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トップページでお知らせ致しましたが、こちらのプログは本日を以て、更新を停止させて頂く事になりました。過去の記事が膨大な為、必要な記事の移動も儘ならず、お見苦しいのは承知の上で、映画レビューに関しては、このまま間借りさせて頂く予定です。他の記事に関しては、手隙の際に追々削除してゆく所存です。是まで、お運び頂いた読者の皆様には、お詫び申し上げると共に、心から感謝の意を表します。・注記・映画レビューの最後に、ランキングボタンがある記事が多数ありますが、ブログランキングからも撤退致しましたので、ボタンは無効です。取り外す余裕がありません。申し訳ありません。
Jul 8, 2009
http://wwws.warnerbros.co.jp/thespirit/"THE SPIRIT"監督、脚本・・・フランク・ミラー 原作・・・ウィル・アイズナー 出演・・・ガブリエル・マクト スピリット サミュエル・L・ジャクソン オクトパス エヴァ・メンデス サンド・サレフ スカーレット・ヨハンソン シルケン・フロス ジェイミー・キング ローレライ サラ・ポールソン エレン ダン・ローリア ドーラン パス・ベガ プラスター・オブ・ハリス ルイス・ロンバルディ フォボス スタナ・カティック モーゲンスターン ・物語序盤・愛する街セントラル・シティを守り続ける"スピリット"は、マスクを付けた謎の人物。彼は凶悪犯"オクトパス"に関する知らせを受け、警官と共に現場の沼地へと駆け付ける。そこでは怪しげな取引がされており、二つの鞄の受け渡しを巡って、オクトパスと美女が争奪戦を繰り広げていた。鞄の一つは女の手に、もう一つはオクトパスが奪い取った。銃撃を受けた警官が握っていたペンダントを手に取ったスピリットは、ロケットの中にあった写真を見て、自分の過去を思い出す。そこに写っていた写真は、かつて恋仲だったサンド・サレフと、まだ人間だった頃の自分デニー・コルトの姿。警官だった父を殺され、貧しさを嫌ったサンドは、デニーを捨てて街を出た。今や彼女は宝石泥棒として犯罪に手を染めていた。やがてデニーは警官になったが、拳銃で撃たれて殉職した。しかし奇跡的に復活し、犯罪と戦う"スピリット"となったのだった。彼が死を免れた理由は判らない。鞄の一つを手にしたオクトパスだったが、中身は彼の望みの品ではなく、サンドが欲しがっていた宝石。二人は互いに鞄を取り間違えていた。原作はウィル・アイズナーのコミック。これを「シン・シティ」「300」でお馴染みのフランク・ミラーが実写映画化した作品。うーん、荒筋を書くのが難しい…。明確なストーリーがある作品ではないので。評価もなかなか難しいですね。何を求めるかによって、評価も大きく変わる作風。筋書きの面白さ、冒険や娯楽を求めて観る映画ではないです。お洒落な雰囲気やスタイリッシュな映像ですね、ここにあるのは。スピリットと他の魅力的なキャラクター達を撮影し続けたプロモーション・ビデオと思えば近いかも。空気としては完全に「シン・シティ」です。ナレーションがあって、何となく緩い話があって、後は映像をぼんやり眺めていれば良いというタイプ。「シン・シティ」が好きなら、これも大丈夫だと思います。物語として面白いかと言えば、盛り上がりも無く、はっきり言って面白くはないです。でも登場人物達を眺めているのも、それはそれで良いような気がしました。それぞれ味のあるキャラクター達なので。
Jun 26, 2009
6/20(土)より全国ロードショー。http://syugotenshi.jp/監督・・・佐藤祐市 原作・・・上村佑『守護天使』(宝島社刊) 出演・・・カンニング竹山、佐々木蔵之介、與真司郎、忽那汐里、寺島しのぶ、柄本佑、日村勇紀、波瑠、吉田鋼太郎、キムラ緑子、佐野史郎、大杉漣、他。 ・物語序盤・薄給サラリーマンの須賀啓一は、恐妻の勝子から毎日500円を渡されて出勤する冴えない気弱な中年男。ある日啓一は、電車内で老人に席を譲った清純な女子高生と遭遇する。後日、駅で転倒した啓一が落とした大事な500円玉を拾ってくれたのは、正に天使のようなその女子高生・宮野涼子だった。啓一はこの瞬間、生まれて初めて恋に落ちた。しかし啓一が勤務する塾の元生徒で引き籠りの佐々木大和は、彼に女子高生のプログを見せる。そこには彼女の淫らな心の闇が赤裸々に書き込まれていた。更に大和は、このブログを見たと思われる者達が、闇サイトで彼女を拉致監禁する計画を立てている事を教える。涼子の潔白を信じる啓一は、彼女を悪辣な犯罪から守るべく、大和とチンピラの村岡を巻き込んで、彼女の身辺警護に乗り出す。しかし傍から見ると、それは単なる変態のストーキングとしか映らない…。原作の縛りがある分、大目に見てあげないといけないのですが。大甘に見ても、チョイ間延びしてますね。あと、登場人物の行動に疑問符が飛びまくりで、展開が不自然なんですよねぇ。観客に真相を見せないように謎掛けするのは良いんです。でもそれが不自然な行動に基づいていると、そこで躓いてしまうんですよ。どう考えても可笑しいよ…という思いが付き纏って。挙句に話のテンポも悪いので、変だ変だと考える時間が増えてしまいます。もっと笑える話かと予想していたのですが、中身はともすれば引いてしまうような物騒な事件です。闇サイトに集まる連中が共謀して、女子高生を拉致して乱暴しようというのですから、笑いの前に、嫌悪感の方が先走ってしまいます。もう少しバカっぽい事件なら笑えたんですけど、この手の事件が実際に頻発している時勢に、これを笑えというのは…。少なくとも私にはNGの範疇です。映画の中では、流石に陰惨な描写はありませんでしたけどね。なにせ犯人の一人がバナナマンの日村さんですから。犯人の中に常軌を逸したサイコ野郎が居た事から、共謀者が逃げ腰になったというだけで、犯罪行為そのものは卑劣。こういう事件をお笑いネタとして軽々しく扱う制作サイドに認識の甘さを感じました。納得できない点。・ブログと闇サイトの掲示板について、何故本人に教えてあげないのか。ちゃんと物証を見せて説明すれば、彼女も理解した筈です。・涼子が車で連れ去られたのを目撃しながら、何故警察に通報しないのか。あれだけ証拠が揃っているのに、通報しないなんて有り得ない。一応、警察は死体が出るまで動かない・仲間の一人が警察と関われない等、言い訳っぽい台詞は脚本に入れてありますが、それにしても上の二点はクリアできないですよ…。原作がそうだからと言ってしまえば、それまでだけど…。根本的な部分で引っ掛かっちゃったもので、なんとも形容しがたいもやもやが残りました。周りでは「面白かったね」という声も聞かれましたが、やはり「警察呼べよ…」というツッコミからは逃れられなかった模様です。(~_~;)そう思わない人の方が珍しいと思う。そんな展開でした。カンニング竹山さんのファン及び、物凄く大味に大雑把に映画を観られる人のみにお勧めしておきます。笑一点だけ追記。寺島しのぶさんの演技が光っていたと思います。啓一の無愛想な鬼嫁役ですが、良い意味で寺島さんに見えませんでした。啓一が彼女に向って、「初恋なんだ」と頼み込む場面は、それならアンタを心配して探し回っている奥さんは一体何なんだと…。(--〆)確かに仲睦まじい夫婦ではありませんでしたが、自分の妻に向って吐くには、無神経過ぎる台詞です。彼女の父親に押し切られて結婚してしまったと言うが、それは卑怯だろう…。パッとしないオヤジだけど憎めないキャラを狙っているのは判るのですが、これも含めて、全く彼に共感できず、微妙に外してしまっている残念な映画という感想です。
Jun 19, 2009
http://lastblood.asmik-ace.co.jp/"BLOOD: THE LAST VAMPIRE"監督・・・クリス・ナオン アクション監督・・・コリー・ユン 原作・・・Production I.G 出演・・・チョン・ジヒョン サヤ アリソン・ミラー アリス 小雪 オニゲン リーアム・カニンガム マイケル JJ・フェイルド ルーク 倉田保昭 カトウ コリン・サーモン ミスター・パウエル マイケル・バーン、マシエラ・ルーシャ、ラリー・ラム、他。 ・物語序盤・16世紀、戦乱の時代が続いた頃、流された血を糧に、オニと呼ばれる種族が力を得た。以来400年、人類はオニとの戦いを続けていた。しかしその事実を知る人間はごく一部の者達だった…。1970年の東京。地下鉄に乗った一人の少女が、乗客の男を日本刀で斬り殺した。電車を降りた少女サヤを迎えた米国人達は、慣れた様子で遺体を片付ける。サヤは姿こそ少女だったが、戦国時代から生き続けている。彼女が殺したのは人間社会に溶け込んだ"オニ"の一人であり、彼女は父を殺したオニの起源である"オニゲン"を倒す為に戦っていた。サヤをサポートするのは、オニの殲滅を目的に創設された秘密組織。休む間もなく、サヤはアメリカ空軍関東基地内の高校への潜入を命じられる。そこでオニに襲われていた同級生で将軍の娘アリスを助けたサヤ…。アニメーション映画「BLOOD THE LAST VAMPIRE」(2000)を実写映画化した作品。巷の評価は低かったのですが、個人的には楽しめました。ただ、「BLOOD」のファンである事が前提の映画という気はしました。事前に世界観を知っていないと、充分に理解できないかもしれません。私の場合、自然と脳内の知識で補完してしまったので、全く初めての方がどの程度まで理解できるのか定かではないのですが…。この映画では"オニ"とされている者達が、ヴァンパイアで"翼手"と呼ばれる種族であるとか、そのような既存の設定は一切解説されていません。因みにオリジナル音声では"オニ"は"demon"と表現されています。「BLOOD THE LAST VAMPIRE」を鑑賞したのが随分前なので、細部は忘れてしまいましたが、基本的に流れは、この作品に準じています。始まりが電車内だったのも同じだったと記憶。「BLOOD THE LAST VAMPIRE」が50分弱という短さで、基地内の翼手との戦闘シーンで終わり、長い物語の序章という印象だったのに対し、この作品は後半で独自の決着までを描いています。こちらも約90分と決して長くはないのですが、一応物語として完結させ、コンパクトに纏めたと感じました。酷評されているアクションですが、演じているのが普通の女優さんですから…。個人的には、思っていたよりチョン・ジヒョンは良く動いていたし、アクションもカッコよく見えました。アップが多いのも、止めやスローモーションが多用されるのも、基本的にアクション俳優でない人を起用した場合、見栄え良くする為の演出として仕方の無い処置で。ただ、血飛沫の表現については物申したいですね。まるでコーヒー豆でも飛び散っている感じ。笑色も形状も血に見えないの…。その点だけは残念でした。あと一点、時間と脚本の都合上か、サヤの血液の特殊性については完全にカットされています。何故彼女でなければならないのかという大切なポイントだったので、それは何とか入れてほしかったですね。私服のアメリカンスクールに、堂々とセーラー服で乗り込むサヤはご愛嬌。(~_~;)日本刀携帯も見逃されるんだから、ど目立ちセーラー服くらいどうって事ありません。無国籍風のレトロな街並みのセットや色彩はとてもセンスがあったと思います。日本じゃないと言えばその通りなのですが、作品そのものが、パラレルワールドを描いている作風なので、返って、無国籍映画っぽい感覚が合っていたと思います。小雪さんについて触れていませんでした。チョン・ジヒョンより若干英語に苦しんでいた模様ですが、概ねオニゲン役を好演していたと思います。特に最後の白い着物姿は凄艶で、魔的な魅力を感じました。オニの起源=オニゲン(鬼源?)というネーミングは、流石にどうかと思いましたが。笑
Jun 18, 2009
http://angel-demon.jp/"ANGELS & DEMONS"監督・・・ロン・ハワード 原作・・・ダン・ブラウン『天使と悪魔』(角川書店刊) 出演・・・トム・ハンクス ロバート・ラングドン アイェレット・ゾラー ヴィットリア・ヴェトラ ユアン・マクレガー カメルレンゴ ステラン・スカルスガルド リヒター隊長 ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ オリヴェッティ刑事 ニコライ・リー・コス 暗殺者 アーミン・ミューラー=スタール シュトラウス枢機卿 トゥーレ・リントハート、デヴィッド・パスクエジ、コジモ・ファスコ、マーク・フィオリーニ、他。 ・物語序盤・スイスのCERN(欧州原子核研究機構)で生成実験中だった"反物質"が強奪され、実験の責任者の一人だった科学者が殺害された。この反物質は少量で都市を破壊する程の危険な物質である。同じ頃、ローマ教皇が逝去した後、有力候補である四人の枢機卿が誘拐された。そしてハーバード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授の元に、ルーヴル美術館での一件以来険悪になっていたヴァチカンから協力要請が入る。ヴァチカン警察によると、一連の事件に関与しているのは、秘密結社イルミナティだと言う。それはかつてガリレオを中心とする科学者達の集まりだったが、科学を否定するヴァチカンによる弾圧の結果、地下に潜り、暴力的な組織へと変貌していった。声明によれば、彼等は枢機卿を1時間ごとに一人殺害してゆくとし、最後には隠した反物質でヴァチカンを爆破し、報復する計画を立てていた。ラングドンは、共同研究者を殺されたCERNの科学者ヴィットリア・ヴェトラと協力して、事件解決に乗り出す。原作はシリーズ1作目だが、映画では「ダ・ヴィンチ・コード」の後日談としている。映画としては前作より宗教色が薄れ、娯楽色が強いアドベンチャー的なものとなっている。舞台をヴァチカンとしているが、中身は権力闘争や時限爆弾のような反物質を探索する普通のサスペンス。信仰に関するパズル的な謎解きが無く、カソリックに対する挑発も無い。前作は一般信徒にも反発を招く、ある種センセーショナルな秘密が売り物だったが、今作は上層部批判程度で末端信徒には影響は無いと思われる。娯楽映画としては、今作の方が一般的で観易い。シリアスな「ナショナル・トレジャー」という感じ。個人的には、前作の宗教サスペンスの方を推しますが、深く考えずにストーリーを楽しみたいのなら、こちらの方が良いかと。途中から黒幕が見えてしまったのが残念でした。特に深読みしなくても、自然に判ってしまうのです…。キャスティングで、この人でしょ、と。笑でも普通に最後まで楽しめましたが。最初から最後までノンストップです。退屈するような事は一度もありません。原作は未読でも、置いて行かれるという心配は無いと思います。私も未読で、予備知識ゼロでした。前作を観ていなくても独立した作品なので大丈夫。娯楽として、よく出来た映画でした。欲を言えば、もっと深遠なテーマが隠されていれば、後々まで心に残るのですが。インパクトという点では、前作の方があった気がします。特に悪役の人が。今回は実行犯である殺し屋と黒幕が居て、キャラクター的に分散してしまった感じがあり、同時に、宗教的な使命感も薄かったのが残念。金や権力というのは判り易いけれど、それだけに動機としてはツマラナイんですよね。一応、宗教の権威を守ろうとしていたのですが、殺し屋を雇う辺りが、俗物と映りました。でも総評としては、面白い映画なんですよ。(^_^;)
Jun 13, 2009
http://www.chocolatefighter.com/"CHOCOLATE"監督・・・プラッチャヤー・ピンゲーオ アクション監修・・・パンナー・リットグライ 出演・・・ジージャー ゼン 阿部寛 マサシ ポンパット・ワチラバンジョン ナンバー8 アマラー・シリポン ジン イム・スジョン タポン・ポップワンディー ムン ・物語序盤・タイのマフィアのシマを荒らしたと、日本のヤクザ組織は一触即発の危機に。ヤクザのリーダーであるマサシが金を侘びとして置いて行った事でその場は収まる。そこで出会ったマフィアの女幹部ジンとマサシは、互いに惹かれ合って付き合うようになる。だがマフィアを仕切るナンバー8は、二人の関係を認めず、二度と会うなと脅迫した。マサシは帰国し、彼の子を宿していたジンは、裏世界から足を洗い、女児ゼンを生み落す。しかしゼンは自閉症というハンディキャップを持つ子供だった。好物のチョコを食べながら、アクション映画や近所で格闘技の練習をする若者達を観察していたゼンは、見ただけで格闘技を習得する能力を持っていた。やがてゼンが少女に成長した頃、最愛の母ジンは白血病を患う。かつてジンに拾われ、ゼンの世話をしていたムンは、ジンがマフィアに居た頃に付けていた貸付金の帳簿を見付ける。ジンの多額の治療費を捻出する為、ムンとゼンはリストに書かれた相手から、金を回収して回るが、相手も一筋縄では行かない連中ばかりだった。ジージャー、可愛くて強い!!アイドルみたいなルックスで、格闘技も本格的で、流石はタイだと感心しました。タイ映画だし、「マッハ!!!!」の監督作品なので、筋書きは有って無いようなものかと思っていたら、意外としんみりしたお話で。ヒロインも脳に障害を持ち、一緒に暮らしている母親とムン以外、誰にも心を開かない。役名があって初めて名前が判った人達も多く、映画を観ている限り、判るのはジン・ゼン・ムンの三人だけでした。敢えて登場人物名前を出さない所にも、閉ざされたゼンの世界を感じました。この映画、始まりは唐突です。日本語で少年の事を語り始めます。この少年、後にゼンの父親になるヤクザの阿部寛の事なのですが。結末も阿部寛のモノローグで終わっているので、主役が彼みたいで、最初と最後には少し違和感がありました。ジージャーのアクションが評判の映画でしたが、噂通り凄いです。エンドロールにタイ映画らしく、撮影中の映像が挿入されていますが、怪我人続出ですね。ジージャーもワンシーン撮影する毎に、負傷している感じで可哀想。(^_^;)他のスタントマンさんも、怪我だらけで、本当に完治したのか心配になる方も。あれだけのアクションを生身の体だけで表現すれば、負傷して当たり前ですよね。映画の中では、相手を殺しても構わないというスタンスで、アクションが設定されている訳ですから、やられ方も半端なものでは駄目。と言う事で、かなり無茶なアクションシーンの連続です。映画では全員、とても打たれ強いのですが、実際は一発打ち所が悪ければ大怪我。大変な撮影だったと思います。阿部さんは、典型的な外人から見たヤクザさんでした。笑今時、そんな和風な邸宅に住んでる人居ないよ、とツッコミも少々。でも全体的には、雰囲気で楽しめるのでマルです。兎に角、ジージャーの可愛さと、キレの良いアクションに舌を巻く映画でした。美少女っぽく見えますが、実年齢は二十代半ばの女性です。俄かファンになってしまいました。今後の活躍に期待します。(*^^)v
Jun 12, 2009
5/29(金)より全国ロードショーです。http://startrek2009.jp/"STAR TREK"監督・・・J・J・エイブラムス 原作・・・ジーン・ロッデンベリー 出演・・・クリス・パイン ジェームズ・T・カーク ザカリー・クイント スポック エリック・バナ ネロ ウィノナ・ライダー アマンダ・グレイソン ゾーイ・サルダナ ウフーラ カール・アーバン レナード・マッコイ ブルース・グリーンウッド クリストファー・パイク ジョン・チョー スールー サイモン・ペッグ スコッティ アントン・イェルチン パーヴェル・チェコフ ベン・クロス サレク ・物語序盤・ 圧倒的な攻撃力を持つ敵からの襲撃を受け、非常事態に陥った惑星連邦軍戦艦USSケルヴィン。敵のリーダー・ネロは、艦長に単独で出向くよう要求する。しかし求めていたもの"スポック"が得られないと知ったネロは、艦長を殺害し、攻撃を再開した。キャプテン代理を任されたカークは、自動操縦が機能しないケルヴィンに独りで残り、最期まで戦い、妻と生まれたばかりの息子を残し殉死する。それから22年ジェームズ・T・カーク通称ジムはアイオワで、警察沙汰ばかりを起こす野放図な若者に成長していた。ジムの父を知る新型艦USSエンタープライズの艦長パイクは、彼を艦隊に志願せよと誘う。その後、興味を持ったジムが士官を目指してから、3年が経過する。士官候補生のジムは、相変わらずの問題児で、試験のプログラムを改竄した咎で処分を受けてしまう。このテスト・プログラムの作成者は、人間とバルカン人との混血であるスポックという若者だった。バルカン人は徹底的な論理的思考をし、人間のように感情で動かない。査問の途中、緊急事態が発生し、カークは親友で医師のマッコイの機転で、USSエンタープライズに潜り込み、宇宙へと発進してゆく。1966年に創作されたTVシリーズ「スター・トレック/宇宙大作戦」を基に再構築した完全新作。物語は、カークやスポックの青年期を描いており、スター・トレック序章といった構成。ビギナーにも優しい"ビギニング"です。かく言う私も、「スター・トレック」シリーズについては、メイン・キャラ以外、殆ど知りません。そういう客層をターゲットにした作品という事でした。普通に面白かったです。娯楽には丁度いい辺りでしょう。J・J・エイブラムス監督らしいVFXやカメラアングルが見られました。宇宙船などの映像は迫力があって、正に現代のスタートレックという感じです。ストーリー的には、特に目新しさはなく、普通のアクションSFです。受け止め方に差はあると思いますが、若干、悪ふざけが垣間見られる所がありました。多少のユーモアは、この手の娯楽では必要だと思いますが、微妙にしつこい部分あり。笑何回か冷めそうになりましたが、ノリ重視でしたら、そちらの方が楽しいという方も多いでしょう。結論として、その場だけ楽しめれば良いというタイプの方にお勧め。ノーマルレベルで面白いですが、観終わって深い何かが残る作品ではないです。「スタートレック」シリーズ自体が、気楽な娯楽作品だと思うので、その枠組みから逸脱しないように創ったのかもしれません。それにしても、ウィノナが何処に居たのか分からん。汗。クレジットには確り出てきますが、完全に端役…。色々あったけど頑張ってほしい女優さんです。試写会が予定通り行われた事と、主催者側がマスクをしていない事、観客もマスク率が低かった事。そっちの方がインパクトがあった。(~_~;)スクリーンの中より、客席の方がデンジャラスだったかもしれない。
