてそれは、奇跡を起こす。それはマンデラにとっても、非常に危険な賭けだったに違いない。もしここで、南アチームが負けてたら…。こればかりはいかに大統領といえども、勝敗は運を天に任せるしか、できないのだから。だけどもそれは成された。マンデラの祈りが、国民の願いが、奇跡を起こした。まるで作り話のような、本当の話。30年も狭い独房に投獄されていた男が、赦すことによって起こった、変えたいと願った、変わろうと努力した、奇跡の物語。あの飛行機のシーンも、実話だそう。あの機長は、お咎めを受けたんだろうか。そして音楽がよかった。『ライオンキング』みたいなアフリカンな感じで。アフリカンなんだけどさ。エンディングテーマ曲「ジュピター」で、ちょっとばっかし平原綾香が浮かんできちゃったけど。オリジナル・サウンドトラック視聴もできます↑さすが、クリント・イーストウッド。幸いなことに、ほぼ単一民族国家に生まれたお陰で、肌の色が違うというだけで、こんなにも虐げられるということが、なかなか実感として捉えづらいけれど、彼らがそれを、どうやって乗り越え、何を成し遂げたか、何を得たか、一見の価値ある映画でした。ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.06
「午前十時の映画祭」に行ってきました。と言っても、午後二十時半始まりだったけれど。観てきたのは、スーパーマンのクリストファー・リーヴ主演の、『ある日どこかで』。東京では六本木と府中のTOHOでしかやってないので、六本木まで。実は六本木は、中居くんがサンデージャングルをしてた時、テレビ朝日に入出待ちをしに来て以来。その頃はこんなに立派な「六本木ヒルズ」じゃなかったし。そういや東京タワーの見えるホテルにも泊まったっけね。中居くんを一目見るためだけに。そんで朝イチの飛行機で福岡帰って、そのまま仕事に行ってたさ。若かったなぁ。。。それはさておき、TOHOシネマズ六本木の入口。中はこんな感じ。なんでこうも、何もかもガラス張りなんだろ?地震が来たらどうするんですかね?それともこれは、割れないガラスなの?映画は、といいますと…。1972年5月。ミルフィールド大学で、脚本家を志すリチャード・コリアー(クリストファー・リーヴ)の処女作の出版を祝って、パーティが開かれていた最中、それをそっと見守る、一人の老婦人の姿があった。老婦人はリチャードに歩み寄り、古い金時計を渡して立ち去る。「Come Back To Me(帰ってきてね)」と言う謎の言葉を残して。その老婦人はグランドホテルの一室でラフマニノフを聴きながら、やがて静かにその人生を終えようとしていた。それから8年後、著名な脚本家となったリチャードは、シカゴのオフィスで彼の大好きな同じラフマニノフを聴いていた。脚本家としてスランプに陥っていた彼は意を決して、旅に出ることを決意する。その旅の途中、偶然通りかかった「グランドホテル」に宿泊する。そしてホテル内にある資料展示室に飾られてあった、一枚の美しい女性(ジェーン・シーモア)の写真に心惹かれ、魅せられる。この女性は誰なのか?何故こんなにも心惹かれるのか?音楽がいい。切なく美しく、たまらない。ある日どこかで テーマ曲と名場面-youtubeRhapsody on a Theme of Paganini by Maxim-youtube物語は簡単に言っちゃうとSFだけども、切ないね。なぜ1枚の写真にあんなにも惹かれたのかが謎だけれど、それは「運命」と言うしかないんだろう。そして、あまりにも彼女に会いたい気持ちが高まって、時間を超えて会いに行く。やっと彼女に出会えたけれども、売れっ子女優の彼女に、なかなか近づくことはできない。しかしついに思いを遂げることができる。と思ったのもつかの間…。死ぬことないやん、と思うけど、待ってても生きててもしょうがない、って思っちゃうよね。あの彼女は、待ってたら未来で会える、という希望があったけれど。そう思って待つことができるほど、彼のことを愛していた、ということだけど。ほんの、1日しか一緒にいなかったけれど。でも彼女は、なぜ彼が未来から来た、ってことを知ったんだろう?あのコインは、残してきてないよね?でもきっとあの後に、もっと年を取った彼女と出会うために、新リチャード・コリアーが生まれたんだろうな。ということは、旧リチャード・コリアーは死ななきゃいけないんだ。未来で、新しい自分で、彼女と出会うために。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.06
レディースデーに『ラブリーボーン』を見てきました。家族と幸せに暮らしていた14歳の少女スーザン(シアーシャ・ローナン)は、ある日トウモロコシ畑で、ある者に襲われ、殺される。父(マーク・ウォールバーグ)は犯人探しに明け暮れ、母(レイチェル・ワイズ)は娘を守れなかった罪悪感に苦しむ。家族は崩壊していくが、その様子をスーザンは天国から見守り、決して届かない声を家族にかけ続けていた。なんていうか…いたたまれない。あの犯人は、結局捕まってはいないんでしょ。最後にバチが当たった感じだかなんだかで、崖からおっこってボッキボキになって死んじゃったけど、死んじゃったら罪が償えないじゃん。あんな鬼畜は、520年の終身刑にしてやりたい。そしてスージーの遺体も、結局見つからないままだし。見つかるのかな、ギリギリのところで警察が来て…、なんて期待しながら見てたけど、結局ドボン。あの時妹が、家に走り帰らないで早く警察に連絡すれば。父と母の和解シーンなんかに浸ってないで、早くあのノートを見せていれば。犯人は捕まっていたかもしれない。でも、それがきっと現実なのかも。あんなにたくさんの女の子が殺されて、だけども犯人は、捕まらない。同じ事件が何度も繰り返される。悲しみは続いていく。現実は、ハッピーエンドでは終わらない。それにしても父も娘も、向こう見ずというか、ムチャするなぁ。それが「家族の愛」というものなんだろうか。警察なんかアテにならない、自分の手で何とかしてやる!って。スージーが留まっていた、この世と天国の間の世界、映像がすごく綺麗だった。美輪さんが宣伝してたように「スピリチュアルな世界」か、っていうと、なんとなく違う気もするけど、死んだ人というか、生きている人が死んだ後に行くだろうと想像する美しい世界。でもあの状態ってのは、仏教で言うところの「成仏してない」状態なのよね?死者の想いが強くて、残された者の悲しみが癒えないのか。残された者の悲しみが消えなくて、死者が立ち去れないのか。やっぱりスピリチュアルかな(笑)。シアーシャ・ローナンの目の青いこと!羨ましい。なかなかの演技派ですよ、この女の子は。そしてスージーの父親役のマーク・ウォールバーグが、兄ちゃんのNKOTBのドニーに見えて仕方なかった(笑)。そっくりなんだもん。『ラブリー・ボーン』 著:アリス・シーボルドランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.03.04
『僕たちのプレイボール』完成披露試写会に行ってきました。試写会なんて当たったの、初めてだよ。応募者全員プレゼントにしか当たらない(当たったというのか?)超クジ運のない私なのに。こんなとこで運、使っちゃってないよね?(爆)完成披露試写会と言うことで、出演者も出て来るそうな。東京に来て初めて会う芸能人(SMAP以外)が、吉田栄作か…。雨も降ってるし寒いよ…行くのどうしよう…なんてチラっと思ったけど、雨もやんだし日も照ってきたし、意を決して中野サンプラザへ。招待客は8割がた、ユニフォーム姿のリトルリーグな子ら。いいねぇ野球少年。サッカーなんかより、断然野球派だから。席は、前から5列目。これがSMAPだったらとか、思わない思わない。さて映画は…。アメリカに暮らす主人公・球児(小原裕貴)は、リトルリーグのチームで友人・ランディと腕を競い合っていた。そんな折、球児の父・恒雄(吉田栄作)は試合で肩を壊し、マイナーリーグへの移籍を余儀なくされ、家族との仲も、上手く行かなくなる。母・加奈子(羽田美智子)は球児の将来を考え、日本への帰国を決意。球児はリトルリーグの世界大会で会うことをランディと約束するが、入団した地元のリトルリーグ「東陽リトル」で、日本の文化や友達とうまく馴染むことができず、孤立してしまう。なんていうか…ありきたりなんですよ。肩の故障のせいでマイナー落ちしたけれども諦めきれない父と、それにあーだこーだ言う母親と、父に反発してしまう息子と。父をアメリカに残し、母と2人で日本に帰ってきたはいいけれど、本気で世界大会を目指す球児にとって日本のリトルリーグは、ふざけてやっているようにしか見えない。熱心にやろうと思えば思うほど、チームメイトから孤立してしまう。「野球は楽しく」がモットーのコーチや監督にも、何かと反発。しかし、球児の本気が次第にみんなにも伝わり、球児も少しずつチームメイトに溶け込み、真剣になっていく。というね。もう見えるでしょ?あーなってそうなってこうなるんだろうな、って思ったとおりに、なります。「お前も大変なんだなぁ」「俺こそお前のこと知らなくてゴメン」「一緒に頑張ろうな!」「おう!」みたいな。だけども、泣いちゃいました。2度ほどね。ま、基本何でも泣くんだけどね(爆)。それに野球少年好きだしね。ワラワラ群れてるのが。女の子もいたけどさ。その子のお兄ちゃんが…って和也か!と胸の内で突っ込んだのは、私だけではないハズ(笑)。これは、子供の頃野球をしてた人、リトルリーグにいた人、リトルリーグに関わったことのある人、野球の好きな人には、たまんないと思う。あーあの頃俺も頑張ったなぁ、とか、あー朝早くお弁当作って、子供をグラウンドに送って行ったなぁ、とか思うんじゃないかな。どっちも私には経験ないけど(爆)。もちろん、今、野球をやってる子たちも。「世界大会を目指そう!」とか言う大きな目標云々じゃなくて、「チームワーク」っていうね。「野球って楽しい!」っていうね。男の子が生まれたら、間違いなく野球させるね。間違いなく。その予定は皆無だとしても。男の子たちもね、ほんとに野球やってる子だ、って目してるし。球児が来る前のエースピッチャーの子も、いい演技してたなぁ。新庄から「ダルビッシュ2世」と言われたらしい(確かに似ている)、主人公の小原裕貴くんって、なんか聞いたことあるような…、と思ったら、元Jr.の子と同姓同名。どおりでね。全くの別人だけど。美少年ウォッチャーの山田美保子さんからのお花もありました。さすが目ぇつけるの早い(笑)。そして映画が終わり、出演者が壇上に登場。吉田栄作、意外に(失礼!)カッコよかった。エグゼクティブプロデューサーの新庄剛志も登場予定が、お腹が痛くて欠席って…。客席にはかすかに落胆の雰囲気が…。「僕たちのプレイボール」で劇場満員を口約したのに、初っ端からけつまづきですか。吉田栄作は「役作りのポイントは?」と聞かれて、「お尻に綿入れてた」らしいです。野球といえばプリっとしたお尻でしょ、って思ったから、ってその通りだと思います(笑)。東陽リトルの子供たち12人も一人ずつ一言ずつ挨拶。ぎこちないのがまた可愛らしい。一人、妙に大人びた子がいたけど。吉田栄作、羽田美智子、監督、子供たちの挨拶が終わった時、あれ?と監督が見つけたのは、一番後ろの客席にいる新庄!頭坊主(アデランスCMの名残?)とサングラスという、EXILEのATSUSHIみたいないでたちで。白い歯は、薄暗い館内でも輝いてた…。前に来るのかと思ったら、すぐ帰っちゃったけど。映画が公開されて、行くかどうか…と言われれば微妙だけども、TVで放映されたら必ず見たい(笑)。そういう映画でした。司会の人が、「Twitterでもフォローしてください」ですって。だったらサイトにリンク張っとかなきゃー。「僕たちのプレイボール」アカウントランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.02.28
今日は映画『オーシャンズ』を見てきました。地表面積の70%をしめる大いなる命をたたえる海。身近な存在でありながら謎に包まれた世界。ハンドウイルカの大群、ザドウクジラの捕食、5万匹に及ぶクモガニの交尾、ウミガメの孵化など、自然界で起きる奇跡的なシーンを多数収録。この究極のノンフィクションにより、人類は時間を越えた、深遠な命のドラマと未体験の感情に対峙する。見たい見たいと思いつつ、のびのびになってたのだけど、やっと見に行ってきました。イルカとかクジラとか海とか波とかクラゲとか大好きで(イルカと泳ぎたいがために、ダイビングライセンス取得)、動物も大好きで(できれば人間ではなく、犬産みたいくらい)、こういう系の映画(『ディープ・ブルー』とか『アース』とか)も大好きで。色んな映画評を見る限り、あんまり評判よくなかったのだけど、やっぱり海観たい!と、久しぶりの大海の映像にワクワク。でも始まりがイグアナ?の群れで(何でこっから始めたんだろ?)爬虫類系が全くニガテな人(たとえばウチの母とか)は、もうここでNGだろな、なんて思ったり。海の大きさ、優しさ、豊かさ、そして凶暴さ。その中でたくましく生きる、海の生き物たち。小さな生き物。大きな生き物。すばしこい生き物。動かない生き物。岩に化ける生き物。派手な生き物。暖かい海、冷たい海、静かな海、荒々しい海、深い海、浅い海、サンゴの海、岩の海。それぞれの場所で、生き物たちは生きるべくして、生きる。イワシの大群とか、どこかで似たような映像を見た気もするけれど、すごかった。スイミーだよ、ほんとに。そこに突っ込んでいく、イルカや海鳥たち。そりゃー美味しかろう。私だって食べたいよ。アジの大群も、「うわー美味しそう」って思っちゃったし(笑)。イルカ同士、鳥同士ぶつかっちゃったりしないのかしら?なんてちょっと心配にもなっちゃったけど。ただ後半になるにつれ、環境保護な雰囲気になってきたのが、ちょっと残念。食べる方と食べられる方が、絶妙のバランスで生きている。それを、人間が壊している。網に引っかかったイルカとか亀とか。釣り針に引っかかった海鳥とか。ヒレだけを切り取られ、海に捨てられるサメとか。(このサメはロボットらしいけれど。それも、こうやって採っているらしい、という耳情報だけで、再現しただけらしいけれど)確かに捕りすぎはいけないし、必要以上に傷つけちゃいけない。それは当たり前のこと。だけど、なんかちょっと、この映画で言わなくてもよくない?なんて思ったり。純粋に、海の素晴らしさを見せて欲しかった。生き物の美しさたくましさを見せて欲しかった。そしたら、それを汚そうとか傷つけようとか壊そうとか、思わないんじゃないかな、自然に。しかし、よくもまぁこんな映像まで撮れたねー、って画もたくさんあって。海中の波がローリングしてるのとか、興奮しちゃったよ(笑)。一体どうやって撮ったんだろう?このメイキングの方が面白そう(笑)。あの、はく製博物館?みたいなのって、どこなんだろ?ぜひ行ってみたい!ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.02.27
