太公望のもとを去った「神様」と「孔雀」・・・・
定時の連絡のために少し高い丘に登りました。
電波と同じで「テレパシー」も高い山などの障害物があるとうまく通じないようで・・・・
「もしもし・・・・藤吉郎さんかい?・・・そそ、マロ、マロ!・・・・どう?・・お釈迦様は見つかったかい?」
「ああ、お釈迦様はまだ見つかんないんですけどねえ・・・・ちょっと小耳に挟んだんですけど・・・・桃太郎がね・・・・この先の少し行ったとこで・・・儲けたお金で鉄道会社をやってるって話なんですよ・・・そそ・・・”桃太郎電鉄”って言う会社らしいんですけど・・・」
「へえ・・・桃太郎がねえ・・・・・・」
「だから桃太郎が見つかったら、次の定時連絡のとき報告しますから・・」
連絡が終わり・・・次の連絡が取れるまで神様達はそこに留まることにしました。
なぜなら、「藤吉郎」たちが桃太郎を発見したとき、もときた道を戻らなければならないから・・・・・
「ねえ・・・神様・・・・おなかすきませんか?」
「孔雀」は何よりも食欲優先でした。
「さっき、昼食は食べたであろう?」
「霞なんて・・・おやつみたいなもんですわよ・・・おやつは別腹」
最近覚えたCMのコピーで空腹を訴え続けます。
「わかったわかった・・・ようするに腹にたまるようなものを食べたいんじゃろ?」
そういうと、「神様」はおむすびを2つ出したのです。
しかし、空中に突然おむすびを出したものですから、そのおむすびは地面に落ち・・・・コロコロ転がり落ちていきました。
何しろここは小高い丘ですから。
「ああ・・・・」
ようやくひとつは「孔雀」が取り押さえましたが、一個はさらに転がり続け・・・なぜか地面にぽつんとあいていた穴の中に落ちたのです。
「アラ?・・・・ここってゴルフ場なのかしら」
その穴の大きさはちょうどゴルフのホールくらいです。
「孔雀」はその穴の中に手を差し入れてみました。
「届かないわ・・・・・ゴルフのホールじゃないようね・・・・深すぎるし・・・カコーンって音もしないし・・・・」
「孔雀」はその深い穴から手を出しました。
その時かすかに声が聞こえたのです。
「おむすびコロリンすっとんとん・・・・」
「アラ・・・・この穴の中にどなたかいらっしゃるようですわ?」
「なんだ?・・・・お歯黒・・・お前あの有名な民話を知らんのか?」
「民話って?」
「おむすびコロリンのお話しだよ・・・・穴の中にはネズミが住んでいて・・・・」
「キャー!ネズミ嫌い!」
なんとなく「孔雀」には嫌いなもの怖いものなんてないんだろうと思っていた「神様」でした野で、意外な答えでした。
「ほう・・・お前ネズミ・・・嫌いだったのか?」
「ええ・・・だって食べても美味しくなさそうなんですもの」
食べるつもりだったのか!
「連絡が入るのを待ってるのも暇だし・・・中に入ってみようか?」
「だってこんな小さな穴なんて・・・・いくらあたくしがスマートだとしても・・・」
「お前がスマート?」
どう考えても信じられない発言です。
「だからスマートだったとしてもでございますよ・・・・・それでも入れそうもございませんわ」
なるほど・・・もしスマートだったとしてもこんな小さな穴からは入れない・・・ましてこの体型では・・・と言うことだったようです。
「何を申しておる・・・マロは神様じゃぞ・・・できぬことなどあるか」
そういうと二人の身体をネズミほどの大きさに変えたのです。
「さあ・・・参るぞ」
「神様」は先に穴の中に入り、「孔雀」があとから続きます。
しかし、その穴は坂のようになっていて・・・・しかも使いこなされた滑り台のようにツルツルに滑ったのです。
穴の出口は、ポッカリと大きく広がった空間の天井でした。
つまり、天井に口を開けた穴ですから・・・・「神様」は床にドシンと落ち、しこたま腰を打ちつけたのです。
そしてその後からは「孔雀」が・・・・・
大きなお尻が目の前に迫ってきて・・・・「神様」は久々に「恐怖」を感じたのでした。
「アラ・・・神様・・・・失礼を致しました。・・・・でも良かった」
何が良かったというのでしょうか?
自分が痛い目にあわなくて良かったというのでしょうか?
「アたくし、この旅行中に、500グラムほど体重が減ったんですの・・・その分軽かったでしょ?」
70キログラムの体重が、69.5キログラムになったとて、さほど違いはないのですが・・・・
「早くマロの上からどいてくれ!」
「神様」は少しお冠のようです。
「神様・・・・・この広い部屋は何でございましょうね?」
「孔雀」は「神様」からおりながら、部屋中を見渡して言いました。
「ここは大広間じゃろうな・・・・ここでおむすびを転がしてくれたおじいさんに感謝をしたところらしい」
しかし・・誰か出迎えるどころか?・・・ネズミ一匹出てきませんでした。
「転がったおにぎりはここに落ちたんですよね?」
「そうだろうなあ・・・・途中に脇道があったわけじゃないから・・・転がったおにぎりはここに落ちたじゃろうな」
「でも、そのおにぎりもありませんよねえ?」
そうなんです・・・・・おにぎりの「影も形も無い」のです。
ということで続きます。
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