May 19, 2009
http://slumdog.gyao.jp/"SLUMDOG MILLIONAIRE"監督・・・ダニー・ボイル 原作・・・ヴィカス・スワラップ『ぼくと1ルピーの神様』(ランダムハウス講談社刊) 出演・・・デヴ・パテル ジャマール・マリク マドゥル・ミッタル サリーム・マリク フリーダ・ピント ラティカ アニル・カプール プレーム・クマール イルファン・カーン 警部 アーユッシュ・マヘーシュ・ケーデカール ジャマール(幼少期) アズルディン・モハメド・イスマイル サリーム(幼少期) ルビーナ・アリ ラティカ(幼少期) ・物語序盤・一人の若者が警察で厳しい尋問を受けている。若者の名はジャマール・マリク。ムンバイにあるイスラム系スラムで育ち、現在は電話オペレーター達のお茶汲みとして生計を立てている。ジャマールは前日、インドで国民的人気を誇るクイズ番組、"クイズ$ミリオネア"に解答者として出演していた。難問を次々に突破し、遂に最後の一問まで辿り着いたジャマールだったが、スラム出で教育も受けていない男が問題に答えられる訳が無いと、司会者プレームは彼を警察に逮捕させてしまったのだった。ジャマールは警官から不当な拷問を受けるが、自分はイカサマをしておらず、クイズの答えは全て人生で学んだと、過酷な生い立ちを語り始める…。ジャマールは兄サラームと共に、スラム街に暮らす母親に育てられていた。だがある日、スラムはヒンズー教徒達の襲撃を受け、イスラム教徒である母は惨殺され、幼い兄弟も命辛々逃げ回る。逃げる途中、同じ様に家族を殺され孤児となった少女ラティカを助けたジャマール。その後暫く行動を共にしていた三人は、ママンという怪しげな男に拾われ、食事と寝る場所を与えられる。しかしママンの正体は、孤児達を物乞いとして働かせている冷酷な悪党だった。金を多く稼がせる為、ママンと手下が孤児の目を潰している所を目撃したサラームは、次に順番の回ってきたジャマールを助けるが、ラティカの事は見殺しにするのだった。それ以来、ジャマールはずっとラティカを想い、彼女を探し続ける。アカデミー賞で作品賞他、最多8部門を受賞した作品。数々の賞を総ナメにしてきた作品だけあって、見応えのある映画に仕上がっていました。何故、教育も受けていないスラム育ちの青年が、クイズの問題を次々にクリアできたのか。その経緯が、彼の語る壮絶な過去と共に明かされてゆきます。過去と現在が交互に現れて、最後まで緊張感が途切れません。実に良く出来た脚本です。それぞれのクイズの答えも、そこから知ったのかと感心するような作りとなっています。それだけに、最後のクイズの簡単さと、主人公が答える理由付けがなされていなかった点が、個人的には残念だった気がします。最終問題に関するエピソードが、冒頭で出てきたので、そこに答えが埋まっていれば良かったのに。初めに何故ジャマールはクイズに答えられたのか?という問い掛けが、観客に向かってなされるのですが、その答えが、最終問題の答えを選んだ理由でもあるんですよね。答え、「運命だったから」と言われたら、それ以上、何とも言い様が無い。(^_^;)しかし最終問題、アトス・ポルトス以外の三銃士の名前って…。億万長者になれるか否かって究極の問題が、そんなアホアホな問題で良いんですか?!アラミス、アラミス、アラミス!と、スクリーンの前で連呼したくなりましたって。笑私にも賞金分けて下さい。あれは流石に、違う問題にしてほしかったなぁ…。他の問題と解答の関係性が、とてもドラマティックだったので、あの問題が異様に浮いていましたよ。スラムの子役達は実際にスラム街に住んでいる子供達を起用したんですね。ニュースで家が撤去されたと聞いて、何とかしてあげられないの?と思いましたが…。映画はお伽噺のようにハッピーエンディングですが、現実は過酷ですね…。
May 8, 2009
http://wwws.warnerbros.co.jp/opv/監督・・・羽住英一郎 原作・・・水野宗徳『おっぱいバレー』(リンダパブリッシャーズ刊) 主題歌・・・Caocao『個人授業』 出演・・・綾瀬はるか 寺嶋美香子 青木崇高 堀内健次 仲村トオル 城和樹 石田卓也 バレー部先輩 大後寿々花 美香子(中学時代) 福士誠治 美香子の元カレ 光石研 教頭 田口浩正 竜王中男子バレー部コーチ 市毛良枝 美香子の恩師の妻 木村遼希 平田育夫 高橋賢人 楠木靖男 橘義尋 城良樹 本庄正季 杉浦健吾 恵隆一郎 江口拓 吉原拓弥 岩崎耕平 ・物語序盤・1979年北九州の中学校に赴任してきた国語教師・寺嶋美香子。美香子は赴任の挨拶に全校生徒の前で、自分の愛読書である高村光太郎の「道程」の話をするが、生徒達は「どうてい」と騒ぐばかり。着任早々騒ぎを起こしてしまった美香子だが、やる気は満々。男子バレー部の顧問を頼まれた美香子は、バレーの経験は無かったが引き受ける。しかし彼女が受け持ったのは、バレー部とは名ばかり、ルールすらも知らず、一度もまともに練習もした事の無い、ダメ部員五人だった。やる気の無い彼等を発奮させようと励ます美香子は、彼等の為に何でもするから頑張れと言い、それを聞いた部員達は、「一試合でも勝てれば、代りにおっぱいを見せて」と言い出す。有り得ないと戸惑う美香子だが、素人同然の部員達が一生懸命に練習に汗を流す姿を見て、次第に彼等との信頼関係を築いてゆくのだった。実話を基にした青春小説が原作です。確かに、この約束がPTAなどに漏れたら問題になりますわな。でも理由や切っ掛けなんて、何でも良い気がする。目標に向かって頑張る事に意義がある。評判が良かったので、気になっていた映画を観てきました。独りで周りに人も居なかったので、好きなだけ泣いていたら、とんでもない顔になってしまいました。(@_@;)イイ映画でしたよ。邦画の良さが凝縮されていました。筋書きは予定調和ですし、びっくりするような展開は何もありませんが、懐かしくて温かい。心が気持ち良くなって、体の芯がほっこり温まる、正にイイ映画です。
May 7, 2009
http://twilight.kadokawa-ent.jp/top.html"TWILIGHT"監督・・・キャサリン・ハードウィック 原作・・・ステファニー・メイヤー『トワイライト』(ソニーマガジンズ刊) 出演・・・クリステン・スチュワート ベラ・スワン ロバート・パティンソン エドワード・カレン ビリー・バーク チャーリー・スワン ピーター・ファシネリ ドクター・カーライル・カレン エリザベス・リーサー エズミ・カレン ニッキー・リード ロザリー・ヘイル アシュリー・グリーン アリス・カレン ジャクソン・ラスボーン ジャスパー・ヘイル ケラン・ラッツ エメット・カレン キャム・ギガンデット ジェームズ エディ・ガテギ ローラン レイチェル・レフィブレ ヴィクトリア アナ・ケンドリック ジェシカ・スタンリー テイラー・ロートナー ジェイコブ・ブラック ジル・バーミンガム ビリー・ブラック ・物語序盤・ベラことイザベラ・スワンはアリゾナで母と暮らしていたが、母の再婚を機に、父の住むワシントン州フォークスで生活する事に決めた。警察署長である父は口下手だが、自分に干渉しない所が気に入っている。父から貰ったオンボロトラックで登校してきたベラを、周囲は嘲るような目で見ていたが、ベラは意に介さなかった。基本的に単独行動を好むベラは、最低限の友人しか作らず、自分の時間を大切にするタイプ。しかしカフェテリアで見掛けたミステリアス男女五人組の事は気に掛かった。取り分け、孤高な雰囲気を醸し出す完璧な美貌を持ったエドワードには心惹かれるが、生物の授業で隣の席になった彼は、あからさまにベラを避ける。彼等は医師であるカーライル・カレンの養子として育てられており、校内の誰とも交わらないという。エドワードが何故頑なに自分を避けるのか気になっていたベラ。ある日、校内の駐車場で起こった事故で危うく命を落とし掛けるが、エドワードによって救われる。しかしベラは、彼が離れた場所から瞬時に現れ、暴走する車を素手で止める現場を目の当たりにしてしまった。エドワードが普通の人間でない事を悟ったベラは、真相を問い質すが彼は答えなかった。そして探求の結果、ベラが辿り着いた結論は、ヴァンパイアという単語だった…。一方エドワードは、仲間から彼女に近付く事を咎められていたが、彼の能力である心を読む力の通じないベラに、苛立ちつつも惹かれてゆく心を抑えられないでいた。人間とヴァンパイアが禁断の恋に落ちるという、ファンタジー・ロマンス小説の第一作を映画化した作品。吸血鬼好きという事で、一応押さえておこうと思った映画でしたが、原作ファン層が十代の少女というヤングアダルトノベルのベストセラーだけあって、如何にも少女趣味です。(^_^;)観ていて、「私、ここに居て良いのかな?」と、ちょっと居場所の無い心持ちに。笑流石に、この作品と同化するには、自分が年を取り過ぎたという気持ちを持ってしまいました。でも根幹的には、好きなジャンルである事は間違いないです。"禁断の恋"とか、"人外の存在"とか。空想好きの昔乙女な私が、愛して已まぬ世界ですよwww登場人物達が大人だったら、まだまだのめり込める余地はある筈。多分、きっと、ひょっとすると…。皮膚が凍る様に冷たいという設定なのですが、その描写が出てきたのは、ベラが車内でエドワードの手に触れた時だけでした。その後はごく普通に触れたり、キスしたりしていた…。氷のように冷たい皮膚の人と、普通に抱き合えないと思うんですけど、私は…。冷たいね…って言わないんだ。辛抱強いぞ、ベラ。(^_^;)ネイティヴ・アメリカン達は、元は狼族という設定でした。吸血鬼と狼男って、必ずセットで出てきますね。ここで出てくる吸血鬼は、日光を受けても大丈夫です。但し、皮膚がダイヤモンドのように輝いてしまうので、日光が遮られる雨天の日を好みます。大蒜が苦手、水が苦手、鏡に映らないなどの特徴は無し。血を飲み、人間を超越したスピードとパワーを持っている不死者です。エドワードの属する群れは、庇護者であるカーライルが動物の血だけを飲み、人間を捕食しない主義である為、人間と同化し、同じ場所に定住しています。しかし彼等とは主義の異なる吸血鬼のグループが近隣に現れ、人間を襲った事で問題が起こってきます。血を吸われて、死に至る前で止まれば、人間は吸血鬼となりますが、カーライル達の考えでは、仲間にするのは他に選択肢が無い相手だけ。という事で、ベラは人間のまま、吸血鬼のエドワードと恋仲に。原作を未読なので、この先の展開が判らないのですが、今の所は人間と吸血鬼の恋です。私だったら、吸血鬼にしてくれた方が嬉しいんですけど。(^_^;)
Apr 25, 2009
http://www.yatterman-movie.com/監督・・・三池崇史 原作・・・竜の子プロダクション 出演・・・櫻井翔 ヤッターマン1号(高田ガン) 福田沙紀 ヤッターマン2号(上成愛) 生瀬勝久 ボヤッキー ケンドーコバヤシ トンズラー 岡本杏理 海江田翔子 阿部サダヲ 海江田博士 深田恭子 ドロンジョ 小原乃梨子、たてかべ和也、笹川ひろし 出演(声)・・・滝口順平 ドクロベエ 山寺宏一 ヤッターワン/ヤッターキング/説明人形 たかはし智秋 オモッチャマ ・物語序盤・破壊された東京らしき街で、戦いを繰り広げるドロンボー一味と正義のヒーロー・ヤッターマン1号2号。ドロンボー一味は破れ、街に一時の平和が戻る。ヤッターマンとして戦う二人の正体は、高田玩具店の一人息子ガンちゃんと、近所に住むガールフレンド愛ちゃんこと上成愛。海外出張の多い父に代り、ガンちゃんは父の発案した犬型の巨大ロボット・ヤッターワンを完成させた。彼等が戦っている悪者ドロンボー一味は、ドロンジョ、ボヤッキー、トンズラーの三人組。彼等はドロボーの神様ドクロベエに忠誠を誓い、ドクロベエの命令に従って、四つに分散してしまったドクロストーンを探していた。ヤッターマンが助けた少女・翔子は、ドクロストーンの欠片を、考古学者である父・海江田博士から預かっていた。翔子の話によると、海江田博士はナルウェーの森へ二つ目のドクロストーンの欠片を探索に行ったまま行方不明となっていた。ドロンボー一味も、博士の足取りを追っていると知った二人は、ヤッターマンに変身し、翔子と共に、ヤッターワンに乗って、海江田博士の次の目的地オジプトへと急行する。全体的に良く出来ていると思います。CGも確りしているし、所詮は子供向けコメディであるという認識も忘れてはいない。(「GOEMON」みたいに半端にカッコつけようとか、そんな欲は出さず、分を弁えているという意味。(^_^;))キャラクターの精神年齢をアニメより少し上に設定したのも、「ゲゲゲの鬼太郎」同様に成功の一因になっています。だから子供だけでなく、大人も楽しめる。笑いの中心は、ワンテンポ間の空いた、オフビートなものです。ただ、下ネタが連続した辺りで、鬱陶しくなってしまいました。敵ロボット、ヴァージンローダーと戦う辺り…。ロボット同士のエロは、流石にちょっと退く。その前から、下ネタが続いていて、くどいな…と厭気が差していた時に、ダメ押し的に来たので、悪ノリし過ぎだと感じました。毎週放映される番組構成を取っているので、エンドロール後に次週の予告があるのですが、ここでも「敵の弱点は喉チ●コよ!」という台詞が…。この期に及んで、まだチ●コ言うか?!下ネタ、ウザ過ぎっ!下ネタに眉を顰める程、私は潔癖な人間じゃありませんが、この映画の場合、度が過ぎてるんですよ。そっちのネタで笑いを取ろうというのは、笑いの質としては最低レベルです。(しかも笑えないとくる。小学生が面白がって連呼しているような感じ…痛)折角、頑張っている所も、帳消しにしてしまいかねない愚行なのに、何故…?脚本をチェックして、くどい下ネタの連発部分は軽めに削ってくれれば、もっと全体的な質が向上したのに、その点がとても残念です。キャラクターの造形がとても良かったし、お話もアニメのネタを使いつつ、無難に纏めてあっただけに、首を傾げてしまう下ネタの頻出は、実に勿体なく思いました。(>_
Apr 24, 2009
5/1(金)より全国ロードショーです。http://www.goemonmovie.com/監督・・・紀里谷和明 出演・・・江口洋介 石川五右衛門 大沢たかお 霧隠才蔵 広末涼子 浅井茶々 ゴリ 猿飛佐助 要潤 石田三成 玉山鉄二 又八 チェ・ホンマン 我王 佐藤江梨子 吉野太夫 戸田恵梨香 夕霧太夫 鶴田真由 小平太の母 りょう 五右衛門の母 藤澤恵麻 才蔵の妻・お吉 佐田真由美 三成の妻・おりん 深澤嵐 小平太 福田麻由子 少女時代の茶々 広田亮平 少年時代の五右衛門 田辺季正 青年時代の五右衛門 佐藤健 青年時代の才蔵 蛭子能収 蕎麦屋の店主 六平直政 紀伊国屋文左衛門 小日向文世 遊郭の番頭・弥七 中村橋之助 織田信長 寺島進 服部半蔵 平幹二朗 千利休 伊武雅刀 徳川家康 奥田瑛二 豊臣秀吉 ・物語序盤・天下統一を目前にした織田信長が、本能寺で明智光秀の謀反によって斃れた。その後、素早く光秀を討ち取り、主君の仇を取った豊臣秀吉が天下人となり、それなりの平安が訪れた。しかし巨万の富を築く者がある一方で、庶民達は貧困に喘ぎ、のたれ死ぬ者も後を絶たない。そんな世で庶民の人気を集めている男が居た。彼は天下の大泥棒・石川五右衛門。五右衛門は金持ちの屋敷だけを狙い、盗んだ金を貧しい者達にばら撒く義賊として、大衆に持て囃されていた。ある晩、紀伊国屋文左衛門の屋敷に盗みに入った五右衛門は、金と一緒に、奇妙な南蛮製の箱を持ち帰るが、それが何か判らぬまま、近くに居た少年・小平太に与えた。しかしその箱には天下を揺るがす、重大な秘密が隠されていた。そして箱の行方を追って現れた石田三成の配下・霧隠才蔵によって、小平太の母親は斬り殺されてしまうのだった。五右衛門と才蔵は、幼い頃に信長に拾われ、共に忍びとして切磋琢磨した旧知の間柄だった。「CASSHERN」を観た後、これは紀里谷氏にとって、最初で最後の監督作品となると信じて疑いませんでした。まさか、まだ彼に金を出そうという奇特なスポンサーが居たとは。!Σ( ̄□ ̄;)怖いもの見たさという意味に於いて、非常に興味があった作品でした。「CASSHERN」ほど破綻しきっていないものの、自慰映画である事は前作同様ですね。それでも中盤辺りまでは、一応観られる内容だったような。話をシリアスに運ぼうとした中盤過ぎからは、お寒い脚本に…。"独り善がり"という言葉が自然と頭を擡げました。熱く訴えれば訴えるほど、恥ずかしく空回りする台詞。特にゴリの演じる猿飛佐助が、最初から最後まで浮いていて、居ない方がマシです。ゴリさんの演技が下手という意味ではなくて、間違いなく脚本を書いた紀里谷さんの責任。(-_-メ)とにかく、言っている言葉全てが寒いんです。笑下手に薄っぺらな自分の哲学や思想を語らず、娯楽なら娯楽に徹するべきだった。あと、言葉遣いが時々、現代用語っぽいものが混じっていて、変。最初のナレーションで、「格差社会になりました」とか。格差社会ってさ…。なんか他の単語で言い換えられんの?平成かよ。CGについては、一言で言うと安っぽくて見苦しい。コマが足りないのか、動作がカクカクしていて不自然です。群衆を描いたシーンなどは、完全に安物のゲーム画面みたい。何故、中途半端なCGしか作れないのに、CGに拘るのでしょうね?役者はアクションの訓練も受けたようですが、全部CG加工してしまっているので、役者の動きなど無意味です。動きが滑らかでない上に、スピードだけは速いので、じっと見入っていると目の負担が大きい。ガチャガチャと忙しなく動く画面に、目の疲れからか、意識が遠くなりました。この映画を観るとしたら、後方の座席から、ぼやーっと観るのが正解かもしれません。和洋折衷な世界観は、舞台演劇を観ているようでした。洋風な城や甲冑、着物とドレスを合わせたような衣装は、見た目に美しく、デザインに関してだけはセンスが良かったと思います。でも「CASSHERN」がトンデモ・ビックリ作品として、強烈なインパクトと共に"レジェンド"となって記憶に残ったのに対し、微妙~に"映画"として改善された今作は、誰の記憶にも残らずに消え去ってゆく作品になるような気がします。もっととんでもない映画を作って、唖然とさせてほしかったですね。だってそれしか、映画監督の紀里谷氏には望めないでしょう。感覚で生きている人だから、根本的に長編には向かないんですよ。
Apr 23, 2009
4/25(土)より全国ロードショーです。http://burn.gyao.jp/"BURN AFTER READING"監督、脚本・・・イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン 出演・・・ブラッド・ピット チャド・フェルドハイマー ジョージ・クルーニー ハリー・ファラー ジョン・マルコヴィッチ オズボーン・コックス フランシス・マクドーマンド リンダ・リツキ ティルダ・スウィントン ケイティ・コックス エリザベス・マーヴェル サンディ・ファラー リチャード・ジェンキンス テッド J・K・シモンズ CIA上官 ・物語序盤・CIAで分析官として長年勤務してきたオズボーン・コックスは、飲酒の問題が原因で左遷を言い渡されて逆上し、そのままCIAを退職し、暴露本を書く事にした。医師である妻のケイティは夫に嫌気が差しており、以前から財務省連邦保安官ハリーと浮気をして、オズボーンとの離婚を考えていた。ケイティは弁護士の進言に従って、オズボーンの内情や秘密を彼のパソコンで探り、データを丸ごとCD-ROMにコピーする。しかしそのCD-ROMを弁護士の秘書がフィットネスクラブのロッカールームに置き忘れた事から問題が発生。CD-ROMの内容を盗み見たフィトネスクラブのインストラクター・チャドは、そこに書かれた文章や数字の羅列を重大な国家機密と考え、全身整形の費用を欲しがっている同僚のリンダと共謀して、データ所有者であるオズボーンから金を強請る計画を立てる。しかしオズボーンは全く相手にせず、CD-ROMを返せと凄むばかりで、一向に金を払う気配が無い。二人は作戦を変更し、そのCD-ROMをロシア大使館に持ち込んで買い取らせようと考えるが…。コーエン兄弟の"小品"らしい映画でした。要するにCIA批判なので、日本人には馴染みにくいかもしれませんが、話自体はドタバタ劇ですので、シニカルな娯楽映画として楽しめます。血税の無駄遣いは、日本の公的機関でも多く見られるので、CIAを日本の公的機関に置き換えて考えれば、身近な話に感じられるのではないでしょうか。映画の趣旨は、エンドロールで掛る歌の歌詞が代弁してくれています。51番目の州と言える程の予算を持って行く巨大組織。でも本当の所、その金の多くは胡散臭い問題で無駄遣いされているのではないか。映画は勿論、デフォルメしてあるので、流石にここまで馬鹿馬鹿しい事はしていないと信じたいですが、一般常識で考えて、明らかに無駄遣いと思われる事に、我々の税金が浪費されているのも事実で。映画そのものは、前述したように終始ドタバタ劇で、決して堅苦しいものではありません。ただ、予告編から連想するような、コメディ映画ではありません。基本が風刺ですので、ブラックで皮肉たっぷりに描かれています。普通に面白いですが、小品である事、風刺映画である事から、一般ウケするタイプではなく、映画館のスクリーンで観るメリットは少なく、自宅でゆっくり鑑賞する方が向いている作品だと感じました。ブラッド・ピットは"and"で表記されています。何故、"and"での出演なのかは、映画を途中まで観ると納得します。でも正直、彼の使い方には驚きました。全く予想外でしたね、あれは。割と血生臭いシーンも平気で出てきますので、苦手な方は気を付けて下さい。あと、下ネタも。笑ハリーがせっせと作っていた、あの道具は…。(^_^;)あれはね、女から言わせると、悪いけど、全然気持ちよくないんですよ、ぶっちゃけ。似たような代物が商品として販売された事があるらしいのですが、殆ど売れなかったと聞いた事があります。間違っているのに、いつまでも男の中で信じられている"神話"の類よ、ありゃ。大した事もないデータに振り回されて、そこに関わる人間関係が絡み合って、複雑に縺れてゆく。そして当初の思惑からどんどん遠ざかって、とんでもない事態に陥ってしまう。コーエン兄弟の作風らしいブラックさが全編に漂っている一本。でも私が一番最初に感じた事は、映画の内容に全く関係ないのですが、「みんな、老けたなー!」という思いでした。ニヤケ男ジョージ・クルーニーもすっかりオジサンでセクシーじゃないし、マルコヴィッチなんてお爺ちゃんだよ…。ティルダ・スウィントンも老けたよね、綺麗な人だったのに…。自分が老けた事は棚に上げて、そんな思いに浸っていました。(^_^;)