『紅いコーリャン』1920年代末の中国山東省。私の祖母・九児(コン・リー)は、ラバ1頭で父に売られ、親子ほど年の離れた造り酒屋の男の元に嫁ぐことになる。御輿で嫁入りに向かう途中、彼女は強盗たちに襲われるが、御輿の担ぎ手・余占鰲(チアン・ウェン)に救われる。実家に里帰りして、再び嫁ぎ先に向かう道すがら、再び強盗が彼女を襲うが、その正体は余占鰲だった。お互いに惹かれあっていた2人は、コーリャン畑で結ばれる。やがて夫が亡くなり、造り酒屋を継いだ九児は余と結婚。コーリャン畑で結ばれた日に身ごもった子供・豆官も生まれ、幸せな日々を送るが、やがてそこに日本軍が侵攻してくる。強烈。赤が。鮮やかな赤。くすんだ赤。濃い赤。薄い赤。明るい赤。暗い赤。コーリャン酒の赤。そして血の赤。画面いっぱいに、赤が溢れる。その赤と同じくらい力強く生きる、酒造りの人たち。主人公の九児を演じる若き日のコン・リーが、山口百恵風。秘めた力強さというか、芯の強さのある女性。意に染まぬ結婚をさせられる頼りない娘から、野性味溢れる(というか野蛮な)男と触れるうち、たくましく立派な酒屋のおかみになる。歌を歌い酒を造り、汗と土にまみれながらも、時々映る青いコーリャン畑が涼しげで。しかしそこに、日本軍がやってくる。コーリャン畑は踏みにじられ、反論するものは容赦なく殺され、その行為は残虐極まりないもので。反戦、反日をクローズアップしているというより、それをただ淡々と映しているだけだからこそ、その恐ろしさ残忍さが際立ち、迫ってくる。そんな日本軍に、夫と酒造りの男たちと共に、反旗を翻そうとした九児だったが、彼女もまた赤く散ってしまう。コーリャン畑で。そこに立ちすくむ、九児の夫と息子の姿。血にまみれ泥にまみれ、それでも力強く大地に立つ。短いフィルムで、台詞も少なめながらも、強烈なインパクトを残した映画でした。ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.02.22
『王妃の紋章』紀元928年、後唐の時代の中国。9月9日の重陽節の祝日を前にして、長らく遠征に出ていた国王と、辺境の地に赴いていた第二王子の傑が、久々に王宮へと帰還。王妃たちは笑顔でそれを迎え入れるが、それはうわべだけのこと。王との仲が冷え切っていた王妃は、王が前妻との間にもうけた、第一王子・祥とひそかに通じ合う仲となっていた。一方、王も王妃の体調を気遣うふりをして、微量の毒を仕込んだ薬を彼女に与え続ける。絢爛豪華すぎる!何でもかんでも金ピカにすりゃいいってモンじゃないだろ!と激しく突っ込みたくなるほど、どこもかしこも金ピカぴん。宮殿や衣装は当然、鎧も化粧も武器まで金ピカぴん。眩しすぎてよく見えませんよ。そんな金ピカの宮殿の中で、金ピカの衣装に包まれて、どす黒い想いを抱く王家の一族。王は薬と偽って王妃に毒を飲ませていたり、王妃はそれを毒と知っていて飲んでいたり、前妻の息子である皇太子と通じ合ってたり、死んだと言っていた前妻が生きていたり、その娘と皇太子がデキていたり。裏切り、裏切られ。しかし昔の家屋というものは、日本もそうだけど、声はもちろんのこと、気配までも漏れるんじゃないだろか。そこで秘め事や謀なんて、バレバレだろーと思うのですが。バレてないと思っているのは自分だけ?何万人いるのか見当もつかないくらいの後宮の中、壁に耳あり障子に目ありどころじゃないと思うんだけど。自分の従者が敵と繋がってる可能性だってあるんだし。それを承知の上での、謀なのかしら。そして金ピカぴんと同じくらい驚愕したのは、人海戦術。『レッドクリフ』顔負け(笑)。いよいよ王妃と王の軍勢が激突するとこなんて、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる状態。そしてあっという間に、名もなき大量の死体は片付けられ、何事もなかったかのように再び、何十万本もの菊の花が、敷き詰められて祭りは続く。そんな、使い捨てにされる従者たちに必要なものは、目の前で主人が刺し殺されようとも、動じない度胸。見ぬフリ聞かぬフリ。知りすぎたら、殺される。国家のため、王家のために規律を重んじてきたのに、3人の息子もろとも、全てを失ってしまった王と王妃。そこまで憎しみ合わなくとも、と思うけど、衣食住も趣味娯楽もあまりに満たされすぎたら、もう誰かを憎むしか刺激がなくなっちゃうのかしら。ストーリーはともかく、その破格のゴージャスさに、息を呑んだ映画でした。次男が日本の俳優さんか誰かに似た人いるような…と思ったら、お笑いの人だ!と思ったけど、その人の名前が浮かんでこない。いません?こういう顔の芸人さん。見よ、この金ピカっぷり!オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 王妃の紋章 公式サイト映画レビュー
2010.02.20
先週の『くるみ割り人形』に引き続き、川崎まで、WORLD CLASSICS@CINEMAを見に行ってきました。バレエやオペラを、映画館の大画面で見る、というもの。映画館に置いてあったリーフレット↓先週はものすごく寒かったけど、今日は晴れて暖かかった。映画館のあるラゾーナ川崎って、こんなとこ↓あのステージは何ぞや?と思ったら、AAAとかいうのが、アルバム発売なんとかで来るらしい。先週、映画館がものすごく混んでてチケット発券ギリだったので、今日はその教訓を生かし、少し早めに到着。そしたらば、先週のあの混雑っぷりは何だったの?と思うくらい、並ぶことなくチケット発券。それでも今日の分の『アバター』は、完売してたけどね。なんという『アバター』現象なんだ。今日の演目は、オペラ『アイーダ』。全く知らない人でも、「凱旋行進曲」は絶対知ってるハズ。劇団四季の『アイーダ』はこの「凱旋行進曲」がない、ってのが、今ひとつ観に行きたいと思わない理由の一つ。映像は、いきなりストーリーが始まるのではなく、舞台裏というか、書き割りを設置してる場面から始まり。ほーあの重厚そうな舞台の裏側はこうなってんだー、って、普通の板に絵を描いただけだったり。ストーリーは、一言で言えばロミオとジュリエット?身分違い(ここでは人種違いもあり)の恋が許されず、2人死んであの世で幸せになろう、というもの。お互い愛し合っているのに結ばれないラダメスとアイーダも、可哀想だけど、エジプトの姫アムネリスも、可哀想。許された相手でありながら、愛されず。愛する人が自分ではなく、自分の侍女を愛していることを知り、嫉妬の上、愛する人をも死に追いやってしまう。アイーダはアムネリスに対して、あなたは名誉も権力もある、でも私には何もないのだからご慈悲を、と歌い上げるけれど、結局最後、父も生きていたし、愛する人と添い遂げられたし。と、『アイーダ』なんだけど、アムネリスにちょっと同情。「凱旋行進曲」はトランペットの音も雄雄しく。ほんとに「凱旋行進」のイメージそのもの。しかしまぁ何といいますか、オペラだからか。皆様ガタイが良すぎて(笑)。アムネリスも、囚われのエチオピアの姫であるアイーダも、「姫」じゃなくて「女帝」の貫禄(爆)。それだけの体がないと、あの声は出ないのかなぁ。ほんとに素晴らしい声だったけれど。映画が終わって外に出たら、AAAが何かしてました。ので、なんだかよく知らないけど芸能人らしいから撮っとくか、とミーハー根性丸出しで撮ってみました。コチラとコチラ。スピーカーから聞こえる歌声と黄色い声に、あぁこれがSMAPだったらなぁ…とは当然思いましたが。あり得ないけどねー。そして今日も、コールドストーンクリーマリー食べちゃいました。バレンタイン限定の、ハグミーチョコベリーってヤツ。ロフトでブックカバー買って、PLAZAでお菓子買って、マッサージして、さぁ帰ろうと外に出たら、綺麗な夕焼け。明日も晴れるかなパヴァロッティの『アイーダ』↓ヴェルディ 歌劇『アイーダ』その他、『アイーダ』のCDやDVDは↓それぞれ演出家や演じる人によって、全然違うんだろうなぁ。ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.02.20
『陰日向に咲く』借金苦からオレオレ詐欺に手を染めたものの、カモの老婆に親近感を抱いてしまう青年(岡田准一)。若い頃、売れない芸人(伊藤淳史)に恋をしていた母の、青春時代を辿る娘(宮崎あおい)。25歳の崖っぷちアイドル(平山あや)と、彼女を応援するアキバ系オタク(塚本高史)。大嘘つきのカリスマホームレス(西田敏行)に憧れる、サラリーマン(三浦友和)。年代も境遇もバラバラな彼らの人生が、ある台風の日に、ひとつに重なる。原作はまだ読んでないのですが。まだというか、読みたいと思っているうちに忘れちゃってた(爆)。宮崎あおいが、可愛かったー。そりゃカワイイなとは思ってたけど、うわー可愛い!って初めて思った。大人っぽくも見えるし、すごく幼くも見えるし。日の当たらない場所で細々と生きる人(私たちの大部分)が、頑張って生きようとするも、なかなか報われず。それぞれの人生を生きていた人たちが、何気なくすれ違い、ひょんなことから、人生が交じり合う。しかしなんというか、ちょっと登場人物たちが突飛というか。実際にはいるんだろうけど、あんなギャンブル依存症とか、ホームレスに憧れるサラリーマンとか。でも今ひとつ、リアリティがないというか。共感できる人物がいない、というか。いそうなんだけど、なんだかなぁ、みたいな。と言っても、そこそこホロリとしちゃったけどね。多分これは、原作の方が面白そうな気がする。西田敏行扮するモーゼがいい味出してた。いいこと言ったりするんだけど、父親になりきっちゃったりと、大ボラ吹き。そういう、一つ一つのエピソードは、すごく面白かったんだけど。岡田くんは、ギャンブルから足洗えるのかなぁ?それより借金、どうすんだろ?まぁ夏の、台風一過の夜の夢、ってことで。『陰日向に咲く』 著:劇団ひとりランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 陰日向に咲く 公式サイト映画レビュー
2010.02.19
『フィクサー』マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)は、N.Y.最大の法人向け法律事務所に勤務するエリートスタッフ。だが彼は弁護士ではない。隠された罪の“もみ消し人”である。元・検察官だったクレイトンは、事務所の共同設立者である、マーティ・バック(シドニー・ポラック)の強い要請により、事務所内の最も汚い仕事を受け持っていた。そんなある日、彼はまた新たな“もみ消し”の依頼を受ける。全米を揺るがした3,000億円にのぼる薬害訴訟で、製薬会社が有利なうちに解決されようとしていたその時、製薬会社の弁護士が全てを覆す秘密の暴露を目論んでいた。だが数日後、その弁護士は死亡。クレイトンは、不審な死の真相を追究していくうちに、企業の隠蔽工作にとどまらぬ巨大な陰謀に、自らが巻き込まれていることに気づく。始まりが、始まりじゃないのね。車が変わってないことに気づけよ、と(爆)。車爆発したのに、よく平気で子供乗せてるよなぁ、とは思ったけれど。でもじゃぁいつから、始まったんだろう?ギャンブル中に呼び出された事故のもみ消しは、何かの伏線?多分、1度よりも2度3度と見た方が面白い映画なんだろう。「もみ消し屋」なのに、もみ消されそうになってる、一見うだつのあがらなそうな弁護士、マイケル・クレイトン。巨大企業の訴訟を受け持ったがためにおかしくなった同僚を、なんとか立ち直らせようと奮闘するも虚しく、彼は死んでしまう。そこから何か不穏なものを感じ、そしてついに彼は、何が正しくて、何が間違っているかを自分で判断する。それがただ淡々としたヒーローものじゃないところが、人間臭くて男臭くて、見ごたえある。一緒に立ち上げたのニューヨーク一の弁護士事務所の、共同経営者にもなっておらず。ギャンブルにふけり、従兄弟の借金をおっかぶり四苦八苦、別れた息子の話さえロクに聞いてやらない。「君にしかできないんだ」という言葉が重くのしかかりつつも、大金を餌に、影に徹するしかない今の仕事を続けるしか他なく。ただ黙々と仕事をこなしてきた男が、最後に一席をぶつ。そして、タクシーの運転手に50ドルを渡し、「適当に流してくれ」。その時の、男の顔によぎる表情。自嘲気味でもあり後悔しているようでもあり、そして満足げでもあり。「一仕事を終えた男」の顔が全てを語っていた、映画でした。それにしても、クレイトンが最後に対決するティルダ・スウィントンて、爬虫類的な顔じゃない?魔女とか天使?とかやってたけど、なんか無機質な感じ。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.02.17
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』ニューヨーク州コニー・アイランド。何の変哲も無いデリのオーナー、ジェレミー(ジュード・ロウ)。失恋したエリザベス(ノラ・ジョーンズ)は、そのデリを訪れるように。毎晩ブルーベリー・パイを残していてくれるジェレミーとの会話に、心が慰められるエリザベス。ある日、ひょんなことから、お互い少しだけ過去を明かし合う。そしてジェレミーは、彼女が要らなくなった鍵を預かることになる。エリザベスは失恋相手が新しい恋人といるところを見てしまい、旅へ出ることを決める。ある時、メンフィスからの手紙を受け取ったジェレミー。「あなたのブルーベリーパイが世界中で最高!」ジェレミーは、エリザベスの居所を探し始める一方、数々の人々と出会いながら、エリザベスは、ジェレミーが待つニューヨークへ戻りたいと思い始める。ロードムービーなのか、恋愛映画なのか。ま、お互い美男美女だから成り立つんですわな(爆)。なんて言ってしまったらそれまでだけど。失恋して泣いて愚痴ってブルーベリーパイをバクバク食べて、酔っ払って寝ちゃうなんて、可愛くなかったらただの迷惑。いくら懐の深そうなジェレミーだって追い出しちゃうんじゃ?映像の美しく艶やかな色と、独特のカット割とテンポ、そして抒情的な音楽が、さして目新しくもない(失礼!)映画を、斬新に見せる。失恋してメンフィス~ベガスまで行っちゃったエリザベス、同じく失恋しても、ひとつところに留まっているジェレミー。2人とも動かなければ何も変わらないし、2人とも動いてしまっては、迷子になってしまうから。鍵がなければ、ドアは閉ざされたまま。でも、ドアを開けても、受け入れられるとは限らない。そう気づいて古いものを捨てた時、新しいドアが開かれる。アメリカを横断して、色んな人に出会うエリザベス。別れた妻を忘れられないアル中の男。人なんて信じないと豪語する女ギャンブラー。確かなものはどこにあるのか。迷子になった時、戻る場所はどこなのか。。。アメリカのケーキって概して美味しくないんだけど(爆)、やたらブルーベリーパイが美味しそうに見えた、映画でした。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 マイ・ブルーベリー・ナイツ 公式サイト映画レビュー
2010.02.14
