スコシフシギな世界-藤子・F・不二雄ブログ

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2011.04.29
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ドラえもんをはじめとする
想像の広がる作品を読んでいると
好奇心旺盛であることが、うかがえますね。

QJ(クイックジャパン)という本の
64号(2006年発行)で
F先生に関する話が載っていました。

■ QJ Vol.64
藤子・F・不二雄 鉄道模型 プラモデル

【鉄道模型/プラモデル】(キーワード)
>F先生は大の模型作り好き。
>大きな鉄道模型のジオラマを作ったこともあるほど。

この記事を読んだとき、私は
「なるほど。あのSF短編も、その影響からきてるんだ」
と納得したものです。

そのスコシフシギなSF短編とは
とにかく鉄道模型に熱中してしまう少年の物語。
藤子・F・不二雄先生の『四畳半SL旅行』です。



 < 『 四畳半SL旅行』 ストーリー >

■ 少年の名はヒロミ
四畳半SL旅行 母伊浩美 みっちゃん 幼馴染のボーイフレンド 変わり者

変わり者の中学生。
みっちゃんという幼なじみがいる。


■ ヒロミの思い込みは異常ともいえた
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 熱中 思い込み 異常 空想と現実

空想と現実の区別もつかないほど
夢中になる癖があった。


■ みっちゃんの掛け声にも全然気づかなかった
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん わき目もふらず すっ飛んで帰る

ヒロミの変わっている性格を知りつつも
みっちゃんは、ヒロミに興味を持っている様子。


■ ヒロミはみっちゃんを家に誘った
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 小さな離れ 気ままに過ごす


■ ヒロミの部屋に入ると・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 自分の部屋 鉄道模型


■ 目の前には大きな鉄道模型が広がっていた
四畳半SL旅行 ヒロミ 鉄道模型 レイアウト 大人のホビー 深い趣味

今、ヒロミは鉄道模型に夢中になっていた。
けれど、みっちゃんは、あまり関心を示さなかった。


■ 鉄道模型のレイアウトに熱くなっていた
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 何にもする気になれない 両親

いつも閉じこもっているので、ヒロミの両親は
みっちゃんの訪問が嬉しかった。


■ しばらくすると製作も進み 列車も走るように
四畳半SL旅行  ヒロミ みっちゃん 車両 ストラクチャー キット 列車

今までは、街並みと線路だけだったが
ようやく動く車両もそろった。


■ ヒロミが吸い込まれる!?
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 吸い込まれるよう


■ 一瞬ドキッとしたみっちゃん
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 錯覚 激しい思い込み

みっちゃんは、錯覚だと思ったけれど
もしかしたら現実に起こってしまうような感覚を覚える。


■ やがて秋になり・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん ハイキング 秋

ヒロミを心配する母親は
みっちゃんに頼みごとをした。


■ ヒロミもハイキングが気に入ったように見えたが・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん ハイキング 紅葉 秋景色 イメージをレイアウトに

やはり、ヒロミの頭は鉄道模型でいっぱいだった。
この秋景色も、レイアウトに取り入れようと、さらに熱が増す・・・


■ ヒロミの所へ訪ねに行くと・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 食事も取らない

ヒロミは、食事も取らず閉じこもりきりであった。


■ ヒロミは鉄道模型の列車に乗るという・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 汽車旅行


■ 自分が乗る
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 虫ピン モータードライブ 連続写真 アニメーション

鉄道模型のサイズに合わせた
自分の切抜きを用意した。


■ 絵コンテの製作までを始めた
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん アニメ カメラ 鏡 焦点 照明 絞り


■ ヒロミは学校を休むように・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 自分だけの世界 いやな予感

みっちゃんは胸騒ぎを覚える。


■ ヒロミに会いに行くと・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 部屋 8ミリ映写機 フィルム

ヒロミは部屋にいなかった。
8ミリフィルムだけが残されていた・・・


■ フィルムを再生すると・・・
四畳半SL旅行 SL 汽笛 轟音

「ボーッ」というのは効果音だったが
まるで本物のように聞こえてくるようだった。


■ 汽車を求めて走るヒロミ
四畳半SL旅行 ヒロミ 走る

 (この映像のヒロミは切り抜き(手作り)です。
  背景もレイアウトで、汽車も鉄道模型です。音は効果音です)


■ 憧れの汽車に近づいていくヒロミ
四畳半SL旅行  ヒロミ 汽車 SL 追いかける

ずっとフィルムは続いていきます。


■ ヒロミは飛び乗ろうとするが・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ 飛び降り 失敗

必死の努力も実らず
落とされてしまうヒロミ。


■ みっちゃんはヒロミの執念を感じる
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 執念 テコでも動かない


■ 今度はトンネルの上で待ちぶせをするヒロミ
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん トンネルの出口 列車を待つ

ずっと動かずに、いつまでも待ち続けるヒロミ。
そして、そこでフィルムは終わってしまう・・・


■ フィルムを残したまま ヒロミはいったいどこへ行ったのか・・・
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 未完成のフィルム ひらめき 紅葉の山

ふと、みっちゃんに、あるひらめきが起きる。
ハイキングに行ったときの山が浮かび上がる。


■ みっちゃんの勘は当たった
四畳半SL旅行 ヒロミ みっちゃん 身構える

やはり、あの山だった。
目の前にはヒロミがじっとたたずんでいた。
汽車が来るはずのない山で
ピクリとも動かずヒロミは立ち続けていた。

この山には、トンネルもなく線路もない。
だから、絶対に列車がくることもない・・・
そんなことは、絶対にありえないことだったが・・・
「ボーーー!!」という大きな汽笛が聞こえてくるのであった・・・


この「ボーーー!!」という汽笛が響き渡るのが
一番最後のコマです。
なので、この続きは描かれていません。F先生は
読者の想像で結末を思い浮かべてほしいのでしょう。

私の想像では、「奇跡が起こった」のだと思います。
空想と現実の区別のつかないヒロミの
狂気と紙一重の精神が、熱意を通り越した時
「何か」が起こり、それが「奇跡」だったのではないでしょうか。


鉄道模型は、やりませんでしたが、見るのは好きでした。
かつて秋葉原にあった交通博物館で
子供の頃に見た巨大なジオラマの感動は
今でもはっきりと覚えています。
F先生も交通博物館は行かれたのかなあ~

本作は1979年に発表されました。
8ミリ映写機の場面などは、時代を感じますね。
ですが、作品の持つパワーは
いつまでも色あせることはありません。


■ 少年SF短短編集 (小学館コロコロ文庫)


藤子・F・不二雄 少年SF短編集1巻【未来ドロボウ】-『四畳半SL旅行』収録





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Last updated  2011.05.01 01:05:22
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