Apr 20, 2009
4/25(土)より全国ロードショーです。http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/"GRAN TORINO"監督・・・クリント・イーストウッド 音楽・・・カイル・イーストウッド、マイケル・スティーヴンス 出演・・・クリント・イーストウッド ウォルト・コワルスキー ビー・ヴァン タオ・ロー アーニー・ハー スー・ロー クリストファー・カーリー ヤノビッチ神父 コリー・ハードリクト デューク ブライアン・ヘイリー ミッチ・コワルスキー ブライアン・ホウ スティーブ・コワルスキー ジェラルディン・ヒューズ カレン・コワルスキー ドリーマ・ウォーカー アシュリー・コワルスキー ジョン・キャロル・リンチ、スコット・リーヴス、ブルック・チア・タオ、他。 ・物語序盤・ウォルト・コワルスキーは、フォードの自動車工として長年働いた後、リタイアして妻と二人暮らす頑固一徹の男。その妻に先立たれ、久し振りに二人の息子や孫達と顔を合わすが、彼等の行動が気に入らず、腹を立てる。老人ホームに入るよう勧める息子夫婦を追い返し、72年製フォード車グラン・トリノとライフル、老犬のデイジーだけを友に、庭の芝生を手入れしながら、静かに暮らしたいと望むウォルト。だが彼の住む住宅街は様変わりし、様々な人種が溢れ、隣家には大嫌いなアジア系の家族が越してきた。朝鮮戦争帰還兵で典型的な人種差別者のウォルトは、タイの少数民族モン族の一家に眉を顰める。或る日、ウォルトは気弱で大人しい隣家の少年タオ・ローが、知り合いの不良グループに絡まれている所を助ける。彼等が自分の家の芝生を踏んでいたので怒っただけだったが、一家や同族の者達はウォルトに感謝し、料理や花を届けてくる。別の日、今度は街角で黒人達と揉めているタオの姉スーを助け、それが切っ掛けで、スーはウォルトと気安く話すようになる。その後、不良グループに強要されて、タオはウォルトのグラン・トリノを盗もうとする。謝罪させると、ロー家の母親は、タオをウォルトの手伝いに出向かせる。最初は厄介に感じていたが、交流を重ねる内、ウォルトは次第に心を開いてゆくが…。 イーストウッド監督作品にしては、珍しく爽やかですね。アカデミー賞常連なのに名前すら挙がらないのは何故だろうと思っていましたが、観て納得しました。良くも悪くも大衆向け娯楽作品なんですよね、これは。これまでの一連の彼の作品が、重苦しいテーマを扱った硬派な社会派映画だったのに対し、こちらは一般人にも受け容れ易い作りです。良い映画だと思いますし、観終わった後、良かったねと清々しい気持ちで映画館を後に出来ます。ただ、深みという点で、今迄の作品と比較してどうかな?と考えると、やはり全体的に軽くて物足らないという気持ちが、時間が経つにつれ感じられてきました。娯楽映画なので、イーストウッド作品の暗さ・重さが苦手だった方にもお勧めできる作品です。イーストウッド自身が主演しての監督作品です。彼の演じる役どころウォルト・コワルスキーは、典型的な旧世代のアメリカ人、即ち保守的な白人至上主義のレイシストです。口も悪くて辛辣、時代錯誤の分からず屋なので、実の息子達や孫達からさえも嫌われています。所謂、頑固爺なのですが、彼を主役に据えている所から、映画を観ている観客には、彼の美点が沢山垣間見られ、キャラクター的には憎めないクソ爺(笑)という感じです。逆に、彼の本質を理解しない息子夫婦達こそ、偏見に満ちているような描き方となっています。でも実際に彼が家族だったら持て余すと思いますね。(~_~;)さて、孤独で静かな暮らしを頑なに守ろうとするウォルトが関わるのが、戦争で母国タイを追われ、アメリカに移住してきた少数民族モン族の一家。朝鮮戦争の帰還兵で、特にアジア系民族が大嫌いなウォルトは、彼等を米喰い虫と呼んで露骨に毛嫌いします。しかしこの家の姉弟と関わる内に、徐々に彼等に心を開いてゆくようになり、二人が晒されている危機から、救い出してやりたいと考えるように。ストーリーとしても有りがちですが、ウォルトやモン族の人々のコミカルな遣り取りが続いて、鑑賞中はくすっという笑いが絶えません。差別用語はどぎついので、特にアジア人である日本人は、え…と思う事もありますが、全体的にはほのぼのと微笑みつつ鑑賞できる映画となっています。気になったのは、アジア少数民族の描き方ですかね。彼等に対するリサーチがお座成りで、面白おかしくデフォルメされている所が、アメリカ人の映画だなと思えました。ハリウッド映画の中で、アジア人は依然として、"色物"でしかないのだという事を実感しました。モン族の人達は、この映画を観て、絶対に喜ばないと思います。ヘンテコな日本人が出てくる映画を観て、嫌気が差す日本人と同様に。兎に角、娯楽作品としては良質であり、一般受けするタイプなので、誰でも安心して観に行ける作品です。深刻な事件も起こりますが、残酷な描写は殆どありません。痛い目に遭うのがアジア系の少女という所も、如何にもアジア系民族を軽んじる白人映画なんですけどね。(^_^;)アジア人はどう扱っても構わないという差別的な空気を感じるのは、この作品に限らずですが。少し辛口になりましたが、その辺を深く考えなければ、大抵の人は良い映画だったねと思えるでしょう。私も楽しかったです。
Apr 16, 2009
http://watchmen-movie.jp/"WATCHMEN"監督・・・ザック・スナイダー 原作・・・デイヴ・ギボンズ(画) 出演・・・マリン・アッカーマン ローリー・ジュスペクツィク(シルク・スペクター) ビリー・クラダップ ジョン・オスターマン(DR.マンハッタン) マシュー・グード エイドリアン・ヴェイト(オジマンディアス) カーラ・グギーノ サリー・ジュピター(初代シルク・スペクター) ジャッキー・アール・ヘイリー ウォルター・コバックス(ロールシャッハ) ジェフリー・ディーン・モーガン エドワード・ブレイク(コメディアン) パトリック・ウィルソン ダン・ドライバーグ(ナイトオウル) スティーヴン・マクハティ ホリス・メイソン(初代ナイトオウル) マット・フルーワー エドガー・ジャコビ(モーロック) ローラ・メネル ジェイニー・スレイター ロバート・ウィスデン リチャード・ニクソン ・物語序盤・ 1940年代アメリカで、覆面を付け、世界の事件を解決する"ウォッチメン"と呼ばれるヒーロー集団が現れた。しかし彼等の行動が過剰だと、市民からは反発の声も上がる。1977年には政府の施行したキーン条例により、彼等の活動は禁止され、一部の者を除いて、ヒーロー達は引退した。そして1985年、ニクソン大統領が強権を振るっていた時代。アメリカはソビエト連邦と冷戦状態にあり、世界は核戦争の危機に晒されていた。その年、ニューヨークの高層マンションに住むエドワード・ブレイクが、何者かに襲撃され、ビルから転落死させられた。エドワードはかつて"コメディアン"と名乗っていた"ウォッチメン"の一員だった。現在も密かに監視活動を続けていた"ロールシャッハ"は、彼の死を"ヒーロー狩り"だと考え、捜査を開始した。かつての相棒である"ナイトオウル"は引退しており、現在でも活動を続けているのは、DR.マンハッタンとシルク・スペクターの二人だけだった。 キャラクター原案は、80年代後半に発表されたアメリカの人気グラフィック・ノベル。舞台はパラレル・ワールドのアメリカ。シリアスで壮大なお話ですね。陽気で爽快なアメコミ・ヒーロー物ではありませんので、くれぐれも誤解無きように。
Apr 15, 2009
"ANGEL"監督、脚本・・・フランソワ・オゾン 原作・・・エリザベス・テイラー 出演・・・ロモーラ・ガライ エンジェル・デヴェレル シャーロット・ランプリング ハーマイオニー・ギルブライト サム・ニール セオ・ギルブライト ルーシー・ラッセル ノラ・ハウ=ネヴィンソン マイケル・ファスベンダー エスメ・ハウ=ネヴィンソン ・物語序盤・1900年代初頭のイギリス。エンジェル・デヴェレルは、田舎町の貧しい家庭で生まれ育った少女。他界した父の遺した食料品店で、母と共に生活しているが、自分は貴族の血を引いていると言いふらしている。上流階級に憧れるエンジェルは、近くに在る裕福な一家が暮らす豪邸"パラダイス屋敷"をいつも眺めては、貴族社会を夢想して物語を書き綴っていた。母や叔母は彼女に呆れているが、エンジェルは何れ自分は大作家になると信じて疑わなかった。ある時、エンジェルが多数の出版社に送っていた自作の著書"レディ・イレニア"に、一つの出版社が興味を示す。喜び勇んで初めてロンドンを訪れたエンジェルを迎えたのは、発行人のセオ・ギルブライト。著者を初老の婦人と思っていたセオは、16歳の少女が現れて驚く。セオはエンジェルに、誤った記述を訂正するなら、出版しても構わないと言うが、エンジェルはコンマ一つすら変える積りは無いと、頑なに自分の無知を否定した。セオの妻ハーマイオニーは、エンジェルが全てを空想だけで書いていると指摘するが、エンジェルは彼女にも傲慢不遜な態度を取る。可笑しな記述はあるものの、作品に惹かれるものを感じたセオは危険を冒して出版に踏み切り、エンジェルは念願の作家デビューを果たした。貴婦人のメロドラマを描いた処女作は、世の女性達を虜にし、エンジェルは瞬く間にベストセラー作家となり、夢に描いた通りの暮らしを手に入れるのだった。そしてパーティーで出会ったハウ=ネヴィンソン家の姉弟の弟エスメに、一目惚れするエンジェル。しかし彼は売れない絵ばかり描いて、借金を作って、女性関係にもルーズな困り者の若者だった。 オゾン監督初の全編英語脚本による映画です。オゾン監督にしては、非常に判り易いストーリー展開でした。極めて高慢で不躾なヒロインなのですが、何故かとても魅力的に感じました。強気だけれど脆さを併せ持つ、ダイヤモンドのような女性。彼女の激しさと脆さを本当に理解し、最後まで支え続けたのは、エンジェルのファンで秘書として働いていたノラ。エンジェルの最期の言葉が、かつて彼女が書いた小説のラストと同じなんですね。自分の生い立ちを恥じ、美しいものだけを見続けるエンジェル。理想の人生を生きる事で、忌まわしい過去を忘れてみせると。憧れ続けたパラダイス屋敷に住んでいた、アンジェリカという名の少女。"天使"と"天使のような子"の立場は、大人になって逆転します。アンジェリカの一家は破産して邸宅を手放し、エンジェルは成功で手にした大金で屋敷を買い、召使ではなく主になるという望みを果たす。運命が齎した皮肉な結末とは何かと思っていましたが、すっかり忘れた頃に、意外な形で登場するのですね、アンジェリカ。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Apr 14, 2009
"THE NOTORIOUS BETTIE PAGE"監督・・・メアリー・ハロン 出演・・・グレッチェン・モル、クリス・バウアー、ジャレッド・ハリス、サラ・ポールソン、カーラ・セイモア、デヴィッド・ストラザーン、リリ・テイラー、ノーマン・リーダス、ジョナサン・ウッドワード、他。 ・物語序盤・1950年代、アメリカはまだ性に対して保守的で、猥褻な雑誌は警察の取り締まりを受けていた。そんな時代に一世を風靡した、一人のピンナップ・ガールが居た。 彼女ベティ・ペイジは、ナッシュビルの田舎町で生まれ育ち、敬虔で厳格な母親の影響で、信心深く利発な少女として成長する。演劇の為に、高校の首席での卒業と大学への奨学金を逃したベティは、教師への道を蹴って、地元の若者ビリーと結婚する。だが程無く、若い二人の結婚生活は破綻し、ベティはニューヨークで新生活を始める事に。世間知らずなベティは街角で声を掛けてきた男に騙され、車で連れ去られた後、待ち受けていた男達に乱暴されてしまう。教会で一人泣き続けるベティだが、妹には明るい手紙を書き、時間の流れの中で傷を癒す。ある時、コニーアイランドを散歩していたベティは、警官だという黒人ジェリーに写真を撮らせてほしいと頼まれ、それに応ずる。ベティは水着の写真を撮られても平気だったが、周囲の人々は猥褻だと警察に通報するのだった。それを切っ掛けに彼女は、写真のモデルとしてのキャリアを踏み出す。自分のしている事に抵抗感を持たず、言われるままにポーズを取るベティは、忽ち人気モデルとなり、更にボンテージ衣装を着て、SM紛いのフィルムにも出演するようになってゆくのだった。実際に彼女と面識のある人の話では、ベティは驚くほど世間知らずだったという事でした。それらの証言や資料を基にして再現された、永遠のピンナップガール、ベティ・ペイジの半生を描いた作品です。伝記物なので、物語としては淡々としています。世間が眉を顰めるような奔放で大胆な行動を取る反面、彼女自身はとても初な女性で、写真を撮られる事を心から楽しんでいる所がポイントでしょう。ボンテージも最初こそ、変わった衣装だとおっかなびっくりでしたが、それが何を意味しているかも、その手の雑誌を買う男性達が何をしているかも知らない。写真館のオーナーから、地位の高い人達が愛好しているのだと言われれば、それを鵜呑みにして疑いもしない女性です。もう少し気を付けようよ…、と観ているこちらがハラハラする程、常に無防備な彼女。痛い目にも遭っているのに、全然学習しない所が、ある意味凄い。(^_^;)こういう職業の人は学が無いと思いがちですが、ベティは勉強も出来る子なんですよね。でも、次席の卒業特典として与えられた教員養成学校への進路は、教員なんて厭という理由だけで、簡単に捨ててしまう、単純であっさりした性格のようです。加えて、敬虔なクリスチャンでもあるベティですが、自分のしている事を余り理解していないので、彼女の中で矛盾はありません。「アダムとイヴも裸だった。罪を犯して、人間は服を着るようになった。」という台詞は、なかなか奥深い。半世紀以上前の話なので、今から見ると、この程度で猥褻なのかと思います。SM的なショートムービーも、叩いているふりをしているだけで可愛らしいものです。主演のグレッチェン・モル、何度も素っ裸になっていますが、スタイルが良くて眩しいですわ。脱いでも溌剌としていて、全然厭らしく感じない所が、今なお愛され続けるピンナップガールの所以なのだろうか。カメラに向かってポーズする事、写真に撮られる事が、本当に大好きだったんだなぁと。神が与えた天職という感じがしました。映画はこの時代に合わせた、今では珍しい白黒映像です。白黒でも映える色を選んでいますね。肌の白とボンテージの黒など、コントラストがはっきりしていて、白黒映画の良さを上手く使っていました。休暇で行くマイアミのシーンだけは、総天然色(笑)です。マイアミはベティが、心身共に疲れた時に何度も訪れていた場所で、カラーは解放を意味しているのでしょうね。最終的にはベティは、クリスチャンとして伝道の道に進んでゆきます。その時既に時代は移り変わり、彼女の写真などは生易しいものとなっていました。映画の中ではベティは美しいままですが、実際にはかつての美貌は失われていた訳で。時の流れって残酷だな。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Apr 13, 2009
"THE INTERNATIONAL"監督・・・トム・ティクヴァ 出演・・・クライヴ・オーウェン ルイ・サリンジャー ナオミ・ワッツ エレノア・ホイットマン アーミン・ミューラー=スタール、ブライアン・F・オバーン ・物語序盤・ドイツ、ベルリンのとある駅の駐車場で、二人の男が車内で密会していた。男の一人は、国際銀行IBBCの内部告発者で重要な情報を明かす積りでいたが、まだ迷っている様子だった。短い会話の後、もう片方の男は、証拠書類は後日受け取る算段にして車から降り、携帯で仲間と連絡を取る。しかし協力者が見守る前で、男は急に苦しみ出すと、そのまま路上で絶命してしまう。死んだ男はニューヨーク検事局の職員シューマーで、現場を監視していたのは、インターポール捜査官ルイ・サリンジャーだった。ルイはシューマーの遺体を調べ、首の後ろに不審な傷を見付ける。ルイは事務所で連絡を待っていた、同じくこの捜査に当たっているニューヨーク検事局のエレノア・ホイットマンと合流し、ドイツ警察と話し合うが、当局は厄介事を嫌い、シューマーの死因は不明、二人には国外退去と通告してきた。ルイはかつてニューヨーク市警の警官で、IBBCの武器売買関与と不審な資金の流れを追っていたが、上層部の決定で、事件はうやむやにされ、証人達は抹殺されるという苦い経験をしていた。その後、インターポールに在籍し、執念の捜査を続けていたルイだが、逮捕権限の無いインターポールでは、IBBCの暗部を暴き、正義を行う事は不可能に近かった。三ヶ国合作だからか、ベルリン、リヨン、ルクセンブルク、ミラノ、ニューヨーク、バグダッドと、国際色豊かな映画です。"THE INTERNATIONAL"というタイトルだけの事はありますね。(^.^)ストーリーとしては、特に目新しいものはありませんでしたが、確りと書かれた脚本で、最後まで楽しめました。グッゲンハイム美術館(NY)での派手な銃撃戦は、見た目には面白く、この映画の視覚的な山場とも言える場面ですが、隠密行動の筈なのに、そんなに無茶やらかして大丈夫かと、ちょっとツッコミ。(^_^;)/でも全体的には、スリルがあって、緊張感も持続され、上手く纏められた作品だと思います。クライヴ・オーエンはフランス系アメリカ人(フランス人か?)という設定なので、フランス訛りの英語で喋っています。彼が長年追い続けているのは、巨大国際銀行による国家規模のミサイルとミサイル誘導システム売買。負債は相手を支配するというのは、確かにその通りですね。直接的な利益を求めるのではなく、真綿で首を絞めるような、外堀から埋めて行くようなじわじわとした狡猾な支配。銀行さんの話を聞いて、借金はしちゃダメだなと思いました。笑世界を動かすのは金の力。金が無ければ何も動かないのが、現代社会です。IBBCは謂わば、必要悪なんですよね。違法行為はしているけれど、世界を円滑に回す潤滑油です。人間社会が必要としているシステムを、人間の法で裁こうというのは、矛盾した話なのかもしれません。それでも一個人レベルで考えると、関係者が何人も殺されたりと、許せないと憤り、戦うのがサリンジャーの立ち位置。かつては警察官として、現在はインターポール捜査官として、巨悪と立ち向かってきたサリンジャー。けれども相手は、多くの国家・大企業・捜査機関の上層部によって守られている存在である事を痛感する。彼等を裁くには、法律の外側に出るしかない。でも、それも結局は、個人的な恨みを晴らすレベルの問題でしかありません。世界を動かすシステムは何も変化しない。サリンジャーは「パニッシャー」みたいな吹っ切れたアウトローではないです。昨日まで法の枠組みの中で必死に働いて、法による正義を信じていた彼が、覚悟は決めたとは言え、いきなりアウトローにはなりきれず。その辺の人物像の描き方が魅力的だったと思います。追い詰めた丸腰の相手に銃を向けるが、引き金を引く時になって躊躇するサリンジャー。さて、彼は殺し屋"コンサルタント"がしてきたように、冷徹にIBBC頭取のスカルセンを撃ち殺せるのでしょうか?その成否の如何は、映画をご覧になって確かめて下さい。( ^^)↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Apr 12, 2009