川崎まで、WORLD CLASSICS@CINEMAを見に行ってきました。バレエやオペラを、映画館の大画面で見る、というもの。映画館に置いてあったリーフレット↓もちろん生の舞台の良さには敵わないだろうけど、本物を見たら何万円とするのを、3,500円で、しかも大画面と臨場感溢れる音響で見られるってのは、お得でしょ。しかしなぜ川崎?というと、川崎でしかやってないから。新宿でもやってるんだけど、『くるみ割り人形』はもう終わってて。ということで、みぞれなんだか雨なんだか分からない天気の中、川崎まで行ってきました。こんな天気の中…と思ったけど、チケット購入済みなので、行かないわけにいかず。でも川崎つったって、door to doorでちょうど1時間。近いモンです。横浜方面は、SMAPライブで横浜スタジアムのある関内にしか、行ったことないんだよなぁ。まぁ最寄り駅から京浜東北線で1本だから、さすがの私でも、迷うはずもないけれど。映画館も、駅とデッキで繋がってるショッピングモールの中なので、いつものように、出口を間違えてさまようこともなく。さぁ着いた、楽勝だぜ!と思ったら!映画館がものすご混んでる!舞台挨拶でもあるのか!?誰か来るのか!?って思っちゃうくらいの、大混雑ぶり。こんなに混んでる映画館なんて、初めてだよ!ネットでチケットを取ってたので、急がなくても大丈夫だろう、と思ってたのに、こりゃ11時の開演に間に合わんじゃないか!?と焦ってしまうほど、チケット自動発券機の前も、すごい列。運良くチケットカウンターのお姉さんが、予約番号がある方は、こちらでもどうぞーと言ってくれたので、間に合ったけど。それにしてもあの混雑はなんだったんだ?『アバター』なんて、今日の分は夜まで完売て。うちの近所の映画館じゃ、その場で思いついて買っても余裕だったぞ。しかも割と始まってすぐの1月始めだったけども。横浜では今頃アバターブーム?(違)すごい混雑を抜けて、やっと館内へ。7割がた埋まってたかな。いかにもバレエやってます、ってな感じの親子も多く。『くるみ割り人形』って、ストーリーは知ってるし、音楽も有名だけど、ちゃんと見たことなくて。クララの成長?物語かと思ったら、くるみ割り人形の物語だったのね。だから題名が『くるみ割り人形』なんじゃん!と、一人突っ込み納得(笑)。だからクララが主役かと思いきや、金平糖の女王様と王様が、プリマとプリンシパルなんだ。上の写真のように。カメラがバレリーナ一人一人を追うので、表情もちゃんと見えるし、細かい動きまで見える。男性が手を添えて、その下で女性バレリーナがくるくる回るやつ、あれ、男性の中指を握ってんだね。ってとこまで見えたり。観客の拍手や歓声までフィルムに入ってるんだけど、一緒になって拍手したくなっちゃった。一緒に「ブラボー!」って叫びたくなっちゃった。ラストでは思わず涙。人間に戻れてよかったね…って。と、ここでくるみ割り人形物語だってことに、気付いたのだけど。それにしても、バレリーナたちの身体のマッチョなこと!ムダがないどころか、すべて筋肉?体脂肪なんてないんじゃないか?滑らかだししなやかだし、私も頑張ろう…!と、Lサイズのポップコーンを食べながら思いました(爆)。と思ったのもつかの間、終わってからコールドストーンクリーマリー食べちゃいました。バレンタイン限定の、ハグミーチョコベリーってヤツ。前回はこれがなかったので、もう1種類の方の、ホワイトティンカーラブを食べたんだけど、ハグミーの方が美味しかった。ストロベリームースがなんか面白い食感だし。さて次は、次週の『アイーダ』を見に行く予定。でもまた川崎なんだよなー。あの混雑を思うと、なんかちょっとヤダ。ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.02.14
『(500)日のサマー』トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は建築家を夢見て、グリーティングカード会社で働く日々。ある日、秘書として入社してきたキュートなサマー(ゾーイー・デシャネル)に一目惚れ。運命の恋を夢見る草食系男子のトムは、果敢にアタックし、遂に一夜を共にするのだが、真実の愛なんて信じないサマーは、トムは運命の人ではなく、ただの「友だち」でしかなかった。なんていうか男って…バカ(爆)。私はサマーの気持ちが、よく分かる。束縛されたくないというか、型にはめられたくないというか、そういう関係がウザいというか。一緒にご飯を食べる。一緒に映画を見る。ショッピングに行く。SEXもする。それのなにがいけないの?と。それで何が不満なの?と。わざわざ「恋人」ってくくる必要があるの?と。ただ手をつないだだけなのに、ただキスをしただけなのに、ただ寝ただけなのに、なんで男って勘違いするんだろう!と、私も長年(というほどでもないか)思ってきたことですが(笑)。最初にちゃんと、そういうつもりはないからね、って言ったのに、「それでいいよ」って言ったくせに、しばらく経つとどの男も、「俺たちってどうなの?これからどうなるの?」となる。しかもさー、トムみたいに可愛い子なら、その気になることも、なきにしもあらずかもだけど、私がイケメン好きって知ってるよね?なのにキミに付き合ってやってるだけでありがたいと思えよ、と、うわーものすごヤな女、私ってば(爆)。だから、そういうヤな女に惚れちゃう男が、バカなんだって(爆)。と、自分の話になってしまいましたが。そういうことを思いながら観てしまいました。思わず歌い踊りたくなるような、出会ったばかりのハッピーな日々と、500日に近づくにつれ、どよーんとしてくるトムとが交互に現れ、その対比がまた、気の毒に思いつつも、おかしかったり。まぁ好きだった女の子が、話しかけてくれたり手を繋いでくれたり、一緒に買い物したり映画見たりご飯食べたりSEXしたりしちゃったら、想いが叶った!って思っちゃうのもムリないかも。気をつけよう(爆)。日が経つにつれ、サマーがトムを避けるようになる仕草とか、すごいよく分かる(笑)。だけどもトムは次第に、その曖昧な関係に不安になる。「私たち友だちよね」と納得していたハズなのに。ま、確かに2人の関係が「友だち」なら、他に男が現れても、それに何も言うことはできないワケだし。そいつとラブラブしちゃう可能性も、あるワケだし。そういう可能性を思って、まんじりともしないトム。確かに友だち止まりと、それを超える人との違いって、何かあるよね。それが何なのかは、分からないけど。サマーの言ってた些細な偶然かもしれないし、トムの思ってる運命かもしれないけど。男目線だと、サマーのような女の子は、イラっとくるんでしょうかね?やっぱり。女でもイラっとする?すみません(笑)。でも男の人だってあるでしょ!?コイツは友だちとしてはいいヤツなんだけど…みたいなコって。宣伝文句で、「デートに最適なラブストーリー!」なんてあったけど、少なくとも私は、男友達と観に行かなくてよかった…と思った、映画でした(笑)。海に魚はいっぱいいるんだから。ランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 (500)日のサマー 公式サイト映画レビュー
2010.02.11
『幸せになるための27のドレス』世話好きのジェーン(キャサリン・ハイグル)は、人の幸せばかりを気にかけ、いまや結婚式では、花嫁付添い人のスペシャリスト。ところが、そんな彼女も自分の恋には臆病で、片想いの上司ジョージ(エドワード・バーンズ)に、いつまでたっても想いを告げられずにいた。そんなある日、ジョージがジェーンのわがままな妹、テス(マリン・アッカーマン)と出会って一目惚れ、あっという間に結婚まで話が進んでしまうのだった。ショックを隠して2人の結婚準備に奔走するジェーンだったが…。見ててイライラした。身勝手な妹に、じゃなくて、煮え切らない姉に。何歳の設定だか知らないけど、そこまでカマトトぶらなくても、ってね。恋愛なんて寝ちゃったモン勝ちよ、ってほどの勢いはなくても、もういい年なんだから、ただ見てるだけ、傍にいるだけで満足、なんて、今時中学生でもしないようなことしてないでさ、と。そして、いい加減脈がなさそうなのも分かるだろ、と。ただの有能な部下としてしか見られてないってこと、気付かないの?って。まぁ恋してたらそんなこと、気付かないモンなんだけどさ(笑)。妹に、「偉そうなこと言えるほど恋愛経験豊富なの!?」なんて責められて、グウの音も出ない姉。遊びまくれとは言わないけれど、人にあれこれ言う前に、まず我が身を振り返れ、と。多少の免疫は必要ですよ。そんな夢見る夢子ちゃんは、新聞の日曜版のブライダル記事を、切り抜いて取っておくほどのファン。いつかこんな素敵な結婚式がしたい…♪と。だけどもそれを書いているのは、結婚なんて信じないサイテー男、ケビン(ジェームズ・マースデン)。そのケビンが、せっかくデートに誘ってくれてるんだから、行っちゃえばいいのに、軽い気持ちで。食事に行くくらい、なんてことないんだしさ。そんなこともできない真面目な姉。でもそれって、「真面目」っていうのか?そのケビンとのあれやこれやが、思いも寄らぬ、とんでもない大騒動を巻き起こすのだけれど。妹だって、姉がボスを好きだと知らずの行動なんだから、それを責めるのはお門違いと言うか、逆恨みというか。逆に、最初にそう言っちゃわなかった自分が悪いというか。そうだと知ってての行動だったら、最低な女だけど、妹は。いや、私は長子ですから、姉の立場や気持ちはよく分かります。でも姉だからって、妹のことを大切に思ってるからって、そこまで遠慮することはないんじゃないか?と。そんなことばっかりやってきたから、妹が調子こいて、何もかも姉に押し付けちゃうんじゃないか、と。歯がゆいワケですよ、同じ長女としては。結婚式の前のパーティーで、妹の過去を暴露しちゃったけど、友だちが言うように、ほんとうっぷんを晴らしただけ、というか。ボスにも好きだと言えないし、妹にもNOと言えないからって、いきなりあんなことしちゃうと、単なるイジワルにしか見えないよ、パーティに来てた他の人たちにしてみれば。妹が恥かいたり結婚がおじゃんになったりするのは構わないけど、大好きだった上司にまで大恥かかせた、ってことでしょ。そりゃー恨まれこそすれ、感謝なんかされないと思うけど。恥かかされたって、下手すりゃ裁判沙汰になりかねないよ。あの国じゃぁ。ってそういう映画じゃないから、そこまではないだろうけど。それにしても男ってのは、やっぱりああいう妹みたいな女に、引っかかるモンなのでしょうかねぇ。何もかも完璧すぎて、先回り先回りされちゃうのって、逆にちょっとウザいと思うのかも。母親みたいで。一緒にいたいと思う子は、ただ可愛らしくて頼ってくれる子が、いいんですかねー。しかし、あんまり可愛くないなこのヒロイン、と思ってたけど、見ているうちにだんだん可愛くなってきたというか、垢抜けてきた、というか。やっぱり、何事も色々と経験するのが大切なのね。男とのデートはしてみるモンよ、とりあえず(笑)。それにしても向こうの結婚式ってのは、なんて面倒臭いんだ。メイド・オブ・オナーなんて、オナーでもなんでもないような。何から何までしてあげなきゃいけないなんてカンベン。でも最近結婚式に呼ばれてないから、結婚式っていいなー、なんて思っちゃった。すっかりアラフォーなのにさ、友だち誰も結婚しないんだもん。思いっきりドレスアップして、美味しいお料理食べたいよー。誰か結婚して!(爆)オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 幸せになるための27のドレス 公式サイト映画レビュー
2010.02.10
『魔法にかけられて』おとぎの国“アンダレーシア”に暮らす、心優しいプリンセス、ジゼル(エイミー・アダムス)。ある日、悪の魔女に騙されてはるか彼方の世界へと、追放されてしまう。そこはなんと現代のニューヨーク!大都会では浮きまくり、途方にくれたジゼルが出会ったのは、バツイチ・子持ちの弁護士、“超”のつく現実的な、ロバート(パトリック・デンプシー)。ジゼルの婚約者、エドワード王子(ジェームズ・マースデン)も、彼女を救うべくやってくる。魔女のナリッサ女王(スーザン・サランドン)も彼女を追ってきて、ニューヨークの街は大混乱。果たしてジゼルは魔女の呪いを解いて、おとぎの国に帰ることは出来るのか…?このお姫様は、何歳の設定なんだろう?ディズニー映画のプリンセスって、16歳くらいだよね。『眠れる森の美女』のオーロラ姫だって、16歳のお誕生日に眠らされちゃったんだし。にしちゃぁ、ちょっとトウの立ったプリンセスだったけど(爆)。でも、とってもキュート。リアルジゼルの仕草とかがほんとに、ディズニーアニメのよう。ディズニーお約束の「イジワルな継母」(しかしこのステレオタイプな「継母」ってのも、子供たちに悪い印象を埋め込まないかしら?かの国では、継母、継父じゃない方が少ないかもだし)に、「永遠の愛」なんてない遠いところへ放り出された、おとぎ話のプリンセス、ジゼル。なんとそこは、現代のニューヨーク!確かにそこは、この世で一番恐ろしい場所かも…。助けを求めても、誰も振り返ってもくれず。人ごみにもまれ、雨にまで降られ、さまようプリンセス。それでもお姫様の習性は抜けず、つい歌い踊ってしまう。現代のプリンセスの歌で集まってくれた動物のお友だちは、ネズミとかハトとかハエとかゴキブリだとしても(笑)。セントラルパークで、みんなで歌って踊るシーン。すっごい楽しかったぁ~!ディズニーランドのパレードみたいで。ああいうの、大好き♪一緒に踊りたい!そんな迷えるジゼルに運悪く?出会ってしまったのは、スーパーリアリストで、幼い娘すら下手な夢は見さすまいと、おとぎ話を読ませないシングルファザー、ロバート。それでもやっぱり女の子は、おとぎ話が大好き。本物の?おとぎ話のお姫様、ジゼルと意気投合。しかし、ロバートの生活はひっちゃかめっちゃかにされちゃう。何しろ、この世は愛と歌と魔法でできていると信じているお姫様、普通の常識が、通じないんだもの。何があってもめげない、そんな愛と奇跡を高らかに歌うジゼルに、もう限界!と一時はキレながらも、徐々に感化されていく。それこそが、魔法なのかも!いや、愛の力か?単に、ジゼルが危なっかしかったから?そんなジゼルを全く見捨てて置けなかったロバートは、やっぱりいい人だったんだ。たとえ、クライアントや婚約者を怒らせたとしても。それがきっと、「魔法(愛)の力」なんだろな。魔法も愛の力も永遠の愛も、信じられなくなった現代人。だけどもきっとそれはある。ジゼルを助けようとニューヨークまでやって来た勇敢な王子と、5年間も付き合ったあげく、他の女に奪われてしまった彼女も、ハッピーエンドでよかった。さすがディズニー映画(笑)。続編ができるみたいだけど、面白そう。ジゼルとのその後の生活がどうなったのかも知りたいし、(ケンカというか、すれ違いばかりが描かれそうな予感(笑))なんでシングルファザーになったのか、なんてとことか、ぼやかしてあったしね。ディズニーが「魔法にかけられて」続編製作へオリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 魔法にかけられて 公式サイト映画レビュー
2010.02.09
『崖の上のポニョ』崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョと出会う。アタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたところを、宗介に助けてもらったのだ。宗介のことを好きになるポニョ。宗介もポニョを好きになる。「ぼくが守ってあげるからね」しかし人間を辞め、海の住人となった父・フジモトによって、ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。人間になりたい!ポニョは、妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、再び宗介のいる人間の世界を目指す。危険な力を持つ生命の水がまき散らされた。海は膨れあがり、嵐が巻き起こり、妹たちは巨大な水魚に変身、宗介のいる崖へ、大津波となって押し寄せる。海の世界の混乱は、宗介たちが暮らす町をまるごと飲み込み、海の中へと沈めてしまう。公開された時もその後も興味なかったので見なかったんですが、先日TV放映されてたので、見てみました。見ず嫌いはやっぱりイケナイからね。と思ったんですが。。。やっぱり好きくない(爆)。まず、ポニョがかわいくない。小さくて丸くて可愛い~♪とかじゃなくて、ビジュアル的にね。美しくない。映画のヒーローヒロインは美しくないと。魚状態のポニョもかわいくないけど、半魚人というか、手足の生えた半魚鳥状態のポニョは、普通に気持ち悪い。あれがなんで可愛いの?あんなぬいぐるみが、なんで売れるの?全く分からない。ストーリーも意味不明。Don't think, feel itなんだろうけど、分からないものは分からない。子供の純粋な心と柔らかい頭で見ればいいのかもしれないけど、そんなもの、とうの昔に掻き消えてしまってるし。大体は、分かるよ。要するに、人魚姫モチーフなんでしょ?人間に恋した人魚姫が足が欲しいーってことなんでしょ。で、その代償が、町が海に沈む、ってこと??ほら、意味不明。普通にホラーというか、町が海に沈んじゃってるのに、なんでみんな平気でニコニコしてるのよ?もしやここは死後の世界…?と思ったら、そうでもないし。とかいう何かの暗喩が含まれてるのか?とも思ったけど、それも分からなかった。宗介は5歳のくせに、やたらしっかりしすぎてるし。宗介の母親は、やたらぶっ飛ばしすぎだし。これが、全くのファンタジーの世界のお話ならいいんだよ。『ハウル~』みたいにさ。だけどこれって、今私たちがいる世界、って前提でしょ?前提してなくても、そうとしか見えないし、そうとして見てる。それなのに、そこでこんな不可解なことが起こるってのは、なんかどっか違和感あるワケで。オバケとかサンタさんとか、普通に存在してるんだから、変態する魚がいたっておかしくないし、水の中で人が生きてたって、おかしくない。そういう子供的な視点からみたら、多分違和感ないんだろうけど。残念ながら、大人になっちゃったし。もともとジブリの子供向けというか、トトロとか全く好きじゃないし。なんであんなに人気があるのかが、全く理解できない。メイも可愛くないしさ(爆)。私の中のジブリNo.1は『ナウシカ』だし。ナウシカ以外では、『ラピュタ』と『紅の豚』が好き。基本、空を飛ぶのが好き。ストーリーもちゃんと筋道通ってるし。異世界だとしても、ファンタジーだとしても。ポニョが地上に行くのを必死で止めようとしていた父親。あれは自分が後悔してるからじゃないんだろうか?彼も幼い頃、ポニョのような女の子に出会って恋をして…。それがポニョママなんだろうけど、多分、それで辛いことがあったんじゃないだろうか。ずっと一緒にいられない、とか。。。と、ワケ分かんねーなんて言いながら、ちょっと真面目に考えちゃったり(笑)。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 崖の上のポニョ 公式サイト映画レビュー
