SAC.COM

2023年07月23日
XML
 業績好調で営業展開の拡大を続けているビッグモーターは、売上高が5年で3倍の急成長。
 希望の拡大と合わせて不正、不法行為の拡大も続けているようだ。
     ​
メディア追求かわすも…国が動く「もうひと押し」
下矢 一良 : PR戦略コンサルタント
2023/05/10  東洋経済ONLINE
 「客のタイヤにネジを突き立てパンクさせて、工賃を請求」「高級タイヤに取り替えたとウソをついて安価なタイヤを使い、その差額を利益にしていた」「車検を行っていたのは無資格のスタッフ」……
 5月5日号のFRIDAYの記事で、このような衝撃的なエピソードの数々が並んだ。厳しく糾弾されているのは、中古車販売大手・ビッグモーターだ。売上高7000億円、従業員数6000名、全国300店舗以上を展開し、「買取台数6年連続日本一」をうたう中古車販売業界の「雄」だ。
 FRIDAYの記事を受け、ツイッターでも批判が殺到した。この「炎上劇」に対し、ビッグモーターは他の企業がまず取らない対処法をとった。否定コメントを出したわけでも、反対に謝罪文を公表したわけでもない。なんと「完全黙殺」しているのだ。
  …  (略)  …
     ​
不祥事の指摘は、今回が初めてではない
 FRIDAYに追及されたビッグモーターだが、不祥事を指摘されるのは何も「今回が初めて」ではない。
 2016年12月。産経新聞は「自動車保険契約の目標額を下回った販売店の店長が、上回った店長に現金を支払う『慣行』があること」、また翌年2月には続報として 「この『慣行』は収益性の高い保険手数料を獲得するために兼重宏行社長の強いリーダーシップの下、行われていた」 と伝えた。
 昨年から今年にかけて、東洋経済も「損害保険会社への修理費の水増し請求があったこと」を特集している。(ビッグモーター、保険金不正の真相究明に新展開)
 そして、今年3月。朝日新聞、熊本放送、熊本日日新聞がそろって 「車検で必要な検査の一部を実施せず不正合格させたとして、九州運輸局が熊本浜線店の民間車検場の指定を取り消した」 ことを報じている。
 ビッグモーターの不祥事を伝えているのは、何もマスメディアだけではない。ツイッターでもたびたび「炎上」しているのだ。
 昨年5月には、 ビッグモーターの展示車とみられる車両がナンバープレートを付けずに公道を走る 写真が投稿され、大いに批判を浴びた。
 10月には「無料見積もりを依頼したら、勝手にドラムブレーキを分解されて、追加料金まで請求された」とのツイートが注目を集め、1万6000を超える「いいね」が付いた
  ―  引用終わり  ―
     ​
 2023年3月の熊本浜線店の指定工場(民間車検場)が国土交通省九州運輸局から指定取り消しの処分を受けた他に、2月に道路運送車両法第94条違反として唐津店(佐賀県)が保安基準適合証等の交付停止という処分を受けていた。