"RED CLIFF: PART II""赤壁"監督・・・ジョン・ウー アクション監督・・・コリー・ユン 主題歌・・・アラン 出演・・・トニー・レオン 周瑜 金城武 孔明 チャン・フォンイー 曹操 チャン・チェン 孫権 ヴィッキー・チャオ 尚香 フー・ジュン 趙雲 中村獅童 甘興 リン・チーリン 小喬 ユウ・ヨン 劉備 ホウ・ヨン 魯粛 トン・ダーウェイ 孫叔材 ソン・ジア 驪姫 バーサンジャプ 関羽 ザン・ジンシェン 張飛 チャン・サン 黄蓋 ・物語序盤・曹操率いる80万の大軍を、僅か5万で迎え撃つ劉備・孫権連合軍は、辛くも撃退に成功した。思い掛けず、大敗を喫した曹操だが、依然圧倒的な勢力差は変わらない。曹操は、2000隻の戦艦を率いて赤壁へと進軍する。だが、この地に不慣れな曹操軍は、疫病にやられ、多数の患者と死者が出る。曹操は死体を船に積んで、連合軍のいる対岸へと流し、連合軍にも疫病を蔓延させる事に成功する。ここに至って、劉備は自軍の兵と民を守る為、孫権との同盟を反古にし、撤退を決断する。孔明は単身、戦地に居残り、周瑜らと共に戦う道を選んだ。一方、孫権の妹・尚香は、曹操軍に間者として潜入し、陣地の内情を逐一報告し、危険を顧みずに見取り図を作っていた。孔明は十万本の矢の不足を、三日で調達すると周瑜の前で公言し、周瑜には曹操軍に寝返って、水軍のいろはを教えている厄介な二人の将軍の抹殺を約束させるのだった。やっと本格的な戦いが始まった赤壁。はっきり言って、赤壁の戦いに関しては、こっちだけ観れば十分な映画です。今作がメインですから。前作って何だったんだろう。(^_^;)長過ぎる前置き。余計な部分と思われるシーンは多かったのも事実ですが、前よりは数段面白かったです。特に、後半はずっと戦争ですので、見応えもあります。予想以上に、戦闘シーンが長かったですね。私見から言えば、三時間程度で一本に纏められる内容ではないかと。色んな所で無駄だと感じる部分がありました。基本的に「三国志」を知らない人、歴史物や軍記物が苦手な人には向きません。物語としてはこれ一本で纏まっていますので、前作を観ていなくても判ります。ただ、三国時代の歴史について、全く知らないまま観るのは厳しいと思います。一応、前置きとして、前作同様に日本人向けの説明が入り、初めて人物が登場する際には、下に名前と地位が出ますが、全く初めてという場合は、オフィシャルサイトなどで予習はして下さい。劉備が果てしなくヘタレになっています。演義では義の人の筈なのに、二作通じて、人徳の欠片も感じないキャラクターに。それで良いのか、劉備?もう少し上手く脚色してあげてほしかった。その代りというか、未来の嫁、孫権の妹(尚香という名前が付けられています)を演じるヴィッキー・チャオが八面六臂の大活躍を見せます。 君主の妹という高貴な身分でありながら、自ら敵陣に兵士の姿で潜入し、伝書鳩(笑)で曹操軍の内情を知らせ、帰還した際には、精密な地図まで描いていた(@_@)!どっからどう見ても女の子なんですけど、誰も気付きません。この時、友達となった気さくな兵隊さんが可哀想。戦争だから仕方ないけど。小喬も単身、曹操の元へ飛び込んで、東南の風が吹くまで時間稼ぎ。君達、行動力あるなぁ。そんな彼女の身を案じて、孫権までも「小喬を助けに行こう」と言ってくれる。戦争しているのに、みんな、とっても心優しい人達だ。笑全て「だって娯楽映画だから」という言葉で流しましょう。各国の俳優さん達が入り乱れている為か、発音も銘々勝手に喋っているという感じでした。孔明の呼び方も「コウメイ」派と「コウミン」派に分かれていました。内部で言葉は通じているのかな?挨拶も拳骨を掌で包む、中国映画で良く見る方法でした。でもあれって、もっとずっと後の時代に出来た挨拶ではないのか?娯楽映画だし、深く考えない方が良いけど。ほう統(機種依存文字でした…)が出てこないのが寂しいですね。船団を繋ぐ"連環の計"は、演義では彼の策とされているのですが、時間の都合でしょう、完全に存在ごと抹消です。赤壁の戦いでは、"臥龍"と"雛鳳"が陣地を挟んで連携プレイをする所が面白いのに残念。曹操は最後まで戦場に留まっています。(これも時間の都合上)曹操は味方の兵士達には温かく接し、人間味を持った英雄として描かれていました。曹操贔屓の私としては、単なる悪者にされていなかった点が嬉しかったかな。でも戦争でボロ負けした事に変わりはありませんが。序で乍ら、中村獅童は相変わらず、台詞が殆ど無く、顔付きだけの演技でした。でも戦闘シーンでは華々しい見せ場を作ってもらっています。( ^^) _旦~~↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Apr 11, 2009
4/18(土)より全国ロードショーです。http://higurashi-movie.com/監督、脚本・・・及川中 原作・・・竜騎士07、及川中 主題歌・・・島みやえい子「誓い」 出演・・・前田公輝 前原圭一 松山愛里 竜宮レナ 飛鳥凛 園崎魅音 あいか 古手梨花 小野恵令奈 北条沙都子 三輪ひとみ 知恵留美子 田中幸太朗 入江京介 矢部美穂 間宮律子 大高洋夫 北条鉄平 川原亜矢子 鷹野三四 大杉漣 大石蔵人 ・物語序盤・昭和58年の初夏。某県鹿骨市雛見沢村では、古くからオヤシロさまという守り神が祀られており、オヤシロさまに逆らう者には天罰が下るという。竜宮レナは、今から一年前に、母の浮気が原因で離婚した父と共に、この村に引っ越してきた。レナは、最近都会から越してきたばかりの前原圭一や、村で由緒のある家の娘・園崎魅音らと共に、学校生活を楽しんでいた。しかし近頃、父親は若い恋人律子に夢中になっており、レナは反発を覚える。雛見沢村には以前、ダム開発の計画が持ち上がって、それに消極的だった一家の夫婦が揃って死亡し、村人はオヤシロさまの呪いだと噂していた。両親を失った子の一人、梨花の前に、現在の親権者で札付きの悪党である北条鉄平が現れる。レナは鉄平と律子が、実は裏で繋がっていて、父から金を奪い取ろうと計画している事を知る。父親に真実を告げ、目を覚まさせようと試みるレナだが、彼は聞こうとせず、一人思い悩むレナは、精神のバランスを崩してゆく。実写映画化二作目です。一応、解答篇と銘打たれております。私は前作を未見で、「ひぐらし…」関連はこれが初めての初心者。前作を観ていないのですが、結果的に言うと、解答には程遠く、謎は謎のまま終わった感じでした。ミステリー・ホラーという事ですが、これはホラーなんでしょうかね?首を掻き毟ると、蛆虫が体内から出てくるという映像的な気持ち悪さはありますが、ホラーというような怖さはありません。続きは後ほど。
Apr 9, 2009
"SLEUTH"監督・・・ケネス・ブラナー 原作戯曲・・・アンソニー・シェイファー 出演・・・マイケル・ケイン(アンドリュー・ワイク)、ジュード・ロウ(マイロ・ティンドル) ・物語序盤・ロンドン郊外にある、ベストセラー作家のアンドリュー・ワイクの邸宅。ここを訪問したのは、若い無名の俳優マイロ・ティンドル。マイクの訪問を知っていたアンドリューは、彼を迎え入れる。マイクは妻マギーの浮気相手で、二人は今、一緒に生活し、マギーはアンドリューとの離婚を望んでいるという。二人が会うのは、その話し合いの為だった。離婚を迫るマイロに、アンドリューは一つの提案を持ち掛ける。マギーは贅沢好きな女であり、金の無いマイロとなど長続きする筈がない。金庫にある高価なネックレスを盗み、それを売って金にしろというアンドリュー。自分は保険金を受け取り、マギーとは完全に縁を切りたいと言う彼に、マイロは鼻白むが、大金の誘惑に勝てず、怪しげな提案を受け入れる事に。元は舞台劇です。ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインの競演で1972年に映画化され、その際は、不倫相手の役をマイケル・ケインが演じていました。登場人物は最初から最後まで二人きりの密室劇。マギーは写真や車を運転する後姿だけが映るのみ。
Apr 8, 2009
"PENELOPE"監督・・・マーク・パランスキー 出演・・・クリスティナ・リッチ ペネロピ ジェームズ・マカヴォイ マックス キャサリン・オハラ ジェシカ・ウィルハーン ピーター・ディンクレイジ レモン リチャード・E・グラント フランクリン・ウィルハーン サイモン・ウッズ エドワード・ヴァンダーマン Jr. ロニ・アンコーナ レニー・ヘンリー リース・ウィザースプーン アニー ニック・フロスト ・物語序盤・昔々、イギリスの名家ウィルハーン家の子息が、メイドを孕ませた挙句に捨て、彼女は傷心のあまり崖から身投げした。彼女の母親は魔女で、報復にウィルハーン家に豚の顔をした娘が生まれるという呪いを掛ける。それから長い間、ウィルハーン家には男の子ばかりが生まれ、呪いの事も忘れ去られていた。しかし現代、呪いを受けて以来、初めての女の子が、フランクとジェシカ夫妻の間に生まれた。彼女の鼻と耳は豚のそれだった。ショックを受けた母親は、娘ペネロペを守る為に、彼女を死んだ事にして、屋敷の中に隠す。そして呪いを解く方法である、ペネロペを愛してくれる名家の男性との結婚の実現に、全ての努力を注ぐのだった。だがお見合い相手は悉く、ペネロピの顔を見た途端、豚人間と仰天して逃げてしまう。その一人だったエドワードは、新聞記者にペネロペの秘密を喋るが、逆に妄想癖があると記事にされてしまう。名誉挽回したいエドワードは、かつてペネロピの写真を撮ろうとして、ジェシカに片目を潰された記者レモンと結託し、ギャンブルで落魄れた名家の子息マックスを雇って、ペネロピの暴露写真を撮影させようとするが…。ペネロ「ピ」という所が、子ブタちゃんぽくて可愛いですね。ペネロープやペネロペと表記していたら、このキュートさは表せない。兎に角、可愛らしくて、観ていてほっこりする映画です。お伽噺なので、ショッキングなエピソードも無く、ハッピーエンディングである事も事前に判っていますので、安心して観ていられます。たまには、こういうタイプの映画も良いですよね。映画の内容から離れますが、主演のクリスティナ・リッチ、映画に出る時は決まってカールしたブルネットで、目の下に隈があるようなメイクで登場しますが、普段は普通のとても綺麗な女性なのですね。インタビューが収録されていましたが、ブロンドのボブで、一見して彼女と判らない容姿でした。何故いつも"怖い顔メイク"なんだろうと思っていましたが、あのスタイルは、彼女の映画用のキャラクター設定みたいなものなんだな、きっと。「アダムス・ファミリー」以来の。(^_^)撮影中に一番感銘を受けた相手はと問われ、母親役のキャサリン・オハラを挙げていた彼女。アドリブも連発して、非常にウィットに富んでいる女性であると、そんな話をしていました。確かに、この映画、お母さんのジェシカが居ないと始まらない。主役はペネロピですが、ストーリーを動かす機動力はジェシカです。娘の呪いを解こうと、全力を傾ける母親。でも、ちょっとズレてる所がユーモラスであり、ペネロペを困らせたり傷付けたりしてしまう原因でもあります。本当に、彼女さえ、ありのままの娘を受け入れ、愛していたら、問題はもっと早くに解決していた訳で。(~_~;)御免なさいと、謝罪していても、やっぱり「もう少し鼻を高くしなさい」等と懲りない母です。お父さんは完全に尻に敷かれていて、存在感希薄ですね。汗まぁ、家庭は、かかあ天下の方が円満です。遠慮がちに見守るお父さん、存在感薄いけど好きですわ。マックスがペネロピの求婚を拒絶したのは、金目当てではないと言いたかったのかと思いきや、呪いに関する重大な秘密がありましたか。彼の正体については、ちょっぴりサプライズ。豚の鼻は、上手く着いていますね。本物の鼻のようでした。製作に名を連ねるリース・ウィザースプーンが、気の良い街の女の子を演じて、美味しい役どころを持って行っていました。しかしコミカルに徹しているものの、本当にあの容姿で生まれたら悲しいよね…。カミングアウトした娘に、母親が「みんな、貴方を喋る豚だと面白がっているのよ。」というのが、痛いけれど真実なのかもしれない。お伽噺なら呪いは解けて、美女に変身できるけれど、現実はねぇ。でも、この映画はチャーミングで、素直に好きです。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Apr 7, 2009
"200 POUNDS BEAUTY"監督・・・キム・ヨンファ 原作・・・鈴木由美子『カンナさん大成功です!』(講談社コミックス) 出演・・・キム・アジュン、チュ・ジンモ、イム・ヒョンシク、イ・ハヌイ、イ・ウォンジョン、キム・ヨンゴン、ソン・ドンイル、ソ・ユン、キム・ヒョンスク、パク・フィスン、パク・ノシク、イ・ボムス、リュ・スンス、他。 ・物語序盤・占い師の元に訪れた、ブスでデブな女性に、占い師が何か特技があるのかと尋ねる。身長169cm体重95kgの彼女カンナの特技は、抜群の歌唱力だった。しかしルックスのせいで、音痴な人気歌手アミの口パクに合わせて、舞台裏で声を当てる仕事を続けている。カンナが密かに想いを寄せているのは、何かと親切にしてくれるプロデューサーのサンジュンだった。だがアミとサンジュンが、自分を利用しているだけだと知ったカンナは、ショックを受け失踪。カンナは自分が秘密を握っている整形外科医のクリニックを訪れ、全身の整形をしてくれるよう強引に頼んだ。それから一年、整形と地道なトレーニングの結果、カンナは自然で完璧な美貌を手に入れる。一方アミは、カンナの失踪の為に歌手活動が出来なくなり、ゴーストシンガーを探していた。コーラス担当で親友のジョンミンさえ自分と気付かなかった事に自信を得て、カンナは在米韓国人ジェニーとして、オーディションを受ける事に。日本でも映画化されましたが、映画としては先行した韓国版です。原作は鈴木由美子さんの同名マンガなのですね。ややこしい経路だな。(~_~;)予想に反して、鼻水ズビズヒで泣いてしまいましたよ。笑整形ネタは多くのドラマや漫画で使い古された感がありますが、こちらは脚本が二転三転して面白かったです。整形して美しくなったらなったで、全てが解決する処か、更に複雑な立場に追い込まれて、切ないカンナでした。しかしサンジュンは、陰で「プスは利用するだけすれば良い」なんて事を言っていた筈なのに、彼女が消えた後は、「大切な人だったんだ」と、お前の言動に一貫性が無いから、カンナが振り回されるんだろうが。怒&笑敏腕プロデューサーとしての面子もあったので、本心は話せなかったと解釈しましたが…。でも本当の所は、おデブな時のカンナをどう思っていたんだろうか。エンディングは日本語歌詞の"マリア"(ジェニーの持ち歌)でしたが、あれ誰が歌っていたのですかね?主演のキム・アジュンはモデル出身との事です。彼女はナチュラル・ビューティーなのかなぁ?別に綺麗なら、どっちでもいいですけど。(^_^;)認知症になって、娘のカンナを自分の奥さんと混同しているお父さんが、いいキャラでした。一人娘に、いつかこんな風に綺麗になると、子供の頃に買ってやった"ジェニー"人形。カンナである事をひた隠しにしている手前、自分の親すら見ず知らずのファンと言わなければならないジェニーが可哀想でしたわ。新しい人生を始めるなら、過去は全部捨てなければならない、と父。呆けている割に、要所要所で大事な言葉を言っている、実に美味しい役どころなんだな。f(^_^;)日本のコミックが原作だからか、整形に対しては大らかな筈の韓国なのに、サンジュンはネガティヴな意見を持っている人でしたね。でも最近は、韓国でも弄っていない天然美人がウケているとも聞きました。天然で綺麗なら、そりゃ何も言う事はありませんけどね。コンプレックスの重みで俯いて歩いているより、整形して晴れやかな気分になれるのなら、私は無理に耐える必要はないと思います。「人間は中身だ」なんて、外見にコンプレックスを持っていない人の、上から目線の慰めに過ぎないよ。醜さを抱えて、人目を避けている人の気持ちは、絶対本人にしか判らない。だから人並みレベルの人が軽々に批判したりするのは厭だな、個人的には。そんな事は映画とは関係ないけどさ~。私は脂肪吸引したいです!マジで!この場合、努力してダイエットしろ、と自分ツッコミもあるんですけど。汗ぶっちゃけ、芸能界を舞台にした、複雑な恋模様と、おブスちゃんのサクセスストーリーというだけのお話ではあるのですが、なかなか良く出来た映画でしたョ。正直、韓国映画の恋愛モノは、感覚的に合わない事が多かったのですが、これは日本のコミック原作の影響か、日本人も素直に共感できる内容でした。
Apr 5, 2009
"JUNO"監督・・・ジェイソン・ライトマン 脚本・・・ディアブロ・コディ 出演・・・エレン・ペイジ ジュノ マイケル・セラ ポーリー ジェニファー・ガーナー ヴァネッサ ジェイソン・ベイトマン マーク オリヴィア・サールビー リア J・K・シモンズ マック(ジュノの父) アリソン・ジャネイ ブレン(ジュノの義理の母) レイン・ウィルソン、アイリーン・ペッド、ダニエル・クラーク、ヴァレリー・ティアン、 エミリー・パーキンス、他。 ・物語序盤・16歳の高校生ジュノは、同級生のポールと興味本位で、お互いに初めてのセックスをする。しかし運悪くたった一度の関係でジュノは妊娠。親友のリアに電話し、女性支援センターでの中絶を実行しようとするが、思い直し出産して養子に出す事に。突然、妊娠を告げられた父マックと継母ブレンは、驚いたものの娘を前向きに応援してくれる。養子希望の広告欄で、ヴァネッサとマーク夫妻を見付けたジュノは、父と共に二人と面会し、赤ん坊の新たな両親と決定する。長年子供を欲しがっていたが授からなかったヴァネッサは大喜びで、ジュノに感謝するのだった。その後、大きなお腹を抱えて登校するようになったジュノを、高校の生徒達は好奇の目で見るが、タフなジュノは気にせず高校生活を送っていた。 アカデミー賞脚本賞を受賞した作品。脚本を担当したディアブロ・コディは、これがデビュー作だそうです。全編ユーモアを交えた、軽妙な会話が耳に快い映画でした。結末への展開も型に嵌らず、最後まで退屈しません。口コミで大ヒットして、脚本賞を取っただけの事はあります。いやはや、会話が機知に富んでいて、テンポの宜しい事、小気味良いですね。口達者なジュノのキャラクターにノックダウンされました。雄弁だけれど、決して意地悪なお喋り女ではない。スマートでドライなんだけど、心温かい人に対しては、ちゃんと思い遣りを持っている。勿論、無礼者は一刀両断。本物の話し上手だな。こんな女の子ってステキです。(*^^)v世界観や設定が本当にアメリカンです。離婚と再婚が当たり前なので、先ずジュノの家族は実父と継母と半分血の繋がった妹という構成。実母も再婚していて、毎年誕生日にはサボテンを贈ってくる。ジュノに言わせれば、サボテンばかり贈られるのは、母親に捨てられるよりショックらしい。事の始まりは椅子。そこで以前から気のある様子だった同級生と、興味本位でセックスして、間の悪い事に妊娠してしまう。と言っても、ジュノのキャラクター性から、物語は一貫してさばさばしています。妊娠した、中絶しよう、やっぱりやめて生む、里親を探して、子供に恵まれない夫婦にあげよう。そこに、じめじめした悩みは何も無いです。両親もポジティヴで楽しい。未来の里親候補の夫婦は、子供を望む気持ちに温度差があります。不妊治療の甲斐無く子宝に恵まれなかったヴァネッサの思いは哀しい程に切実。一方で、本当はミュージシャンとして舞台に立ちたいと願いつつ、CMの作曲家として生計を立てるマークは、まだ踏み切れない迷いを持っている。自分の生む赤ちゃんを、絶対に壊れる事の無い理想の家庭で育ててほしかったジュノは…。いくらアメリカ社会と言えど、ここまで簡単に済まないと思いますが、養子縁組に対して、ネガティヴな感覚しか持っていない日本よりは、ずっと良いと、私は考えています。自分で子供を生めない事は確かに悲しいけれど、自分で生む以外の選択肢もあるじゃないかと、常々私は思っているので。子を望む親が居れば、親を必要としている子も居る。だったら一緒に暮らせば良いと。そこにも必ず絆は生まれる筈。映画は兎に角、ジュノのキャラクターが秀逸で、今時の子達の会話も文句無しに巧い。観ながら、自分もこんな会話が書けたらと羨んでしまいました。(~_~;)エレン・ペイジもオーディションで勝ち上がってきただけあって、この役にピッタリ嵌っています。出来過ぎた話ですけど、これはこの世界観だから良いと思います。
Apr 4, 2009
芥川賞受賞作なので、ベタですけど。「私の本みたい!」と勧められて興味が湧きました。貸してくれて有難う。m(_"_)m読んだらね、本当に私だった。爆。それ故、イタ過ぎて、なかなか読み進められず。汗。作品自体は、痛い内容ではありません。単に自分とキャラが被り過ぎて、個人的に集中砲火を浴びたようなものでして。内容としては、20代終盤のごく普通の女性の、ごく普通の日常を、さり気無いタッチで描写したものです。映画に喩えるならば、淡々としたミニシアター系ヨーロッパ映画。間違っても、笑いあり涙あり、アクションありロマンスありの、てんこ盛りハリウッド映画ではない。山あり谷あり、波乱万丈、花も嵐も踏み越えて~という展開を求めている方には向きませんので、ご注意を。書かれている事は、有り触れた日常で、特に何か事件が起こるという訳でもないのに、主人公の生活や動向が気になる。波乱万丈な物語ならば、ある程度、構成力や文章力に難があっても、ストーリー展開で読者を引っ張ってゆけます。でも、この終始一貫して淡泊な話を、飽きさせずに読ませるというのは、実に難しい。さらっと書かれていますが、そこは職人技でしょう。加えて、日常に対する観察眼に唸らされました。普通の人間ならば、記憶する事無く過ごしてしまう、当たり前の事を再認識させてくれる。本を勧めてくれた友人は、余りに私と発想や行動が似ているので、私にも書けと言ってくれましたが、私にこの職人技は不可能です。(^_^;)私の海馬には、絶対に残っていない事柄が散りばめられているんですもの。何気ない事を記憶に留めておくのって、案外、難関ですよ。著者はきっと、主人公のように、逐一メモする性格と見た。でないと、いざ書こうという時に、ネタが出ませんよ。こんな瑣末なネタは。もう一冊、別の著作を読みたいかと言うと、それはノーなんですけど、これはこれで上手く纏まっています。一見誰でも書けそうで、なかなか書けない本の見本かも。