2010.02.08
『おしゃれ泥棒』シャルル・ボネは美術品収集家として知られているが、実は贋作画家で、自分で制作した作品を、競売にかけていたのであった。シャルルのコレクションに疑問を抱いた美術商のソルネは、探偵のシモン(ピーター・オトゥール)に調査を依頼する。シモンはシャルルの家に潜入するが、シャルルの娘ニコル(オードリー・ヘプバーン)に見つかってしまう。とっさにシモンは自分は泥棒だと嘘をついた。シモンの素性を信用したニコルは、父が美術館に貸し出した、贋作のヴィーナスを盗み出すことを依頼する。ピーター・オトゥールの、あの蒼い目!先日TVで放映されてた『トロイ』でも、老いてはいたけれど、ギリシャの海を思わせる吸い込まれそうな蒼い目は健在。オードリーの映画は、どれも衣装が素敵。当時の(今もだけど)有名服飾デザイナーたちが、こぞってオードリーのために服をデザインし。それが瞬く間に世界中の流行になる。全世界の女性が夢中になる素敵な衣装に身を包み、コケティッシュなフランス娘を演じるオードリー。贋作を売りさばいて儲けている父親をどうしても止めさせたい。だけどもそんな娘の心配を一笑に付す父親は、贋作のヴィーナス像を美術館に貸し出す。そこに、大事件が持ち上がる。鑑定されないだろうとたかをくくっていたヴィーナス像が、検査されることに!父親を助けたい一心で、自宅に忍び込んだ泥棒に、ヴィーナス像を盗んでくれと頼む。ところがその泥棒は、実は…。2人で作戦を練り、美術館に忍び込み、警備の目を誤魔化す。狭い物置に2人きりで閉じ込められたスリリングな状況で、恋が生まれないハズがあろうか!(笑)シモンの作戦と機転で、無事盗み出したヴィーナス像は、結婚するはずだったニコルと交換に、収集家の手へ。結局、保険は下りなかったけれども…という最後のオチが、また効いていて。清楚なだけでない、魅惑的なオードリーが魅力的な、ほんとにオシャレな映画でした。How To Steal A Million - Soundtrackランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.02.08
『ジュリー&ジュリア』ニューヨークで暮らす派遣OLのジュリー(エイミー・アダムス)は、料理人のジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)が、50年前に試みたように、フランス料理をマスターしようと決意、ジュリアの遺した有名料理本の全レシピに挑戦する。そして、料理の深い愛情とジュリアの導きによって腕を磨き、365日で524の全てのレシピを制覇したジュリー。ジュリアの教えを吸収した彼女は、料理に対する情熱をもって、自分自身の人生にも大きな変化を起こしていく。有楽町のシャンテで見たのだけれど、こんな小さい映画館は、子供の時以来。シネコンができてからは、町の小さな映画館はなくなっちゃったし。外のチケットブースでチケット買うっていうのすら、なんか新鮮。館内は200席弱くらい?前日にネットで予約しようかな、と席を見てみたところ、全然ガラガラだったから大丈夫だろう、と思ってたら、ほぼ満席。その客層を見て、ネットで見た時空席が多いのが分かった。場所のせいか映画のせいか、年配の方ばかり(笑)。さて映画は。クレーム処理の仕事をしているアラサーのジュリーは、バリキャリの友人たちに囲まれて、自分だけ取り残された気分。仕事も人の愚痴ばかり聞かされて、凹みまくる日々。友人の一人がブログを始めたことを知り、「私も始める!」と意気込んでみたものの、さて何を書こう…。夫の「好きなことは?」という言葉に、料理ブログを始めることに。それも、ただの料理ブログではなく、50年前、アメリカの家庭料理に革命を起こしたジュリア・チャイルドの、524のレシピを365日で再現する、というもの。一方、外交官の夫に着いてパリに引っ越したジュリアは、大使の奥様たちの集まりに退屈。「何か始めようかしら?」というジュリアに、「好きなことは?」と夫。「食べること!」とジュリアは、ル・コルドン・ブルーへ入学。何事にも真剣で前向きで楽天家のジュリアは、失敗を重ねながらも、フランス料理をマスターしていく。そして、パリに住むアメリカ人主婦に、料理を教えることに。書き溜めたレシピをアレンジして出版しようと思いつくも、なかなか出版してくれる出版社が見つからない。それでもめげないジュリア。ほがらかな彼女はみんなに愛され、夫のポール(スタンリー・トゥッチ)も、そんなジュリアを暖かく見守る。この夫婦は、すごくいい感じ。こんな夫婦なら、憧れる。一方現代のジュリーは、毎日料理をするというプレッシャーに、押しつぶされそうに。料理は上手くいかないし、仕事は相変わらずだし、仕事も家庭も料理も上手くできない私なんて!とイライラし、夫に当り散らす。こんなブログを、読んでくれている人が、いるのかしら…。夫にもやめちゃえば?と言われ、逆に意地になって続けるジュリー。そして、変化は少しずつ起こってくる。。。ジュリアの大らかさやジュリーの失敗に、笑い声が上がる。そしてちょっぴりの涙。付け合せに、勇気を忘れずに…。料理が好きでない私だけども、誰かに作ってあげたい、いや、誰か美味しいお料理作って!と思った映画でした(笑)。原作が気になる。読んでみよう。『ジュリー&ジュリア』 著:ジュリー・パウエル『いつだってボナペティ!』著:ジュリア・チャイルド /アレックス・プルドームランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 ジュリー&ジュリア 公式サイト映画レビュー
2010.02.07
『麗しのサブリナ』サブリナ(オードリー・ヘプバーン)は大富豪ララビー家の、お抱え運転手の娘。年頃の彼女はララビー家の次男、プレイボーイのデビッド(ウィリアム・ホールデン)に夢中だった。かなわぬ恋に悩む娘を心配した父親は、サブリナを、パリの料理学校へ送る。2年後、エレガントに成長して帰国したサブリナに、今度はデビッドが夢中になる。仕事人間の長男ライナス(ハンフリー・ボガート)は、サブリナを、再びパリへ追いやろうと計画する。女の子なら誰でも憧れる?シンデレラ・ストーリー。大富豪のお抱え運転手の娘は、その家の息子に恋をするが、見向きもされないどころか、存在を知られているかさえ覚束ない。そんな娘を不憫に思った父親は、娘をパリへ留学させる。料理学校へ入学した娘を、コメディタッチでテンポよく見せ。しかし娘の恋心は消えない。2年後に帰ってきたサブリナを、そうとは分からずに口説き、自宅に送って行くプレイボーイのデビッド。パリで料理だけではなく、優雅さと気品とおしゃれと、そして「自信」を学んできたサブリナ。夢中だったデビッドを逆に夢中にさせたサブリナ。月に手を伸ばしていた娘は、今度は月が手を伸ばしているのよ、と、「ラ・ヴィ・アン・ローズ」を口ずさむ。その自信に溢れた姿は、恋破れて自殺を図ろうとした娘とは、まるで別人のよう。しかし、使用人の娘と弟を結婚させるわけにはいかない兄は、なんとかサブリナをデビッドから引き離そうと画策。遊び人の弟と違い、仕事一筋の堅物兄貴が一生懸命、サブリナと慣れないデートをする。またそれが、女の子なら誰でもうっとりするような、ゴージャスなシチュエーションに、心憎い演出。素敵なデートと、不器用なライナスに、心揺らぐサブリナ。あんなにデビッドのことが好きだったのに、そんな簡単に!?デビッドへの恋心は、見てくれや派手さに惹かれる少女の初恋、ライナスへの想いは、大人の女性としての愛、というところか。だからこそ、ライナスの行動が全て自分を厄介払いするため、と知った時も、取り乱すことなく、静かに去っていく。少女は本当の恋をして、すっかり大人になってしまった。全編にわたって、オードリーの魅力満載。全てのファッション、全ての仕草が愛らしく。あの有名な、「サブリナパンツ」姿。そのストーリーと相まって、誰もが真似したくなるのも納得。しかしあまりに細すぎて、イブニング姿はもうちょっと、ボリュームがあってもよかったかな、なんて思ったり。当時も観客を魅了し、そして今も色褪せないオードリーの、キュートさ溢れる1本でした。ランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】映画レビュー
2010.02.05
『犬と私の10の約束』あかりは、大学病院に勤務し仕事で多忙な父・祐市(豊川悦司)と、母・芙美子(高島礼子)の大らかな愛情に包まれた日々を送っていた。ある日、帰宅したあかりが自宅の庭にいる小犬を見つけて喜ぶが、母が倒れ、勤務する病院に運び込まれたと父から電話がある。庭にいる子犬は一旦立ち去るが、悲しみにくれるあかりの前に、再びやってくる。子犬を飼うことになったあかりは、前足の片方が靴下を履いたように、白いゴールデン・レトリバーを、「ソックス」と名付ける。子犬のソックスが登場した場面から、涙涙。もう動物モノ、特に犬モノはダメだね。反則だよ。もう、「犬の十戒(下記参照)」を読んでるだけで、涙出る。これはワンコを飼ってる人は、涙なしには見れないだろな。みんなが我が身と重ねて見てしまうんじゃないか。「ちゃんと私は十戒を守れてるだろうか…」って。ストーリー的には、人間のあれやこれやはいらないよ、と思ってしまったけれど。たとえば、あかりと星くんの恋愛とか。それであかりの気持ちが、ソックスから離れてしまった、と表したかったのかもしれないけど、なんか中途半端というか。あかりの母親が亡くなっちゃうのは、ソックスが母親代わり、という筋書き的に、必要だったんだろうけれど。ソックスが死んだ後、あかりが結婚とかそういうくだりも、余分だったような。2人が結婚して、ソックスに似た子犬を飼いました、とかいうのがあったのなら、分かるけど。ソックスが死んじゃうシーンで大泣きしちゃったから、そのまま終わってよかったのに、と感じたからかもしれないけど。2人の子役がそれぞれ、大人になった2人(田中麗奈、加瀬亮)に、そっくりだったのが驚き。演技としては…ソックスの方が上手だったけど(爆)。犬の十戒。1. 私と気長につきあってください。2. 私を信じてください。それだけで私は幸せです。3. 私にも心があることを忘れないでください。4. 言うことをきかないときは理由があります。5. 私にたくさん話しかけてください。 人のことばは話せないけど、わかっています。 6. 私をたたかないで。本気になったら私の方が強いことを忘れないで。7. 私が年を取っても、仲良くしてください。8. 私は十年くらいしか生きられません。 だからできるだけ私と一緒にいてください。9. あなたには学校もあるし友だちもいます。 でも私にはあなたしかいません。10. 私が死ぬとき、お願いです、そばにいてください。 どうか覚えていてください、私がずっとあなたを愛していたことを。うちのワンコも今年の5月で13歳だものなぁ。。。「犬の十戒」、守れてるかなぁ。守れてないなぁ。あーらくちゃんに会いたい…。クリックすると、らくちゃんスライドショー↓『犬と私の10の約束』 著:川口晴美ランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 犬と私の10の約束 公式サイト映画レビュー
2010.02.01
『Dr.パルナサスの鏡』を、レイトで見てきました。とその前に、コールドストーンクリーマリーのアイスを。相変わらず食べかけですみません。バレンタイン限定の、ホワイト ティンカーラブ。アイスってあんまり好きじゃなくって、夏でもほとんど食べないけど、ここのはつい食べたくなっちゃう。今度はハグミーチョコベリー食べてみよっと。さて、映画。2007年、ロンドン。人の心に抱いている想像の世界を具現化してみせる魔法の鏡、「イマジナリウム」。それを出し物に、劇場仕立ての馬車で巡業をしている、旅芸人の一座がいた。科学者でもある座長のパルナサス博士(クリストファー・プラマー)、その美しい娘ヴァレンティナ(リリー・コール)、こびとのパーシー、曲芸師の若者アントン。実は博士には、大きな秘密があった。娘ヴァレンティナが16歳になった時、悪魔(トム・ウェイツ)に差し出すことと引換えに不死を手に入れていたのだ。もうすぐ期限は迫ってくる。橋の下に吊されていた謎の青年、トニー(ヒース・レジャー)が、一座に加わったことで、事態は思いがけない方向へと進んでいく。過去なのか現在なのか分からない、摩訶不思議な映画。現実なのか幻想なのか分からない、摩訶不思議な世界。亡くなった1人の俳優を、3人の俳優が代わりばんこに演じる。それだけでなんだか、摩訶不思議な感覚がして。鏡の世界に入るたびに、違う顔の男がいて。だけどもそれは全然、違和感がなくて。ストーリーは…奇奇怪怪(笑)。一言で言ったら、人の欲望を具現化する鏡の存在と、悪魔との取引、という2つのテーマが交差する物語、かな。鏡の中に入った人を、果てしない欲望から救う一方で、自分は決して勝てもしない悪魔とのゲームに懲りずに挑む。愛する一人娘を手放したくないがために。娘が16才になったら悪魔に引き渡す、というのは、娘が成長し、父親の手を離れることの象徴なんだろう。そこに現れるトニーは、娘を外の世界へと連れ出してくれるもの、外の世界へと踏み出す勇気を与えてくれるものなのかも。それにしても、主演が半ばでなくなった映画を、よくぞここまで繋げたもんだ。ヒースの大ファンってワケでもなかったけれど、ヒースが出てくるたびに、あぁ…ってやっぱり思っちゃった。もう出てこないのかな…と思ってたらまた出てきてくれたりして、それが嬉しかったり。ジョニデもジュードもコリンも、それぞれすごい俳優なのに、まるでほんとにヒースの顔が変わっただけ、ヒースの別の面が現れてるだけ、という違和感のなさ。さすがです。悪魔の鏡に飛び込んでいった愛娘を探し続けるパルナサス博士。その姿はちょっと哀しかったけれど、最後はあぁよかった、と。結局、1000年も生きているというパルナサス博士は、今後もきっと懲りずに悪魔の暇つぶし(笑)に、付き合わされるんだろうな、と(笑)。さて、私がパルナサス博士の鏡の中に入ったら…。一体何が見えるんでしょうか??SMAPに囲まれてあんなことやこんなことや…♪(妄想)Imaginarium Of Doctor Parnassus(輸入盤)ランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 『Dr.パルナサスの鏡』公式サイト映画レビュー
