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前回、相続放棄についてお話しました。通常、普通に相続する場合、単純承認と言います。その他の相続制度として、相続放棄と限定承認があります。今回は、この限定承認について簡単にお話したいと思います。 限定承認とは、被相続人に借金等がある場合、プラスの相続財産の範囲内で債務を引き継ぐ手続きです。例えば、借金が1,000万円、プラスの相続財産が700万円分あった場合、借金700万円のみ負担して、残りの300万円は負担しなくて良いのです。なので、財産と借金の金額がイマイチよく分かんないケースや、どうしても手放したくない財産(住み慣れた家や記念の物等)があるケースなどは、この限定承認が利用されます。 ※相続放棄するとプラスの財産も相続できないただ、この限定承認、相続人全員で行わないといけません。誰か一人でも反対すると限定承認できないってなります。対して相続放棄は、相続人1個人毎に利用するかどうか決めることができます。 さて、今回は、相続の限定承認についてお話しました。被相続人が、資産一覧表などを作成していなかった場合は、プラスの資産がいくらで負債がいくらでって分かんない事もありますよね。そんな時は、相続人全員で限定承認すれば、プラスの資産の範囲内でのみ借金を負うので、安心ですね。ちなみに、この限定承認も相続放棄と同様、相続開始を知った日の翌日から3か月以内に家庭裁判所で手続きをしなければなりません。相続は色々と手続きがある為、3か月は意外と短いです。特に限定承認は、相続人全員の意思が一致しないと申立てする事ができません。早めに動くことが重要です。
2024.09.29
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皆さん、相続放棄ってご存知でしょうか?文字通り「相続」する権利と義務を「放棄」する事です。今回は、どんな場合に相続放棄した方が良いのか?について簡単にお話したいと思います。 相続放棄とは、相続に関する一切の権利・義務を放棄する事です。ですから、相続放棄すると最初から相続人じゃなかった事になります。なので、被相続人に(プラスの資産を上回る)多額の借金がある場合は相続放棄した方が良いかもしれません。また、相続財産が、自宅のみで老朽化・遠隔地など引継ぎたくない場合なども検討の余地はあります。他にも、他の相続人との人間関係が悪く、遺産分割の際トラブルとなりそうな場合も相続放棄した方が良いケースもあります。 ※相続放棄しないと遺産分割協議で話合いが必要となりますでは、相続放棄しちゃうと困る事って何でしょう?まず、一度相続放棄すると撤回できない点です。これは、後日プラスの相続財産が実は借金以上にあった事が分かっても、相続する権利はありません。また、相続放棄すると、死亡保険金や死亡退職金などは受取れますが、実際なら使える「500万円x法定相続人の数」の非課税枠は使えなくなります。 さて、今回は、どんな場合に相続放棄した方が良いのか?について簡単にお話しました。被相続人に多額の借金がある場合や他の相続人と相続で話合いしたくない場合などは相続放棄も一つの手ですね。ちなみに、相続開始を知った日の翌日から3か月以内に家庭裁判所で手続きをしない場合や、相続財産を処分すると単純承認が成立して、相続放棄が出来なくなります。
2024.09.28
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皆さん、相続税って、どのくらいまで非課税かご存知でしょうか?遅かれ早かれ相続は発生するものです。その際必要な知識となりますよね。今回は、この件に関して簡単にお話したいと思います。 相続税って、基礎控除があります。この基礎控除額は、法定相続人の人数によって変わります。3,000万円+(600万円x法定相続人数)=基礎控除額となります。例えば、配偶者と子2人が法定相続人の場合、3,000万円+(600万円x3人)=4,800万円となる為、相続財産が4,800万円を超えなければ相続税はかかりません。申告も不要です。「え~、家(不動産)の価値も入れると基礎控除額超えるっちゃけど。。。」という方、ご安心ください。配偶者が相続人の場合、「配偶者に対する相続税額の軽減」があります。この制度を利用すると、1億6,000万円まで相続税がかかりません。かなりデカいですよね。ただし、税務署への申告が必要です。 さて、今回は、相続税ってどのくらいまで非課税なの?ってなお話をしました。法定相続人数によって基礎控除額が変わる事、配偶者への相続は軽減措置がある事が分かったと思います。この他にも、未成年者控除や障がい者控除などがあります。ちなみに、基礎控除額以上の相続財産がある場合、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」に相続税の申告をしなければなりません。葬儀やら、遺産分割協議などバタバタしますので、早めの準備をお勧めします。