Apr 3, 2009
"REIGN OVER ME"監督、脚本・・・マイク・バインダー 出演・・・アダム・サンドラー、ドン・チードル、ジェイダ・ピンケット=スミス、リヴ・タイラー、サフロン・バロウズ、ドナルド・サザーランド、マイク・バインダー、ロバート・クライン、メリンダ・ディロン、ジョン・デ・ランシー、レエ・アレン、他 ・物語序盤・アラン・ジョンソンは、ニューヨークのマンハッタンで、クリニックを経営する歯科医。妻と二人の子が居るが、何故だか患者の女性に言い寄られる事が多く、本人は困っている。或る日、仕事帰りの車内から、大学時代にルームメイトだったチャーリー・ファインマンを見掛けて、アランは大声で呼ぶが、彼は気付かぬまま行ってしまう。チャーリーは数年前、家族を一度に失うという悲劇に見舞われていた。チャーリーの事が気になったアランは、再度街角で彼を見掛けると、彼に話し掛けた。だがチャーリーの振る舞いは異様で、アランの事も何も、過去については覚えていない様子だった。一方アランは、表面上は恵まれた人生を送っているかのようだったが、何でも二人一緒でないと気が済まない妻に疲れ、息が詰まっていた。また患者の女性から言い寄られ、拒絶すると、性的暴行を受けたと訴えられ、トラブルに見舞われてしまう。チャーリーの気紛れな行動を迷惑に感じながらも、次第に彼と過ごす時間が長くなってゆくアラン。チャーリーは記憶喪失なのか、頑なに忘れたふりをしているだけなのか?彼は狂っているのか、ただ現実から目を背けて、喪失の悲しみを紛らわせているだけなのか?そもそも何故、彼は家族を一度に失くしてしまったのか?そういう事を、主人公を取り巻く人間模様を絡めつつ、ゆっくり解き明かしてゆく映画です。だから、答えを最初に書いている荒筋には、閉口してしまいますね。(^_^;)どんでん返し系の映画でないにせよ、時間の経過を大切にしている映画なのに。チャーリーの異常性を描きながら、実は皆、何処か可笑しい。この社会で生きる為に、自分を押し込めて、そこから狂いや歪みが生じている。傍から見れば、羨ましい限りの人生を送っている筈のアランも、自分の本心を呑み込んで消化不良を起こしている。年老いた両親は都会の暮らしに慣れず、文句ばかり言い、外出もしない。妻は糊のように貼り付いて、彼に自由を与えない。クリニックには、離婚訴訟で精神を病んだ女性が現れ、彼に性的な関係を迫る。逆ギレした女性に訴えられると、クリニックで働く他の歯科医達は彼を批難する。困った人達に囲まれ、自分自身も困り果て、同じビルで精神科のセラピーをしているアンジェラに、いつも話し掛け、助言を求めるアラン。しかしアンジェラに言わせれば、アラン自身も人間関係を円滑に出来ず、知らずトラブルを招き寄せてしまう、セラピーを受けるべき人間である。皆が歪んだ現代社会の中で病んでいる。だから、少しずつ歪みを直す努力をして、それぞれ心を健全にしようよ。簡単に言うと、そういうテーマの映画ですヮ。のんびり鑑賞していると、ちょっと癒されたような気分になれます。ゲーム「ワンダと巨像」をチャーリーがずっとプレイしているので何度も出てきます。そう言えば未プレイだったと思い出した私は、アランと一緒になって、私にもやらせてと言っていた。(^_^;)ここから、ネタバレ。ネタとしては、9/11テロものです。外国から来た悪魔が殺した、と亡き妻ジャニーンの母親が話しますが、その時点では、まだその正体が明かされていません。ジャニーンと三人の娘達は、ハイジャックされた飛行機の乗客でした。恐らく世界貿易センタービルに激突した飛行機の。思い出しても、何も良い事は無いと、チャーリーは嘆き怒ります。正にその通りで、思い出しても、自分の胸が掻き毟られるだけ。過去を忘れたと思い込む事で漸く保っていた精神。乗り越えるには、余りに大きい喪失。それでも猶、過酷な現実を直視し、前進しなければならないのだろうか…?夢想の中で漂ったまま、人生を終わらせる選択は間違っているのだろうか?彼を精神科へ入院させて、薬漬けにしておけば、それが前向きで正しい道なのか?映画は救いのある方向へと結末を導いています。物語としては救いがあって安心したという反面、救われないのが現実なのではなかろうかとも思い、複雑な心境でした。
Apr 2, 2009
公開当時に映画館で鑑賞したのですが、感想を書かずに放置していた気がするので。テレビシリーズも再放送を何度か観た程度で、何も知らない状態での鑑賞でした。ネタはてんこ盛りで、サスペンスとしても、なかなか面白い一本に仕上がっていたと思います。海外支援に行って拉致される外国人の問題は、正直、迷惑と考えている私。この映画では、彼は気の毒にも殺害され、隠蔽された極秘のSファイルの内容で、退去勧告も届いていなかったというオチがあり、被害者を最大限に擁護しておりますが。大抵は、高い身代金を払って返してもらう訳で。私が行くとしたら、万一の場合は助けは求めませんと、一筆書いた文書を政府に提出して出掛けますね。捕まったら、助けてーって言うのは、個人的には無様だなと。それなら国内で困っている大勢の人達を、ボランティアで助けた方がずっと良い。何も遠い国まで行かずとも、困っている人は、すぐ傍に居るよ…。海外支援の方が箔が付くか。(^_^;)映画の方はツッコミ所もありますが、全体的には上手く纏まっています。チェス盤に符合した位置を示す棋譜の暗号で、警察を攪乱する天才的な犯人の正体は…?しかしね、そんなに上手く地図と位置が合うのか?笑「ステイル・メイト」という単語は、これで初めて覚えました。圧倒的不利な状況から、強引に引き分けへと持ち込む戦法。政府という巨大な敵に立ち向かった、一個人の戦いでした。結末は木村吉乃(漢字忘れた…)が一人で美味しいトコ取りですね。結局、西田敏行の頑張りは何だったんだろうか…。彼女が暴いてくれるのなら、無理しなくても良かったのよね。(^_^;)伏魔殿=外務省や、小泉元総理に髪型がクリソツな大臣とか、笑える懐かしの時事ネタも多かったです。
Mar 29, 2009
http://www.sonypictures.jp/movies/underworldriseofthelycans/"UNDERWORLD: RISE OF THE LYCANS"監督・・・パトリック・タトポロス キャラクター創造・・・ケヴィン・グレイヴォー、レン・ワイズマン、ダニー・マクブライド 出演・・・マイケル・シーン ルシアン ビル・ナイ ビクター ローナ・ミトラ ソーニャ スティーヴン・マッキントッシュ タニス ケヴィン・グレイヴォー レイズ シェーン・ブローリー クレイヴン ケイト・ベッキンセイル セリーン ・物語序盤・現在から千年以上遡った昔。不老不死の祖コルヴィナスの双子の兄弟マーカスとウィリアムから、ヴァンパイア族とライカン族が誕生した。だがライカンは凶暴で知能が低く、狼男の姿から人間の形態に戻る事も出来ない獣同然の種族であり、ヴァンパイア族が世界を支配していた。やがてウィリアム直系の子孫に、人間の姿を保つ赤ん坊が生まれる。ヴァンパイア族の君主であるビクターは、その子ルシアンを育て、彼の血を人間に混ぜる事で、奴隷としてのライカン族を作り出す。ビクターの愛娘であり、"処刑人"である勇敢な戦士ソーニャは、度々議会をすっぽかし、城壁の外の見回りをしていた。ライカンの群れに追われるソーニャを、見事な腕前の弓で救うルシアン。しかしソーニャは助けは不要だったと冷たくあしらった。ライカンではあるが、ルシアンを厚遇していたビクターは、彼女の態度を窘め、自分の後継者となるべき彼女が、大切な議会を欠席する事を叱る。ソーニャが議会に出ない理由は他にもあった。彼女は密かにルシアンと禁断の愛を交わしていたのだ。奴隷階級として蔑まれ、首輪を嵌められて、酷使されるだけの日々から、誇り高いルシアンは逃れようと画策していた。ソーニャは彼の身を案じ、首輪の鍵を使ってはならないと止めるが…。タトポロス監督は前作でプロダクションデザインを手掛けている。前二作の舞台は現代だが、今作は剣や弓矢が武器の時代劇。ケイト・ベッキンセイル(=セリーン)は予想通り、映画の最後に、一瞬だけの登場となりました。ビクターが自分の家族を殺した事、セリーンが亡き娘ソーニャに似ている為、彼女を殺せないと教える声に、横顔で短く答えるセリーン。その後、エンドロールです。セリーンがソーニャに生写しであるならば、ソーニャ役はケイトが演じてほしかったです。演技は悪くはないのですが、華の無い脇役女優のローナ・ミトラが、準主役であったのは残念ですね。色々事情があって無理だったのでしょうが、このシリーズはケイトあってのものですから。でも映画そのものは面白かったです。昔、何があったのか、という事を丁寧に教えてもらった感じ。又、これまでの流れを知らなくても、独立した物語として理解できる内容です。実は殆ど、話の詳細を忘れていた私にとっては、とても助かる展開でした。(^_^;)
Mar 18, 2009
「アンダーワールド / ビギンズ」。出来は兎も角、取り敢えず、観たいんですけど…。ミナミだけか…。(-_-メ)遠いんだってば。ここまで小規模な公開になりますか。他のミニシアターでも上映して下さい。今回の主人公は、マイケル・シーン演じるルシアンなんですかね?前二作では既に死んでいたソーニャを演じるのは、ローナ・ミトラ。確かに、このシリーズのファン以外が観に来る、ウリの要素が無いですね。ケイト・ベッキンセイルもクレジットには上がっていますが、恐らく出てもほんの僅かな時間のようです。今回も画面が暗い。一作目は何が映っているのか、全然観えなくて、物語以前の所で苦しかったのですが。「アンダーワールド・ビギンズ」オフィシャル関係無いですが、配信で楽曲を購入してみようと思っています。ベストアルバムに一曲だけ入った新曲を。こういうのは流石に、アルバムを買う気になれない…。しかし配信て、こんな曲まで!と思うものまで売っているんですね。でも実は、他にも欲しいと思っている楽曲は無かった。やっぱりCD買わないと、全部は揃わんのか。(;一_一)またアマ●ンに注文したが、一枚が取り寄せになる為、発送まで日数が掛る。ちょっとイラっ。でも別々に発送してもらうと、価格の関係で送料が発生してしまうので仕方ない。Oショップの対応の遅さにも、イラx4。(--〆)代金を振り込めのメールまでは速かったが、その後、音信が…。遅いという御断りはあったものの、小規模とは言え、企業がここまで遅いとは想定外でした。メールしてもレスポンス無し…。もしかして、担当者一人なのか?と疑ってしまう。事前に、注文が集中していると開き直るより、オーバーフローしているなら、その間だけでも派遣を雇って下さいよ。そういう時の為に、派遣労働者ってシステムがあるんでしょ、本来。高い送料取って、こんなに遅いんじゃ話になりませんヮ。
Mar 17, 2009
一応、残してある外部掲示板ですが、実は全然、覗いていませんでした。滝汗。レスポンスが遅くて申し訳ないです。変な書き込みも一件ありましたが、それは「さようなら」って事で。IPが晒されているから、記載のメールアドレスまでメール下さい、というようなものでした。So what?! アンタのIPも2ちゃんで晒して差し上げようか?そんなんに引っ掛かって、メールする人、居るのかな…?しかし不安を煽って、金を巻き上げようとする輩は許せないですね。お正月に「言祝ぐ」関連で取り上げた「朝の祝祭」という詩を書かれた、ご本人からお言葉を頂戴しておりました。真に恐縮です。今迄、気付かず、大変失礼を致しました。m(_"_)m自分には詩作の才能が全く無いので、人の心を打つ言葉を紡げる人が羨ましいです。自分の心を代弁してくれるような詩に出会うと、「これなのよ!私が言いたかったのは、これ!」と嬉しくなります。「言葉にしてくれて、有難う!」と。取り上げさせて頂いた折、「気に入った」とだけ書き、余計な解説は書きませんでした。個々人の感覚の問題だからです。詩作が自由であるように、解釈も又、自由であるべきと、私は考えます。私は、とても気に入りました。
Mar 15, 2009
"CHANGELING" 監督・・・クリント・イーストウッド出演・・・アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール、ジェイソン・バトラー・ハーナー、エイミー・ライアン、マイケル・ケリー、他。・物語序盤・1928年、ロサンゼルス。クリスティン・コリンズは、9歳の息子ウォルターと二人で暮らすシングル・マザー。当時の女性としては珍しく、電話会社で主任として責任のある地位にあり、仕事は忙しいものの、経済的な不安は無い生活だった。ある日、欠勤した交換手の代りとして、休暇返上で出勤する羽目になったクリスティンは、ウォルターを一人家に残して出掛ける。夕方過ぎ、急いで帰宅したものの、ウォルターの姿は家に無い。散々息子を探し回り、警察に電話で助けを求めるものの、24時間以内の子供の失踪は調査しないと断られる。翌日になって漸く警官が事情を聴きに訪れ、捜索が開始されたものの、ウォルターは忽然と姿を消したまま戻らなかった。何の手掛かりも無いまま数ヶ月が経過した時、職場に警官が現れ、ウォルターがイリノイ州で無事保護されたと告げる。だが喜び勇んで駅へと迎えに行ったクリスティンを待っていたのは、見ず知らずの少年だった。担当のジョーンズ警部は、クリスティンに圧力を掛け、取り敢えず息子として家に連れ帰るように言い、彼女は詰め掛けた報道陣の前で、見知らぬ少年と感動の再会シーンを演じる事に…。しかしその後、本当のウォルターを探してくれるよう頼むクリスティンに、ジョーンズ警部は事件は解決したと告げ、クリスティンが抗議すると、彼女が精神を病んでいると、デマを流す。孤立無援の彼女に手を差し伸べたのは、警察の不正や汚職を弾劾するグスタフ・ブリーグレブ牧師だった。これは実際に起きた事件を基に作られた映画です。イーストウッド監督、良いネタ拾ってきますねぇ。アンジェリーナ・ジョリーは、子を持つ母として辛過ぎると、最初は出演を断っていたそうですが。確かに撮影中って、ずっとその役でいないといけないから、精神的な苦痛は甚大だと思います。この人の立場に立たされてしまったら、どうしたら良いんだろう?と、観ている私も途方に暮れてしまいました。汚職警官が蔓延っている事実は理解していても、基本的に、警察は民間人を助けてくれるものだと信じている主人公。でも実際に犯罪に巻き込まれた時、何もしない所か、有り得ない事を押し付けて、苦情を言うと脅迫され、それでも抗うと…。公権力に迫害された時、無力な民間人はどうする事も出来ない。「これで納得しろと?えっ?嘘ですよね?」というクリスティンの戸惑いがストレートに伝わってきました。同時に、こんなケースは驚くものではないという事も判ります。昔だからじゃない。現代でも世界のあちこちで、人々は忽然と消えて、二度と戻ってこない。それが国家権力によって行われている行為ならば、誰にも助けは求められない。以前、プーチン元大統領がかつて自作自演したと言われるアパート爆破事件についての番組を観ましたが。ロシアで取材していた日本のテレビクルーに、インタビューに答えていた男性が「ここは日本じゃないんです。」と困惑していました。国家や公権力への批判など口にすれば、翌日には行方知れずになって、それっきりですヮ。「医者を送れ」というのは、私のお気に入りプーチン氏の名台詞で、私も戯れによく口にします。ダメ?(^_^;)この映画の主人公の場合は、医者を送られるのではなく(=暗殺者による殺害)、自分が病院に送られちゃいましたけどね(=隔離による口封じ)。「コード12の患者」(=警察に盾突いた不届き者)と「18号室」(=拷問部屋)、怖いですぅ。((+_+))私、瞬時に、「私が悪かった。もう逆らわないから許して。」と泣くかも。ヘタレ…。同じく"12"のケースで収容されてしまった娼婦が、笑顔でも反抗的でも無表情でも、結局全て異常者と判断され、車椅子の老婆を示しながら、ああなっても絶対に出られないと話すのを聞いて、ガビーンとなりました。御先真っ暗、誰かタスケテ…。!Σ( ̄ロ ̄lll)しかしクリスティンのケースだと、生殺しな所が痛いですね。遺体や遺骨を見せられて、死にましたと言われたら、悲しくても前に進めると思う。でも、何も見付からない状態で消えたままだと、いつまでも答えが出ないから、事件の日から時間が止まってしまう。理性では、もう死んでいると判っても、もしかしたら何処かで生きているかもという気持ちが消せない。同じ様な境遇の誰かが発見されようものなら、我が子も今も何処かで助けを求めていると確信めいた感情すら生まれる。自分が諦めたら、我が子を殺してしまうという強迫観念。絶対に抜け出せない無限ループに嵌ってしまった人間の心。観終わった後、若い女の子二人が、「好い加減、諦めろよ」というような感想を言っていましたが、自分の身内だったら、死ぬまで諦められないよ、あれは。アンジーは北朝鮮の拉致被害者についても言及していましたが、あの人達だって、「死にました」という回答では納得いかないよね。あれは生きている確率が高いだけに、尚更、悔しいと思います。ところで、ミサイル、何処に飛んでったの?帰りの電車でニュース見ましたけど。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Mar 14, 2009
"DRAGONBALL EVOLUTION"監督・・・ジェームズ・ウォン 原作・・・鳥山明 出演・・・ジャスティン・チャットウィン、エミー・ロッサム、ジェームズ・マースターズ、ジェイミー・チャン、田村英里子、パク・ジュンヒョン、チョウ・ユンファ、ランダル・ダク・キム、アーニー・ハドソン、他 ・物語序盤・約二千年前、地球は宇宙人の侵略によって危機を迎えた。七人の勇者達が、ピッコロ大魔王を封印した事によって、世界は救われるが、それは一般人の知る所ではなかった。祖父・孫悟飯と二人で暮らす悟空は、拳法の達人だが、祖父との約束で、誰にも暴力を振るった事が無い大人しい若者。そんな彼を腰抜けの変人と馬鹿にするクラスメイト達の嫌がらせに、悟空はいつも黙って耐えていた。クラスメイトのチチは悟空を心配し、悟空は彼女に恋心を抱いていた。悟空が18歳の誕生日を迎えた日、彼はチチからパーティーに誘われる。例によって現れた悪ガキ共を、我慢の限界と打ちのめす悟空。悟空とチチはパーティー会場で楽しい時間を過ごしていたが、その同じ頃、悟飯の元にピッコロ大魔王と手下が現れ、彼を殺してしまう。ピッコロ大魔王は、世界に散らばったドラゴンボールを集めようとしていた。悟飯の持っていた一つは、悟空に託されていた為、ピッコロ大魔王はそれを奪えずに去ってゆく。その後、悲嘆にくれる悟空の前に、機械工学の天才ブルマが現れ、父の会社から奪ったドラゴンボールを返せと悟空に迫る。ブルマはドラゴンボールの在り処を探知する装置を持っていた。二人のドラゴンボールが別の物だと判り、悟空とブルマは、悟飯の遺言に従って、亀仙人という人物と残りのドラゴンボールを探す旅に出る。全然「ドラゴンボール」ではないけれど、これはこれで、娯楽として普通に楽しめます。最初から「ドラゴンボール」とは別物と思って鑑賞して下さい。これは「ドラゴンボール」のネタを利用して作った、全く別次元の作品です。鳥山氏も「新ドラゴンボール」と表していたので、皆、判って行くとは思いますが。個人的にはブルマがカッコ良くて好みでした。フルネームが、ブルマ・ブリーフって…笑。でもそのお蔭で、英語圏の人にも、これが変な名前だって事がよく判りますよね。チチも自分で変な名前だと恥じていましたが、それが「乳」である事は、日本人しか判らないよね…。亀仙人は、少しスケベな所も残っていましたが、普通の老師(見た目は若いが年寄りらしい…)になっていて、あのキャラクター性が失われていた事は、やはり残念としか言い様が無いですね。パフパフさせて、って言わないとね、亀仙人のじっちゃんは。(^_^;)製作に名を連ねたチャウ・シンチーが、アイデアを全く取り入れてもらえず憤慨していましたが、彼なら亀仙人のキャラクターを絶対に変えたりしない筈…と思いました。兎に角、お笑いの要素が全然無くて、ごく有り触れた青春モノ・ファンタジック・アクションになっていたのが勿体無いです。田村英里子(ERIKO)は映画オリジナルキャラ、ピッコロ大魔王の部下マイ役です。あんまり台詞無かった…。でもアクションで頑張っていましたョ。久し振りに彼女を観ました。地道に自分の道を歩んでいるんだなぁ、と感慨深いものが。しかし舞台は何処なんだろう?縄文か弥生時代ですか?という日本(?)が襲撃されていましたが。住民が日本語を話していたので、あれは日本なんだろう、多分…。全体的には、無国籍ヘンテコ・アジアン・ムービーって感じです。何故か挨拶が「ナマステ」だったり。原作が日本の漫画なので、俳優もアジア系率が高かったです。ヤムチャ辺りは、白人で良かった気がするんですけどね。最初とエンドロール途中で出てきた、関という女優さんは何者ですか?「関」という苗字しか覚えてなくて。台詞は冒頭の日本語の遣り取りだけですが、考えてみると、重要な役回りなんですよねw→ IC! 関めぐみさんでした。顔は観た事あるんだけど…と思っていましたが、「包帯クラブ」や「ネガティヴハッピー・チェーンソーエッヂ」で知っていたんだ。キリリとした顔立ちの、眼力のある女優さんですね。参考 stardustプロモーション余りにも公開前から叩かれていたので、欠点は知り尽くしてしまっていて、殆ど何も感じないです。悟空とチチがディープ・キスしてようが、平凡なハリウッド映画の展開だなってだけで。筋斗雲も如意棒も無いのか…とは思いましたが。CGや視覚効果がもっと凄いかと、その点は期待していたのですが、こじんまりしてました。「大猿」ももっと巨大化するのかと思いきや、ただのゴリラ並み?神龍も小さいな…。中国ではブーイングが起こっていますが、名前まで入れ替えちゃうんですよね。"孫悟空"のイメージを守る為に、仕方ない措置かもしれませんが。でも、あの映画から、名前まで奪ってしまったら、何処に"ドラゴンボール"の要素が残るんだろう?そりゃファンは怒るわな。(^_^;)回答が、面白いか・面白くないかの二者択一ならば、私は「面白い」と答えます。でも少ししたら、頭からスコーンと消えて無くなる映画です。時間短いわ、スケール小さいわ。感心するほど、コンパクトに纏まっちゃいました~笑ある意味、スゲェよ、ハリウッド!!↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Mar 13, 2009
