MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

Apr 12, 2009
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カテゴリ: 映画鑑賞記録
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"THE INTERNATIONAL"
監督・・・トム・ティクヴァ
出演・・・クライヴ・オーウェン ルイ・サリンジャー
ナオミ・ワッツ エレノア・ホイットマン
アーミン・ミューラー=スタール、ブライアン・F・オバーン

・物語序盤・
ドイツ、ベルリンのとある駅の駐車場で、二人の男が車内で密会していた。
男の一人は、国際銀行IBBCの内部告発者で重要な情報を明かす積りでいたが、まだ迷っている様子だった。
短い会話の後、もう片方の男は、証拠書類は後日受け取る算段にして車から降り、携帯で仲間と連絡を取る。
しかし協力者が見守る前で、男は急に苦しみ出すと、そのまま路上で絶命してしまう。
死んだ男はニューヨーク検事局の職員シューマーで、現場を監視していたのは、インターポール捜査官ルイ・サリンジャーだった。
ルイはシューマーの遺体を調べ、首の後ろに不審な傷を見付ける。
ルイは事務所で連絡を待っていた、同じくこの捜査に当たっているニューヨーク検事局のエレノア・ホイットマンと合流し、ドイツ警察と話し合うが、当局は厄介事を嫌い、シューマーの死因は不明、二人には国外退去と通告してきた。
ルイはかつてニューヨーク市警の警官で、IBBCの武器売買関与と不審な資金の流れを追っていたが、上層部の決定で、事件はうやむやにされ、証人達は抹殺されるという苦い経験をしていた。
その後、インターポールに在籍し、執念の捜査を続けていたルイだが、逮捕権限の無いインターポールでは、IBBCの暗部を暴き、正義を行う事は不可能に近かった。



三ヶ国合作だからか、ベルリン、リヨン、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨーク、バグダッドと、国際色豊かな映画です。
"THE INTERNATIONAL"というタイトルだけの事はありますね。(^.^)
ストーリーとしては、特に目新しいものはありませんでしたが、確りと書かれた脚本で、最後まで楽しめました。
グッゲンハイム美術館(NY)での派手な銃撃戦は、見た目には面白く、この映画の視覚的な山場とも言える場面ですが、隠密行動の筈なのに、そんなに無茶やらかして大丈夫かと、ちょっとツッコミ。(^_^;)/
でも全体的には、スリルがあって、緊張感も持続され、上手く纏められた作品だと思います。
クライヴ・オーエンはフランス系アメリカ人(フランス人か?)という設定なので、フランス訛りの英語で喋っています。
彼が長年追い続けているのは、巨大国際銀行による国家規模のミサイルとミサイル誘導システム売買。

負債は相手を支配するというのは、確かにその通りですね。
直接的な利益を求めるのではなく、真綿で首を絞めるような、外堀から埋めて行くようなじわじわとした狡猾な支配。
銀行さんの話を聞いて、借金はしちゃダメだなと思いました。笑
世界を動かすのは金の力。
金が無ければ何も動かないのが、現代社会です。
IBBCは謂わば、必要悪なんですよね。
違法行為はしているけれど、世界を円滑に回す潤滑油です。
人間社会が必要としているシステムを、人間の法で裁こうというのは、矛盾した話なのかもしれません。
それでも一個人レベルで考えると、関係者が何人も殺されたりと、許せないと憤り、戦うのがサリンジャーの立ち位置。
かつては警察官として、現在はインターポール捜査官として、巨悪と立ち向かってきたサリンジャー。
けれども相手は、多くの国家・大企業・捜査機関の上層部によって守られている存在である事を痛感する。
彼等を裁くには、法律の外側に出るしかない。
でも、それも結局は、個人的な恨みを晴らすレベルの問題でしかありません。
世界を動かすシステムは何も変化しない。

サリンジャーは「パニッシャー」みたいな吹っ切れたアウトローではないです。
昨日まで法の枠組みの中で必死に働いて、法による正義を信じていた彼が、覚悟は決めたとは言え、いきなりアウトローにはなりきれず。
その辺の人物像の描き方が魅力的だったと思います。
追い詰めた丸腰の相手に銃を向けるが、引き金を引く時になって躊躇するサリンジャー。
さて、彼は殺し屋"コンサルタント"がしてきたように、冷徹にIBBC頭取のスカルセンを撃ち殺せるのでしょうか?

その成否の如何は、映画をご覧になって確かめて下さい。( ^^)

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最終更新日  Apr 12, 2009 09:05:14 AM
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