家曜日~うちようび~

家曜日~うちようび~

2020.06.28
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​​​​斉藤さんで行こう!

これまで妻に、ママ友付き合いについての相談されるたびに、

僕は、シンプルに、そう答えてきました。

ここでいう「さいとうさん」とは、

チェケラッチョ!ハゲラッチョ!サイトーさんだぜ?!

の斎藤さんのことではありません。

2008年に観月ありさが主演した水曜ドラマ 「斉藤さん」 のことである。

憶えてる人いるかなあ?

このドラマの主人公「斉藤さん」は、曲がった事が大嫌いなNOと言える専業主婦。
正義感が強く不正を許さない性格のため、幼稚園の保護者に友達がおらず孤立しているが、
「相手に合わせて正しいことが見えなくなるなら友達はいらない」 と自分の正義を貫く性格。
「子育ては運命の仕事」 キャリアよりもオシャレよりも 「母親で妻で十分」 と言い切り、
子育てという仕事に誇りを持っている。

君も、かくあれ、と。

そして妻は、僕の助言通り、あらゆる保護者間の問題において、常に「斉藤さんスタイル」を貫いた。

ゆえに、僕の妻に、ママ友と呼べる人は、一人もいない。たはは。

今じゃあ、すっかり肝が据わっちまって、
次女の保育園では、周囲に友人ゼロみたいな状況でありながら、
しゃーしゃーと保護者会の会長を務めるにまで成長したが、
思い返せば、長女が園児だった時、妻はそれなりに悩んでいた。
何事も初めての経験ばかりだったので、ま、しゃーねーっす。

悩みはズバリ 「ママ友付き合い、するべきか?否か?」

うちの妻、基本的に苦手みたいっす、女同士のそーゆーの。
愚痴、自慢話、おごりおごられ、派閥、陰口、いじめ、副業の勧誘、ダメみたいっす。
これは彼女の美徳ではなく、どちらかというと人として欠落した部分、欠点として、ダメみたいっす。
今でも「ママ友より、あんたといる方が100倍楽しい」と腐れ夫に告ってきます。哀れ。

もちろん、夫婦の方針として、保護者としてやるべきことは全力でやりますよ。
保護者会への出席、行事への参加、役員の仕事、ボランティア、妻は皆勤賞、手抜きなしです。

だもんで、

やることやったら、さっさと帰ってこればいーだよ。

やることやったら、やらんでいーことは、堂々とやらんでいーだよ。

斉藤さんで行こう。

ぼーん、とぅーびー、さいとー。




今でも忘れられないエピソードがある。

長女の卒園が近づいた頃、ある園児のママが、
「卒園式の後、会場を借りて先生方を招き謝恩会を開催したい」と言い出した。
実際のところ、毎年誰が言い出すともなく謝恩会は執り行われるようなのだが、
あくまで園が要望する会ではなく保護者の有志。やらない年はやらない。
ところが、その年の謝恩会は、主催者ママがノリにノッており、
保護者による寸劇や歌、その他多くの出し物が企画され、
歴史に残る大々的な謝恩会になるとのだった。


劇とか、歌とか、準備とか、
正直ちょっとよく分かんないんだけど。


と妻が相談してきた。

オーケーベイビー、斉藤さんで行こう。

と僕は答えた。

やる人を否定はせぬ。ぞよ。

ただ、自由参加なら、うちはやらぬ。ぞよ。

シンプルに、その日は、何の日?
長女が保育園を卒園する日。
式が終わったら、家族でささやかに長女の卒園を祝いたい。

公務員の保育士が勤務時間内に職務を離れ、
市民の接待を受けるというのは、どうなのだろう?
という疑問も正直あった。

そもそも、先生たちは、謝恩会を心から望んどるんかいな?

てか、その謝恩会は、本当に先生たちの為の会なんかいな?

実際のところ、誰の為の会なんかいな?

違和感。

こういう素朴な違和感には、経験上、感じたまま準ずるほうがよい。

それから卒園式までの数か月にわたり、保護者たちは、
夜な夜な集まって、打ち合わせや準備、劇や歌の練習などをしたというが、
うちは一切参加しなかった。ごめんなさい。

少し前、このブログで、
「地域に貢献するため町内会に参加するべきだ」 という日記を長々と書いた私ですが、

うち、何でもかんでも参加するわけではござぁ~せん。

町内会は町内会。謝恩会は謝恩会。

会による。

すまん。



卒園式当日のこと。

僕の違和感は最高潮に達した。

先生のオルガンの演奏に合わせて入場する園児たちのなかに、
長女の姿を見たとき、僕は思わず号泣してしまった。

こいつめ、大きくなりやがって。

感慨無量だった。

んが、まわりの保護者達の様子は、どうも違った。
感動はそこそこに、妙に落ち着きがないのである。
そわそわしているのである。
気もそぞろなのである。

恐らく、式終わりに会場を移動して開催する謝恩会のことが、気がかりなのだ。

二部構成の卒園式の第一部が終わり、
皆で懐かしの写真をスライドで見る第二部が始まると、
もう、ふわっふわしているのである。
気持ちここにあらずなのである。

挙句、少々時間が押して二部が合わった途端、参加者一同ダッシュで会場に走って行きよった。

会の準備や、催しの最終打ち合わせの為であろう。

いや、分かる、け、ど、も~。

おーい、今日は何の日だー?

​卒園式は、謝恩会の前座じゃないと思うぞー。

なんつって、心中でこっそりとツッコミを入れながら、
僕は卒園式の感動冷めやらぬまま、一人で自宅へ直帰した。
妻は、長女の付き添いで、謝恩会の見学へ行った。
何となくの流れで、会場へは園児も全員移動するみたいだったからだ。
妻と同じ見学のみの不参加者は、数名いたとのこと。

その後、保護者達の渾身の謝恩会は、滞りなく終わり。
閉会の挨拶で、主催者のママが、会の成功に感極まって泣いてしまったらしい。

おーい、すっかり目的変わっとるぞー。

会終了後、参加者一同「打ち上げ」称し、子連れで夜の街へ繰り出して行ったらしい。

​​​おーい、もー好きにやっとくれー。

僕たち「斉藤一家」はその夜、家族だけで、静かに長女の卒園を祝った。
妻がつくった美味しいご馳走を食べながら、
あんなことがあった、こんなことがあった、家族で保育園の思い出を、いつまでも語り合った。

​​
分からない。



同じ歳の子を持つ保護者さんとの親睦を、無碍に断った非情な夫婦だったのかもしれない。

ねえ、斉藤さん、どう思いやぁ~す?


もう四年前の話だ。



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最終更新日  2020.06.29 14:48:15
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