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2020年10月05日
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テーマ: 電気自動車(301)
 よくある間違った表現に、「トヨタやホンダがEV開発に出遅れいてる」というものがある。
 トヨタやホンダは、国策に沿った燃料電池車(FCV)の領域でEVを開発してきた。
 バッテリー式電気自動車(BEV)の製造に出遅れいてるだけだ。
 そしてガソリンエンジン並みの台数でBEVの量産に長けたメーカーは一つもない。
 製造規模、生産台数面では日産もテスラもこれから。
 世界の各社が鎬を削っているのは、次世代バッテリーの開発・量産と、モーター、バッテリーの制御。
 自動運転技術は内燃機関、EV共通の課題。
        ​
 2020年はEV普及元年といえる年。
 各国、地域でEV(NEV:新燃料車)の普及拡大に向けての施策が明確にされている。
 そんな中、2030年に世界で販売する四輪車の3分の2を電動化することをめざしているホンダが、2021年シーズン終了後F1を撤退することを宣言した。
片山 修
2020年10月03日 BLOGOS
 ホンダは2日、F1から2021年シーズンを最後に参戦終了することを発表しました。
 エンジンなどのパワーユニットを供給するかたちで、2015年からF1に4度目の参戦を果たし、今シーズンはこれまでの10戦で9戦連続で表彰台を獲得、ようやく勝利を手にできるようになったタイミングで、F1への参戦終了を決断したことになります。
 なぜ、このタイミングで参戦終了を決断したのか。
 理由の一つは、ますます厳しくなる環境規制への対応ですね。
 「F1では、優勝という目標を達成でき、一定の成果を得ることができました。
 その力をこれからは、パワーユニットとエネルギーのカーボンフリー化、カーボンニュートラル実現という新しいフィールドでの革新に注ぎます」と、社長の八郷隆弘氏はオンライン会見で述べました。
        ​
 ご存じのように、環境規制が厳格化する中で、自動車メーカー各社はEVなどの電動車へのシフトを進めていますが、ホンダはEVの開発に出遅れています。
 2030年までに世界の四輪車販売の3分の2を電動車にするという計画を達成するためにも、リソースを集中させる必要があるんですね。
 もう一つの理由は、経営的な問題です。
 新型コロナウイルスの影響で自動車の販売が低迷し、業績が悪化するなか、果たしてF1を続けることが正しいのかどうか、そんな余裕があるのかどうか……。
 また、内燃エンジンに頼りつづけることへの限界がいわれていますが、そのことも、F1を続けることへの疑問として浮上していました。
  ― 引用終り ―
        ​
 EV開発にも資金が必要だが、EVの量産にも多大な資金と時間が必要。
 大量のEVの部品を製造し、効率的に組立てる生産工場は、構造と工数の違いから新設しなければならない。
 部品ではバッテリーの確保がポイント。
 次によりエネルギー密度の高い次世代バッテリーの開発と量産が重要。
 製造では、組付ける部品の種類・場所が異なるEVを効率的に組立てる仕掛けを新規で考え、実行しなければならない。
 内燃機関からBEVへの転換は「新規」の占める比率が高い。
 必要になる資金は多く早い者勝ちが想定され時間的制約も厳しい。
 F1マシン関連の開発競争と似ているといえば似ている。
 そしてF1のパワーユニットは市販車からかけ離れたものとなっている。
 撤退の潮時か。





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最終更新日  2020年10月05日 06時00分05秒
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