2010.01.30
『近距離恋愛』トム(パトリック・デンプシー)と、ハンナ(ミシェル・モナハン)は、大学時代から10年来の大親友。そんなある日、ハンナがスコットランドへ6週間の出張。彼女のいない週末がハンナへの恋心をトムに気付かせていく。ようやく帰国したハンナに自分の想いを伝えようとした矢先、ハンナは突然、出張先で出会った男との婚約を報告。さらには、本来親しい女性が務めるはずの花嫁付添い人(Maid of Honor)になってほしいと頼む。結婚式までの2週間、花嫁付添い人として式の準備を進める一方で、なんとか自分の気持ちを伝えようと奮闘する。そして、ついにハンナの結婚式当日が訪れる。いいなぁ♪と、うっとりして見てしまった。ニューヨークの街並みに(爆)。あーここも行った!ここも行った!ってそれが気になって、映画に集中できなかった、ワケじゃぁないけど。しかし、羨ましい。こんな男女の友情。まさに友達以上恋人未満ってヤツ?そもそも、ウマの合う相手、好意や興味のある相手だからこそ、「友達」になるのだから、その一線を越えてしまう可能性ってのは、常にあって。そんな中で10年も友情をキープし続けてきたってことが、すごいのか、鈍いのか(笑)。でもただの友だちなのに、あんなにベタベタするもの?お互い必要以上に異性として意識してないから、できるの?あんなに近くにいるのに、気持ちに気づかないなんてこと、あるの?あんまり長いこと近くにいすぎて、逆に気づかなくなっちゃうの?なんとなくもどかしくもあったり、でも今更という気持ちもあったり、ベストフレンドとしてこのままでいいかと思ったり。そんな2人に、転機が訪れる。ハンナのいない間、色んな女の子とデートするトムだけれど、ハンナほど気の合う相手はいないと気づく。ハンナのことが好きなんだ!とやっと悟り、それを伝えようと、スコットランドから帰国したハンナに会いに行くと…。時すでに遅し。そこからトムの奮闘が始まるも、全く勝ち目なしの相手。相手が実は結婚していたとか、ロリコンとかマザコンとか(笑)、何か欠点があって、それでハンナが離れていくとか、そういう映画的に都合のよい展開にはまったくならず。トムはなんとかして、自分がどれだけハンナのことを好きか伝え、この結婚をなんとかして思いとどまらせなければならない。自分の男友達の協力があったり、ハンナの女友達の邪魔が入ったり。やっと想いを伝えるチャンスが!しかしそれがキッカケで結婚式前日に、トムはハンナの元を去る。最後はまるで映画のような(笑)ハッピーエンドだったけれど、でもあれって、花婿的にはたまらんよね。過去何度も映画で繰り返されてきたシーンだけれども、実際にあんなことになったら、裁判沙汰になりそう。久しぶりに男友達に連絡してみようかな、なんて思った1本でした。ランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 近距離恋愛 公式サイト 映画「近距離恋愛」特集映画レビュー
2010.01.29
『最高の人生の見つけ方』実直な自動車整備工のカーター(モーガン・フリーマン)と、豪放な実業家エドワード(ジャック・ニコルソン)は、ガンで入院した病室で出会い、ともに余命半年を宣告される。“棺おけに入るまでにやっておきたいこと”を書き出した、“棺おけリスト”を作った2人は、リストを実現させるため、人生最後の旅に出る。ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマンという、2人の大俳優の名演というか怪演が、さすが。画面上にいるだけで圧倒されそうな2人が、人生の末期を迎える老人を切なく、そしておかしく演じる。病室で出会った、それまでの人生で何の共通点もない2人。唯一同じなのは、余命半年ということ。普通に生きていたら決して交わることのなかった2つの人生が、病室で出会う。今までの人生がずっとそうだったように、「諦め」という形で、静かに死を受け入れようとするカーター。ジョークと皮肉で、自分の死をも笑い飛ばそうとするエドワード。どちらもその裏には、死への恐怖と、生への未練があり。最初は我関せずだった2人が意気投合するのに、時間はかからず。カーターの(無難な)「棺おけリスト」を見たエドワードは、面白半分にムチャクチャな願望を書き込み、「全部実行しよう!」と、カーターを病院から連れ出す。真面目一筋、家族のために必死で働いてきたカーターは、エドワードの奔放さ、傍若無人さに呆れ、反発しながらも、2人旅を楽しむようになる。カーターの四角四面さ、融通のきかなさに辟易しながらも、世界中を連れ回すエドワード。ただの「願望」だったカーターのリストが、次々に実現していく。それと共に、2人の間も、ますます深くなっていく。40何年間、ずっと我慢してきたカーター。それは決して不幸な人生ではなかったけれど、自分の望みや願いは、いつも後回しで。4回結婚したけれど、今は独身を謳歌しているエドワード。自分の好き勝手に生きてきたけれど、どこかいつも、何となく何かが足りないような気がしていて。しかし、逃れられない運命が、常に2人にはあり。「涙が出るほど笑う」ことを一緒に叶えた2人。そしてエドワードは1人で、「世界一の美女にキスをする」。死を目の前にした2人の老人のハチャメチャっぷりに笑い、そして涙。人生の最後に、お互い足りないものを見つけ、満たした2人。そんな風に、人生の最後に満たされ笑うことができるなんて、なんて幸せな最期だろう。余命半年と宣告されたら、何しよう?エドワードほど大金持ちだったらば何でもできるけど、「死ぬ気になれば何でもできる」つったって先立つものがなりゃ、出来ないよな。一人で寂しくても、エドワードのような生活がしたい…、なんて思ってしまった私には、最高の人生は見つけられないな(爆)。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 最高の人生の見つけ方 公式サイト映画レビュー
2010.01.28
『俺たちフィギュアスケーター』マッチョで派手好きのマイケルズ(ウィル・フェレル)と、ナヨナヨしたナルシスト、マッケルロイ(ジョン・ヘダー)は、同点1位になったことから世界選手権で乱闘を繰り広げ、スケート界から永久追放に。3年後、お互いにスケートへの未練が断ち切れない2人は、史上初の男子ペアを組んで再びスケートリンクに上がる。軽く見られて笑えるような映画を…と思い目に付いたので、見てみました。いやぁ、笑った!男ペアでフィギュアスケートって、そのシチュエーションだけで、十分笑えちゃうけど、その期待を裏切らない笑いどころ満載。マッチョでセックスアピールむんむんのマイケルズと、女の子のように繊細なフィギュア界の貴公子マッケルロイ、まるで水と油、いや、火と氷のような2人は、ことあるごとに対立。そしてとうとう、同点1位となった世界大会の表彰式で大乱闘、男子フィギュアスケート界から追放の憂き目に。過去の栄光なんぞ、どこへやら。パっとしない毎日を送っているマッケルロイの前に、彼の大ファンのストーカ男が現れる。そのストーカー男の言うことには、追放された人間は、その競技にはでることはできない、すなわち、ペアなら出れる、と。それを聞いたマッケルロイは、同じく追放されたマイケルズを訪ねる。もちろん、すんなりと受け入れられるハズはなく、売り言葉に買い言葉で成立したペア。日常生活も共にするんだとコーチに無理やり2人暮らしさせられるも、犬猿の仲の2人は衝突してばかり。練習だってメチャクチャ。だけども、スケートへの情熱は少しずつ戻ってくる。酔っ払って田舎の町のアイスショーに出ていたマイケルズ、養父に捨てられ、スケート用品店で働いていたマッケルロイ。それしかできないのだろうけど、それってやっぱり、スケートに未練がある、と言うことだよね。その意外な組み合わせと、もともと1位になった2人の実力で、とんとん拍子に駒を進めていくけれど、強力なライバル出現。実生活では夫婦の2人が、双子のペアを演じるこの2人もまた、濃いキャラで。悪いヤツが痛い目に合うという、お決まりのパターンながらも、そのマヌケなワルっぷりにまた爆笑。唯一の1位になれず、養父に捨てられたマッケルロイ、養子にすらなれなかったマイケルズ、双子の兄と姉に虐げられ、こき使われていたケイティと、切なく考えさせられるシーンも、笑いで含みながらも描きつつ。北朝鮮での衝撃的な映像が明かす超危険な大技に、男子ペアだからこそできると挑む2人。それは2人の信頼関係がなければできないこと。とまぁ、思ったとおりにストーリーは進んでいくのだけれど。男同士でしかできないリフトやジャンプに感心したり笑ったり。マッケルロイ役のジョン・ヘダー、どこかで見た覚えが…、と思ったら、ナポレオン・ダイナマイトじゃないですか!あの口ポカーン、相変わらずだ。イケメンなのに、どうしてこんな映画(失礼)ばっかりに、出てるんだろ?彼は。あまりのバカっぷりと、フィギュアの完成度の高さのギャップに、大笑いさせていただいた1本でした。ランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 俺たちフィギュアスケーター 公式サイト映画レビュー
2010.01.26
『ヤング@ハート』平均年齢80歳のロックンロール・コーラス隊「Young@Heart」の、音楽ドキュメンタリー。1982年、アメリカ・マサチューセッツ州の小さな町、ノーサンプトンに誕生したコーラス・グループ「Young@Heart」は、世界中を飛び回る。花形スターアイリーンは、92歳のかわいいおばあちゃん。癌を患って3回も手術をした83才のジョーは、お医者さんに止められてもヨーロッパ・ツアーに行くような、頑固で歌が大好きなおじいちゃん。そんな彼らが1年に1回のコンサートに向けて、ソニック・ユース、ラモーンズ、ボブ・ディラン、トーキング・ヘッズの曲の練習を、重ねていく。しかしコンサートまでの6週間の間に、メンバーには、さまざまなことが起こる。歌うことは生きること、生きることが歌うことの彼らの姿に、笑いと感動が生まれる。「元気なおじいちゃんとおばあちゃん」の真実の感動物語。なんて元気なじーちゃんばーちゃんたち!最高年齢92歳のおばあちゃんが、ステージに立ち、ロックンロールをシャウトする。心臓発作でも起こしゃしないか、足がもつれて転びやしないか、なんて、見てるこっちの心配なんて吹っ飛ばすかのような、パワフルなご老人たち。好きな音楽はクラシック、というじいちゃんばあちゃんたちが、「イマドキ」のロックやポップスを歌う。歌詞もメロディーもリズムも、なかなか覚えられない。指揮者のボブ・シルマンに怒られ、さじを投げられる。それでも、欠かさず練習にやってきて、歌う歌う歌う。歌が好きだから。歌っていると痛みを忘れられるから。みんながいるから。病気で一旦は引退したものの、やっぱり歌うことが好きだと、戻ってきた明るいおじいちゃんおばあちゃんたち。しかしそんな彼らに、悲しみがやって来る。コンサートの1週間前に、仲間が2人も立て続けに亡くなる。コンサートを中止しようかと問うスタッフに、悲しい時こそ歌うんだ、彼らだってそれを臨んでいる、と言うメンバーたち。最高齢のアイリーンが言う。私が亡くなっても歌を歌って、と。虹に腰掛けて私は見ているから、と。だから、私たちは彼らのためにも歌うんだ、と。そう言ったアイリーンも、今は虹に腰掛けて聞いている。それは避けられない、リアルストーリー。おじいちゃんおばあちゃんたちの、決して上手くはない歌。ちょっとテンポのズレるリズム。だけどもそれは、明るさと楽しさと、喜びに溢れている。「この年齢の年寄りがここまでやるからすごいんだ」というのも、確かにある。見世物的なものも、あるかもしれない。けれどもそれだけではない、力強さと希望と夢がある。何かをやるのに、遅すぎるということはない。体さえあれば、生きていさえすれば、体が不自由だろうと、病気持ちであろうと、生きている喜びを感じることができる。そんなことを教わった、1本でした。映画の中でじいちゃんばあちゃんたちが歌ってるのが聞けます。→劇中使用楽曲視聴3月に、Young@Heart Live in Japanにも、行きます!オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 映画「ヤング@ハート」公式サイト Young@Heart Live in Japan映画レビュー
2010.01.24
『不都合な真実』地球温暖化の問題に熱心に取り組んできたアル・ゴアの、スライド講演の様子を、彼の生い立ちを辿ったフィルムを交えつつ、構成したドキュメンタリー映画。過去の豊富な気象データや、温暖化の影響を受けて、衝撃的に変化した自然のフィルムを数多く使いながら、この問題を直視しない政府の姿勢を批判し、人々が、生活の中で環境を守る努力を続けることの重要さを訴えている。誰にとって「不都合」なのか。その前に、そもそも何が「真実」なのか、だけども。確かに人間は地球を痛めつけている。そのしっぺ返しが、近年世界中で起こっている異常気象の頻発や、生態系の崩れとして現れているのかもしれない。だけどもそれは本当に、私たち人間のせい…?というのも、あんまりこういうのを見て、「そうだよねー、だから地球環境をよくしよう!エコだ!」なんて思わない天邪鬼な性質だから、というか。今の温暖化だって、長い長い地球時間で見れば、過去に何度も繰り返されてきた間氷期にすぎない、地球の温度は上がりすぎているわけではない、という説も、多数あるし。ただそれを経験するのが、人類にとって初めて、というだけで。なんて言ったらそれこそ、アル・ゴアさんが対立してた、某前大統領みたいだけど。でも、だから全くそんなこと無視してガンガンCO2出せ、環境問題なんてクソクラエ!なんて思ってるワケではなくて。限りある資源は石油も森林も含めて全部、大切にしなきゃだし、空気も水も、汚れているよりは綺麗な方がいいに決まってる。でも、この今現れている環境の変化を全て、人間の不始末のせいにしていいのか、と思う。確かに人類の産業革命によって、地球環境は劇的に変わってきた。ここ数十年で、自然の力では浄化が間に合わないほどのスピードで、汚染されてきた。でもそれならばなぜ、人類は火を使うことを許されたのか?それも自然の意思だったんじゃないのか…?「不都合な真実」とは、「人類にとって」不都合なだけかもしれない。だから必死で止めようとしているのかもしれない。人類が滅ぶかもしれないことを。この今いる温暖で平和で人類にとって過ごしやすい地球が、永遠に変わらないように。一方動物たちにとっては、地球がそうあるべきだと示すのなら、そうなるんだろう、と、不都合でもなんでもないのかもしれない。過去の恐竜や、マンモスたちのように。人類が守ろうと守るまいと、多くの種が生まれ、多くの種が絶え。人類もその一つのサイクルにすぎないんじゃないか、だったら、人類が必死で止めようとしてもそうなるんじゃないか、なんて斜めから見てしまった、映画でした。アル・ゴア氏の講演の様子は、とても分かりやすいものだったけれど。でもそれだって、講演する側にとって不都合な真実は、出されるはずもないのだしね。『不都合な真実』 著:アル・ゴアランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.01.19