2024.09.23
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前回、相続時精算課税の制度についてお話しました。では、実際どういう人が相続時精算課税にするとお得なのか?どういう人なら暦年課税がお得なのか?について、簡単にお話したいと思います。 2024年1月からの法改正によって、かなり使える制度となった相続時精算課税ですが、人によっては暦年課税の方が良い人もいます。まず、贈与対象者が多い人は、暦年課税の方が良いです。年間110万円の非課税贈与を行う人数が多いと、かなり大きな節税効果となります。また、相続財産を受取らない孫への贈与は、生前贈与加算(相続発生前7年以内の贈与)の対象外となる為、相続税の節税となります。そして、長期的に贈与の計画を立て、実際10年や20年贈与する見込みのある方は、暦年課税の方が良いかもしれません。逆に、相続時精算課税が良い人は、前回の記事でもお話した、収益が出る不動産(賃貸物件など)を早期に贈与する事で、その収入により相続税の基礎額を上げない事ができます。また、不動産や株など、将来価値が上がる可能性が高いものを贈与する事で、贈与時の評価額で相続税が計算されるので、これまた節税となります。あと、これはちょっと予測が難しいこともありますが、余命が短い場合、暦年課税だと相続開始前7年以内の生前贈与は相続財産として計算される為、その規定の無い相続時精算課税が有利となります。 ※2024年1月より相続時精算課税にも年間110万円までの贈与が非課税 さて、今回は、どんな人がどっちの制度を使う方がお得か?についてお話しました。贈与人数や、相続財産の種類など、人によって条件が違うので、一概に「こっちの制度が良い」とは言えません。ご自身の状況により、どちらの制度がお得なのか?を判断する事となります。前回も言いましたが、一度相続時精算課税制度を選択すると二度と暦年課税制度に戻れませんので、慎重に判断しましょう。
2024.09.22
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皆さん、相続時精算課税って聞いた事ありませんでしょうか?暦年課税(年間110万円まで贈与税非課税)と比較され、よくどっちがお得?って聞かれる制度ですね。今回は、この相続時精算課税について簡単にお話したいと思います。 相続時精算課税とは、60歳以上の父母や祖父母が、18歳以上の子や孫に対して贈与する時に選択できる制度です。内容としては、生前贈与された財産(2,500万円まで)をその時贈与税を払わず、贈与者の死後に贈与された財産を含めて相続税の計算をします。「なんだ、税金を先送りにしただけやん」と言われそうですが、メリットはいくつかあります。2024年1月からの法改正で、相続時精算課税にも年間110万円までの贈与が非課税となりました。しかもそれは、特別控除枠2,500万円には含まれませんし、相続開始前7年以内であっても相続財産に加算されません。また、賃貸不動産の様な収益をもたらす物件を贈与した場合、2,500万円分までは贈与税を納付せずに受取れます。(超えた額には20%の贈与税がかかります)もちろん、相続時には2,500万円分までの相続税がかかりますが、それまでの賃貸収入等はそのまま受贈者のものになります。つまり、その収入分が、贈与者の預金(相続税の対象)となることを防ぎ、節税となります。この収入分を貯めておけば、実際相続税を納める時に使えます。さらに、相続財産の計算は、贈与時の価値で評価されます。よって、将来上昇しそうなもの(不動産や株など)は、贈与時の低い評価で相続税を計算する為、節税効果が期待できます。 さて、今回は、相続時精算課税制度についてお話しました。2024年1月からの法改正によって、かなり使える制度となりました。ちなみに、一度相続時精算課税を選択すると、暦年課税には戻れません。どちらがお得か慎重に検討しましょう。
2024.09.21
