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2006年07月04日
甲野善紀×内田樹、『身体を通して時代を読む-武術的立場』
テーマ:
映画、演劇、小説、マンガ等の感想(791)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
甲野善紀×内田樹、『身体を通して時代を読む-武術的立場』、バジリコ株式会社、2006年。
かたや古武道の専門家、かたやフランス文学者にして体育教師といったご両人による対談なのでマッチョな談論風発を想像してしまうが、実に柔軟な議論が展開されている。なるほど、テレビで甲野善紀を見たことがあるが、マッチョな筋肉美の人ではなく、一見したところそのへんのおじさんにしか見えない風貌の人であった。いかにも格闘家といった外見ではないのでかえって語り口に説得力があるのだった。
どちらも人前で話したり、教えたりする仕事をしているので、語られるメッセージは教育へと収斂してゆくように思う。勝ち負けや査定は潜在する力を解放するうえでひじょうに障害になる、という内田氏の発言は、成績をつけて「査定」せざるをえない教育者だけに苦渋の重みがある。現代社会という資本主義社会では勝ち負けや査定から逃れることはできない。そこから目をそらした空理空論や理想論は聞いていても虚しい。かといって「経済的合理性」を金科玉条のごとくふりかざされるのも鬱陶しい。潜在力を解放するには、勝ち組・負け組思考から脱却せねばならないが、これはなかなか困難なことだ。「負け組」の読者としては、高級外車に乗っている内田氏が言っても説得力が……とつっこみたくもなる。
本書では「経済的合理性」が教育をサービス産業へと解体していくことへの危惧も語られている。教育は受けるべきサービスではなく、教える方も教わる方も能動的に関わって新たに何かに気付く営みだと論じられている。「学ぶ」とは教育的商品を買うことではなく「別人になること」なのだ……。いやはや教育とは恐ろしくも重要なことだと再認識する。勉強すると何かいいことがあるのかと経済的な利益から考える子供は、金銭で換算できないものの価値を創り出すということの意味がまるでわかっていない。教える方もオトナも親たちもわかっていないのであれば、当然の反応であろう。学歴や会社のランキングが週刊誌で序列化され、どこそこはボーナスがいくらだとかテレビで流されれば、子供は経済的合理性から物事を判断するようになる。
エンコーやリストカット、本当の自分探し、暴走族の暴走、ドラッグといった「リアルなもの」は、それらの「物語」をリセットすることも含めて、すべて「脳」が作りだしているという指摘は、さっこんの脳ブームにも適用できるだろう。男脳、女脳といい、すべてを脳によって説明しようとする。さも科学的に響くので納得しやすい、本が売れやすいという効能があるのだろう。脳が衰えることは、自らのスペックが古びていくことだから、生存への不安にも訴えることができる。現代人は、パソコンのように知識をヴァージョンアップさせないと生きていけないという強迫観念にとらわれているし、実際そうなのかもしれない。使えなくなった人材は、古くなったパソコンやソフトのようにリストラされるのだから。
小説は「意味」を読むものだけでなく、「肌理」「フィジカルなもの」「手触り」「響き」ではないかという指摘は、ロラン・バルトなども述べていたことではあるが、それだけ誰しも実感していたことなのだろう。名作の要約だけまとめた本が売れているのは、意味や情報だけためこもうとする徴候的な事態だ。「意味」に凝固しない微細なものへのまなざしや響きに耳を澄ませることが「読む」ということなのだ。衰退してゆく「文学」および人文系教育があらたに刷新されるとすれば、このあたりを現状に即しながらどう掘り起こしてゆくかということになるだろう。単にテキストやエクリチュールを礼賛するのではなく、武術の観点から共通点を身体に求めたという点で本書の切り口はおもしろい。問題は、現代人は生存競争に忙しすぎるあまりに、情報を取捨選択するような読書しかしづらいということにある。忙しいスケジュールのなか、満員電車でプルーストやトーマス・マンの大長編をゆったりと楽しめる人は、すでに人生の達人と言えるかもしれない。自由闊達に異次元にトリップできるのだから。
「フィジカル」で繊細な感性があってこそ、本書で触れられている「共同募金」的な共同体像が「消費税的」なシステムに対置されうるのだろう。募金したくない人はしなくてもいいシステム。募金なんかしないぞというへそ曲がりもきっといるにちがいないが、全体としてはうまく成り立つシステムである。かたや消費税的なシステムではそうはいかない。同質的な空間を元にしたヒエラルキーによって逃げ場のない権力が行使される。
この同質性の問題が、いじめやその他の病理に関係する。今回の中田英寿の引退騒動にしても、日本の均質的システムというものの根強さを感じずにはいられない。中田がグランドで泣いたことをメディアはことさらに強調した。中田も涙を流す人間だったんだ、おれたち日本人だったんだ、という物語へとまとめようとした。グランドで倒れ込んだ姿は絵としてもぴったりだった。その後、引退声明が流れ、アーリーリタイアした後のビジネス展開や人生設計が云々されるやいなや、中田バッシングは再燃した気配である。
もとより若くして成功し、億万長者となった者には世間は冷たいものである。ビル・ゲイツがチャリティに熱心なのもそのあたりの力学を意識してのことだろう。サッカー選手なればこそ、自分を気持ちよくさせてくれるから多くの人が応援する。ところが、ワールドカップで日本は無惨な敗退に終わったからそのストレスはスケープゴートを求めて蠢くことになった。ジーコはそれを見越してか、とっとと帰国してしまった。中田は、一匹狼で目立っていたから恰好のターゲットになった。もともと日本から飛び出し、日本人村に馴染まない彼は、反感をかう要素は多分にあった。メディアとの関係、監督との関係、チームメイトとの関係、あれやこれや批判されることになった。サッカー職人として一生をまっとうせずに、新たな飛躍を求めた彼の存在は、日本の世間にとって脅威なのかもしれない。すでに億万長者であるから、将来的には彼に会社を乗っ取られるかもしれない。手強い商売敵になるかもしれない。おまえはサッカーだけやっていればいいんだよ、といった身勝手な世間の欲望を軽くあしらい、彼は旅に出ると宣言した。
似たような反感キャラのイラブクラゲというのもいたが、ヤンキースをやめてから実業家になったときく。中田はどうなるのだろう。思わず書評から逸脱してしまったが、中田も身体の巧みな使い手であるから、本書を読みながらあれこれ考えることになったのである。数年前にパリで見た日本対フランスの親善試合で、日本チームのなかで一人だけ異次元の動きを見せてくれた中田の姿が目に浮かんだのだ。中田は、「サッカー選手」という「物語」を「脳」で「リセット」したわけではないということが、今後示されることを期待したい。
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最終更新日 2006年07月04日 22時37分45秒
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