1837年、ウィリアム王(ジム・ブロードベン)が病に倒れ、王位継承権を持つビクトリア(エミリー・ブラント)は、王室の権力争いに巻き込まれていた。従弟のアルバート(ルパート・フレンド)も次期女王の夫の地位を狙い、送り込まれた1人であったが、2人は激しい恋に落ち、結婚することに。イギリスの黄金期を夫婦で支えた女王とアルバートだったが、真のきずなを結ぶまで、母親との確執や政治家との駆け引きなど、数々の波乱と困難を乗り越えなければならなかった。同じくイギリス女王を題材とした『エリザベス ゴールデン・エイジ』ほど、ドラマティックな展開はなく。原題の「The Young Victoria」の通り、ヴィクトリア女王の若かりし頃、彼女の悩み、葛藤、迷い、喜び、そして恋を描いている。王位継承者として、子供の頃から常に護衛され監視され。同年代の子供たちのように本を読むことも歌を歌うことも、外を駆けることも許されず。戴冠式の時の、弱冠18歳の彼女の顔がたまらなく不安げで、だからこそ、そこに付け入る男たち。母親までも、摂政の位を狙うずる賢い男の言いなりで、ヴィクトリアを守ってもくれず。そんな中、若く経験不足ながらも、国民のよき女王であろうと、必死に試行錯誤するヴィクトリア。何よりラッキーだったのは、愛する人を夫とすることができたこと。そしてその人も、同じくらい愛してくれたこと。結婚は、政略の一つでしかなかった時代に、それはほんとうに稀なこと。アルバートも、最初はその駒の一つに過ぎなかったけれど、ヴィクトリアの美しさと聡明さに惹かれ、伯父の思惑を退け、本心でヴィクトリアを愛するようになる。ヴィクトリアも、一度はアルバートを遠ざけたものの、自分の人生とイギリスにとって必要な人だと気付く。その上、そのアルバートが頭も切れ勇気もあり。これがボンクラだったら、傾国の一途だったろうけど、そうではない男を選び愛したヴィクトリア、ということか。選ぶ男1人違っただけで、歴史は大きく変わってたろうなぁ。またこのアルバート役の俳優さん、イケメンです。なんとなくオーランド・ブルーム風だけど、オーリーをもうちょっと上品にした感じかな(爆)。ヴィクトリアとの再会シーンなんて、乙女なら誰でも胸キュンもの。なにあのカッコつけ、と思いつつ、ときめき間違いなし(笑)。ただもうちょっと、戴冠式の風景や、結婚式の風景を、じっくりと見せてくれてもよかったかなーと。あまりにさらりとしすぎていて、愛のヴィクトリアン・ジュエリー展をせっかく見たのに、その衣装や宝飾品を堪能できなかった。アルバートとの間に9人の子をもうけ、20年の共同統治によって、「太陽の沈まない帝国」と呼ばれた時代をイギリスにもたらしましたとさ、で映画は終わっちゃったのが、ちと物足りなかったけど、平和な時代は物語になりにくいのね。江戸時代が大河ドラマにならないのと一緒だな。しかし、16人もの子を産んだマリア・テレジアといい、女王業ってのは、そんなにヒマなはずないと思うんだけど。いや自分で育てるわけじゃぁないから、そんなに大変でもない?自分で授乳してないからこそ、次から次に懐妊できるんだろうし。でも大きなお腹を抱えての女王業ってのは…だからこそ女王なのか。女王が生まれ、そしてそこで王位継承を聞いたというケンジントン宮殿、一昨年行きました。ケンジントン宮殿前の、ヴィクトリア女王像。ヴィクトリア女王がそこに住み、以来イギリス王室の公式の宮殿となった、バッキンガム宮殿の衛兵交代。バッキンガム宮殿前の、ヴィクトリア記念碑。不安げだった少女の面影もない、堂々たるおばさん(笑)。『ヴィクトリア女王』 著:川本静子/松村昌家『ヴィクトリア女王』 著:君塚直隆【参考】 ヴィクトリア女王 世紀の愛 公式サイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.01.17
フラッシュでポスター光っちゃいました。戦争で負傷し、車いす生活を余儀なくされた元海兵隊員の、ジェイク(サム・ワーシントン)。彼は死んだ兄の代わりとして“アバター・プロジェクト”に加わる。それは、地球から遥か彼方の衛星パンドラで、莫大な利益をもたらす希少な鉱物を採掘するための事業。人間に有害なパンドラの環境で活動できるよう先住民ナヴィと、人間のDNAを掛け合わせた肉体“アバター”が造られていた。ジェイクに課せられた任務は、そのアバターに意識をリンクさせ、パンドラで生活し、ナヴィ族との交流を図ることだった。『クリスマス・キャロル』、『カールじいさんの空飛ぶ家』と、3D映画のすごさは十分に知ってたけど、やっぱ実写の3Dは違う!こっち飛んでくるからね、破片とかがバンバン。パンドラも、すごく美しい星。恐ろしい獣や虫なのか何なのか分からない猛獣も住んでいるけれど、夜ともなると発光する植物や動物たちが、森を優しく照らす。岩は宙に浮かび、ナヴィたちは怪鳥に乗って大空を駆け巡る。青いナヴィ族の彼らの肌は、爬虫類ぽいといえばぽいけど、そのウエストの細さが羨ましい(爆)。宇宙人だけど、地球人のように二本足で歩行し、手は物を掴み、眼で見て耳で聞いて口で話すようになっている、という。重力や空気組成の違いはあっても、生物の進化の行程ってのは、行き付く姿は、似たようになるものなのか?なんて、そんなことはどうでもよくて。地球にとってものすごく価値のある鉱石が、この星にはあって。それが欲しいがために、その上に住んでいる人たちをどかす。力ずくで。地球上ではもう無闇に力を誇示することのできなくなった某大国が、地球外にその相手を見つけ嬉々とし、従わなければ殺すことも辞さない、いや、かえってそれを望んでいるかのような。そこにもともと住んでいる人々を「原住民」と呼び、自然と共に生きている彼らを「野蛮人」と呼ぶ。自分たちの基準を押し付け、洗練された生活を与えることを善意とし、その代償として、彼らの住む土地を奪う。何度も何度も地球上で繰り返されてきたことが、今度は宇宙の果ての星でも、繰り返されようとしている。他の戦争バカと同じく、それに同意的だった海兵隊崩れのジェイクだが、アバターにリンクし、ナヴィの彼らと行動を共にするにしたがって、もっと温厚にことを進めるべきだと思うようになっていく。この星の記憶と繋がり、全ての生物とリンクできるナヴィの人たちには、自分たちの土地の代わりに欲しいものなどないのだと気付いても。なのに愚かな人間たちは、銃と火で彼らの住処である大木を破壊する。自分たちの邪魔をするものは、まるで虫けらのように殺す。自分たちと違うものは、自分たちのように豊かな生活も、高尚な精神もあるはずないのだから殺しても構わないと言わんばかりに。マトリックスのミフネ隊長が乗ってたようなモビルスーツも登場し、大量の銃やダイナマイトに向かって、空から陸から対抗するナヴィたち。自分たちの星を守るため、槍や弓で戦う。とても勝ち目などない相手を前に、バタバタと倒れていく。最後はナウシカ状態(爆)。蟲たちの怒りに触れました。ジェイクとナヴィ族の族長の娘ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)との恋は、まぁあってもなくても(爆)。『タイタニック』もそうだけど、余計な恋愛模様は入れない方が、ストーリーがブレなくていいんじゃないか?と思うんだけど。SEXは地球人と同じ方法なのか、と思ったら、やっぱり違うらしい?『アバター』でカットされた濡れ場、DVDでは特別版に収録か?ぜひDVDに収録していただきたいです。3時間という超大作だったけれど、それを感じさせない迫力と、映像美でした。【参考】 アバター 公式サイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.01.11
『カールじいさんの空飛ぶ家』冒険に憧れる少年カールは、1軒の空き家で、同じく冒険好きな少女エリーと出会い、意気投合。成人した2人はやがて結婚し、初めて出会った空き家を新居とする。2人の間に子供は授からなかったものの、”伝説の滝”、パラダイスフォールについて語り合い、いつかそこに行こうと約束する。夫婦の時間を楽しみ、長い間共に幸せに生きてきたが、やがてエリーは病に倒れ、先立ってしまう。1人なったカールは、街の開発計画にで周囲にビルが建造されていく中、エリーとの思い出の家を守るために立ち退きを頑固に拒み続けていた。ところがあるきっかけで事故が起こり、立ち退かざるをえなくなってしまう。立ち退きの前夜、カールは妻の遺した冒険ブックを眺めながら決心し、2万個もの風船を結びつけた家ごとパラダイスフォールに向けて旅に出る。冒頭の回想シーンで、涙ポロポロ。夫婦生活のカケラも経験のない私だけど、愛し合っている2人が一緒に暮らし、静かに年を取っていく。セリフもなく、2人が過ごしてきたであろう時間が流れるだけだけれど、それがたまらなく幸せそうで、たまらなく切ない。そして、1人残されたカールじいさん。再開発にも立ち退かず、子供にもつっけんどんな、愛する妻の思い出の残る家にこもっている、ただの頑固爺さん。しかし、とうとう家から出なければならなくなった時。カールじいさんは冒険に出る。ここからは、3Dの本領発揮!冒険好きだった少年は、妻との誓いを守るため、冒険に飛び出す。たくさんの風船に吊られ、風の吹くまま約束の地、南米を目指す。順風満帆の空の旅…だったハズが、とんでもない訪問者が。カールじいさんでなくてもドン臭い子供(笑)にイライラしつつも、まさか空の上で放り出すわけにもいかず、しぶしぶ同行することに。そして、やっとたどり着いた南米。しかしそこは想像していた以上に過酷であり、そして非情でもあり。足手まといは子供だけでなく、鳥、犬と増えていき。子供の頃憧れていた冒険家に命を狙われる事態にまで。この冒険家も、夢に縛られたまま年を取ってしまった可哀想な老人。老人とは思えないほど(笑)ハデなドンパチの末、夢の地を目前にして、大切な家を失ってしまうカールじいさん。妻と誓った夢を、妻の生きている間に果たせなかったカールじいさん。そのことを悔やみ、家にしがみついていたけれど、妻との生活こそが、冒険だったのだ、と気付く。そしてその時、2人の過去の夢が詰まった家はもう必要ではなくなる。静かに涙がぽろぽろと流れた、映画でした。同時上映の短編アニメーション、『晴れ ときどき くもり』も、楽しく可愛く、ほのぼのとした作品でした。『カールじいさんの空飛ぶ家』著:ジャスミン・ジョーンズ任天堂 DSソフト カールじいさんの空飛ぶ家【参考】 カールじいさんの空飛ぶ家 公式サイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2010.01.09
大掃除を済ませた後、映画を見に行ってきました。『宇宙戦艦ヤマト 復活編』木村さんバージョンではありません。人間にとって一番大切なもの…地球。われわれを生み、育てた母なる星。その地球を守るためにヤマトは再び立ち上がる。宇宙戦艦ヤマトがアクエリアスの海に沈んで17年、ときに西暦2220年、地球人類は未曽有の危機に直面していた。太陽の300倍の質量を持ち、その巨大な重力によって、光をも飲み込む暗黒の天体、移動性ブラックホール。今、そのブラックホールが、はるかなる宇宙から刻々、地球に迫っていた。地球連邦政府は移民船団を組織し、地球から2万7000光年離れた、サイラム恒星系アマールへの移民を決行するが、謎の大艦隊の攻撃に会い、第一次、第二次船団が壊滅。古代進は、第三次移民船団の護衛艦隊司令として、宇宙戦艦ヤマトに乗り込んだ。かつて沖田艦長のもとでガミラスと戦った古代たちを彷彿させる、若いクルーたちとともに、ヤマトは凍りついたアクエリアスの海から、雄々しく浮上する。しかし、はるか宇宙の彼方に、地球人類の移住計画を阻止すべく、星間国家連合のSUS艦隊が待ち伏せていた。オリジナルのストーリーは、おぼろげにしか知らないんだよね。ヤマトのあの歌を、幼稚園の音楽会か何かで演奏した記憶があるけど。1974年TV放送開始かぁ(by Wikipedia)。じゃぁそれくらいの記憶で正しいんだ。NEWヤマト、すごかった!艦体が、つやっつやしてるんだもん。途中、回想シーンで昔のアニメーションが出てくるんだけど、登場人物たちの顔が全く違うのはもちろんだけど、ヤマトがちゃちく見えるほど。もちろんその頃は、そのヤマトが最高だったのだけれど。技術の進化って、すごいね。なんとなく吾郎ちゃんぽいキャラと、剛ぽいキャラがいたんだよね。古代=拓哉として、中居くんと慎吾を探したけど、分からなかった。もしやあの双子…?(謎)ヤマトの歌が「ここぞ!」というところで流れた時は、ゾクゾクした。でも劇中1回しか流れなかったのが、残念。エンディングも、木村ヤマトのアルフィーの歌になってたし。やっぱヤマトと言えば、あの歌だもの。何よりよかった?のは、日本が地球を救う、ってこと。地球連邦政府が全員日本人かは謎だけど、少なくとも上層部は、日本人らしいし。言語は全て日本語だし、ヤマト乗組員も日本人名だし、他の戦艦も「パトリオット」じゃなくって「信濃」だし、地球人と見分けがつかないほど似てる宇宙人も日本語しゃべってるし。やっと日本が地球を救う日が来ましたか!(笑)しかし救うのは人類だけで、動物たちはほったらかし。その点、『2012』は動物も積み込んでた。ま、地球がブラックホールにすっぽり飲み込まれちゃうのと、ヒマラヤ大津波とでは、規模が違いますが。そのブラックホールにいよいよ地球が飲み込まれてしまう、さらば地球よ…の間際に、圧倒的勝利間近のワルモノが、ついポロリと情けをかけてしまったばかりに、結局やられてしまう、というお約束パターンではあったけれど。でも宇宙で攻撃されたら、助かる見込みはゼロだよね。地球上の航空事故だとか船舶事故ならば、まだ助かる見込みもあるけど、宇宙空間に放り出されたら、救助を待つもへったくれもない。でもあんな大型移民船じゃなくとも、気軽に?宇宙旅行できる時代が、早く来て欲しいものだ。宇宙人に攻撃されないことを祈って(笑)。森雪を探しに行くのかと思いきや、それはなく。って、「復活編 第一部」ってあったのだけど、二部、三部があるの?それとも、木村ヤマトにつながる、ってこと?それは時代設定が違うか。二時間超のアニメってどうなのよ…と思ったけれど、面白かったです♪宇宙戦艦ヤマト TV DVD-BOX宇宙戦艦ヤマト2 DVDメモリアルボックス宇宙戦艦ヤマト3 DVDメモリアルボックスさらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち宇宙戦艦ヤマト 完結編【参考】 宇宙戦艦ヤマト 復活編 オフィシャルサイト 復活!宇宙戦艦ヤマト特集2009ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.12.30
