~講談社ノベルス、 2013 年~
第 47 回メフィスト賞受賞作 『眼球堂の殺人』 に続く、数学者・十和田只人先生が活躍するシリーズ第2弾です。
それでは、感嘆に内容紹介と感想を。
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警視の宮司司(ぐうじ・つかさ)は大学院生の妹の依頼で、サインをもらうため、十和田只人が滞在しているという双孔堂を訪れた。奇抜な建築で知られる沼四郎が手がけたその建物は、まるで崖から湖につきだした二本のカギのようなデザインだった。
しかし、道中に警察車両がとまっており、聞くと、双孔堂で殺人事件が起こったという。
密室状況となった2つの部屋のそれぞれから、男が殺されているのが発見された。片方に付属する浴室には、凶器をもった十和田が倒れていた…。
現場の状況からは、十和田以外に犯人は考えられず、十和田自身も自分が犯人だと言う。
納得できない宮司は、キャリアの介入を嫌う警部補の反対を受けながらも、事件の調査を進めていく。その中で、事件当日、二人の数学者が学説をめぐり争っていたことや、被害者の一人がその妻と激しい口論をしていたことなどを知る。
しかし、十和田犯人説を覆す明確なものはなかなか見いだすことができず…。
―――
つかまってしまっていることもあり、十和田先生があまり登場しない分、今回は初登場の宮司警視が活躍します。もっとも、安楽椅子探偵の助手のような立ち回りですが…。
十和田先生は、いろいろ私には理解できない話を繰り広げますが、そんな中でぐっと心をとらえる言葉もあるのが楽しみの一つです。
講義という名目の謎解きも、わくわくしながら読み進めました。
しばらく、このシリーズを読み進めていきます。
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