http://wwws.warnerbros.co.jp/benjaminbutton/"THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON"監督・・・デヴィッド・フィンチャー 出演・・・ブラッド・ピット ベンジャミン・バトン ケイト・ブランシェット デイジー ティルダ・スウィントン エリザベス・アボット ジェイソン・フレミング トーマス・バトン イライアス・コティーズ ガトー ジュリア・オーモンド キャロライン エル・ファニング デイジー(幼少期) タラジ・P・ヘンソン クイニー フォーン・A・チェンバーズ ドロシー・ベイカー ジョーアンナ・セイラー キャロライン・バトン マハーシャラルハズバズ・アリ ティジー ジャレッド・ハリス マイク船長 デヴィッド・ジェンセン テッド・マンソン トム・エヴェレット フィリス・サマーヴィル ・物語序盤・ 嵐の接近する病院のベッドで、死を待つばかりの老女デイジーに付添う娘キャロライン。デイジーは娘に鞄の中にしまった日記を読んでほしいと頼む。それはある男の奇妙な人生を綴った日記だった。第一次世界大戦が終わった1918年のニューオーリンズ。家路を急ぐ男を待っていたのは、牧師と産褥で瀕死の妻だった。妻から赤ん坊を託された夫は、しかし我が子の容姿を見て驚愕する。老人のように皺くちゃで不気味な赤子は、実の父親によって、老人養護施設の前に置き去りにされた…。施設を営む子供を生めない女性クィニーは、醜悪な赤ん坊を神の恵みと言い、ベンジャミンと名付け、息子として養育する。ベンジャミンは似たような容姿の老人達の中で違和感なく育ってゆくが、頭の中は幼い子供。少年の年頃になったベンジャミンは、入居者の6歳になる孫娘デイジーと出会い、意気投合する。だが周囲から見れば、老人と童女の二人組は奇異と映り、批判を受ける事も。ベンジャミンは年を経るにつれ、身体能力を回復してゆき、若返ってゆく体質である事に気付く。 原作はフィッツジェラルドの著した短編小説。対して、映画は167分。長いです。何事も起こらない物語に、何故、この長尺が必要だったのか…。私には理解できないです。ぶっちゃけ、退屈の一言。(--〆)隣席のお嬢さん、爆睡してました。気持ちは判るよ。私も寝たかった。でも最後には、これまでの退屈が報われるサプライズがあるんだと信じて頑張りました。結果は何も無かった…。なんだ、こりゃ…。フィンチャー監督は、この映画で何を訴えたかったんだろう?アカデミー賞は何を基準に、これをノミネートしたんだろう?まぁ、アカデミーの方は、業界の力関係が関与しているので、なんでこれ?という映画が選ばれる事は多いのですが。私、フィンチャー監督が判らなくなってしまった。(^_^;)公開中ですが、結論から言って、何も隠すような秘密は無いので、ネタバレで行きます。一応、鑑賞予定の方は読まれない方が宜しいかと。ファンタジーなので細かい設定に関して、とやかく言っても仕方ないのですが、脳細胞は普通の人間と同じ方向で進んでるんですね。変なの~、適当な設定だなぁ、と思ったのは私だけ?先ず、生まれる時に、どうやって生まれるんだろう?というのが謎だったんですが。単に、シワシワの赤ちゃんなんだ。汗。多かれ少なかれ、生まれたての赤ちゃんはシワシワだと思うが。いきなり捨てるか親父よ…。奥さんが命懸けで生んだ我が子を。16ドルと一緒に、躊躇なく捨てる…。捨てる神、金持ち身勝手白人。拾う神、清貧な心優しい黒人。紋切型。特殊メイクは頑張っていたと思います。老人のブラピ。若いブラピ。年寄りのケイトも。でも枝葉より、肝心のお話が致命的に凡庸で退屈。ここまで淡々とベンジャミンの一生を見せられると、拷問に近かったかも。他の人と違う痛みや悲しみ、孤独が、全然伝わってこない。年老いてゆく親が必要だと、愛する二人から去ってゆくシーンも淡々としていました。ああ、そうですか、と思うだけで。こいつ親父だろっ、という人が、漸く名乗り出た時も、ああ、そうって感じで。正しい翻訳を忘れましたが「胸糞悪くても、御迎えが来たら行くしかない」という、船長さんが死ぬ間際に言った台詞を、親子の再会に用いたセンスは好き。船長さんは親父と同業である事を嫌って、自分は刺青アーティストだと言い張っている、酒飲みで豪快なオッサンです。太平洋戦争に民間協力船として、戦争に参加するのですが、Uボートが出るような水域に居たんだ!それまで沿岸で壊れた軍艦を曳航していただけで暇ーみたいな様子だったので、Uボートと遭遇した時は驚きました。更に、無謀にも、機銃のみで潜水艦に戦いを挑む所に魂消た。取り敢えず、民間船だし、逃げよう。潜水艦も敢えて、水面に顔を出さなくてもねぇ。なんかよく判らん話だ。適当エピソード。最初から最後まで、ずっと同じペースで、ベンジャミンが赤ちゃんになって死んでゆくまでを描いていました。最後は認知症になってて。脳だけは通常方向で老いてゆくので。別にコメントしたい事もなく。ただ、疲れただけで。
Feb 25, 2009
■第81回アカデミー賞受賞作品一覧2/22(日本時間で2/23)に受賞作品の発表と授賞式が開催されました。前哨戦であるゴールデングローブ賞、その他ロサンゼルス、ニューヨークの各批評家協会賞、American Film Institute、National Board of Reviewなどから、『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』『ベンジャミン・バトン/数奇な人生』が有力候補と見られておりましたが・・・。★マークが受賞◎作品賞[Best Picture] ★『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』『The Curious Case Of Benjamin Button ベンジャミン・バトン/数奇な人生』『Frost/Nixon フロスト×ニクソン』『Milk ミルク』『The Reader 愛を読むひと』監督賞はダニー・ボイルが来るかと予想していましたが、蓋を開けたら、『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』の圧勝でしたね。ボイル作品は個人的には好きですが、灰汁が強くて、一般受け及びアカデミー受けしないと思っていたので意外でした。◎主演男優賞[Actor in a leading role] ★ショーン・ペン『Milk ミルク』リチャード・ジェンキンス『The Visitor ザ・ビジター』フランク・ランジェラ『Frost/Nixon フロスト×ニクソン』ブラッド・ピット『The Curious Case Of Benjamin Button ベンジャミン・バトン/数奇な人生』ミッキー・ローク『The Wrestler レスラー』ショーン・ペンが上手いのは認めるけれど、気分的にはミッキー・ロークに上げたかったですね。頂点から転落して、かつての面影も無くなる程のどん底から再起した根性を称賛します。ミッキー・ロークが色男だったって言っても、今の子は信じないだろうね。(^_^;)◎主演女優賞[Actress in a leading role] ★ケイト・ウィンスレット『The Reader 愛を読むひと』アン・ハサウェイ『Rachel Getting Married レイチェルの結婚』アンジェリーナ・ジョリー『Changeling チェンジリング』メリッサ・レオ『Frozen River フローズン・リバー』メリル・ストリープ『Doubt ダウト~あるカトリック学校で~』これは予想通り、順当でしょうかね。『Revolutionary Road レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』の演技も高く評価されていたので、質・量共に彼女でしょう。でも良い女優さんに成長しましたね。 ◎助演男優賞[Actor in a supporting role] ★ヒース・レジャー『The Dark Knight ダークナイト』ジョシュ・ブローリン『Milk ミルク』ロバート・ダウニー・Jr.『Tropic Thunder トロピック・サンダー/史上最低の作戦』フィリップ・シーモア・ホフマン『Doubt ダウト~あるカトリック学校で~』マイケル・シャノン『Revolutionary Road レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』 これも大方の予想通り。死者に勝てる人は居ません。ヒース追悼。『The Dark Knight ダークナイト』は日本では興行成績が振るわなかったみたいですね。アメコミの世界観を超越した良作でしたが。ヒースもあんなメイクで…と思いましたが、実際に観ると迫真の演技で圧倒されました。◎助演女優賞[Actress in a supporting role] ★ペネロペ・クルス『Vicky Cristina Barcelona それでも恋するバルセロナ』エイミー・アダムス『Doubt ダウト~あるカトリック学校で~』ビオラ・デイビス『Doubt ダウト~あるカトリック学校で~』タラジ・P・ヘンソン『The Curious Case Of Benjamin Button ベンジャミン・バトン/数奇な人生』マリサ・トメイ『The Wrestler レスラー』これは正直、へぇ~と思いました。でも誰が貰っても、絶対に納得という人は居なかったような。『Doubt ダウト~あるカトリック学校で~』は二人ノミネートされてしまったから自沈ですね。ペネロペ、あんまり好きな女優ではないですが、頑張った。◎監督賞[Directing] ★ダニー・ボイル『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』デビッド・フィンチャー『The Curious Case Of Benjamin Button ベンジャミン・バトン/数奇な人生』ロン・ハワード『Frost/Nixon フロスト×ニクソン』ガス・ヴァン・サント『Milk ミルク』スティーヴン・ダルドリー『The Reader 愛を読むひと』ダニー・ボイルがアカデミー賞を取る日が来るとは、以前は全く予想していませんでした。そういう路線とは隔絶された世界を撮る人だと思っていたので。今作は、賞取りに行ったのかな? ◎長編アニメ賞[Animated Feature Film] ★『Wall-E ウォーリー』『Kung Fu Panda カンフー・パンダ』『Bolt ボルト』まあ、これよな、この中なら。選択肢が少な過ぎるわ。もっと広く世界から良作を集めてほしいね。子供向け以外のアニメで、もっと賞に相応しい芸術的な作品があると思うんですけど。◎外国語映画賞[Foreign Language Film] ★『Departures おくりびと』(日本)『The Baader Meinhof Complex バーダー・マインホフ・コンプレックス』(ドイツ)『The Class クラス』(フランス)『Revanche レヴァンシェ』(オーストリア)『Waltz With Bashir 戦場でワルツを』(イスラエル) 本当の意味で日本が理解された訳ではないのは、『千と千尋・・・』『もがり・・・』と同様。日本でも廃れてしまった風習を取り上げた作品。外国人には物珍しく映るし、また他のノミネート作品よりストーリーも判り易い。これは選ばれる確率が高かった。個人的には、リアルな日本を描いた作品が世界に認められてほしい。それにしても、監督以下一同の皆さん、ノミネートされたらスピーチの用意くらいしておいて下さい。苦笑されてるのが、凄く恥ずかしかったよ…。日本語で確りと喋った方がマシです。その他の部門、受賞作品◎脚本賞[Original Screenplay] 『Milk ミルク』◎脚色賞[Adapted Screenplay] 『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』 ◎美術賞[Art Direction] 『The Curious Case Of Benjamin Button ベンジャミン・バトン/数奇な人生』◎撮影賞[Cinematography] 『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』◎衣装デザイン賞[Costume Design] 『The Duchess ある公爵夫人の生涯』◎編集賞[Film Editing] 『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』◎メイクアップ賞[Makeup] 『The Curious Case Of Benjamin Button ベンジャミン・バトン/数奇な人生』◎作曲賞[Music (original score)] 『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』◎オリジナル歌曲賞[Music (original song)] "Jai Ho"『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』◎音響賞(録音賞)[Sound Mixing] 『Slumdog Millionaire スラムドッグ$ミリオネア』◎音響編集賞[Sound Editing] 『The Dark Knight ダークナイト』◎視覚効果賞[Visual Effects] 『The Curious Case Of Benjamin Button ベンジャミン・バトン/数奇な人生』◎ドキュメンタリー賞[Documentary Feature] 『Man on Wire』◎ドキュメンタリー短編賞[Documentary Short Subject] 『Smile Pinki』◎実写短編賞[Live Action Short Film] 『Spielzeugland (Toyland)』◎アニメーション短編賞[Animated Short Film] 『La Maison en Petits Cubes つみきのいえ』こちらも監督は日本人で、日本作品ダブル受賞となりました。「オスカー像が重い…。」って。笑こちらも喜びのスピーチを用意しておけと言いたかった。地球温暖化を扱った作品。
Feb 24, 2009
今月、スクリーンで五本観た!なんか、昔の私っぽいwww内、三本が戴き物の試写状での鑑賞でございます。だから、本当の意味で、昔の私に戻った訳ではないのですが。取り敢えず、また映画に行けて嬉しい。(#^.^#)観たいと思える自分を思い出せて嬉しい。貴重な葉書を譲って頂き、本当に有難うございました~!!レビューがツッコミ中心で毒舌なのは、私の習性なのでお赦しくだせぇ。たとえ何を書こうと、「観た」という満足感と、映画への「愛」が基本ですから。笑映画館に行くと、チラシを入手したり、予告編を観たりするので、「これ、観たい。」「これ、面白そう。」と連鎖反応が起こります。それが映画狂いのビョーキへと繋がる訳ですが。色々観たら、もっと色々観たくなってしまった。今月は公開中の「ベンジャミン・バトン」と公開間際の「チェンジリング」を二本立てで行って〆になるかと思いますが。そそられる映画は沢山ありますが、チラシを見て、個人的におおっ!と思ったのは「アンダーワールド」。三部作で終わったと思ったら、"ビギンズ"が作られていたのね。主演もケイトのまんまというのが嬉しい。最近パッとしないが、ケイト、頑張れ!一作目では既に死んでいたヴァンパイア"ソーニャ"が登場する模様。この名前に思い入れのある私としては楽しみな一本です。
Feb 14, 2009
2/21(土)より全国ロードショーです"SEVEN POUNDS"監督・・・ガブリエレ・ムッチーノ 出演・・・ウィル・スミス、ロザリオ・ドーソン、マイケル・イーリー、バリー・ペッパー、ウディ・ハレルソン、他。・物語序盤・ 一人の男が911にコールし、自殺者が居ると通報する。オペレーターから自殺者が誰かと問われた男は、自分だと答えた…。男は通信販売会社の盲目のオペレーター・エズラに横紙破りな難癖を付け、散々に彼を侮辱して電話を切った後、室内でリストに書かれた七人の名前を叫ぶ。その様子は常軌を逸していた。彼は国税局に勤務するベン・トーマス。ベンは心に秘めたある計画を実行しようとしていた。その内容を知っているのは幼馴染である親友ダンのみ。だが、計画実行の協力を頼まれていたダンは悲痛な面持ちだった。ベンは税金を滞納している女性エミリー・ポーサを訪ねる。エミリーは自宅で珍しい凸版印刷のカードを制作して生計を立てていたが、深刻な心臓病を患い、生活に困るようになっていた。事情を知り、数ヶ月納入期限を延期してくれた親切なベンに、エミリーは感謝する。移植を受けなければ、長くは生きられないと診断を受けていたエミリーは、犬の散歩から帰った途端、玄関で倒れ、病院に搬送される。不安と孤独から、ベンの名刺に書かれていた携帯電話の番号にコールするエミリー。通話しながら病院に向かったベンは、朝までエミリーのベッドの傍に居た。二人は徐々に親密になってゆくが、エミリーに恋愛の話を振られたベンは、急に態度を硬化する。彼にはかつて相思相愛の女性が居たが、その過去はベンを苛み続けるトラウマだった。 予備知識は殆ど入れず鑑賞しました。その為、序盤はなかなか話が掴めず、観ている映像が過去か現在かの区別も付かず戸惑いもありましたが、結論から言うと、この映画は何も知らずに観るべきでしょう。私見ですが、公式サイトやチラシに書いてある要約の文章すら邪魔です。そこに書かれた内容を、時間の経過と共に観客に理解させてゆくのが、この映画が敢えて謎めいた流れを用いた主たる目的なので。と言う訳で、上の荒筋は、なるべく話が判らないように書きました。これは、主人公の男が何者で、何をしようとしているのか、又、彼を追い詰めている過去とは何なのか、それをゆっくりと紐解いてゆく物語です。だから鑑賞しようと考えている人は、なるべく何も知らない状態で臨んで下さい。補足しておくと、筋書き自体は、決して難解ではありません。逆に果てしなく判り易い。(^_^;)彼の計画の具体的な内容と、鮮烈なオープニングに、どう繋がってゆくのか?という事が、なかなか顕わにならないというだけで。主人公の動機とお話そのものは非常にストレートです。ここまで影の深い役を演じるのは、ウィル・スミスにしては珍しい気がします。心に癒えない傷を抱えて、自分の価値を否定し、贖罪の為だけに生き続ける男。ウィル・スミスは、アメリカ上流階級に生まれ育った大らかで陽気な"プリンス"、ラッパーとしてデビューして僅かでグラミー賞などを受賞、その後、銀幕デビューを飾って、トップクラスの黒人俳優として不動の人気を誇る人物。無論、大スターとは言え、生身の人間ですから、"持てる者"故の悩みも多く抱えているとは思いますが、世間一般には、負のイメージとは無縁の俳優さん。敢えて、書くまでもない事実ですが。でもスクリーンを観ている限り、「ウィルの現実と懸け離れ過ぎ。不幸なフリすんなよ。」という反発は感じませんでした。やっぱり俳優としての才能にも恵まれた人なんだろうな~と。(陰の努力を含めて)恐らく役作りでしょうね、いつもより面窶れして、頬が落ち窪んで見えました。最初、観た瞬間に、ウィル・スミスってこんな顔だったっけ?老けた?と思いましたから。自殺を告げるコール。雨の街を悲壮な顔で駆けている姿。「神は七日で世界を創り、僕は七秒で人生を破壊した」という独白。オープニングで、ストーリーの結末は見えています。後は、その到達点にどういうアプローチで近付いてゆくかという点のみ。7つの贈り物という事ですが、7という数字は特に意味を成していませんでした。選ばれた7人と、次々に接触して、話が展開してゆくのかと思いきや、エミリーと出会ってから話の進み具合が鈍化し、単調なラブストーリーになってゆくんですよ。いつまで停滞しているんだろうと思っていたら、この話のメインは、エミリーとの恋愛なんですね。(^_^;)そんなペースじゃ7つクリアできないよ、と心配していましたが、既に一部はクリア済みですかい。恋愛モノになってしまった辺りから、謎めいた空気が薄れ、テンポが悪くなったのが残念です。ベッドシーンを入れる時間があるなら、他の人のエピソードを挿入して、場面の切り替えをすべきだと感じました。断片的に映像を入れ、時間軸を前後させる手法を用いた映画なので、一つのエピソードが長く続くと、普通よりダレた印象が強くなるんですよね。エッチしなくても、二人の愛の深さは充分伝わりますから、余計な事はやめよう。(^_^;)"ティム"と"ベン"の関係が種明かしされた時は、なるほど!と思いました。恋愛部分にメリハリを付ければ、もっと良い作品になった筈なので、若干惜しまれます。観終わってから、結局7つって何だったっけ?と指折り数えてみましたが、6つしか思い出せなくて。滝汗。その疑問は試写した人達の多くが感じた様で、皆、数えてましたよ。笑。公開が始まったら、ネタバレレビューでも読んで確認したいです。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Feb 13, 2009