「ニーゼロイチニー」と言ったら「ニセンジュウニですね」と、チケットカウンターで言われました。2009年。太陽の活動が活発化し、地球の核が熱せられた結果、3年後に世界は終わりを迎える―。この驚愕の事実をいち早く察知した地質学者エイドリアン(キウェテル・イジョフォー)は、米大統領主席補佐官に報告。やがて世界各国の首脳と一握りの富裕層にのみ事実が知らされ、人類を存続させる一大プロジェクトが極秘に開始される。そして2012年。売れない作家のジャクソン(ジョン・キューザック)は、子供たちとキャンプにやってきたイエローストーン国立公園で、政府の奇妙な動きを目撃。世界に滅亡が迫っていることを、偶然知ってしまう。やっぱり、一番最初に死にたい。愛は家族を救う。そして、アメリカは人類を救う。典型的なディザスタームービーです。それでも好きなんだよなーこういうの(笑)。人類が経験したことのない大量のニュートリノが太陽から降り注ぎ、電子レンジに入れたように、地球内部のマグマが熱せられ、地殻が動き出す。電子レンジに入れた卵のように爆発しちゃうのかと思ったけど、そこまでやっちゃうとあまりにも非現実的すぎるか。そうではなく、本当に起こり得そうな、ギリギリのところ。地が割れ、マグマが噴き出し、裂けた大地が海に滑り落ち、山を飲み込む巨大津波が起こる。その見せ方が、非常に上手だった。イエローストーンの噴火地に頭のおかしな?DJを残すことで、噴火爆発の衝撃を間近に見せるとか。主人公たちを脱出させるために小型飛行機に乗せることによって、崩れゆく大地を俯瞰から見せるとか。地質学者の父親を大型客船に乗せることで、迫り来る巨大津波を体験させるとか。「ほら、こんな風になってますよ」とただ見せられるより、より一層、「そこにいる感」がリアルに感じられる。パックリとひび割れ裂けていく地面。そこに落ちていく車、電車、人。脆く崩壊するビル群。そこから落ちていく人、人、人。逃げ惑うも、逃げ道のない人、人、人。地震大国日本の、これまた地震の多い東京に住んでる身としては、あーいつかこういうの来るんだろうな絶対に、と他人事ではなく、ゾっとした。地球規模の大地震でなくても、きっとくるはず。生きてる間には来て欲しくないとは、願うけれど。もともと「2012」というのは、高度な文明を誇ったマヤの暦が、2012年で終わっている=人類が滅びる、というネタによるもの。だけどもこの映画は、それにはほとんど触れていないというか、マヤ云々は関係なく、そうなっちゃう、という感じ。そこからノアの箱舟にまで飛躍しちゃうとは、さすがアメリカ、ハリウッド映画(爆)。そもそも人類を滅ぼすのなら、地球的大災害じゃなくてもいいんだし。今流行の?ウイルス系とかね。アメリカ政府が中心となって、中国の山奥で何かを作っている。それは「宇宙船」ではなく、「箱舟」。よかった、宇宙船だと一気にリアリティなくなっちゃうもん(笑)。で、それに乗れるのは各国政府要人と、10億ユーロ(約1千3百億円)のチケットを買うことの出来る、一握りの大富豪たち。それも家族単位ではなく、一人当たり。確かに、箱舟建設には莫大な資金が必要ではあるという、正当な理由はあるけれど、貧乏人は助かる余地どころか、何が起こるかさえ知る権利もなく。最終的に、どの映画でも英雄であるべきアメリカの大統領によって、人々に知らされるのだけれど。「アメリカ合衆国最後の大統領」が黒人だったのは、時代ですかね。その大統領が、アメリカの首都ワシントンDCが、津波によって押し寄せられた自国の空母に潰されるという皮肉。何の映画だったっけ?同じようなディザスタームービーで、抽選でシェルターに入れる、っての。『ディープ・インパクト』だったっけ?老人は抽選外、とか、知識人は優先、とか。肉体的、精神的、文化的に増殖機能のない人は除外、みたいな。金で生きる権利を買うんじゃなくて、そういう、人類の英知を残すため、みたいな選考基準があれば、なんとなく公平というか、ま、仕方ないか、私なんか生き残っても人類再建には役立たないし、と諦められる気もするけど。もっとも、その映画とは災害の規模が全く違ったか。マグニチュード10.いくつとか、1500mの津波とか。想像できない。ヒマラヤ山脈が津波でとっぷり浸かっちゃうんだもん。どこまでもラッキーな主人公家族は、何度も危機を乗り越え、どうにか箱舟に乗り込むことができ。そしてその間にお約束の通り、家族愛も取り戻し。「I love you」とか言ってるヒマがあったらさっさと逃げろよ!と思うのは、そういう文化にいないからですかね?そして、「あーこいつは死ぬな」と思ういかにも悪いヤツは、必ず助からないというお約束もキッチリと。それでも最後には愛…みたいなね。最後、3隻の箱舟が海上に集まって、よかったよかった、地球はそれでも美しい、希望はまだある的な終わり方だけども、その3隻に何人が乗れたのか分からないけど、それの何十倍、何百倍の数の人が、その水の底に死んでるんだよね。何も知らずに。そしてノアの箱舟のように、新たに隆起した土地を見つけ、そこへ向う3隻だけども、絶対に争いが起こりそう。僅かな土地を巡って。しかも乗ってるの、傲慢な金持ちばっかだし。金持ち=傲慢、というのは貧乏人の僻み目ですけど、でも「他を押しのけて」来たからこそ、大富豪になれたんだし。その精神が、大災害に見舞われたからと言って直るとは思えない。むしろ、チャンスとばかりに助長されそう。箱舟に乗ってる代の人間たちは、ともに未曾有の困難を乗り越え、復興を遂げてきた者同士の精神的繋がりや労わりもあるだろうけど、2代目、3代目となり、その困難も苦労も知らない世代になったら、自分の欲を満たすことをし始めるだろう。まずは同じ国の者、同じ言葉を話す者、同じ宗教を持つ者が集まり、より良い生活を手に入れるために、他を圧迫し始めるだろう。文字通り命がけで生きのびたというのに、人間はきっと、再び同じことを繰り返すんだろうな。なんてことまで考えてしまった。いっそ、全部滅んでしまえばよかったのに。「種を残す義務がある」なんて、なんておこがましい。人間が介在しなくとも、きっと新たな生命が生まれるはずなのだから。しかもこの船、made in chinaですからね。多分もうそろそろ、水漏れしてくるハズ…(爆)。しかし、全ての世界が水没してしまったのなら、通貨なんてのも、価値なくなっちゃうよね。もちろん、貯金とかも。箱舟の中の経済は、一体どうなってるの…?何もかもがゼロの世界で、どうやって再建していくんだろ…。まさか、原始時代のような生活が出来るとも思わないし。やっぱり、一番に死んじゃいたいです。オリジナル・サウンドトラック【参考】 2012 オフィシャルサイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.12.08
今日は映画を見に行きました。イオンみたいな(田舎のイオンほど大きくないけど(笑))ショッピングモールにあるTOHO系の、初めて行く映画館。映画の時間まで食事して、ってその写真はお約束通り、撮り忘れ(爆)。石焼チャーハン屋さんで、きのこのあんかけ梅チャーハン。美味しかった~♪ぶらぶらと時間をつぶし、映画館へ。映画館のトイレの照明は、なぜかムダに豪華(笑)。映画といえば、ポップコーン!塩バターとキャラメルのハーフ&ハーフ。しかし多すぎだろ(笑)。見に行ったのはディズニーの、『クリスマス・キャロル』。3D版があったので、そちらを。吹き替えなんだけどね。3Dで字幕は、ちょと辛いかも。入り口で、ミクロアドベンチャーみたいな眼鏡を受け取り、「ここから眼鏡をおかけください」ってテロップが出て。3D映画って初めて見たけど、すごい!現代技術って、ほんとすごいね~!まさにミクロアドベンチャーみたいに、飛び出る!それだけじゃなくって、飛んでる!落ちてる!ぶつかる!乗り物に弱い人は、ちょっと酔うかも。バターたっぷりポップコーンとビールなんかあったら、もう最悪(笑)。人間もリアルだし、風景も実写かと思うくらい。雪だって、ほんとに降ってるみたい。ストーリーはチャールズ・ディケンズ原作の、有名な物語。金の亡者スクルージが、クリスマスイブに3人の亡霊に出会い…、というヤツ。ディズニーと字幕ということで子供が多かったのだけど、これ子供、怖いよ。亡霊、怖いって。リアルすぎるんだもん。亡霊がリアルというか、その辺は見たことないから分からないけど、その、現れ方というか脅し方?が。怖すぎて夜夢見そう。月イチゴローで吾郎ちゃんがボロクソ言ってたけど(笑)、泣いた。アトラクションみたいでは確かにあったけど、でも、2度ほど泣いた。日本て欧米ほど、「クリスマスシーズンだから~」ってのって、ないじゃん。恋人たちがイチャイチャするとか、友達同士でバカ騒ぎするとか、バーゲンだとかイルミネーションだとか、単なるお祭りじゃん。だけども欧米ではクリスマスは、家族で過ごす赦しの季節、感謝の季節。その日に一人で過ごすというのは、どれだけバチ当たりなことか、と。まー私なんかはシングルベルは慣れっこですけど(爆)。そんな文化の違いがあっても、スクルージのクリスマスの過ごし方は、悲惨だとさすがに思った。「貧乏人は死ねばいい。余計な人口が減る」と言い放った時は、鳥肌立った。あまりにゾっとして。そんなスクルージが過去を思い出し、現在の自分の寂しさを知り、未来の自分を恐ろしい姿を見る。そんな簡単に人間なんか変わるものか、なんてチラと意地悪なことを、思わなくもないけれど。てか、あんな経験したらあんな年寄り、死んじゃうっての。だけどもあんな恐怖体験の後には、さすがに変わるかも。生きているということが、どれだけ素晴らしいことか!生きているということは、どれだけやり直しがきくということか!あんなにみんなに憎まれている自分なのに、そんな自分のために、祈ってくれる人がいる。その一方で、自分が死んでも悲しまないどころか、喜ぶ人間がいる。そんな未来を変えられるのは、現在の自分自身。クリスマスの時だけじゃなく、いつも思うべきことだろうけど、せめてクリスマスのこの時期だけでも、声を大にして言いたい。「メリークリスマス!世界中のみんなが幸せになりますように!」『クリスマス・キャロル』 著:チャールズ・ディケンズ【参考】 ディズニー クリスマス・キャロル 公式サイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.11.22
見るなら映画館の大画面で見たい、と思っていた『THIS IS IT』。見てきました。予約しないとチケット取れないかも、と聞いていたので、ネットで予約。真ん中よりちょっと後ろの、良席GET。館内は、ほぼ満席。当日でもチケット取れないほどではないかもしれないけど、前の方とか横の方とかしか、取れなかったかも。私の隣の席は、50代とおぼしきご夫婦。え?こんな人たちがマイケルファン?と思ったけど、ジャクソンファイブの頃から知ってるとすれば、それくらいになるか。改めて、マイケルのファン層の広さに驚き。そして、いよいよ映画が始まる。オーディションに集まったダンサーたちのインタビューから…。もうそれだけで、なんか泣きそう。映像は、リハーサル風景、その合間にふと見られるマイケルの素顔、関係者のインタビュー、コンサートで使うはずだった映像の収録風景に、マイケル、やっぱまだ生きてんじゃね?と思わず思ってしまう。そう思いたくなる。しかし、本当に亡くなったんだと、悲しくなることの繰り返し。最高のコンサートを作り上げようとする、マイケルの完璧主義さ。自分の楽曲は全て、小さなコードにいたるまで頭に入っていて、それを完全に再現することを、演奏家たちにも求める。マイケルの抽象的な要求をすぐさま理解し、表現するアーティストたち。マイケルと共にステージを作り上げようとするそのプロ意識も、すべてマイケルのため。なぜならマイケルは、「ファンが一番聴きたいもの」を、見せたいから。下手に奇をてらった歌い方や、アレンジを加えるのではなく、オリジナルに忠実に。「それがファンが求めているものなんだ」と、何よりもファンのために、妥協は一切許さない。そして、入念に繰り返されるリハーサル。さわりだけ、とか、雰囲気だけ、とかではなく、フルで、何回も。マイケルが納得するまで。「本気で歌わせないで」と言いながら、本気で歌うマイケル。ダンスも、本番さながら。あの細い体のどこに、そんなパワーがあるのか。同じステージで踊るダンサーたちの肉体はムキムキということは、ダンスにはそれだけの筋肉が必要というか、踊っているうちに、あれだけの筋肉が出来上がってしまうくらい、ダンスというのは、ハードなのだろうけれど、マイケルは驚くほど細い。けれどもそのダンスは、ムキムキのダンサーたちをリードするほど。病的なほど、というか実際に病魔に冒されていたのだけれど、その細い華奢な体からほとばしるパワーとしなやかさに圧倒。そしてマイケルのすごさは、それだけではなく。マイケルの、人々に与えた影響の大きさこそが、彼の偉大さ。ダンサーのオーディションに来た子たちが涙を流しながら、「とるものもとりあえず飛行機に飛び乗ったんだ」と、「マイケルと同じステージに立てるのなら何でもする」と語る。十代の頃の、どうしようもないイラついた毎日の中で見出したもの、それが、「This is it(ダンスなんだ)」って。彼らは8歳くらいでマイケルのムーンウォークを必死で真似してた、って言ってたから、20代~30代前半の子たちだろうから、私たちの思う、いわゆる「マイケル世代」よりも若いけれども、やっぱりダンスをやってる人たちにとって、マイケルという存在は、とてつもなく大きく、遠く、そして夢のような存在。小さい頃からダンスを真似し、歌を歌い、夢にまで見たマイケル、そのマイケルと、同じ舞台に立てるチャンスが…!そりゃもう感激して言葉も出ず、泣いちゃうしかないよね。リハーサルでマイケルがステージの上で歌っているのを、ただの一ファンになって、嬉しそうに手を叩き、声を上げ、踊る彼ら。何度もビデオやDVDで繰り返し見た、CDを繰り返し聞いたマイケルが、目の前にいるんだという彼らのその興奮が、伝わってくる。今まで数多くのアーティストたちと仕事をしてきたけれど、これが人生で最高の仕事さ、と語るバンドのメンバー。子供の頃、初めて人前で歌った「Man in the Mirror」を、マイケルと一緒に歌えるなんて信じられない、と言うコーラスの女性。今もものすごく興奮している、だけどコンサート当日の、始まる前のバックステージを思うと…と、湧き上がる興奮と緊張を、隠し切れないダンサーたち。しかし、それが叶うことはなく…。マイケルの大ファンである彼らが、そのマイケルと同じ舞台に立つ、という夢は、消えてしまった。けれど、夢はついえてしまったとは、思いたくない。その、果たされなかったエネルギーと欲求が、また新たな、マイケルの遺志を継ぐ素晴らしいアーティストを生み出す原動力に、なるんだと信じたい。ジャクソンファイブの名曲、「I'll be there」を歌った後、4人の兄弟たちと両親に、「Thank you. I love you」と言うマイケル。色んな確執が伝えられてきたけれど、やっぱり愛してたんだと。愛を、平和を訴え続けてきたマイケル。なんと大きな損失だったかと、改めてたまらない気持ちになる。幻に終わったロンドンでの最後のコンサート。しかし、マイケルがいたことは、幻ではない。マイケルのことを心から愛していたファンも家族も、マイケルと一緒に最高のものを作り上げたアーティストたちも、ただのミーハーファンの私たちも、決してマイケルのことを忘れない。Michael Jackson THIS IS IT【参考】 マイケル・ジャクソン THIS IS IT オフィシャルサイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.11.15
『BALLAD 名もなき恋のうた』天正2年の戦国時代。小国・春日誇る無敵の侍・又兵衛(草なぎ剛)は、命をかけて春日の姫君・廉姫(新垣結衣)を守り続けていた。幼馴染の2人は互いに密かな恋心を抱いていたが、身分の違いから結ばれない運命を背負っていた。そんなある日、合戦のさなか窮地に陥った又兵衛は、未来からやって来たという少年、川上真一(武井証)に救われる。原作というか、クレヨンしんちゃん版は見てないですが。号泣するほどではないけれど、じんわりと来ました。しかし、まだ公開されたばかりだよね…?20人も入ってなかったぽかったんですけど…。ま、そんなのはどうでもよくて。剛、いい!任侠といい、厳しい役も似合うねぇ。剛はSMAPで一番、ちょんまげ姿が似合うし(笑)。無骨な武士と、美しい姫君との身分違いの恋…。武士にとって一番大事なことは命をかけて国を守ること。愛する人を目の前にしても、そうとしか言えない不器用な男。それを、強い眼光で演じてました、剛。鎧を着けての殺陣も見事。その廉姫に告白?するシーンの、鎧がこすれる音に、戻って来れないかもしれない戦に行く緊張感が。しかし又兵衛に命を救われた大倉井(大沢たかお)、それって武士的には切腹モンの恥じゃないの?自ら命を絶つ勇気のないくらい器の小さい人間、てことか?そもそも春日に戦を仕掛けたのも、廉姫にフラれたからだし。ただ真一の母親役が夏川結衣なのが、任侠とかぶってしまって。父親も頼りなかったけど、しんちゃんのパパもそんな感じか(笑)。って剛って、春日部市出身なんだ。この映画の舞台となった。なんだかんだ言って、やっぱり剛は仕事に恵まれてるな、と思った映画でした。それが剛の人徳なんだろうなぁ。『BALLAD~名もなき恋のうた~』 alanオリジナル・サウンドトラック【参考】『BALLAD 名もなき恋のうた』公式サイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.09.12
