高田崇史『QED 神鹿の棺』
~講談社ノベルス、 2022
年~
QEDシリーズの長編です。
2006
年。
奈々さん、崇さんは、小松崎さんの誘いで、パワースポットとして知られる東国三社を訪れることになります。元々、茨城県のある村の神社から、だいぶ昔の白骨死体が入れられた瓶が見つかり、他にも多くの甕が見つかったことから、知り合いのジャーナリストがその神社を調べている…というのが、発端です。
常陸の名の由来にはじまり、東国三社(香取神宮、鹿島神宮、息栖神社)がつくる二等辺三角形の意味するもの、そしてそれぞれの神々の由来の真相などなど、今回も崇さんの説に興味が尽きません。
一方、事件のほうは、これらの歴史に秘められた謎もからめられた、ある(これは完全にフィクションの)村の風習をモチーフにしています。昔のものの白骨死体と同様、瓶に入れられていた死体が意味するものとは。そして崇さんは、なぜさらなる事件の展開を予知できたのか。こちらも面白いです。
初版限定で、講談社ノベルス創刊 40
周年記念のショートストーリーが付いているのも嬉しいです。
(2022.08.15 読了 )
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