"REVOLUTIONARY ROAD"監督・・・サム・メンデス 原作・・・リチャード・イェーツ『家族の終わりに』(ヴィレッジブックス刊) 出演・・・レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャシー・ベイツ、マイケル・シャノン、キャスリン・ハーン、デヴィッド・ハーバー、ゾーイ・カザン、ディラン・ベイカー、ジェイ・O・サンダース、リチャード・イーストン、マックス・ベイカー、マックス・カセラ、、他。 ・物語序盤・第二次大戦後のアメリカ・コネチカット州で出会った若い男女フランクとエイプリルは一目で恋に落ちる。エイプリルは女優を夢見る女性、陸軍の兵役から解放されたフランクも将来に希望を持っていた。やがて二人は結婚し、"レボリューショナリー・ロード"にある閑静な住宅街に、小奇麗な白い家を買って生活を始めた。結婚後7年の月日が流れ、二人の子供にも恵まれたウィーラー夫妻の暮らしは安定しており、周囲からは理想の家族と見做されていた。しかし漸く市民劇団を立ち上げたエイプリルの初舞台は散々な内容で、彼女は女優の夢も砕け打ちのめされる。フランクはかつて軽蔑していた父親が勤めていた事務機器会社のオフィスで働き、家族の生計を支えるだけの毎日。思い描いていた未来と虚しい現実とのギャップに、夫妻は互いを傷付け、口論を繰り返していた。30歳の誕生日に会社の事務員と浮気をしたフランク。帰宅した彼を待っていたのは、エイプリルの謝罪と子供達とバースデーケーキ。思わず涙を零すフランクに、翌日エイプリルは思わぬ提案を持ち出した。兵隊時代フランクが暮らしたパリへ渡り、本来の自分を取り戻すべきだと言うのだ。突然の事に戸惑っていたフランクだったが、話を聞く内に忘れ去っていた希望を思い出し、夫妻はフランスへの移住を決める。会社の同僚や近隣の住人に、活き活きとした顔で新天地へ行く事を触れ回る二人を、周囲の人々は複雑な心境で見守っていた。だが皮肉にも、好い加減に片付けた仕事が高く評価され、フランクには昇進と破格の昇給のチャンスが巡ってくる。またエイプリルの妊娠も発覚し、二人の立てた計画は徐々に狂ってゆく…。 先月末に公開が始まったばかりというのに、いつも行く映画館では既に上映終了。代わりにアカデミー賞ノミネート記念に「おくりびと」が再上映に。こっちだって、アカデミー賞ノミネート作品なんですけど…。確かに、あっちは良くも悪くも綺麗事で纏めてあるので、観終わった後に良かったねとなります。比べて、この作品は何処までもリアルなので、気持ちが凹みます。でも敢えて優越を付けるとしたら、私はこの作品に軍配を揚げますね。観ている間、一秒もこの虚構の世界から這い出せない隙の無い脚本と演出、そして俳優陣の演技力、どれを取っても一級品だと思います。それ故に、物凄くしんどい。正直。涙も出ないとはこの事。もしも声を上げて泣けるのなら、其処にはまだ救いがあります。喩えるならば、方々から投げ付けられた石の礫を、お腹いっぱい呑み込んだまま、作り笑いを浮かべさせられている気分。判る人には、判り切った話です。「自分とは全然関係ないや」「何が不満な訳?」という人でないと、間違いなく凹みますので要注意かな。(^_^;)観た事は後悔していませんけどね、勿論。キャシー・ベイツ演じる不動産会社社員ヘレンの息子ジョンがまた、唯でさえボロボロで、神経毛羽立ってる夫婦に追い討ちを掛けるんだ。(-_-)/~~~ピシー!ピシー!ジョンは元は数学者だったものの、心を患って精神病院で治療を受けている男性。ヘレンの頼みで、ジョンの話し相手役を引き受けたエイプリルですが、この息子を連れたギヴィングス夫妻が、フランク達の都合もお構いなしに訪ねてくるのよ。原因は判りませんが、心を病んでいるだけで、知能的にはインテリなジョンは雄弁です。心のど真ん中を抉るような真実をズケズケと二人の目の前に突き付ける。自分がトラブルを抱えている時は、こういうタイプの人との交流は避けた方が無難ですよ。事ある毎に罵り合って、破綻しかかっている夫婦なのに。そこは黙らなければ…と思う所で、怒りを抑えられないフランクに、相手が「一人にして」と懇願している時は、距離を置かないと駄目なんだけどなぁ、と溜息が。(--)激昂して口にした言葉が良い結果を生む筈がない。致命的な暴言を投げ付けて、常に"崖っぷち"を歩いていた最愛の人を突き落としてしまったフランク。翌日のエイプリルの温和な笑顔には、もう二度と会えない人のような空気が漂っていて、悲劇の訪れを予感させました。近所に住むキャンベル一家の描写も巧みでしたね。皆から羨まれるウィーラー一家より、全てに於いて明らかに格下。呼んでも返事もしない、だらしない息子達。女神のように美しいエイプリルに比べ、冴えない容姿の妻ミリー。これが俺の人生か…という面持ちで、一人庭先でビールを飲む夫シェップ。ミリーはミリーで、やはり自分の生活に不安と不満の入り混じった複雑な感情を持っている。パリ行きの計画で輝いて見える二人に、急に惨めな気持ちが起こり咽び泣く。二人の計画が頓挫すれば、苦渋を滲ませるエイプリルに、これで元通りの親友ねと大喜び。フランクには「女は3日も経てば、何でも忘れてしまうものよ。」と笑い掛ける。そうでない事は自分自身が誰より承知しているのに。この辺の人間心理が実に厭らしくてナイスです。(*^^)v「絶望的な虚しさ」という言葉に対して、ジョンが虚しさは誰もが感じられるが、絶望するには勇気が要ると応えた台詞は好き。心底、絶望した時、人はその場に留まれず、誤魔化しと惰性で続けてきた生活を破壊するしかない。絶望するには、確かに勇気が要る。無謀と紙一重の世界だが。(^_^;)「逃げるのではない、全く逆、私は真剣に生きられる場所が欲しい」と訴えるエイプリル。その言葉に偽りは無いけれど、パリへ行っても、心を埋めてくれるものは見付からなかったと思う。人は満たされず、常に此処ではない何処かを求めるが、此処で手に入らぬものは何処に行っても結局手に入る事はない。要するに、それを手にする能力が欠落している。ただそれ丈の結果に過ぎない。ラストシーンはなかなか印象的です。ウィーラー一家の暮らしていた輝かしい幸福の象徴である白い邸宅には、希望に満ちた新婚カップルが引っ越してくる。そしてウィーラー夫妻を最高のカップルと褒め称えていたギヴィングス夫人は、夫にあの二人は変わり者で付き合いにくかった、"革命家"夫婦のようだったと肩を竦める。その夫人を黙って見詰める夫の顔のアップ。妻の言葉に何を思うのか、口達者で仕切り屋の妻は考えもしない。ジ・エンド。原作小説『家族の終わりに』は、半世紀以上も前に書かれた本ですが、人間の営みって変わらないね。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Feb 12, 2009
"QUANTUM OF SOLACE"監督・・・マーク・フォースター 原作・・・イアン・フレミング テーマ曲・・・モンティ・ノーマン(ジェームズ・ボンドのテーマ) 出演・・・ダニエル・クレイグ ジェームズ・ボンド オルガ・キュリレンコ カミーユ マチュー・アマルリック ドミニク・グリーン ジュディ・デンチ M ジェフリー・ライト フィリックス・レイター ジェマ・アータートン フィールズ イェスパー・クリステンセン ミスター・ホワイト デヴィッド・ハーバー ビーム アナトール・トーブマン エルヴィス ロシー・キニア タナー ジャンカルロ・ジャンニーニ マティス ホアキン・コシオ メドラーノ将軍 グレン・フォスター ミッチェル フェルナンド・ギーエン・クエルボ カルロス大佐 スタナ・カティック ニール・ジャクソン ・物語序盤・イタリアのシエナ。愛するヴェスパーを自殺という結末で失ったボンドは、彼女を背後で操っていたホワイトの身柄を捕獲する。だが尋問中、組織は何処にでも入り込んでいると不敵な笑いを漏らしたホワイト。その言葉通り、数年間"M"の身辺警護をしていたミッチェルが突然発砲してくる。世界各国の有力者が関わり、諜報機関深層にまでスパイを潜ませている巨大組織の存在が浮上し、ボンドは調査の為にハイチへと飛ぶ。地質学者としてホテルに潜伏していた男を殺したボンドは、彼を迎えに来た謎めいた女性カミーユに促され車に乗り込む。だがカミーユはボスであるドミニク・グリーンから抹殺の対象とされていた。グリーンは環境保護を謳う慈善団体"グリーン・プラネット"の代表だが、彼の目下の目的はボリビアの地下資源を独占する事。カミーユは諜報員だったが、ドミニクと取引を進めている独裁者メドラーノ将軍に近付く為、ドミニクに接近していた。彼女はかつてメドラーノによって、家族を惨殺された過去を持ち、復讐の機会を狙っていたのだった。一方、ボンドは上司である"M"の警告を無視して、関係者を次々に殺害してしまう。ボンドの暴走は英国上層部でも問題になり、彼はアメリカCIAからも危険人物としてマークされる。Mはボンドの命を守る為に、一時彼の身柄を押えようとするが、ボンドは飽く迄、グリーンの陰謀を阻止しようとする。 前作「カジノ・ロワイヤル」の結末から1時間後が、物語の起点となっており、シリーズ中で初の続編となる。「カジノ・ロワイヤル」を事前に鑑賞しておくと、より理解が深まる。私は公開時に映画館で観たきりだったので、細かい所を忘れていて残念でした。007シリーズ、私は苦手なタイプで、これまでは映画館で観ようとは思いませんでした。簡単に言うと、荒唐無稽なニヤケ男の話、という認識だったので。現在の科学技術では実現できないような武器などが、平気で使用されていたじゃないですか。あれが生理的にダメでした。SFやファンタジーならば、何が出てこようと受け入れられるんですけどね。現在を舞台にしている以上、ある程度は、現実味が無いと冷めてしまう。ストーリーもご都合主義で、エンターティメントと言ってしまえばそれまでですが、心に残る何かを映画に求めている私としては、相容れない世界でした。その認識が変わったのが、前作「カジノ・ロワイヤル」を観てからです。新しいボンド役に抜擢されたのが、これまでのスケベなチャラ男風の俳優とは一線を画した、硬派な雰囲気のダニエル・クレイグだったのが非常に良かった。既存のボンドのイメージと違和感が強過ぎるという事で、ファンの中では反発も強かったのですが、実際にスクリーンで観てみると、思いの外、男前でカッコ良かった。筋書きも普通のスパイ物映画と変わらない程度に、荒唐無稽さが抑えられていて、これなら私も007を楽しめるぞ♪、と思ったのです。今作は前作の純粋な続編という事だったので、これは観ておかねばと。只、「ガジノロワイヤル」はジェームズ・ボンド誕生の物語だったので、時代設定が可笑しくないか?という疑念は心の何処かにずっとありましたが。(^_^;)ボンドは常に"今"を生きているヒーローという事で流してしまった方が賢明なのでしょう。アクションは普通に考えると、何百回も死んでいると思うハードなものばかりです。ボンドもカミーユも不死身度はターミネーター級ですね。ドレス姿で手足を丸出しにしているカミーユ。飛行機が墜落しても、掠り傷一つ負わない。ボクの彼女はサイボーグですか?(^_^;)調査に出向いているのに、情報源を尋問もせずに、次々と殺してくボンドにも呆れるけど。それでは、スパイではなく、アサシンですよ…。上司のMがお冠になるのも当然です。「"脈なし"との事です。」「また殺したのね!(怒)」相手の死を"脈なし"で表現したナイスな字幕でしたが、英語では何と言っていたのかな?でもMは理想的な上司ですよね。問題児でも、「彼は私の部下で、私は彼を信じている」と言い切り、大臣相手でもCIA相手でも怯まず、体を張って盾となる。自分が抜擢した人材である以上、絶対に責任転嫁や言い逃れはしない。組織の頂点に立つ者としての威厳と覚悟がある。又、信頼する者の前ではキュートな一面も見せる奥さんでもある。ジュディ・デンチは嵌り役ですね。こんな上司が居たら、何処までも付いて行きマス。( ^ー゜)bエロ度が低かったのも、好印象の理由の一つです。007というと、ボンドガールやその他端役さんの素っ裸と濡れ場のオンパレードという印象でしたが、ダニエル・クレイグのボンドは割と純情で、相手構わずエッチはしません。笑。お色気もゼロだと、既存のファンを裏切る事になるので、一応、彼をイギリスに送還する為に派遣された女性と遊んでましたけど。でもそれもさらっと流す程度の描写で、全体的にストーリーとアクション・メインの硬派なスパイ物路線で行こうという意図が感じられました。ヒロインとはキスのみ。オルガ・キュリレンコはエキゾチックで魅惑的な女性ですが、彼女の裸は拝めません。↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
Feb 11, 2009
"HARRY AND TONTO"監督、製作、脚本・・・ポール・マザースキー 出演・・・アート・カーニー、エレン・バースティン、チーフ・ダン・ジョージ、ラリー・ハグマン、ジェラルディン・フィッツジェラルド、メラニー・メイロン、ハーバート・バーゴフ、クリフ・デ・ヤング、エイヴォン・ロング、他。 ・物語序盤・ハリーは、愛猫のトントと共に、ニューヨークのマンハッタンにあるアパートに暮らす老人。だが区画整理の為に、住み慣れた我が家からの立ち退きを迫られていた。強制退去の日、迎えに来た長男バートに連れられ、郊外にある彼の家で生活する事になったものの、四人家族との同居は、住人全員にとってストレスとなった。諍いを切っ掛けに、ハリーはシカゴに住む娘シャーリーを訪ねる事にする。当初の予定では空路で向かう筈だったが、手荷物検査で猫を放さないハリーは、結局、バスで目的地に行く道を選ぶ。しかしバスでも、ハリーは猫にトイレをさせる為、強引にバスを止めさせ、何処かへ行ってしまった猫を探してバスを降りる。その後、中古車を購入し、疾っくに失効になった運転免許証で運転を続けていたハリーの前に、ヒッチハイカーの若い男女が現れる。男の方は直ぐに次の車へと乗り換え、コミューンに行く途中という少女ジンジャーと二人の道行に。ジンジャーとの話の成り行きで、ハリーは結婚前に付き合っていた奔放な女性ジェシーに会いに行く。観てみたら、意外にもまだ一度も観ていませんでした。有名な映画なのに。映画で観ると、憎めないお爺ちゃんなんでしょうけど、現実に一緒に暮らしてたら、喧嘩が絶えないでしょうね。我が家で口論が絶えないのと同じく、兎角、老人は頑固で独善的で、自分の能力が退化している事を決して認めない傾向にある。(^_^;)この映画の主人公は、元教師で教養もある。でも、自分でも認めているように、気難しくて譲歩を知らない。親友に言っていましたが、誰かと同居するには無理のある性格です。通りすがりの他人から見ると、面白いお爺ちゃんなんだけどね。長男のパートは孝行息子ですね。あんな親思いの良い子を持ててハリーは幸せ者だよ。長女は、誰が相手でも論破せずにはいられない父親に疲れたんでしょうね。多分、彼に反抗して、早くに家を出たのでしょう。結婚に四回失敗している所も、口煩い父親を持つ娘らしい。でもこの親子、決して仲が悪い訳ではないです。ホテル住まいの二男は、一見羽振りが良さそうですが、実は不動産の仕事に失敗し、妻子とも別居の一文無し。でも弱みを見せられずに虚勢を張り、誰にも相談できない。これも厳格な父親の元で育った人に多いタイプ。書いてると、ハリーが嫌いになってきたョ。笑。周囲の気持ちも推し量らず、自分の言いたい事だけ言って生きてきたアンタは良いけどさ。誤解があるといけないので補足しますが、映画では嫌悪感は感じません。ほのぼのとした良い映画です。単に、身近な分からず屋の老人とダブってしまっただけの事でして。(^_^;)今日も大喧嘩。なんで普通に有難うと受け取れないんだ…。何をしても文句しか言わない人と暮らすのはキツイなり。ところで、沈黙の誓いというのは、どういう効果があるんでしょうか?「ミス・リトルサンシャイン」でも、息子が沈黙の誓いを立てて、家族と揉めていましたが。あの映画でも、世間とは多少ズレた個性的なお爺ちゃんが登場していましたね。なんとなく家族構成が似ている。ジャンルもロードムービーですし。こちらはハリーとトントの二人旅ですが。
Feb 10, 2009
2/14(土)から全国ロードショーです。http://movies.foxjapan.com/fakecity/"STREET KINGS"監督・・・デヴィッド・エアー 出演・・・キアヌ・リーヴス、フォレスト・ウィッテカー、ヒュー・ローリー、クリス・エヴァンス、コモン、ザ・ゲーム、マルタ・イガレータ、ナオミ・ハリス、セドリック・ジ・エンターテイナー、他。 ・物語序盤・ロサンジェルス市警の刑事トム・ラドローは、勤務中にも常に酒を飲み、刑事としての自分以外は何も持たない生活を続けていた。捜査方法も法の枠を超えた遣り方で、事件解決の為には手段を選ばない一匹狼。双子の少女を拉致して、変質者達に嬲らせていた韓国系グループに、囮捜査で接近したラドローは、躊躇なく犯人を皆殺しにして、被害者を救出した。そんな彼を庇い、いつも尻拭いしてくれるのは、上司のジャック・ワンダー。しかしラドローを問題視する者も多く、彼は内部調査部のビッグスからマークされてしまう。ラドローは自分を密告したのが、元相棒のワシントンだと知り、彼の後をつけて、殴り付けてやろうと考える。だがワシントンが店に入った直後、二人組の武装した黒人が強盗に踏み入る現場を目撃。ラドローはワシントンに緊急事態だと教えるが、彼はラドローに殺されると誤解し反撃してきた。強盗が機関銃でワシントンを射殺し逃亡するのを、成す術も無く見送る羽目になったラドロー。その失態で、ラドローは制服組として内勤を命じられるが、彼の身辺を調査し、帳尻を合わせる為だけの任務に辟易していたディスカントと共に、独自に強盗犯を追跡しようとする。小説家ジェームズ・エルロイが書き下ろした脚本によるクライム・アクションです。先読みすると詰らないので、いつも目の前の画面だけに集中しているのですが、無意識に序盤で大まかな展開を読んでしまった…。「センセーショナルなクライマックス」とか、そういう煽りは控えてほしいです。何かあると、否が応にも勘繰ってしまうので。こいつが悪者だよね、と冒頭で見えてしまっては、後が辛い。キアヌ・リーヴスも「人間捨てました」的な役を演じるには、お肌艶々過ぎるのよね~w現実世界でも落ち目になってきたスターが演じると嵌るんですけど。頑張ってはいるものの、廃人寸前の殺伐とした空気が出し切れず、演技してま~すという領域。この役をやるには早過ぎたという印象を受けました。
Feb 5, 2009
2/28(土)より全国ロードショーです。http://movies.foxjapan.com/australia/"AUSTRALIA"監督、脚本・・・バズ・ラーマン 出演・・・ニコール・キッドマン、ヒュー・ジャックマン、デヴィッド・ウェンハム、ブライアン・ブラウン、ジャック・トンプソン、ブランドン・ウォルターズ、他・物語序盤・ 1939年、ロンドンの邸宅に暮らす英国貴族のサラ・アシュレイは、オーストラリアに行ったまま戻らない夫を迎えに、自ら遠い地へと向かう。しかし出迎えとして雇われていたのは、野蛮なカウボーイ"ドローヴァー"で、サラは自分の常識の通用せぬ世界に驚くばかり。更に、サラを待ち受けていたのは、キング・ジョージと呼ばれる原住民に殺害されたという夫の遺体だった。夫の持つ領地"ファラウェイ・ダウンズ"と1500頭の牛の相続人となったサラ。現地の有力者カーニーは、早く帰国したがっている彼女に、安値で遺産を買い上げる提案を持ち掛ける。しかしアボリジニの少年ナラから、夫の部下だったフレッチャーが、カーニーと結託して、牛を横取りしていた事実を知り、サラはカーニーと戦う事を決意する。ナラはアボリジニと白人の混血で、"クリーム"と蔑まれ、捕獲の対象となっている子供だった。自ら1500頭の牛をダーウィンの港まで連れ、軍に売り渡さねばならなくなったサラだが、牛追いの仕事を任せていたフレッチャーをクビにした為に、新たな牛追いを見付けねばならなかった。サラはサラブレッドの馬を報酬にドローヴァーと契約を交わし、彼の仲間の原住民と、ナラやアボリジニの家政婦、酔いどれ会計士フリンを加え、何とか頭数を揃えて、険しい道程を進む事に。 2時間45分と長丁場です。シリアスな大河ドラマならば、この長さは苦痛にならないのですが。何故かこの作品、お伽噺テイストに作られてます。オーストラリアで長く原住民を蹂躙し、辛酸を与え続けてきた白豪政策を、単なるネタとしてしか使っていない作風には、疑問が大きく残ります。重苦しくならないようにという意図なのかもしれませんが、映画の最後に、政府からアボリジニに対して、正式な謝罪がなされたというテロップを出すからには、観客に訴えかける真剣みが欲しいです。重厚な大作と成り得るテーマを豊富に持っているのに、それを全てドブに捨ててしまったのは、勿体ないとしか言い様がありませんね。枝葉を好い加減に済まさず、もっと確り史実を調べた上で、大人の鑑賞に堪える作品にしてほしかった。
