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「ナランハ、あんた理系じゃないでしょ?」「えっ?理系だよ」ナランハの職場は臨床検査の検査室なので、いつも理系の女たちに囲まれている。で、自分もそうだと思ってたし、理系じゃないなんて考えたこともなかった。まわりから指摘されるまでは。あんただけは理系とは思えないって言われて、理系ですと答えてみたものの、よく思い起こしてみると根っからの理系じゃないような気もする。小さい頃は本を読むのが大好きだったし、高校生の時に好きだった科目は世界史と倫理社会と現代国語の3つだったわけで・・・(これって全部文系科目じゃん?)ただし、好きだからと言って点が取れるとは限らない。世界史なんて面白がってるだけじゃテストの点が取れない。覚えなければお話にならない。覚えるのってお勉強しなくちゃならないし、退屈だし、本を見れば分かることをわざわざ覚えるという意義が理解できなかったし、納得できないから・・・わざわざ覚える作業をしなかった。そういう理由で、覚えることの少ない理系科目の方が点が取りやすかったし、いい点が取れるので理系だと思っていたのだった。ところで、なぜ覚えなければならないのかをいろんな人に問うたが、誰も答えてくれなかった。入試に受からないと言うこと以外に理由がないのなら、ナランハは覚えないことにしようと思った。自分を磨くということとは無縁に思えたからだ。覚えることよりも考えることの方がずっと大事だと思ったからだ。何年にどこの国が戦争したのかを覚えるより、戦争は何故起きるのか、どうすれば世界が平和になるのか考察することの方がナランハにとっては重要なことだったのだ。でも、覚えることも重要だと気が付いたのは、大学を卒業して5年も経ってからのことだった。巷にはクラシック音楽がたくさん流れている。ナランハはもともと歌が好きなので、それらのメロディーをたぶん普通の人よりもたくさん記憶しているだろうと思っているのだが、誰が作った何という題名の曲なのか知らない。もちろんその曲が作られた時代背景なんかも全然興味がなかった。曲を聴いて楽しめればそれで良いわけだし、レコードを買ってまで聴きたいとは思っていなかったから。だって、いつだってメロディーはいろんなところから聞こえてくるから。そんなナランハにこんな事を言った人がある。「その曲について友達と話をするときに曲名が分からないと、話もできないじゃない?」なんか、目から鱗だった。具体的な名前や事象じゃないと、他の人たちと話題を共有できないことがあると今更のように思ったのだった。覚えることは無意味じゃない。ひょっとするととても大事なことなのかも知れない。覚えたことを土台にして、さらに考えを発展させることもできるし。何故覚えなければならないのか、誰も教えてくれなかったから、ナランハは遠回りしてしまったけどゆうきに聞かれたらこの話をしてやろうとナランハは手ぐすね引いて待っている。幸か不幸か、ゆうきは訊ねない。
2008年02月21日
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ゆうきは石が好き。最近、地球の鉱物という石のおまけ付きの雑誌を買い始めた。今のところ石は3コ。アメシスト、黄鉄鋼、ローズクオーツ。大きくてきれい!!こんな感じの石。
2008年02月06日
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・・・・・もう随分と昔のことになるけれど、母の友達が公文の先生をしていて、母は手伝いに行った。ところが、しばらくするとその友達はご主人の転勤のために引っ越すことになった。母は急遽公文の先生を引き受けることになってしまった。週休5日はいいけれど、あんまり儲からない。年収30万円ばかり。ほとんど趣味の世界。でも、本当のことをいうと、もう少しだけ利益があった。いや、利益はやっぱりない。利益が出ないようにいろんなことをした、と言う方が当たっている。収支の管理をするためにパソコンを導入したり、100点をたくさん取った子に景品を出したり、推薦図書を購入したり、アルバイトを雇って給料を払ったりした。なぜ利益が出ないようなことをわざわざしたのかと言えば、扶養家族を外されないためだった。で、母がすごいのは、中小企業共済に入って年金(?)を貯めたことだ。自分の分ばかりでなく、アルバイトの人の分もしっかり貯めた。どういう仕組みになっているのかナランハはよく知らないのだが、共済に収めるお金は経費として計上でき、公文の先生を辞めるときには年金(?)として戻ってくる。結局10年公文の先生をして数百万のまとまったお金を手に入れた。サラリーマンを10年やって手に入れる退職金に引けを取らない大きな金額だ。(まあ、10年間利益が無かった分が帰ってきたというだけなのだけど)母は今では年金生活者になった。父の遺族年金で暮らしている。で、生活の方はそれだけでなんとかなるので、公文で稼いだ分はおこづかいとして自由に使える・・・・てな話を会社の友達にしたところ、その友達が友達の友達に尾ひれを付けて話してしまったらしく、「ぜひ、ナランハのお母様とお友達になりたいわあ」「ゆとりを持った老後を送るにはどうすればいいか教示願いたい」などと言い出したらしい。すっかりファンになってしまったのだという。「つきましては、お茶会でもいかがですか?」ナランハは悩んだ。なんて言おう??だって、ばあちゃんはただのラッキーなばあちゃんなのだ。経済評論家でも何でもないのだ。友達の友達にはナランハでさえ面識がないのだから、会わせなきゃならない義理はないけど、こうなったのはナランハがおしゃべりなせいなんだし・・・悩んでいても仕方がないのでそのまんま話してしまった。ばあちゃんは険しい顔をして聞いていたけど「もう少し時候が良くなったらね。それと、日程は早めに知らせるように。美容院に行って髪の毛染めなきゃなんないから。」と、まんざらでもなさそうだった。
2008年02月04日
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