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2023年02月10日
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カテゴリ: 病院
おはようございます



今日は久しぶりにMSWの仕事に関する話です




私は入社してから今年で11年目になりますが、これまでは脳神経外科や循環器内科、泌尿器科、眼科、婦人科、耳鼻科などを主に担当していました




昨年の10月から組織編成が変わって、10年目にして初めて消化器内科と外科を担当することになりました




診療科が変われば当然対象となる患者さんの特性や利用する資源も変わってくるので、10月からの5カ月でまた色々と試行錯誤を行いながら業務に取り組んでいる所です




私の働く病院はがんの拠点病院になっており2年目からがん専門相談員としても仕事をしており、これまでは医療費相談や告知の関係、メンタル的な相談、家族関係の相談、医療者(医師や看護師)との関係性の相談、セカンドオピニオンの相談などを中心に受けていました




消化器内科を持つようになってからがんの終末期の退院調整を行うケースも圧倒的に増えてきました




私の住む地域は北海道の中では人口上位10市には入る地域で、広大な北海道を6つの圏域(道央、道北、道南、十勝、オホーツク、釧路・根室)に分けて考えられるのですが、所属する圏域の中では最大の都市で病院としても中心的な役割を担っています





ただ北海道と言う土地柄隣の市町村まで移動するのに車で30~1時間ほど時間がかかったり、同じ市内の移動でも端の方にある地域だと中心部に移動するだけで車で30分ほど時間を要したりします




広大な土地があるだけに主要産業が農業だったり酪農、水産業などの1次産業だったりするので、近隣市町村だと 人口はそれほど多くないが高齢者は多く、社会資源(病院、クリニック、介護系の事業所等)は少ない と言う地域が圧倒的に多いです​





そんな中で私が所属する病院ではがんの拠点病院でもありますし緩和ケア内科もあるので、がんの終末期(手術や抗がん剤による治療適応が無くなり、根治や延命を目的とした治療が出来なくなって余命も短くなってきた状態)の状態の患者さんも多く診ています





SWの業務の一つである退院支援でこうしたがんの終末期の患者さんが退院する際に訪問看護を医療保険を使って導入したり、介護保険でベッドを借りたりサービス調整のためにケアマネを付けたりなどはよく行います




特に消化器内科では胃や腸、膵臓や肝臓などにがんが出来て終末期に入ると 食事が摂れなくなったり、痛みが強くなって痛み止めの医療用麻薬が必要になる 方も多いです​





若い方(30~60代、70代前半)だと少しでも長く生きてもらいたいという家族や本人の希望も多く、食事が摂れなくなった後は点滴からの栄養を継続する方も多いです





また医療用の麻薬も基本は飲み薬ですが、食事が摂れなくなるので(食べれない、もしくは食べても吐いてしまう)点滴からやパッチの貼り薬で対応することも多いです(終末期にかかると痛みも強くなることが多いので、ほとんど点滴)





この食事が摂れず栄養も麻薬も点滴でした状態でも最近は 「コロナ禍で面会が出来ないから最後は自宅で家族と過ごしたい」 と希望されることも非常に多くなっています





​大きな市であればそれなりに訪問看護も在宅での訪問診療や往診も資源が揃っているので、この状態であっても自宅で点滴や麻薬を行いながら最期まで自宅で生活することも可能です





ただし、訪問看護も数が限られており終末期の対応を一つの訪問看護の事業所で担えるのが3~4人程度と圧倒的に少なく、MSWから訪看に終末期の方を依頼すると時期によっては7,8か所の事業所に断られ続けるという状況も珍しくありません





また近隣の市町村になるとそもそも自宅での点滴や麻薬になれていないと言う訪問看護の事業所も多く、退院前には必ず病院で退院時共同指導や介護支援連携指導(患者・家族・訪問看護師・ケアマネージャー等の関係者が集まって打ち合わせを行うこと)を実施してからでないと帰れないと言われることも多いです





また近隣市町村では在宅での往診を行っているクリニック等に機械関係(カフティポンポ、シリンジポンプ等)や点滴セットが無いため業者からのレンタル準備が間に合うまでの機械の貸し出しを行ったり、調剤薬局で麻薬の調剤が出来ないため私の住んでいる市の調剤薬局に調剤と訪問看護ステーションへの配達をお願いしたりと





フォロー先のクリニックや調剤薬局などとの調整も必要になるためさらに時間がかかります





ただ先程述べたように社会資源が少ないので、一つの事業所が担っている患者さんの数も多くなると退院前の会議が今日相談して明日出来ると言う事も少ないので会議を設定するのにも数日から下手すると1週間程度期間を要することもあります





当然会議を開催後翌日すぐにでも退院できるように事前に介護ベッドなどの手配はしてもらうようにするのですが、それでも終末期で余命があと数日数週間と差し迫っている状態だと1日1日と体の状況も変化していくので




1週間前に「自宅退院を目指していこう」と決めてから、 調整している間に意識が悪くなったり、自分でもわからない所で不穏な行動が増えたり(終末期せん妄) と言った症状の悪化も見られて




退院する時には 「こんなに悪くなったのですか」 「もっと早くに帰れたら違ったのに」 等と言われることも多々あります




当然終末期の方は最短で日程を組んで動いていますし家族にも都度経過や退院までの目途は伝えながら進めていますが、それでも 「もっと元気な状態で帰れると思っていたのに」 という趣旨の話をされる度に「本当に退院で良かったのだろうか」「もう少し何とか早める事は出来なかっただろうか」と悩んだり反省することも多いです




それでも 「最後の時間を家族で過ごすことが出来て良かった」 「最後に後悔をしなくて良かった」 とお亡くなりになった後に家族から言われることもあるので、そうなることを望みながら在宅での関係者にバトンタッチして繋いでいくしかないのが地方でのがんの終末期における退院支援の実際です




この仕事をしていると 「本当にこれで良かったのか」 と悩むことの方が多いですが、最終的な評価は患者さんや家族などの当事者にしか出来ないので​、MSWとしては反省を続けながら少しでも希望に添えるように工夫を続けていくしかないと思っています




今日は地方における終末期の退院支援に関しての話でした




都会や大きな都市に比べると医療の面でも選択肢が狭まったり、調整までに時間を要することが多いのが現状です




そんな中でもMSWとして患者・家族・関係機関のことを信じて、いかに希望に添っていけるかを常に考え実践していくしかないと思っています





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最終更新日  2023年02月11日 06時13分23秒
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