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夜が待ち遠しい

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さかまたつみ

みなさんこんばんは、ようやく待ちに待った夜が来ました。今日も無事夜を迎えられたことを喜びつつ、今歩いている土地やこれから向かう場所、そこで見聞きしたことや思い浮かべたことあれこれを綴っていきたいと思っています。

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2021/12/04

菊芋という食材をご存じでしょうか。近頃では道の駅だったり自然食品の店ばかりでなく、ちょっと気の利いたスーパーマーケットだったら時季になると扱っていたりもするから、今では案外知られた食材となっているのかもしれません。
ぼくはもう10年以上は前のことだったでしょうか、当時、道の駅やJA、アンテナショップなどを巡ることを楽しみにしていたことがありました。現在はあそれもなかなかできていませんけど、もしたまたま見掛けたら勇んで立ち寄るところです。ともあれ、そういったお店で時折この菊芋というのを見掛けていたので、たまたま購入したことがありました。少なくとも当時はまだまだそこらで入手できるものではなかったから商品と一緒に説明書きが入っていました。説明によれば、北アメリカ原産のキク科ヒマワリ属の野菜で水溶性食物繊維が豊富なイヌリンを含んでいて芋なのにデンプン量が少ないなど健康にとって良いことが記載されていました。食べ方としては生食がお勧めとのことで、味噌やマヨネーズを付けたりして何度か食べてはみたもののそうまでして食べるほどのものには思えなくなったのです。そうして菊芋はぼくにとっては、過去の食材となりつつあったのですが、確か桜台のビストロ「マルヤマ(Maruyama)」だったと思うのですが、そこで菊芋のポタージュが提供されていたのです。でも気にはなったけれど、過去の生食の記憶からそう旨くはなかろうと注文することはなかったのでした。

　でも、最近になってたまたま菊芋のレシピを目にしました。そこでは、菊芋がフランス語ではトピナンブール(topinambur)、英語ではエルサレム・アーティチョーク(Jerusalem artichoke)であることを知り、俄然興味が蘇ることになったのでした。語感のカッコいいことはもちろんのこと、今もっとも食べたい食材の一つがアーティチョークであったからです。これもたまに生のものが売られているけれど値段がちっとも手頃ではないから、瓶詰のものしか食べたことがないのです。菊芋は英語名のとおり、アーティチョークのような風味があるというのです。それは気になると菊芋の旬の季節の到来を心待ちするようになりました。で毎年定期的に入荷することを知っている秩父の食材を扱う都内某所のお店をマークしていて先日ようやく入手が叶ったというわけです。

　ここまでスルーしていましたが菊芋は、数ある芋の中でも山芋の仲間以外では聞いたことのない類少ない生で食べられる芋なのですが、今回は加熱して食べることに決めていました。それにもちろん素材の風味をしっかり味わうためにできる限りシンプルな料理としたい。皮も残したままで調理することにします。

　ということで作ったのが菊芋のポタージュ、いやここはあえてトピナンブールのポタージュと書くことにしよう。買ってきたトピナンブールは綺麗に表れていたので、ざっと水洗いしたらすぐ調理できて取扱いはすごい楽ちんです。実作業5分程度で作れてしまいました。

【材料】
トピナンブール(菊芋)(薄切り/10枚残す) 400g／玉ねぎ(薄切り) 1/2個／牛乳 300cc／生クリーム 50cc／コンソメ適宜／ローリエ 1枚／オリーブ油・塩・白胡椒・ピスタチオ(刻む) 適宜
【作り方】
1. 鍋にオリーブ油を熱して菊芋、玉ねぎ、塩を加え、炒める。浸る程度の水を足して10分中弱火で煮込む。
2. コンソメを加えて牛乳、生クリームを入れる。沸騰する寸前まで温めてミキサーで攪拌する。
3. 菊芋10枚を油で揚げる。
4. 2.を温めて皿に盛り、3.を飾ってオリーブ油、胡椒、ナッツをふる。

　生食ではちょっと土臭いだけで味も素っ気もないと感じたのですが、こうして火を通すと、かすかにゴボウのような香りもしますが、実に繊細で上品な味わいのポタージュになりました。翌日には仕上げに白胡椒の代わりにキャトルエピスなんぞを軽く振ってみましたが、なんだか高級な風味になったようでとてもリッチな料理に思えました。

　もう一品は、トピナンブールの粒マスタード焼きであります。マスタード焼は野菜本来の風味を損なうことなく、しかもお手軽に作れる便利な料理法だと思います。

【材料】
トピナンブール(菊芋)(3cm角) 400g／クルミ(粗く砕く) 10個／粒マスタード大さじ3／にんにく・塩・オリーブ油適宜
【作り方】
1. 耐熱皿に全ての材料を入れて混ぜる。オーブンで200℃20分焼く。

　これもいいですね。ホッコリとサックリの中間の独特の食感です。カブが余っていたので一緒に焼きましたが、これは余計だったようです。でもクルミはばっちり。野性的な風味が相性がいいのでしょう。じっくりしっかりと火を通すと芋とレンコンのあいのこみたいで、色々と応用が利きそうです。じゃがいも料理のじゃがいもの代わりに使えば風味も変化があるし、しかもヘルシーだから今後は普段の食生活に取り入れて、見掛けたら買い求めるようにしたいと思いました。

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