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2020年09月24日
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テーマ: 中国情報(413)
カテゴリ: 中国、台湾
 継続される軍備増強。
 東シナ海でも軍事演習の強行。
 国内の少数民族(チベット、ウイグル)への締め付けと馴化政策の強化。
 香港の政府による統制強化。
 習近平主席の中国政府は、国家による統制の強化を急ぐことで、社会の安定と国際社会の信任を失っている。
 「一帯一路」は中国の支配地域を広げたかもしれないが、国家債務の抱え込みとなって帰ってきた。
 そこにコロナ禍による景気急減速と防疫対策費の支出が重なり、中国の隠れ債務は665兆円に達したという。
 そこで新たな政策、経済のハードランディング回避策として「双循環」が唱えられた。
        ​
いよいよ追い詰められた「中国経済」のヤバい末路
起死回生策の「一手」を打ち出したが… 
福島 香織 ジャーナリスト
2020年9月10日 現代ビジネス
習近平がぶちあげた「双循環」構想の中身!
 10月に開催される中国共産党中央委員会第五回全体会議(五中全会)で、第14次五か年計画(2021―2015年)と2035年遠景目標提案が制定される。
 中国の中長期的経済の方向性を決めるこれら重要な政策について、おそらくキーワードとなるのは「双循環」という概念だろう。
        ​
 だが、これは今年5月に初めて登場した新語で、具体的にどのようなものなのか漠然としすぎている。
 特に米国が中国の人権侵害問題や南シナ海の人工島建設にかかわる企業や官僚にたいして厳しい制裁を行い、中国がグローバル経済からデカップリングされつつある中で、この「双循環」が中国経済の起死回生を導くことができるのだろうか。
 そもそも双循環という言葉は今年5月14日、中央政治局常務委員会会議で提案され、その後、全人代(全国人民代表大会)と全国政協(全国政治協商会議)の両会で行われる分科会でも討論のテーマとなった。
 習近平総書記は全国政協の経済界委員会の場で国際情勢を分析しながら、国内需要を満足させることを立脚点にして形成した 「国内大循環」を主体とした、国内・国際の二つの循環を新たな発展スキームとする という考えを「双循環」の定義として説明。
 7月30日の中央政治局会議でも同様の定義が再度強調された。
 さらに習近平総書記は7月21日に企業家座談会を招集し、「大循環」と「双循環」に内在するロジックを説明。
 8月に洪水被災地の安徽省を訪問したさい、合肥で開催した幹部会議で、安徽を含む長江デルタを「双循環」とリンクさせる最初地域に指定している。
  …(略)…
        ​
5つの措置
 元財政部財政科学研究所所長で華夏新供給経済研究院長の賈康が、中国経済ニュースサイトの財新ネットに寄せた論考によれば、「経済内循環の解釈をただ自力更生によるものだとするのは明らかに偏りのある極端な認識である。
 さらに重視すべきは内循環が決して閉鎖的な鎖国経済に回帰するのではないということだ。
 国内外の双循環を処理するその前提条件は、全面的な開放と改革の深化を継続することだ」と解説。
 内需のポテンシャル発揮を通じて、国内市場と国際市場をさらにうまくリンクさせ、内需外需を相互に促進し総合力を発揮させるのが「双循環」だ、としている。
 ちなみに賈康は内循環を促進する五つの措置として、
(1)新基建(デジタルデバイスインフラなど、新型インフラ建設)などへの投資拡大と、それによる内需拡大、雇用促進、民衆の収入増とそれによる市場への期待という循環の促進、
(2)富の再分配の最適化、
(3)農村人口の都市民化、
(4)輸出から国内消費への転換、
(5)企業と政府の関係改善、市場経済を基礎としたビジネス環境の高度化、法治化を含めた全面的な改革の深化をあげた。
  …(略)…
        ​
 一方、工商銀行国際の主席エコノミストの程実とシニアエコノミストの銭智俊のリポートによれば、グローバル化の歴史的な難局に直面し、中国の「双循環」は「自己を守って閉じる」だけではなく、内側に向かって力を選択し、外に向かっての高いレベルでの開放とするようになった、という。
 「内循環は産業のレベルアップによるアジア地域の経済一体化を進めることで、中国経済をグローバルシステムの中の新たな戦略的視点として打ち出すために、”外循環”に中国の国際分業の道を最適化する」というのだ。
  ― 引用終り ―
        ​
 「一帯一路」も「双循環」も、世界経済の米ドル基軸体制を脱し、部分的にせよ人民元基軸体制を構築するアプローチだ。
 米国トランプ大統領の登場で、米国の覇権を維持するため、中国排除の経済体制がすすめられている。
 軍備拡大に励んでも、エネルギーと食糧の安全保障が確立されないままであり、「一帯一路」の国々への投資は、経済の拡大となっておらず中国の人民元経済圏構想は潰えつつある。
 そして一人っ子政策を長く続けた中国は急速な高齢社会に変容するため、残された時間は長くない。
        ​
 2020年8月11日、国営新華社通信は「習主席が食料の浪費行為を減らすよう指示を出した」と報じたことは、このような文脈で理解できるようだ。
​​​





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最終更新日  2020年09月24日 16時00分07秒
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