 YouTubeでも以前から元社員と称する人により、ビッグモーターの保険金不正請求があがっていた。順法精神のある社員は次々とビッグモーターを去っていったという。不祥事の影響などで2023年1月から3月末までで、全社員5千人のうちの
約1千人が退社したという。
     ​
修理ノルマ、1台当たり14万円
2023年7月17日 共同通信
 中古車販売大手ビッグモーター(東京)が事故車両の修理による収益として工場に1台当たり14万円前後のノルマを課していたことが17日、分かった。作業は多くの未経験者や見よう見まねで働く外国人が担っていたことも判明。 外部弁護士の調査報告書は、経営陣が事業拡大に伴う十分な体制を整備せず、不合理な目標の達成を迫ったことが、自動車保険の保険金不正請求が横行した一因との見解を示した。
 報告書によると、修理の工賃や部品から得る粗利の合計額がノルマとなり、「@(アット)」の隠語で呼ばれた。工賃はそもそも車両の損傷状況によって決まるものなのに、板金や塗装部門の本部は営業努力で1台当たり14万円前後を達成するよう要求。 目標未達の理由を問い詰められるのに耐えかねた工場を中心に、損傷があると見せかける写真を撮って修理代を水増しする不正行為が始まり、工場長同士の情報交換によってさまざまな手口の不正が広まった。
  ―  引用終わり  ―
     ​
 金融庁の監督下にある損害保険屋まで巻き込んで組織的不正を働くとは、凡人の想像を超える裏技だ。 損保ジャパンは37名、東京海上と三井住友海上は3名ずつビッグモーターに派遣。損保3社は大丈夫かな。
     ​
水増し請求の温床「営業ノルマ」を黙認した罪
2023年7月14日 東洋経済ONLINE
  …  (略)  …
 ここでさらに問題となるのは、ビッグモーターの幹事保険会社であり、日本の大手損保4社の一角である損保ジャパンの動きだ。
 損保ジャパンはいったいなぜ、水増し請求の温床となった営業ノルマの存在を認識していながら、これまで是正しようとしなかったのか。
 「目標推進は担当業務外であったことから、目標の存在自体に違和感を抱き、その適切性や運営実態などの詳細を把握して是正するところまで至らなかった」。損保ジャパンはそう説明している。
 ただ、その説明を額面通りに受け取る人物は損保業界にはいないだろう。
5人の出向者を送り込んでいた
 なぜなら、損保ジャパンは板金部門に5人の出向者を送り込み、工場長が集まる会議に同席したり、教育係として工場スタッフと日々やり取りしたりするなかで、営業ノルマが及ぼす影響を「間近で確実に見ていた」(大手損保幹部)からだ。
 それでも 営業ノルマに違和感を抱かず是正しなかったのは、ビッグモーターと当初から裏で握り合っていたからではないか と思われても仕方ない。
 水増し請求の発覚当初から、営業ノルマがその温床になっていることは、業界内でささやかれていたことだ。
 にもかかわらず、 損保ジャパンは水増し請求の真因について、営業ノルマにはまったく触れずに、「工場と見積もり作成部署との連携不足や、作業員のミスなどによるもの」「意図的なものでないことを確認している」というビッグモーターの主張を全面支持
 不正ではなく、過失であることを損保ジャパンとしても確認したなどと言って、ほかの損保各社が停止していた事故車のビッグモーターへの入庫誘導(保険契約者から事故報告があったとき、損保や損保代理店が修理工場を紹介すること)を早々に再開した経緯がある。
 その過程で何が起こったか。不正疑惑を厳しく追及してくる東京海上日動火災保険と三井住友海上火災保険の自賠責(自動車損害賠償責任保険)の取り扱いを、ビッグモーターが一部の店舗に対して「停止するよう指示」(同社関係者)したのだ。
 それにより、自賠責の契約は損保ジャパンへ一気に流れていった。
  ―  引用終わり  ―
     ​​ ​​
 7月18日、国土交通大臣の斉藤鉄夫は「(不正車検が事実であれば)言語道断だ」としたうえで、不正車検にかかる道路運送車両法違反の疑義により、同社に対し事実関係の聴取を行う方針であることを明らかにした。

 7月18日、ビッグモーターはホームページで調査報告書の全文並びに経営陣に対する処分を公表し、代表取締役社長の兼重宏行は1年間報酬を全額返上、その他の役員も3か月間10%~50%の報酬を返上する事を発表した。調査報告書で指摘された保険金の請求をめぐる不正行為や法律や社内ルールを順守しない組織運営について、経営陣の関与の有無には言及していない。

 7月20日、ビッグモーターによる自動車保険金の不正請求問題で、対外的な賠償額が現時点では約50億円と見込まれていることがわかった。

 7月21日、金融庁が同社の保険代理店としての業務実態を調査していることが分かった。

 ビッグモーターの
兼重宏行社長
は、今回の問題について記者会見は行なっていないほか、国交省の聴取にも応じていない。

 兼重社長は傍目には詰んじゃったようにみえるが、本人は逃げ切るつもりらしい。

兼重宏行社長から各店長へのLINEメッセージ
「メディアの常として、全社員の2%に満たない一部のBP(板金塗装)社員の過去の不祥事でも、世間の関心を集めるために、会社全体の組織ぐるみだと決めつけて報道しています。特に、今回の件には一切関係ない、店舗とサービス工場の写真を使って、記事、動画を流しています。前回も流しましたが、営業メンバーとサービスの皆さんは、大変だと思いますが、これまで以上に、お客様に親切で誠意ある対応で、クオリティの高い、商品、サービスの提供をお願いします。会社も保険金不正請求問題の早期解消と信頼回復にメンバーを増員して、全力で対応していきます。」








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023年07月25日 05時27分30秒
コメント(0) | コメントを書く
[組織自壊・ブラック企業] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

Ta152R

Ta152R


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: