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2024.11.17
テーマ： 読書(8635)
カテゴリ： 読書
本日も”もののけブログ”ご覧いただきありがとうございます。
いやー、読書の秋ですね。
少し前に映画化していた 「傲慢と善良」
読了しました。
逆張りオタクが映画は見ずに小説を一気読みした感想を書かせていただきます。
「傲慢と善良」 とは？
「かがみの孤城」 でも有名な辻村深月さんによる恋愛（？）小説になります
なぜ（？）なのかというと、主題はもちろん恋愛なんですが、かなり人生の核心に関わる内容だからです。
是非いろいろな方に読んでいただきたいので、ネタバレに注意してあらすじ説明しようと思います。
まず主要な登場人物は、
- イギリスの地ビール専門代理店を父親から継いだ、 敏腕モテ男の”西澤 架（にしざわ かける）”
- 架の婚約者で、 ストーカーに追われて失踪する”岩間 真実（いわま まみ）”
この二人の出会いは婚活なのですが、二人を取り巻く環境と結婚というテーマが物語の芯になっていきます。
傲慢と善良 」のあらすじ
それではこれからあらすじの説明をしていきます。
「真実」が泣きながらタクシーに逃げ込む場面から物語が始まります。
タクシーに逃げ込んだ彼女は、恐怖から「架」に電話で助けを求めます。
部屋にストーカーが潜んでおり、彼女はそれに気づき逃げてきたと言うのです。
助けを求められた「架」は、参加していた飲み会を途中で抜け出し、
自分の住んでいる部屋に逃げ込むように指示します。
「架」が部屋に戻ると震えた「真実」がタクシーから降りてきます。
震える「真実」を抱きしめながら、「架」はある決意をします。
「 この子と結婚して、守ろうと 」と
それから場面が切り替わります。
二ヶ月間の時が経ち、二人は「架」の部屋で暮らしながら結婚の準備を進めていました。
ある日を境に、 「真実」が失踪してしまいます。
今朝までは共に過ごし、昼間には婚約式の相談を電話をしていた「真実」が突然音信不通になってしまったことで、「架」はパニックになってしまいます。
その後、「架」は彼女の母親と連絡を取りながら手がかりを得るために、独自に捜査をしていきます。
そしてストーカーの存在に思い出し、警察に行方不明になった「真実」にはストーカーがいた事を訴えます。
しかし警察はストーカーの存在を伝えても取り合ってくれないどころか、「架」との結婚に嫌気が差して、
駆け落ちした可能性を示唆されます。
途方に暮れた「架」でしたが、彼女の母から地元である前橋でも「真実」は婚活をしていたと聞き、
その時「真実」が出会った婚活相手たちの中にストーカーがいる可能性に気づきます。
警察は、もはや当てにならないので、自分で「真実」の行方を追う。
というのが、 「傲慢と善良」 のあらすじになります。
「傲慢と善良」 の感想
ここからは、読了後の感想になります。
正直なところ、自分にもぶっ刺さるものが多すぎて、見てられない場面も多かったですね…。
タイトルの「傲慢と善良」なんですが、作中何度も出てきます。
とある人物の口から語られる一つのテーマとして挙げると、
- 「傲慢」というのは自分の価値観で、自分の点数だと言います。
- 「善良」は、親や目上の人の言うことを聞きすぎて自分が無くなってしまって、選んでもらえないと決められない。
「ささやかな幸せが欲しい」と口では言っていても、その実「私の価値はそんなに低くない」と思っているから上手くいかない。
「善良」は「謙遜」と言い換えてもいいかもしれませんね。
あまりにエッヂが効いていて、 初めて見たとき絶句してしまいました。
他にも、このテーマを体現したような問題が人間が何人も出てきます。
自分の上手くいかないところを言語化されたような不思議な読了感でしたね。
一応ジャンルは恋愛ミステリーなのですが哲学書のような読み応えですので、興味を持っていただけたら是非読んでみてください。
【中古】傲慢と善良 / 辻村深月
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