坂口安吾『白痴・二流の人』
~角川文庫、 1970
年~
坂口安吾さんのデビュー作「木枯の酒倉から」を含む短編集。8編の作品が収録されています。
「木枯の酒倉から」
「風博士」
は、蛸博士に復讐を誓う風博士の話。結婚式の当日の博士の行動とは。
「紫大納言」
好色の紫大納言が、月の姫の侍女がうっかり落とした小笛を拾います。侍女の美しさに、彼女を引き留めるためあれこれ理由をつけますが、そんな折、その頃有名になっていた盗賊団に襲われて…。
「真珠」
真珠湾に向かった9人に呼び掛ける体裁の私小説。
「二流の人」
秀吉、家康の時代に生きた、優れた戦略に長けた黒田如水が主人公の歴史小説。
「白痴」
主人公の伊沢の隣家に、変わった家族が住んでいました。主人の妻は白痴のようで、コミュニケーションもとりにくい女性でしたが、ある日、伊沢の家に潜んでいて…。戦時中のある一コマを描きます。
「風と光と二十の私と」
小学校の代用教員をしていた頃を描く私小説。
「青鬼の褌を洗う女」
オメカケ気質の「私」が主人公の物語。(読了から時間が経ってしまい、ろくに紹介が書けないのが残念です。)
と、バラエティ豊かな作品集となっています。
坂口安吾さんの作品を読むのは初めてですが、「坂口安吾―人と作品」(奥野建男)や詳細な年譜も付されていて、興味深く読みました。
(2021.07.31 読了 )
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