2023 年 7 月、コロナの渡航規制が 3 年ぶりに解除され、久々にモーゼルを訪れた。 2019 年 4 月以来だ。成田から台北経由で早朝フランクフルトに着陸した。台北では乗り継ぎ待ちが 5 時間あったため、フランクフルトに到着してから iPhone でネットに入れるよう — 列車の時刻表や Google map 、 Line で連絡を取り合いながらコブレンツで落ち合う予定もあった — モバイルバッテリーを持参したのだが、飛行機の座席に USB コンセントがあり、そこにつないでおいたので心配することはなかった。

桃園空港で乗り継いだ。
さらに 3
年前はなかった、海外渡航用の eSIM
なるサービス( airalo
等 旅行者向けの現地と各地域のeSIM (airalo.com)
)が登場していた。以前は事前にアマゾンでモバイルルーター用の SIM
を購入していたが、 eSIM
を iPhone
なりスマホにダウンロードするだけでよくなったので、今回ルーターはほとんど出番がなかった。各通信事業者の海外でのネット利用料金も低価格化が進んでいるようで、わずか 3
年だが時代は変わった、と感じた。
フランクフルト空港でスーツケースを受け取り、鉄道駅に近いターミナルへ移動するバスに乗ると、誰もマスクをしていなかった。軽い違和感を覚えたが、郷に入れば郷に従えのことわざを思い出し、私もマスクを外した。呼吸が少し楽になった。
ドイツに来ると、旅先であるが故の緊張感は常につきまとうが、同時に開放感にも満たされる。日本にいる時の日常の息苦しさは遠のき、その時その時の課題 — チケットを買い、ホームを探して正しい列車に乗るなど—を切り抜けて目的地にたどり着き、私の場合は醸造所を訪問して話を聞いて写真を撮るといった、大げさに言えばミッションを果たそうという使命感に支配される。気分転換とか、息抜きとかいった気楽さはあまりない。しかしそのミッションは、誰に言われたものでもなく自分で勝手に決めたものだから、楽しい。
13 年間を過ごしたモーゼルへの郷愁と望郷の念を、束の間ではあるが充足させ、仕事ではおそらく訪れる機会を得られないであろう醸造所を訪れてみることが、今回の旅の目的でありミッションだった。

トリーアに入る前に最後にわたる鉄橋からのながめ。ここを渡ると、いよいよ帰ってきた、という気分になる。
ラインラント・ファルツ州の州都マインツで乗り換え、ライン川沿いを走る列車の車窓から渓谷の斜面に広がるブドウ畑の景色を堪能し、モーゼル川が合流するコブレンツで、トリーアへ向かうローカル線に乗り換える。モーゼル川沿いの風景は相変わらずだ。ライン川よりも川幅はせまく、ブドウ畑の急斜面は線路の間近まで迫ってくる。時々モーターボートが列車と並走し、河岸のキャンプ場にキャンピングカーが並び、駅に停まると自転車と一緒に乗り込んでくる人々がいる。都会の喧騒を離れ、アイフェルとフンスリュックの二つの山地の間を蛇行しながら流れるモーゼル川周辺の自然と歴史や文化、そしてワインを満喫しようという観光客たちで、夏のモーゼルは相変わらずにぎわっていた。
(つづく)
ひさびさのモーゼル 2023年7月(10) 2024/01/07
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