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皆さん、「配慮義務」って聞いた事ありませんでしょうか?前回「努力義務」について記事を書きました。今回は、「配慮義務」について法律的にどんな意味があるのか簡単にお話したいと思います。 努力義務は、「~する(しない)よう努めなければならない」ってものでしたよね。配慮義務は、「~するよう配慮しなければならない」です。「なぁんだ、配慮するだけでいいんだ~」って事で、一見努力義務の方がキツい気がしますよね。でも法律的には、配慮義務>努力義務ってなってます。なぜなら、努力義務は必ずしも結果を出す必要はありませんが、配慮義務は実施の可否や方法について何かしらのアクションをおこさなければいけないからです。このアクション(配慮)が無い場合には、義務違反として罰則の対象となる可能性があります。ね?努力義務の「できれば~してね」より、配慮義務の「~について配慮(アクション)してね」の方が法的拘束力が強いのです。もちろん、その上の拘束力として「義務」がありますけど。 さて今回は、配慮義務について法律的にどんな意味があるのかお話しました。義務>配慮義務>努力義務ってな順で法的拘束力が強くなっています。ちなみに配慮義務の具体例としては、労働契約法における従業員に対する「安全配慮義務」や、民法における「身上配慮義務」などが挙げられます。
2024.09.16
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皆さん、法律で「努力義務」って聞いた事ありませんでしょうか?今回は、この努力義務に関して簡単にお話したいと思います。 まず言葉の意味として、「義務」は絶対に守らないといけない事。「努力義務」は守るように努めないといけない事。つまり、「絶対ではないけど、守るよう努力してね」って感じです。ちなみに法律では、「義務」は、「~してはならない」もしくは「~しなければならない」ってな書き方となり、守らないと罰則が科される事があります。「努力義務」は、「~しないよう努めなければならない」や「~するよう努めなければならない」ってな書き方となり、守らなかったとしても罰則はありません。じゃあ、「努力義務なら守らんでもよかね~、罰則ないとやろ~」って事にはなりません。確かに義務とは違い、違反しても罰則は科されません。が、努力義務を怠ったが故に発生した損害などには、損害賠償を請求される場合があります。また、現在は努力義務でも、将来は法改正により義務へと変更される可能性があります。よって、今のうちから「努めて」いた方が良いですね。 さて、今回は、努力義務と義務の違いについてお話しました。必ず守らなければならない「義務」と守るよう努める「努力義務」違いが分かりましたでしょうか?ちなみに努力義務の具体例としては、道路交通法における「自転車のヘルメット着用」や、高年齢者雇用安定法における「70歳までの就労機会確保」などが挙げられます。
2024.09.15
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皆さん、電動キックボード乗ってますでしょうか?最近、ちまたで見る様になってきました。あれっ?と、免許必要だっけ?なんて疑問ありませんでしょうか?今回は、電動キックボードについて簡単にお話したいと思います。 昨年2023年の道路交通法改正で、一定の基準を満たすものは「特定小型原動機付自転車」と定義されました。電動キックボードはこれにあたり、運転免許不要です。ただし、16歳未満の者が運転する事は禁止されています。また、道路交通法上の車両区分は「原動機付自転車」ですので、ナンバープレートの取付が必要ですし、自賠責保険の加入が義務付けられています。もちろん信号や標識に違反すると反則金が課されますし、車同様スマホ等のながら運転も処罰の対象となりますのでご注意ください。(ながら運転:反則金12,000円)原動機付自転車(50ccバイク)と違う点は、車道での最高速度は20km/hなのと、最高速度を6km/h以下にすると歩道も走行できるところです。その際、緑色の最高速度表示灯を点滅させなければなりません。あーんど、乗車する際にはヘルメットの着用が努力義務として課されています。 さて、今回は電動キックボードについてお話しました。道路交通法改正で、新たな車両区分が定義され、ルールができました。ちなみに16歳未満の者に電動キックボードを提供(貸す・売る等)すると、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金となります。(16歳未満の運転も同様)注意しましょう。
2024.09.14
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憧れ?の年金生活。所得税はどうするんだろう?って考えた事ございませんか?今回は、年金受給者の所得税について確定申告を交えてお話したいと思います。 年金は収入ですので、所得税がかかります。ただ、年金額等が65歳未満で108万円・65歳以上で158万円を超えなければ、所得税は非課税となり、払う必要はありません。 ※障害年金・遺族年金は非課税それを超える額の年金受給者は源泉徴収により所得税が徴収されます。もちろん年金額全額に課税されるわけではありません。年金額から社会保険料や各種の控除額を差し引いた金額に5.105%の所得税がかかります。