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2023年08月21日
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カテゴリ: 自動車
 カルロス・ゴーン氏の経営トップ就任後、日産は収益改善のため、容赦なく売れるものは売り、削れるものは削った。すぐに収益につながるもの、経営が将来性があるとしたEV関連以外は削れるだけ削った。トヨタの「全方位」と真逆のアプローチで収益拡大を追い続けた。
 削ったものの中に研究開発費と研究開発体制があった。ルノーとの資本関係の見直し後、研究開発と投資が適切にできるかは、現在の日産の経営陣の知恵にかかっている。
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本格的なEV化対応へ、賽は投げられた
中国市場での生産・販売の抜本的てこ入れ急務
2023年8月14日 J-CAST会社ウォッチ
 日産自動車と仏自動車大手ルノーの資本関係見直しが、ようやく決着した。
 日産にとって「不平等条約」といわれる状態を改め、相互に15%ずつ出資するかたちになる。「対等」の関係で、世界の自動車業界を覆う電気自動車(EV)化への対応を急ぐ。
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双方15%ずつ持ち合う対等な関係に
...ルノー、日産株28%分を仏信託会社に移し、議決権を「中立化」
 日産は2023年7月26日、ルノーとの資本関係を見直す最終契約を結んだと発表した。

 ルノーの日産に対する出資比率を43%から引き下げて相互に15%ずつ出資するとともに、ルノーが設立するEV新会社「アンペア」に日産が最大で6億ユーロ(約930億円)を出資するのが柱だ。
 ルノーは保有日産株を当面は市場で放出せず、28%分を仏信託会社に移し、議決権を「中立化」させる。将来、売却する際は競合他社などに日産株が渡るのを防ぐため、日産を売却先の優先候補とすることも契約に盛り込んだ。
 このほか、インドや中南米といった新興国や欧州などで新事業を進めていくことでも改めて合意した。
「過去に(ルノーとの)アライアンスはいろいろとあったが、120%成長していける環境を整備しなくてはいけないと考えた」
最終決着を受け、日産の内田誠社長はこうコメントした。
  ー  引用終わり  ー
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 日産はルノーに日産の知財を無償で渡すことを阻んだと伝えられている。EV関連技術、BEV関連技術は進化の大きい分野であり、量産で他社に先行していたことが大きな優位性になる保証は全くない。

 世界の自動車大手はEV関連の技術開発と量産体制構築に巨額の投資を行っている。
 6月27日の投資情報面に、日経は「世界車大手、研究開発が最高」を報じた。調査対象はホンダ、トヨタ、日産自動車、スズキ、マツダ、スバル、三菱自動車の、米ゼネラルモーターズ(GM)、米フォードモーター、米テスラ、独VW、欧州ステランティス、独BMW、仏ルノー、韓国現代自動車、中国浙江吉利控股集団、中国比亜迪(BYD)の計17社。
 研究開発費のトップは次世代EVの開発・生産に向けて集中的に投資するVW、約2兆2600億円。2位のGMは1兆3900億円。トヨタは1兆2400億円。以下4位フォード、5位ホンダ、6位BMW。日産は8位。
 売上高に占める研究開発費の比率はGMが6.2%とトップ、2位ホンダ5.4%、3位フォード5.0%、4位VWで4.9%。5位が日産で4.7%。トヨタは3.3%で9位。

 カルロス・ゴーン氏が解体した日産自動車の研究開発体制の再興の道は始まったばかりだ。





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最終更新日  2023年08月21日 06時00分10秒
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