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2011年11月03日
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テーマ: 自然農法(36)
カテゴリ: 農業
10月14、15日に、千葉県山武市で行われたエンドファイトフェスティバルに
行ってきましたので報告します。

このイベントは、炭素循環農法を実践している方々が企画したもので、
全国の実践者が集まり、とても勉強になりました。

ところでこのエンドファイトって何?と聞かれると思いますが、
これは植物(ファイト)の中(エンド)に住んでいる微生物のことです。

エンドファイトは地中にも地上にもいます。

例えば空気中の窒素を固定している大豆の根粒菌がそうです。
そのほかにも、いろいろなエンドファイトがいて、
微生物が植物体内で重要な働きをしているようです。

炭素循環農法の大きな特徴は、微生物の視点に立って植物を育てるという点ですから、
エンドファイトとも大きく関わりがありそうで、興味津々です。
その専門家の、茨城大学の成澤先生の講演、これが私の一番の目的でした。
まずこの講演内容をお伝えします。

●成澤先生の講演内容 - エンドファイト

★エンドファイトの豆知識★

・エンドファイトはランの発芽を助けるのに、ランはそのエンドファイトを食べてしまうそうです。
→ということは、エンドファイトと植物は必ずしも共生ではないということですね。

・エンドファイトはなぜ植物体内に入ったのでしょう?
他の真菌類よりも成長が遅いため、植物と共生する戦略を取ったのかもしれない。

私は成澤先生の講演で次の2つの事実に仰天してしまいました。

★驚きの事実1 エンドファイトがいると酸性土壌でも植物は普通に育つ

 トマトでの実験ですが、
 エンドファイトがある培地では酸性条件下(pH3-5)でも
 中性条件の場合と同じように育つんです!

 今まで酸性土壌では多くの野菜が育たないから石灰などで中和すると学んできたのに、
 エンドファイトがいると酸性で全然問題ないんですね!

 これは、エンドファイトがいる場合は、
 エンドファイトを十分活用してないこれまでの農法の常識が通用しない
 ということが言えないでしょうか。

 私は微生物が豊富な土壌の方が植物は元気に育つと思ってました。
 しかし一つひっかかってたのは、
 微生物がいると有機酸を作って土壌が酸性になるので、
 これは植物にとっては不都合なのではないかという疑問でした。

 これが見事に解決されたのでした。

★驚きの事実2 硝酸態窒素存在下ではエンドファイトいなくなる★

 VA菌根菌という、植物に栄養を与えてくれる有益なエンドファイトがいるんですが、
 化学肥料を与えた時など、硝酸態窒素がある状態では、
 植物は遺伝子活性がなくなり、VA菌根菌を受け付けなくなるそうです!

 つまり、化学肥料でも有機肥料でも、硝酸態窒素を与える農法は、
 エンドファイトを活用できない!ということです。

 この事実は、慣行農法や有機農法など、
 施肥農法への興味を完全に断ち切るものとなりました。

 ちなみにVA菌根菌は植物に依存しており、人工培養できないそうです。


その他微生物の豆知識として面白かったものを紹介します。

☆微生物の研究が進まなかった理由の一つ

 微生物の同定は培養して増やさないとできなかった。
 ところが培養できる微生物は数パーセントしかないので 同定できる微生物が少なかった。
 しかし今では培養しなくても同定できる技術ができた。
 ただしまだ高価。

→今後微生物研究が飛躍的に進むかもしれませんね!

☆グラスエンドファイトについて

 ニュージーランドでは芝生に棲むグラスエンドファイトが実用化されている。
 エンドファイトの中には有毒なものもいるが、
 毒のメカニズムはよく分かっているので心配ない。

→エンドファイトを無用に怖がる必要はないんですね。

☆種の多様性について

 慣行農法では、地上と地下の種の多様性は連動するが、無施肥の場合は関係ない。

→ということは、慣行農法では、地下の微生物がたくさんいると
 地上の虫などの生物も多くなるが、
 無施肥の場合は、地下の微生物がたくさんいても
 地上に虫は必ずしも多くないということでしょうか?

 はっきり分かりませんが、これは炭素循環農法にすると、
 土壌中の微生物は豊富になるのに、虫はいなくなるという考えと合致します。

☆エンドファイトの持続性について

 エンドファイトが植物との関係を構築した後、いつまでその関係が続くかは不明。
 化学肥料を使うと、植物に入っていたエンドファイトも収穫時にはいなくなっている。
 しかし植物の耐病性向上の効果は続く。

→ということは、発芽時にエンドファイトと共生させることが重要かもしれませんね。

☆エンドファイトは、すぐに使える栄養が少ない時には与え合い、 たくさんある時は奪い合う。

→なんだか人間社会のようですね。

☆バクテリアはどんな環境下でも同じような種がいる。
 しかし真菌(カビ類)は、環境によって劇的に変化する。

→そうでしょうね。でないと特定の菌を選んで発酵させるなんてことできませんから。
 バクテリアはどこにでもいないと、死骸が分解されないので困りますもんね。

☆カビは繋がっているため、一部が死んでも他の一部が生きている事もある。
 従って同じ個体が長期間生きている事もある。

→永遠の命が欲しければ、カビになれということですね!


いや~エンドファイトってほんとに面白いですね~

エンドファイトフェスティバル
http://epfes.blog.fc2.com/


(続く)





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Last updated  2011年11月04日 21時21分53秒
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