『チェンジリング』1928年。ロサンゼルスの郊外で息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)。だがある日突然、家で留守番をしていたウォルターが失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。そして5ヶ月後、息子が発見されたとの報せを聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。だが彼女の前に現れたのは、最愛のウォルターではなく、彼によく似た見知らぬ少年だった。クリスティンは必死で息子ではないと訴えるが、警察は相手にせず、ついには精神病院に入れられてしまう。母親が、自分の子が分からないわけがない。なのに、別の子を息子だと言い張り、押し付ける警察。横暴というには酷すぎる警察の行動に、良心はかけらもないのか?と思ったけれど、彼らにとって最重要事項は、自身と警察の保身。なんていうか、もどかしいというか。これがあなたの子だって言われたって、違う子供だってこと、近所の人も気づかないワケないと思うんだけど。気づいてるけど、そんなこと言えない雰囲気だったのかしら。警察にたてつくようなことを言ったら、次は自分の身が危ない、と思って。確かに、警察に都合の悪いことを言っただけで、精神病院に閉じ込められちゃうんだもの、このご時勢。正常な精神の持ち主でも、薬と人権蹂躙な尋問で、精神を壊されてしまう病院に。それにしても、こんなお話が実話だなんて。こういうデタラメがまかり通ってたなんて。どんな作り話よりも恐ろしい。母親の言葉を信じてくれる牧師さんがいてくれて、よかった。ただ一人、おかしいと思ってくれる刑事さんがいてくれてよかった。もうちょっと早く彼が登場してくれたら…と思うけれど。。。今であればDNA鑑定とかで、すぐ分かることなのに、当時はそれもなく。警察の力が異常に及んでいた時代に、真っ向から対立する母親。ただ、我が子を取り戻したい一心で…。何人もの子供を殺した殺人鬼への怒りもさることながら、それ以上に、事実をどこまでも自分たちの都合のいいように歪め通そうとする警察に、憤りと恐怖を感じた、映画でした。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.08.16
『地球が静止する日』未知のテクノロジーとパワーを持つ宇宙からの使者が突然、地球に降り立つ。クラトゥ(キアヌ・リーヴス)と名乗る彼の目的は“地球を救う”こと。「人類が滅亡すれば、地球は生き残れる」と言う。政府や科学者たちが謎の解明に奔走する中、ヘレン(ジェニファー・コネリー)と息子ジェイコブ(ジェイデン・スミス)は、クラトゥの任務に巻き込まれていく。2人は“地球史上最大の危機”が、今まさに訪れていることに気付く。なんていうか…くだらなかった(爆)。ワケ分かんないというか、宇宙人というか支配者が来ることは、周知だったの?それに対しての驚きというか混乱が、あまりなかったような。いきなり喧嘩腰だし。領空侵犯って、そんなこと宇宙人に言って通用するかよ、と。球体は、なんとなく分かった。ノアの箱舟、ってんでしょ?人類以外の生命をキープしとくため。でも、結局あの巨大一つ目ロボットは、何なの?灰みたいなのは、虫?それが人類と、人類を作ったものを喰ってく、ってこと?なによりかの国は、自分たちこそが地球を救うと疑ってない映画が、まだ作られているとは。だから滅ぼされちゃうんだよ。いや、滅ぼすのはかの国だけにしてください(爆)。ヘレンはクラトゥに、人間はまだ変わることができる、と必死で訴えていたけれど、もう手遅れというか、いまさらもう変われないんじゃないかと(爆)。今、これだけあちこちで地球が悲鳴を上げてるのに、何一つ変わらない。だからある日突然異物が現れて、さぁ明日で人類は滅びますよ、と言ったところで耳を貸す人間なんて、いないんじゃないか?何が悪い、というより、私たち一人ひとりの意識がもう、麻痺しちゃってんじゃないかと。明日滅びるなんて言われても、どうせどうにかなる、誰かがどうにかしてくれる、って、最期の最後まで思ってそう。私もそう思っちゃう一人だけども。手垢のついたストーリーに、見飽きた展開に、ありきたりなエンディングに。。。キアヌ、もう地球を救うヒーローにならなくっていいよ、と思った映画でした(笑)。オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.08.04
『スラムドッグ$ミリオネア』インド・ムンバイのスラム街出身で無学の青年ジャマールは、TV番組「クイズ$ミリオネア」で最終問題までたどりつき、一夜にして億万長者となるチャンスをつかむ。が不正を疑われ、警察で酷い尋問を受けるうち、彼がなぜここまで来れたのか、その真実が明らかになる。イギリスに行った時、日本と全く同じ「クイズ・ミリオネア」を見て、元々はイギリスの番組だと知らず、こっちにもあるのか!と思ったけど。全く音楽も同じだし、構成も同じだしで驚いたけど、インドでも放送され、大人気のTV番組だったとは。その番組に出ることになった、コールセンターのチャイ屋のジャマール。スラム出身の青年が次々と正解を出し、億万長者への切符をつかむ。その幸運に視聴者は興奮し、司会者はその人気に不満を抱く。一体なぜ、無学のはずの青年が、そうなれたのか?司会者のたくらみで警察に拘留され、酷い尋問を受けながら、幼少時代の彼の人生がプレイバックする。全ては生きるために知ったこと。貧しいスラム街で、生き残るために得た知識。親もなく、貧しさゆえに犯罪に手を染め。大人の悪を知りながらも、その保護下から逃げられないほど、幼い子供たち。自分たちでは何もできない、何も変わらない、逃げられないと、諦めている若者たち。そんな想いの中、たった一つ諦められないことがあった。ジャマールがなぜ、この番組に出たのか。愛する人に会いたかったから。最後のライフラインの、緊張感。携帯置いてきたよ!と映画を見ている私たちが気づいた時の、焦り。そして見事、彼は全問正解、億万長者となる。これがアメリカ映画だったらば、最後に「彼女に電話させてくれ!」とか言って、感動の場面も全国放送され、全国民が感動の渦に、ってな展開になるだろうけれど。そうならないのが、イギリス映画の慎ましやかなところか(笑)。オリジナル・サウンドトラック『ぼくと1ルピ-の神様』 著:ヴィカス・スワラップランキング励みになります♪↓ ↓ 【参考】 スラムドッグ$ミリオネア 公式サイト映画レビュー
2009.07.18
『トランスアメリカ』トランスセクシャルのブリー(フェリシティ・ハフマン)は、男性としての身体を完全に捨てる手術を目前に控えている。そんなある日、ブリーは驚くような電話を受ける。ブリーがかつて、男性として一度だけ関係した女性との間に、息子がいたのだ。窃盗罪で拘置されている息子トビー(ケヴィン・ゼガーズ)を保釈するため、ブリーは手術費用を切り崩してニューヨークへ向かう。ブリーは自分の正体を明かさないまま、トビーを継父の暮らす、ケンタッキーへ送り届けようとするのだが。性同一性障害のため、自分の身体にずっと違和感のあったブリー。ホルモン剤を飲み、身体も女性に近づけようとし、そしていよいよ、性転換手術の日が近づく。しかしその時、思いがけない連絡が。ブリーがまだ男であった時に、ある女性との間にできた息子がいる、と。義父の家を飛び出してニューヨークで窃盗し、拘置されていた息子を引き取り、父親だと打ち明けることができないまま、2人はアメリカ横断の旅に出る。そりゃブリーもなかなか打ち明けられるモンでもないだろう。普通に、「実は自分は男です」なんて言うのも躊躇するだろうに、ましてや年頃で多感な時期に、目の前に突然現れた変な女が、自分の父親だ、なんて言われて、混乱しない方がおかしい。実の父親は大金持ちで…なんて、ありがちな夢を描いていたらば、なおさら。突然現れたおせっかい「おばさん」ブリーにトビーは反発し、ブリーもトビーをどう扱っていいか分からない。しかしこのトビーくん。なんだかんだ言ってもちゃんと着いてくるよい子。しかも可愛いときた。その美貌?を武器に、男娼をしていたらしい。そしてそこには悲しい過去が。車を盗まれてしまったために、クスリを売って金を作る、と言いながら、実は体を売って金を得る。そんなことはブリーは当然知らない。ブリーのことを受け入れられないブリーの家族との関係もまた、複雑で。息子だと思っていた子が、突然女になってしまった。どうしようもないと分かっていても、誰のせいでもないと分かっていても、母親にとってそれは、なかなか受け入れがたいことで。。。このブリー役の俳優さん、男の人かと思ったら、女優さんでした。ブツついてたけど!オリジナル・サウンドトラックランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.04.02
『ヤマカシ』早朝のパリ。7人の若者達=「YAMAKASI」が、高層ビルの壁を軽々と昇って行く。警察も駆けつけるが、彼らの素早さの前には成す術もない。若者や子供たちは「YAMAKASI」に憧れ喝采を送っていたが、そんな中で事件は起きた。「YAMAKASI」に憧れる少年が彼らの真似をして高所から転落、重傷を負ったのだ。少年を助けるには24時間以内の手術と膨大な費用が必要。少年の命を救うべく「YAMAKASI」は立ちあがる。だが、それは同時に法をも踏み越える、危険な賭けでもあった。すごい男たちだ。安全器具などひとつもつけず、素手で己の力だけでビルを登る。その動きの無駄なく華麗なこと。鍛え上げられた筋肉の美しいこと。何の利益もないのに、危険を犯してまで頂上を目指す。なぜならそこにビルがあるから…?警察に追われることもたびたび、しかしそれを振り切ることなど朝飯前。何も悪いことはしてないと斜に構える男たち。しかし子供たちがそれを真似してしまう。真似してくれと頼んだわけじゃない、と言うヤマカシのメンバーだが、子供たちの羨望の的になっていることは事実。心臓移植が必要な子のために、ヤマカシたちは一肌脱ぐ。今までのように、ただ単に自分たちの顕示欲を満たすためでなく、誰かのためにその能力を発揮する。正規のルートで正義に訴えるも、まったく相手にしてもらえない不条理に、彼らの友人である警察官も、一肌脱ぐ。しかしフランスの警察官って、マヌケなの…?『TAXi』とかでもかなりマヌケに描かれてるけど、この映画の警官も、負けず劣らずマヌケ。あ、同じ監督さん(リュック・ベッソン)だから、警察に何か、恨みでもあるのかも(笑)。ランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.03.31
『レッドクリフ Part 1』208年、中国三国時代。天下統一という野望に燃える曹操(チャン・フォンイー)は、80万もの兵力を率い、怒涛のごとく敵国を攻めていた。そして、誰もが彼らの勢力に圧倒されていた。そんな中、劉備軍の若き天才軍師・諸葛孔明(金城武)と、孫権軍の知将・周瑜(トニー・レオン)の2人の男が立ち上がった。そして2人は、6万という兵力でその巨大な勢力へと立ち向かうため、連合軍を結成する。兵力では劣っているが、2人は奇策と知略をめぐらし、戦いへと挑むのであった。だが曹操の野望の裏には、一人の女性に秘められた目的があった。中国の歴史にも疎いし、三国志にも興味ないので、どうかな?って思ったけど、面白かった。というか、そのスケールにただただ圧倒。やっぱり中国は、三国志の昔から人海戦術なんだ(笑)。だからと言って、数が多ければいい、というわけでもなく。兵が少ないからと言って、兵力が劣るとは限らず。兵が少ないからこそ、あらゆる手段で戦うことを考える。太陽の光を盾で反射させたり、投げ縄?で首を引っ掛けたり、マジで!?と思うような戦術も、そこは天才軍師・諸葛孔明の策が光る。男に信頼される男、男に惚れられる男って、やっぱりかっこいい。その男のためなら命なんて惜しくないと思われる男って、すごい。たとえ盗みを働いた兵がいても、無闇に処罰することはしない。一人ひとりを大事な人力だと思い、大切に扱うからこそ、部下もついてくる。文字通り、命を懸けて。そしてそんな男に愛される女も、羨ましい。美しいことは言うまでもないけど、あと必要なのは何なんだろう?そんでもって男は、そんな女を手に入れたいがために戦いを挑み。傾国の美女ってのはどこにでもいるのか、それともやはりどの男も、富と権力の次は女を欲するのか…。孫権の妹、尚香も女だてらに馬を駆り立派な軍力となり。そういうおきゃんな女の子もまた、魅力的。その女たちが、パート2ではもっと活躍するそうで。戦闘シーンが残虐で、いちいち大仰(笑)なのが長すぎ!と思わなくもないけれど、その大仰さがまた中国映画らしくて、その歴史を現しているような映画でした。オリジナル・サウンドトラック【参考】 レッドクリフ 公式サイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.03.30
『ネクスト』「2分先の未来」が見える予知能力を持っている男、クリス(ニコラス・ケイジ)。だがその能力を隠し、ラスベガスで二流のマジシャンとして、目立たないように暮らしていた。そんな彼の能力に気づいたFBI捜査官カリー(ジュリアン・ムーア)は、テロリストによるロサンゼルス核攻撃を阻止するため、クリスの協力を得ようと考える。一方、クリスはいつもダイナーで見かける女性リズ(ジェシカ・ビール)に、密かに恋心を抱き、声をかける機会を狙っていた。自分の「能力」を使い、リズと知り合ったクリスだが、そのことが彼女を事件に巻き込むことになる。2分後に起こることが見える男。その能力に気づき、テロリストによって盗まれた核が、いつどこで使われるかを知りたいFBI。しかしクリスは、協力したくない。なぜならば、子供の頃から数々の実験をされてきたから。でもたった2分後、しかも自分に関わることしか分からないのだから、核爆弾を探すとか、そこまでの役には立つと思えないのだけど(笑)。もし分かったとしても、たった2分間で一体何ができる?自分の身に起こる小さなことならまだしも、核爆弾をどうできる?なんて突っ込みつつ。ニコラスの微妙な髪型とアクションにも、突っ込みつつ。2分以上経ってるだろ!ってなぐらい長い瞑想にふけっちゃったり、分身の術?を使っちゃったりと、次第に2分間ルールもあやふやに。リズにもその能力があるのかと思ったけれど、彼女は普通の人でした。だけどもクリスと出会ったことで、とんでもないことに巻き込まれ。クリスもなぜ彼女にそんなに惹かれるのか、というと、彼女の未来が2分先以上まで見えちゃうという不思議な運命?があり、そもそも出会うべくして出会った、ということか…?(謎)しかし2分先のことが分かるのなら、もっとマシな人生送ってても、いいような気もするけども、チマチマとギャンブルで小金を稼ぐ、それくらいしかしないところがまぁリアルっぽいっちゃリアルぽいのかも。派手なこともできるけれども、しちゃうと目ぇつけられちゃう、と。で、夢オチ?(違)さすがに2分じゃぁ核爆弾をどうしようもできないと分かったか(笑)。【参考】 ネクスト 公式サイトランキング励みになります♪↓ ↓ 映画レビュー
2009.03.29
全905件 (905件中 151-200件目)