毎年、日本年金機構等から「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」が届きます。それを提出すると配偶者控除など各種控除を受けられます。では、確定申告が必要な人はどのような人なのでしょうか?以下に該当する人は確定申告が必要です。・年金だけではなく給与がある人・年金以外にもその他の所得がある人ただ、年金収入金額が年間400万円以下であり、かつ、その他の収入が20万円以下の場合、確定申告不要です。※年金受給者の確定申告不要制度 さて、今回は年金受給者の所得税と確定申告についてお話しました。ちなみに確定申告不要な人でも、医療費控除やふるさと納税などの寄付金控除の他にも生命保険料を支払っている場合など、確定申告で税金が戻ってくるケースもあります。ご自身の状況に応じてご判断ください。
2024.09.08
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皆さん、「省エネ法」って聞いた事ありませんでしょうか?2050年カーボンニュートラルの実現の為、建築物の省エネ性能の向上を目的として、省エネ法が改正されています。今回は、この省エネ法が実際どのような影響をもたらすか?について簡単にお話したいと思います。 2024年現在、延べ床面積300㎡以上の非住宅(商業施設など)の建築主には国が定めた省エネ基準に適合する義務が課されています。これが、2025年4月より、一般住宅を含むすべての建築物に省エネ基準適合が義務付けられます。新築はもちろん、増改築も対象となり省エネ性能を満たした住宅を建てなければなりません。具体的には、断熱等性能等級4以上や、一次エネルギー消費量等級4以上の住宅が該当します。現在は、この基準に満たしていない住宅は、住宅ローン減税の対象外となっています。そして来年2025年からは、着工すらできなくなります。ただ、メリットとしては、断熱性能が上がり、消費電力を抑えるので光熱費削減ができます。また、気密性・断熱性に優れる為、結露を起こしにくいので、カビ・シロアリ・腐朽被害を防げます。なので、躯体そのものや内装の劣化を防ぐ事ができます。逆にデメリットは、すばりコストがかかる点です。追加コストは一般的に建築費の約4.0%くらいとされています。 ※国土交通省 建築環境部会 資料 さて、今回は、省エネ法について簡単にお話しました。これから家を建てようと思っている方は、省エネ基準に適合した住宅にしないといけないですね。ちなみに、「住宅ローン減税」のほか、「ZEH補助金」や「地域型住宅グリーン化事業補助金」、お住まいの自治体が独自に行っている補助金などを活用できるケースもあります。調べてみては如何でしょう。
2024.09.07
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前回、暦年贈与についてお話しました。年間110万円まで非課税で贈与できるのでお得ですよね。ただ、年間110万円以内なのに贈与税が課される事があります。今回は、この辺りのテクニカルな部分を簡単にお話します。 「よーし、子に1000万円残したいけん、年間100万円を10年で贈与するばい」って思ったとします。年間100万円なら非課税で贈与できますよね。ただ、あらかじめ「年間100万円を10年間贈与する」意思がある場合、「定期贈与」とみなされ、1000万円まるっと贈与税がかかっちゃう事があります。これは、「定期的にお金を受取る権利」の贈与を受けたとみなされる為です。なので、贈与契約書は、毎年、贈与するごとに作成する事をお勧めします。これにより、「結果的に毎年100万円を10年間贈与しちゃったけど、最初っから1000万円贈与するつもりじゃなかったと」って言えます。もう一点、「よーし、子に財産残してやりたいけん、毎年110万円、子の名義の銀行口座に預金するばい」って思ったとします。これも注意が必要です。子の名義であっても、「子が贈与を知らない」「子名義の銀行口座の通帳や印鑑等を親が管理」などに該当する場合、「名義預金」となる為、その預金全て親の物とみなされ、相続財産としてカウントされます。つまり贈与と認められない事になります。 さて、今回は、暦年贈与の注意点についてお話しました。定期贈与にせよ、名義預金にせよ、税務調査で指摘されると不足分の相続税や贈与税に加え様々なペナルティがあります。場合によっては数十%の重加算税が課される場合もあります。十分注意が必要ですね。ちなみに、毎年贈与契約書を作っても、文言次第では定期贈与とみなされる事もあります。心配な場合は、行政書士等の専門家に相談されると良いと思います。
2024.09.01
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