Feb 2, 2009
監督・・・堤幸彦 原作・・・浦沢直樹 出演・・・唐沢寿明 ケンヂ 豊川悦司 オッチョ 常盤貴子 ユキジ 香川照之 ヨシツネ 石塚英彦 マルオ 宇梶剛士 モンちゃん 宮迫博之 ケロヨン 生瀬勝久 ドンキー 小日向文世 ヤマネ 佐々木蔵之介 フクベエ 佐野史郎 ヤン坊・マー坊 平愛梨 カンナ 石橋蓮司 万丈目胤舟 中村嘉葎雄 神様 黒木瞳 キリコ 出演(声)・・・中村正 ・物語序盤・2000年大晦日の夜。街角でギターの弾き語りをしている男が居る。彼の名はケンヂ。ロックシンガーの夢を諦め、コンビニ経営者となった彼の、平凡な人生を変えたのは、1997年の出来事だった。失踪した姉の赤ん坊カンナを育てつつ、母とコンビニを経営していたケンヂの元に、警官が現れる。お得意先だった大学教授一家が忽然と姿を消してしまったらしい。ケンヂはその家で、見覚えのある奇妙なマークを見付けるが、それが何か思い出せずにいた。その後、教授のゼミに所属していた学生が、全身の血を抜かれた遺体となって発見される。また国内外では、生体兵器を使用したとみられるテロが起こり、多くの死者が出た。ケンヂは、転落死した幼馴染のドンキーの葬式で、子供の頃の同級生達と再会する。1969年、小学生だったケンヂ達は、空地に秘密基地を作って遊んでいた。彼等は20世紀の終わりに人類滅亡を企む悪の組織が現れ、9人の正義の味方が、それを阻止する為に戦うという空想物語"よげんの書"を書いていた。仲間の一人で、今は空港で麻薬捜査官として働くユキジに指摘され、巷で起こっている事件や、"ともだち"と呼ばれるリーダー率いるカルト団体のシンボルマークが、全て子供の頃に、自分達が考え出したものと一致すると知ったゲンヂ。ケンヂは仮面を被った"ともだち"の正体を探ろうとするが…。
Jan 30, 2009
"BODY OF LIES"http://wwws.warnerbros.co.jp/bodyoflies/監督・・・リドリー・スコット 原作・・・『ワールド・オブ・ライズ』デイヴィッド・イグネイシアス/小学館刊 出演・・・レオナルド・ディカプリオ ロジャー・フェリス ラッセル・クロウ エド・ホフマン マーク・ストロング ハニ・サラーム ゴルシフテ・ファラハニ アイシャ オスカー・アイザック バッサーム サイモン・マクバーニー ガーランド アロン・アブトゥブール アル・サリーム アリ・スリマン オマール・サディキ ヴィンス・コロシモ、メーディ・ネブー、マイケル・ガストン、カイス・ネシフ、その他。 ・物語序盤・CIA工作員ロジャー・フェリスは、中東での危険な任務をこなす、死線ギリギリの日々を送っていた。彼にリアルタイムで指示を出すのは、平和なアメリカに拠点を置くベテラン局員エド・ホフマン。長年、中東の悲惨な現実と直面しているフェリスと、飽く迄アメリカの役人的な思考回路で、中東の人々を使い捨ての駒と見做すホフマンとは、パートナーを組んでいるが考え方には相違があった。二人が目下進めている作戦は、アル・サリームという指導者の下に、世界各国で自爆テロを行っている組織の摘発だった。堪能なアラビア語を話し、現地の人間を信頼するフェリスは、相棒と組んで組織内部の離反者から機密資料を入手するが、ホフマンは情報提供者の保護を拒否する。銃撃戦の末、フェリスは重傷を負い、相棒も失ったが、ホフマンは冷淡に次の指令を出すのみだった。フェリスはヨルダンの実力者ハニ・サラームと接触し、共闘を約束するが…。原作の著者は、中東事情に精通したジャーナリストとの事です。これは、どっち寄りの立場なんですかね?観ながら、ずっと考えておりました。作りとしては、アメリカ的なのですが、敢えてそうする事で、観客に反アメリカ的感情を持たせようとしたのか。中東側の描き方がステレオタイプだったので、彼等の気持ちを斟酌しているとは感じない作風でした。しかし突き放した描き方によって、作品がウェットにならないよう狙ったのかもしれません。個人的には、もう少し中東テロリスト側の内面描写も欲しかったかな。アメリカも腐敗しているけれど、お前等もジハードの志など忘れてしまっているんじゃないの?というのが、この映画の謂わんとする所でしょうね。上映時間がやや長めで、話の流れも二段構えになっていて、ちょっと長く感じましたが、全体的には硬派に纏まっていたと思います。関係無いけど、ハニ役のマーク・ストロングが、中東側で際立ってイケメンなんですわ。カッコいい役にはカッコいい人を使うのね、と可笑しかった。美味しい所、独り占め。(~_~;)ボロボロな姿で体当たり演技のディカプリオが、振り回されただけに思えて可哀想かも。邦題は日本人にも馴染み易いように、"ワールド"という単語に置き換えていますが、原題は"BODY OF LIES"です。ここはボディとすべきでしょう。この場合のボディは、組織や集団の方の意味だと思いますが、ボディは勿論、人間の身体を連想させるので、個体も群れも嘘塗れというイメージが湧きます。
Jan 2, 2009
- 頌春 -「ことほぐ」は一文字で書くと「寿ぐ」ですね。語源である「言祝ぐ」の方が意味が伝わり易いかな。響きが好きな日本語って沢山ありますが、「ことほぐ」もその一つです。平素は使う機会がありませんが、新年は大いに言祝いで宜しかろう。おめでとうございます。皆様に幸多からんことを。毎度の癖で検索。「言祝ぐ」で発見した詩。祝賀ムードとはかけ離れておりますが、気に入ったので転載させて頂きます。誰かの心に響く詩を書くのは難しいですよね。それだけに琴線に触れる詩というのは、いつまでも心に残ります。「朝の祝祭」 作・森永かず子(詩誌「子午線」九十五号より)目覚めるとすでに鳥は鳴いている犬もそうだ彼らの言葉は永遠に彼らを裏切らないがわたしの言葉は明後日のわたしを敵にする眠りのあいだ閉じこめられていた言葉が飛び立とうとする朝最初の声はかならず後ずさりして喉にはりついているグレープフルーツに切り込みを入れチーズを切り声を切り取る「おはよう」清潔な朝にたじろいで声がうつむくまるで借り物のように眠りのあとは貞淑な罪人になる罪を帳消しにする罰はやさしい怖ろしいのは永遠に罰されない罪だ罪の数だけ秘密の石室を重ねるそこでは湿った言葉があるじ不在のままいつまでも生臭くくり返されている今日も目覚めると光りは満ちすでに鳥も犬も鳴いているわたしは影を伸ばす石の塔を隠して朝を言祝ぐ
Jan 1, 2009
夏以降、殆ど映画に行かなくなり、こちらの更新もたまにしか出来なくなりました。来年も運営状況は変わらないと思いますが、映画を観たら、出来る限り書き残してゆこうと考えております。細々と続けて参りますので、来年も宜しくお願い致します。大晦日のスーパーは大混雑ですね。普段は夜間の空いている時間帯にしか行かないので、人込みを見ただけで疲労が…。そこは昔ながらの営業形態で、正月三ヶ日は休業なんですけど、近所の大手スーパーやコンビニは元旦から営業しているので、別に勇んで買い物に来る必要性は無いと思うのだが。私は偶々、食糧の備蓄が底をついたので、大晦日の買出しになってしまいましたけど。やっぱり混雑は嫌いだ。と思った。晩御飯は年越し蕎麦で終了~。笑。夕飯を食べると、満腹で蕎麦が食べられなくなるんですよ。
Dec 31, 2008
12/26(金)より全国ロードショーですhttp://movies.foxjapan.com/mirrors/"MIRRORS"監督・・・アレクサンドル・アジャ 出演・・・キーファー・サザーランド、ポーラ・パットン、エイミー・スマート、メアリー・ベス・ペイル、ジョン・シュラプネル、ジェイソン・フレミング、キャメロン・ボイス、エリカ・グラック、他。 ・物語序盤・ニューヨーク市警の刑事だったベン・カーソンは、一年前に同僚を誤って射殺し、現在は停職処分の身だった。精神不安定になり、アルコールに溺れたベンは、妻エイミーと別居し、今は妹アンジェラのアパートで居候をしている。妻と二人の子供達との生活を取り戻すべく、社会復帰を目指すベンは、夜警として働き始める。彼の職場は、五年前に起こった火災により、大勢の死傷者を出して閉鎖されたメイフラワー・デパートの店舗跡の警備。未だ保険会社と係争中で、無残な姿のまま残された廃ビルの中は、不思議と鏡だけが綺麗に磨かれていた。昼の警備員ロレンゾによると、ベンの前任者が毎日磨いていたらしい。気味の悪い職場だったが、気にする事無く仕事を始めるベン。しかし巡回の途中、巨大な鏡の表面に無数の手形を発見し、ペンは驚愕する。鏡に触れた手は、突然、裂傷を起こし、鏡の中には、炎で焼け爛れてもがく女性の姿が…。それ以来、ペンは度々、奇怪な現象を目撃するが、元々、大量の薬を服用していた為、誰もベンの言葉を信じなかった。追い詰められたベンに鏡が示したのは、"エシィカー"という謎の単語だった。 「Mirror 鏡の中」(2003/韓国)をリメイクした作品です。オリジナルは未見。普通に面白かったです。予告編が初めてR15指定を受けた作品との事ですが、わざとそういうシーンだけピックアップして作ったでしょ…。血生臭いシーンは、然程多くなく、普通のホラーと同レベルです。ラストシーンが予想できないという売り込みですが、あれは別に読まなくても良いと思います。(~_~;)判っても、ああ、そうですか、で終わる感じでした。ビルがデパートになる以前、病院だったという設定なので、そちらの方に怪現象の鍵がある事は想像が付きます。でも個人的には、使い古しの病院ネタを用いず、デパートの裏事情を謎解きに使ってほしかったです。お話として、デパートである意味が全くなかったので、話が途中で切れてしまった気がしました。完全放置では、そこで火災に巻き込まれて亡くなった被害者さん達が浮かばれないわ。キリスト教という単語は敢えて使いませんでしたが、病院名が聖マタイ病院であったり、後半で修道院が出てきたりと、宗教的な色合いが濃くなってしまったのは残念ですね。悪魔的な要素を持ち出すと、ホラーではなく、オカルトになってしまい、怖さが無くなってしまいます。序盤はなかなか良かっただけに、オカルト的な平凡な展開が勿体なく思われました。
Dec 18, 2008
http://www.disney.co.jp/movies/wall-e/"WALL・E"監督・・・アンドリュー・スタントン 脚本・・・アンドリュー・スタントン、ジム・リアドン 出演(声)・・・ベン・バート ウォーリー エリサ・ナイト イヴ ジェフ・ガーリン、フレッド・ウィラード、ジョン・ラッツェンバーガー、キャシー・ナジミー、シガーニー・ウィーヴァー、他。 ・物語序盤・ 29世紀の地球。地球を汚染し尽くした人類は、ゴミ処理用ロボット"WALL・E"達を残し、遥か昔に宇宙へと去っていた。700年の年月が経ち、現在も稼働を続けている"WALL・E"は、たった一体。"WALL・E"はプログラムに従い、毎日黙々とゴミを集めては圧縮して、積み上げる作業を繰り返していた。長い時間を過ごす内、"WALL・E"の中には、感情が芽生えていた。唯一の生命体と思われるゴキブリを友に、ゴミの中から興味を引く物を見付けて、コレクションするのが"WALL・E"の楽しみ。"WALL・E"は今迄見た事の無かった不思議な物、即ち植物の芽を発見し、宝物の一つに加える。ある日、上空から大きな宇宙船が飛来し、中から白い卵型のロボットを置いて去ってゆく。白いロボット"EVE"は、周辺の物を調査している様子だったが、強力な武器を装備しており、友達になりたいと近付く"WALL・E"を攻撃する。しかし"EVE"も"WALL・E"が敵でないと認識し、二体のロボットは暫く行動を共にする。だが"EVE"に自分の宝物コレクションを見せていた"WALL・E"が、植物の芽を渡した途端、"EVE"は異様な反応を示し停止してしまう。本編開始前に、手品師と兎のショートムービーがありますが、あれは要らん。(~_~;)如何にもアメリカンな世界観で、日本人には合わない種類の笑いなんだな。さて、本編。声の出演とありますが、この作品、殆ど台詞がありません。ロボット達は簡単な単語は発せられますが、喋る機能が基本的に無いので。吹き替え版もありますが、あまり小さな子供さんだと、お喋りが無いので退屈してしまうかもしれない。パントマイム劇を楽しめる年齢に達している方が好ましい。私見ですが、そう感じました。他の方のレビューを少し読んでから鑑賞しに行きました。前半は文句無しだが、後半はな…という感じのレビューが多かったので、その積りで鑑賞。予備知識があった分、最後まで裏切られる事無く楽しめました。でも言いたい事は判ります。前半は本当に、無言の世界なんですよね。人類に見捨てられた地球と、数百年、黙々と作業を続けるウォーリー。この辺りの描写はとても魅力的です。大人が惹かれる見事な映像と静寂。それに比べると、宇宙に出てからの物語は、若干、子供向けになります。
Dec 12, 2008
12/20(土)より全国ロードショー。http://www.k-20.jp/監督、脚本・・・佐藤嗣麻子 原作・・・北村想『完全版 怪人二十面相・伝』 出演・・・金城武 遠藤平吉 松たか子 羽柴葉子 仲村トオル 明智小五郎 國村隼 源治 高島礼子 菊子 本郷奏多 小林芳雄 今井悠貴 シンスケ 益岡徹 浪越警部 鹿賀丈史 謎の紳士 木野花 要潤 串田和美 嶋田久作 小日向文世 大滝秀治 松重豊 ・物語序盤・第二次世界大戦が回避された世界。1949年の帝都。日本は華族制度によって、極端な格差社会となり、一部の特権階級が富を独占していた。そんな中、富裕層のみをターゲットとして狙う怪盗、怪人二十面相が世間を騒がせていた。サーカス団で曲芸師として働く遠藤平吉は、貧しいながらも慎ましく真っ直ぐな生き方を信条としている青年。ある日、平吉の元へ"カス取り雑誌"の編集マンを名乗る男が訪ねてくる。彼は、近々結婚を控えた、羽柴財閥の令嬢・羽柴葉子と名探偵・明智小五郎の結納の儀の写真を隠し撮りしてきてほしいと、仕事を依頼した。サーカス団の団長が病を得ており、医者に診せる金に困っていた平吉は、この依頼を受け、結納の儀の当日、高い塔に登って、渡されたカメラのシャッターを切る。だが、その途端、ビルに仕掛けられた爆弾が爆発し、姿を見られた平吉は、怪人二十面相として逮捕されてしまう。牢屋の中に居た、怪人二十面相の素顔を見た事があるという男から、平吉は自分に仕事を依頼した男こそ、本当の怪人二十面相だったと知る。その後、サーカス団の仕掛けを作っていた源治達によって、平吉は救出される。彼を助けてくれた源治や妻の菊子達が、実は泥棒集団だった事を知り、平吉は憤るが、怪人二十面相にされてしまった彼には、既に裏世界で生きる道しか残されていなかった。源治は泥棒修行の本を平吉に渡し、怪人二十面相と対決して、無実を証明せよと告げる。江戸川乱歩の作り出したキャラクター怪人二十面相達を使い、劇作家・北村想が執筆した小説を原作とした作品。ハリウッド映画みたい、という形容は必ずしも褒め言葉ではないので、使い方に注意しなければならないのですが。「大金を掛けただけで、中身空っぽなバカ映画」という意味ではないです。地味な人間ドラマでは良作が多々ある邦画ですが、アクション系となると、予算の都合上、どうしてもハリウッド映画に見劣りするというのが実情。CG技術の発達というのは、巨大セットを組めない邦画にとって、本当に有難いものです。勿論、CG制作にも大変な労力が必要なんですけど。お金もですが。でも実際にセットを作っての撮影だと、ここまでは作れなかったと思います。制作プロダクションがROBOTなので、映像面の安定感は抜群。そして舞台設定も魅惑的です。第二次世界大戦が起こらず、敗戦を経験していない架空の日本です。身分制度が破壊されず、建造物も美しい西洋建築が戦火の犠牲になっていない。個人的に、戦前の街並みが大好きで、もし戦争が無ければ、倒壊せずに残った建物が沢山あったろうに、と日頃から残念に思っておりました。この世界では、美しい姿のままで帝都が残っています。それだけで嬉しい。お貴族様も居るよ~笑。(日本では「華族」ですね。)明智探偵も男爵じゃん。また個人的な話ですが、貴族とか爵位とか大好きなんですよ。爆。この日本、最高だぁ。一部の支配階級と、大多数の貧しい庶民達の世界、ステキ過ぎです。趣味に走った感想を述べてしまいましたが、こういう世界観に興味の無い方でも、十分娯楽アクションとして楽しめる物語となっております。メインの俳優陣が、恐らく年齢設定よりも全員が多少上かな?という思いはありましたが、皆さん、非常に魅力的な演技を見せてくれるので、その辺は忘れてしまいます。金城さんも、いつもは棒読みの方が気になる方なのですが、この映画では実にキュートだ。脚本は全体的にコミカルな色合いとなっています。でも物語にも確りとした骨組みがあるので、笑いを誘いつつも、サスペンスとして確り成立しています。アンタが怪人二十面相だったのか、というオチも用意されています。まだ公開前なので、今は余り書けないですね。汗。また後日。
Dec 11, 2008
試写会葉書を頂戴しました、「ブリーチ」の3作目。姪が「友達と一緒に行きたい」と宣ったので謹んで進呈致しました。その位の年代の子の方が楽しめるだろう。多分。喜んでくれたので、私も嬉しいです。でも彼女はテスト前なの~。義姉は内心、怒っていないか不安だ…。お葉書を下さったRさん、勝手に姪にあげてしまってゴメンナサイ。m(_"_)m有難うございます、との事です。関係無いけど、胃が痛くて堪らん。明日の日程が心配。胃薬を飲んでおこう。
Dec 6, 2008
もう行けないよ、私…と、正直、チケット購入した事を悔んでおりましたが。7000円捨てるのは、流石に勿体ないし、行けば気分も変わるかもと、自分にピシピシ鞭打って行ってきました。長年ファンやってますが、ライヴは初参戦。基本的に、ライヴやコンサートとは縁の無い奴なので。でも今年はデビュー25周年という事で、思い切ってチケット購入しました。その分、25周年記念に発売された二枚組ベスト・アルバムは、未だ買っていないという貧乏人。ベストと言いつつ、新曲が5曲入っていて、バラード版の方はアカペラの新音源のようで、何れ買うつもりですが。そんな訳で、新曲を歌われると、実は知らない…という状態でした。自由席で全席立見という事でしたが、座席のある二階ホールも開放されていたので、草臥れモードな私は、迷う事無く二階に行っちゃいましたヮ。汗。丁度センターの前から二列目で、完璧な位置を確保できました。実は目の前の最前列の席も空いていたのですが、両側が男性で、大きな荷物とジャケットを置いておられたので、そこは避けて二列目にしたのですが。後から来たお兄さんに、最前列を取られた時は、やっぱり前にすれば良かったと悔やみましたけど、結果的に二列目で正解。だって最前列の人達、映画館にでも来たみたいに不動でしたから。そもそも、ライヴでアリーナではなく座席の方を選ぶ人達は、コアなファンのようなノリは求めていない客なのですが。それにしても、拍手の一つもしないって、何しに来たのやら…。私の前に座ったお兄さんは、立ち上がってノリノリにしたかったらしく、誰も立たないの?と周囲を何度も見回していました。そして衣装チェンジの際、彼は席を立つと、二度とそこに戻ってこなかったのです。お蔭さまで、私の前はがら空き、最高のコンディションでした。(*^^)v因みに私の両隣は女性でどちらも麻里さんファン、それぞれの連れの男性が興味無いけど付いてきましたという人でした。左隣の女性、一曲目から最後までずっと立ってました~。右隣の人は座っていましたが、リズムを取って手拍子。じゃ、私もノリノリしてて大丈夫ね、と一人で浮かれる怪しい奴。特に座ったままだった右隣の方、ごめんなさい。私の拍子取りは、その瞬間の高揚感で変化する独特なものなので、かなり惑わせてしまいました。一応、ライヴに来たんだし、一回位は立たないと消化不良なので、最後のアンコール時の"Blue Revorution"の時は立ち上がりました。これが最後かなと思ったら、最後の最後はバラード熱唱で。終盤バックバンドの演奏も消えて、完全アカペラ。40代半ばで、これだけの声量が保てているというのは凄いなぁ、と感心しましたね。聖子ちゃんのライヴだと、「あ、口パク…」と判る時があったり、最後の方は声が掠れちゃったりと、アイドルとロッカーでは、喉の鍛え方が違うのねーと。麻里さんの曲は、初期の頃は兎も角、後に成るほど、これはロックなのか?という曲が増えてきたのですが、ライヴで聴くと、やはりロックだと納得しました。小振りなホールなので、音響が凄くて、鼓膜がぼーっという音を立てておりました。ずっとあの環境に居たら難聴になる。(~_~;)みんな、どんな服装で来るのか、初参戦だったので判らず、私はジーパンにジージャンという、地味過ぎず浮き過ぎずのラインで行きました。一応ロック系なので、アクセは黒皮に銀鋲を打ち込んだ腕輪と、ハード系デザインのシルバーの指輪を左右に三個ずつ、黒のチョーカーと黒系のネックレス2本重ね、イヤーカフも付けて行ったのですが。そんなアクセ付けてる人、全然居なかった~。(>_
Nov 24, 2008
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