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2024年06月15日
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テーマ: 鉄道旅行(22)
 2024年6月4日、JR東日本は、早ければ今秋にも運賃の値上げを国に申請する方針を明らかにした。
 鉄道の運賃は、設備の維持費や人件費などの経費に利益を上乗せした「総括原価」を基に算出される。国土交通省は今年4月、総括原価の算定要領を27年ぶりに見直し、運賃値上げをしやすい環境を整備していた。システムの改修などを行った上で、2025年度末以降の値上げの実施を予定しているという。
 またJR東日本は、新幹線の切符などを販売する「みどりの窓口」について、お盆などの繁忙期に首都圏にある15駅で窓口を再開・増設することを発表した。
 事前の5月8日、2021年以降進めてきた「みどりの窓口」の削減を凍結すると発表していた。
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…JR東が誤解した「5割がえきねっとを使わない」
本当の理由
窓口に行かないと解決しない問題が多すぎる
枝久保 達也 鉄道ジャーナリスト・都市交通史研究家
PRESIDENT Online 2024年6月2日
  …  (略)  …
 同社は2021年5月11日、「チケットレス化・モバイル化を推進し、『シームレスでストレスフリーな移動』の実現に向けた乗車スタイルの変革を加速します」と題して、オンライン化・チケットレス化の促進と、みどりの窓口を2025年度までに約7割(首都圏は231駅から70駅程度、地方では209駅から70駅程度)削減すると発表していた。
 みどりの窓口は現時点で目標の半分程度、209駅まで削減されているが、当面はこの数を維持する。また、閉鎖直後で設備が残る一部の駅では、利用に応じて臨時窓口を設置できるようにする。
  …  (略)  …
なぜ大失敗に終わったのか
 2018年4月にSuicaで新幹線自由席を利用できる「タッチでGo!新幹線」を導入し、2020年3月にオンライン予約サービス「えきねっと」で購入した乗車券を、Suicaに紐づけてチケットレス利用できる「新幹線eチケットサービス」、2021年6月には「えきねっと」をリニューアルした。
 同社の発表によれば、近距離以外の乗車券類のうち、みどりの窓口で購入された割合は2010年度の約50%から2019年度は約30%、2020年度は約20%まで低下していた。この機にあと一押しすれば一気に転換するという目論見があったのだろうが、結果から言えば大失敗に終わった。何が問題だったのだろうか。
  …  (略)  …
     ​
なぜえきねっとは「使いにくい」と言われるのか
 えきねっとが誕生したのは2000年、実は四半世紀近い歴史をもつサービスだ。当初は「インターネット電子モール」の扱いで、JR東日本グループ・ホテルの予約や商品の販売を行っていた。乗車券・特急券の取り扱いは2001年に始まったが、バーチャルモールとしてのえきねっとに、JR東日本と日本航空、JTBが共同で旅の総合サイト「えきねっとtravel」を出店する扱いだったのは時代を感じる。
 その後、えきねっとはリニューアルを繰り返しながらサービスを拡充していくが、 サービス開始から現在に至るまで「使いにくい」「わかりにくい」と言われ続けている。 駅員が操作するマルスをベースにしているため、きっぷを発券する側の思考で組み立てられており、 乗客側の「知りたい」「買いたい」ニーズと一致していない からだ。
  …  (略)  …
本当に必要なきっぷにたどり着かない
 一般的には首都圏から諏訪地方に行く場合、中央線特急「あずさ」を利用する。確かに所要時間で見れば新幹線と特急を乗り継ぐ前者のルートが最速なのかもしれないが、乗車距離が長いため運賃と特急料金がかさむし、2回の乗り換えが必要だ。顧客は12時までに到着するルートを探しているのだから、倍近く高い選択肢を選ぶ人はいないだろう。
  …  (略)  …
 みどりの窓口に依頼した場合、仮に立川から「あずさ」に乗ったほうが安くなる場合でも、そのようなきっぷを提案することはないだろう。駅員にお願いすれば常に合理的なきっぷが出てくる安心感があるが、えきねっとでは利用者自身が(場合によっては明示されていない)さまざまな条件を考慮しなくてはならない。
  …  (略)  …
     ​
 JR東日本がオンライン化・チケットレス化に注力したのは、広く見ても2010年以降、本格化という意味では2019年以降のことである。そうなると、みどりの窓口が中心だった時代が約40年(1965~2005年)、指定席券売機が急速に普及したのが15年(2005~2020年)、チケットレス化を強く促している5年(2019年~2024年)となる。
 しかも、みどりの窓口にさえ行けば考えずとも最適な回答を得られた時代とは異なり、今のさまざまなサービスは利用者がそれぞれ選択し、使い分けなくてはならない。またJR東日本、JR東海、JR西日本がそれぞれ予約システム、利用方法を持っているように、 分割民営化の縦割りの弊害がデジタル化で余計浮き彫りになっている
  …  (略)  …
 2001年のアニュアルレポートで、当時の大塚陸毅社長は「徹底的にお客様の視点に立った考え方を打ち出していかないと、当社のサービスを選択していただくことは難しい」とした上で、「私は、常日頃言っていますが、ある物事をやるかやらないか迷ったときは、お客様の利便性が向上するかしないかという視点を常に持てば、答えはわりと簡単に出てくるものです」と語っている。
  ―  引用終わり  ―
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 鉄道オタク、鉄チャンなら素人向きではない駅ネットは容易に使えるのであろう。だが増えたとはいえJR利用者に占める鉄オタの比率は相当少ない。
 即ち、大半の人が要領よくは使えないシステムということらしい。
     ​
えきねっと(JR東日本)
 ビッグデータを比較的容易に利用できるAIの時代なので、素人にも利用しやすいネット環境が整う日も近いと信じたい。乗り換え案内に長けたYahoo!やナビタイムの開発力を利用するのも改善の手立ての一つだと思う。
 乗り換え・乗り継ぎのあるJRでの移動では、ものの分かった、親切なスタッフのいるみどりの窓口を利用した方がよさそうだ。
 コロナ禍において鉄道各社は鉄道利用を避けるようPRしまくっていた。お陰様でコロナ禍後も人々の間で鉄道など公共降雨通機関を利用しない移動方法の活用がすすんだようだ。
 将来も鉄道利用客を増やす気持ちがあるのなら、JR系の旅客鉄道会社と参加可能なその他の鉄道会社共通のシステム構築が先と思える。
 もちろん人口減少社会を前提とし、大規模感染症の流行は繰り返されるとみて、鉄道インフラを最小限にしていくという考え方もある。その場合は鉄オタだけが利用しやすい、得をする購入方法を維持するという選択肢がある。
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JRおでかけ駅ネット
【おしらせ】
 みどりの券売機プラスのオペレーター応対時間について、多くのお客様にご利用いただいている昼間中心の時間帯の体制を強化し応対品質を向上させるため、下記の通りオペレーター応対時間を変更します。
(現行)5:30~23:00
(2024年6月1日以降)8:00~20:00
※ご利用状況等により一部の駅で営業時間が異なる場合があります。
※オペレーター応対の機能以外は、現行とおり5:30~23:00とします。
窓口に並ばなくてもOK。
きっぷ購入がスピーディーに!
 指定席券・自由席券のご購入や、クレジットカードでのお支払いが「みどりの窓口」にお並びいただかなくてもお取り扱いできます。
 「みどりの券売機プラス」ではオペレーターによるご案内が可能 です。
  ―  引用終わり  ―





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最終更新日  2024年06月15日 06時00分14秒
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