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サイド自由欄
近頃、土曜日には
いろんな仲間を連れて
病院
へ行くことが多い秘書たち
けれど、相変わらず仲間たちは
病院なんて行きたくないわけで…
どの子も出かける前には
毎回、無駄な抵抗
「ほーら、ちゃんと一緒に行くから…」
「はいはい、チャッと行って、チャッと帰って来るよ」
いつもより、ニコニコしながら
優しげな声を出す秘書たちだけど
頭から、 洗濯ネット
をかぶせ
くるりと体を転がす手つき、かなりスピーディー
ジタバタしているうちに
ネットのファスナーは閉じられ
あえなく御用
とにかく、ここで
素早く、静かに捕まえないと
捕獲ターゲットの恐怖は膨らみ
それがまわりにも 波及
するのです
ニコニコしながらも
秘書たちは、内心焦っていますが
そんなこと気づかれてはなりません
ファスナーが閉まったら
こっちのものです
どんなに中でバタバタしても
絶対に離さないのは、洗濯ネットの端っこ
そのまま抱きかかえ
キャリー
に、すとん
そんな仲間たちを
いつもお迎えに来てくれるのは
チーム水曜日Kさん
みんなで 車
に乗り込んだら
あとは、病院へ向かうのみです
「しかし、一部の子は、捕獲も楽になったなぁ」
「うん、みんな聞き分け良くなったし…」
以前なら、手術やワクチンや
体調が悪くなった時の診察でさえ
全員揃って、噛むわ
叩くわ、引っかくわの大騒ぎ
何とか、捕まえて
キャリーの扉を閉めたと同時に
一気に、疲労困憊
気づけば、手足は傷だらけ
仲間たちを入れた洗濯ネットが
人間の 血
に染まることも多々ありました
病院に向かう車中…
ネットの中に見える仲間たちの顔は
みんな、どこか 緊張
の表情
中には、病院へ着くまで
大声をあげて、抗議する
諦めの悪い子もいます
「うん、黒くて、えらーい誰かさんと…」
「天然ハチワレの誰かさんのことですね」
病院に到着し
キャリーから出そうとした時には
やはり揃って、最後の抵抗
足を踏ん張り、出るのを拒んでみるものの
扉を逆さにし、ゆさゆさ振られたら
身を包む、洗濯ネットが滑って
ころんと 診察台
の上へ
そこで、やっと観念するのか
可愛い看護師さんが持ってきた、 体温計
とか
優しい先生が手にする、大きな 注射
とかも
静かに受け入れます
「はい、終了でーす」
「さあ、帰ろっか」
現金なもので「帰ろう」の言葉を聞いたとたん
入る時、あんなに嫌がったキャリー
まだ扉が開くか、開かないかなのに
中に滑りこもうとする仲間たち
これは、どの子も同じ
これに入れば、帰れる
早く中に入らなきゃ、置いてかれる
そんなことを思い、焦るのか
自ら、ジタバタと戻っていく姿に
毎回、秘書たちは苦笑します
診察が終わり
待合室
で、お薬などを待つ間
キャリーの中から目を真ん丸にして
大きな犬を見つめたり
ネットに邪魔されながらも耳を立て
知らない猫の鳴き声を聞いたり…
一息ついた仲間たちは
病院にやって来る動物たちに
興味をしめします
ほんのちょっとだけ
まわりを見渡す 余裕
が出る頃
それでも、やっぱり
早く「猫の部屋」に帰りたいのか
車に乗ったとたん
それまでの情けない顔が
ちょっとだけ、ホッとしたような表情に
それを見て、秘書たちも
やっぱり、ホッとするようです
帰りの車中…
行きと変わらず、大声で鳴きながら
あれこれ文句をいう子もいれば
これまた、行きと変わらず
どっしりと箱座りのまま
居眠りしだす 大物
も…
「 ご長寿
さんは、ちゃーんとわかってらっしゃる」
「うん、素晴らしい」
キャリーの中から
ジーッと秘書たちを見て
何か声をかけてくれないか
撫でてくれないかと 期待
する子も…
「キミは、とにかく褒めてもらいたいのね」
「うん、猫より 人
が好きだもんね」
覆面みたいになっている
洗濯ネットから出してみると
キャリーの扉に、おでこを付けて
車の 外
を眺めている子も…
「たまには、 ドライブ
もいいもんでしょ」
「アンタは、昔から景色見るの好きだよね」
やっぱり、病院は苦手
けれど、頑張って行ってみれば…
たとえば、しんどかったのが
少し楽ちんになったり
先生や看護師さんから褒められたり
知らない動物たちに会えたり
新しいものが見られたり
ほんのちょっとだけでも
そんな時間があってもいいかなぁ、とか
いいこと
もあるんだなぁ、とか
思ってくれたら…
毎回、そんな淡い期待を抱く
秘書たちです
短いドライブが終了し
「猫の部屋」に到着
キャリーを置いて、扉を開けるなり
一目散に駆け出そうとする仲間たち
「ほらー、出してあげるから待ちなさい」
「あーあ、水こぼした…」
洗濯ネットのまま、勢いよく飛び出すから
つるんとひっくり返ったり
いろんなものに、ぶち当たったり
結局、大騒ぎになってしまいます
留守番していた仲間に
頭や背中を舐めてもらいながら
時折、顔をつきあわせている集団から
チラチラといくつかの 視線
が…
「うわっ、アレ絶対、こんな酷いことされたとか言ってるよ」
「こら、そこ、話を 誇張
して伝えないように」
短いドライブの疲れか
思い思いの場所で、ゆっくり眠り
次に、目が覚めたら…
「おお、ご飯の時間だー」
「ほーら、もう、 ご機嫌
直ってる」
まるで、何事もなかったかのように
お腹が減ったと騒ぎ始める
仲間たちです
「京都市動物愛護センター(仮称)構想に関する意見募集」
締め切りは、 9月30日(金曜日)必着
詳しくは 「伝えることの大切さ・2」
を
ご覧ください
思いをカタチにするために
たくさんの声が届くことを願います
「中之島公園猫対策協議会HP」
web@nakanoshima-cats.com
「中之島公園の猫たち
」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp
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