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2024年05月23日
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テーマ: 中国&台湾(3305)
カテゴリ: 中国、台湾
 2024年5月20日、中国共産党の意向に反し、民進党の 頼清徳(ライチンドォー) 氏が中華民国の総統に就任した。1996年の総統直接選挙導入後、同一政党が3期連続で政権を担うのは初。
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 2024年2月14日、金門島沿岸で、台湾当局の取り締まり中に中国の漁船が転覆して乗組員のうち2人が死亡した。中国側は台湾当局に謝罪や責任の追及を要求し続けた。その後、中国・海監の船が「禁止水域」を航行したことが確認された。
 2月18日、2人の死亡を受け、中国・海警局が周辺海域でパトロールを開始すると発表した。
 2月19日、中国・海警局員が、台湾の観光船(乗組員11人・乗客23人)に乗り込み、航路計画、証明書、乗組員免許を確認し、約30分後に立ち去った。
 2月20日、台湾は、実効支配する金門島付近で領海に侵入した中国海警局の艦船を追い払ったと表明した。
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 3月8日、台湾で対中国政策を担当する大陸委員会は、台湾が実効支配する金門島付近に警備艇を送り込んで「現状」を変更しようとするのをやめるよう中国に要求した。
 3月15日、中国・海警局の船が、台湾の離島、金門島の沿岸に台湾当局が設定している「禁止水域」に初めて進入した。中国海警局は、金門島付近の海域を「法律に基づいてパトロールした」と発表し、航路を赤い線で示した資料をホームページに掲載した。海警局は「禁止水域」での航行を続ける構えを示し、台湾の民進党政権への圧力を強める姿勢を示した。
 中国政府は、台湾の離島、金門島周辺の海域で遭難し、中国福建省の沿岸で3月18日に発見された男性のうち1人が台湾の現役軍人だったとして、関係部門による調査を行うことが3月22日に発表された。
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 国際法を無視した海洋進出を続ける中国は、プーチン・ロシア大統領やネタニヤフ・イスラエル首相に先んじて、世界大戦の引き金を引くことも辞さないとの姿勢の表れだろうか。
 香港の圧政を見聞きし、様々の中華人民共和国からの圧力を感じた中華民国・台湾の国民は、中華人民共和国の軍門に下ろうとは思うまい。
 内政の延長では外交は動かないが、そんなことも理解できないほど、不動産バブル崩壊で家の入手が困難になった者たち、外資の撤退で失業した者たちの不満への対応に、習政権は苦慮しているのだろう。
 とりあえず習金平国家主席の経済音痴は本物とみた。
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=頼総統就任まで1週間
時事通信  2024年5月12日
 頼清徳・台湾次期総統の就任式まで13日で1週間。台湾の離島・金門島沿岸の水域では、5月に入ってから中国の海警船が4回にわたり編隊を組んで航行した。挑発的な行動は、習近平指導部が「台湾独立派」と敵視する次期政権に対する圧力の一環とみられ、台湾当局は警戒を強めている。
 台湾の海洋委員会海巡署(日本の海上保安庁に相当)は6日、「最近、中国海警局の船が隊列を組んで意図的に金門島水域を航行している」と発表。同署によると、9日には海事部門や漁業部門の公船も初めて加わり、10隻余りが沿岸水域に展開した。
 台湾当局は、実効支配する金門島の沿岸に「禁止水域」と「制限水域」を設定し中国船の進入を規制している。海巡署は11日、「総統就任式期間の国家の安全を確保するため、強力な掃討計画を実施する」と発表。金門島を含む三つの離島で巡視艇や人員の配置を増やし、取り締まりを強化した。
 1月の総統選で中国と距離を置く民進党の頼氏が当選して以降、中国はさまざまな方法で台湾への圧力を強めている。金門島周辺では、中国漁船の転覆死亡事故をきっかけに海警船が「パトロール」と称して台湾側水域へ進入するようになったほか、台湾の観光船に対して異例の乗船検査も実施。気球の台湾上空通過や、台湾海峡上空の民間航空路の一方的な変更などもあった。
 外交面でも、頼氏の当選直後の1月に南太平洋の島国ナウルが台湾と断交し、中国と国交を樹立。外交関係を結ぶ国の切り崩しが続く。
 中国の狙いを、民進党関係者は「民進党政権は中国にうまく対応できないと印象付けることで、世論を揺さぶることだ」と指摘する。4月に習国家主席が親中的な最大野党・国民党の馬英九前総統と会談したり、国民党訪中団に対して当局が台湾観光の部分再開を伝えたりしたことも、揺さぶりの一部とみられる。
  ―  引用終わり  ―
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 1月20日に台湾総統選で勝利した与党・民進党の 頼清徳 氏(64)が、5月20日、台北市の総統府で就任の宣誓を行い、 蔡英文 氏(67)の後任として第16代総統に就任した。
 就任演説で頼氏は中台関係について、中国との統一でも独立でもない「現状維持」を表明した。 
 頼氏はその後の就任演説で、「中国が尊厳のある原則の下で対話と交流を進めることを期待する」と呼びかける一方「平和を追求するが、幻想を抱くことはできない」と述べ、防衛力の強化を進める方針を示した。「台湾は中国に隷属しない」と主張し、「一つの中国」原則を受け入れない考えを示した。

 5月21日、中国外務省の汪文斌報道官は記者会見で、頼清徳総統の就任式典に日本などの議員が出席したことに対し、「中国の内政への乱暴な干渉だ」と反発した。
 日本と韓国、英国にある中国大使館がそれぞれ「断固とした反対」を表明し、各国に抗議したと表明した。
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 金門島は中国南東部、福建省アモイ市の10kmほど沖合にある。中国大陸側の支配地域とは最小2.1km。台湾本島からは200km離れている。
 1949年の中台分裂で国民党政権が台湾に逃れた後、1949年の古寧頭戦役や1959年の金門砲戦を経て防衛に成功、台湾側が島を実効支配している。金門と福建の間では1979年まで海を挟んで砲撃戦が交わされていた激戦の地だった。
 金門島には、中国軍によって47万発もの砲弾が撃ち込まれたという。その砲弾の弾殻を包丁の材料として再利用した。「金門包丁」は、切れ味のよさで好評だという。
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 1992年11月7日の戒厳令解除後、特に三通政策の実施後は、中国大陸から多くの観光客が訪れる島となった。
 2001年、中台双方が歩み寄り、アモイからの船便が解禁され、中国から多くの観光客が金門島を訪れるようになった。
 2018年8月、福建省側から金門へ水を供給する海底送水管が開通して、金門島の中国への依存度は一段と高まった。





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最終更新日  2024年05月23日 06時00分12秒
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