この工事は、工事を管理する工事監督が、過度のストレスにより、
ノイローゼというか、鬱というか、心の調子を崩して工事の途中で退職し、
受注した会社が、その後処理に大いにすったもんだすること多々あり、という曰く付きの類の工事であった。
役所が入札を公示したところで、参加者がなっちんぐで、何度も流れているところを、
うちの社長が棚から落札してきたという、最悪のぼた餅なのであった。
工事の内容としては、実に陳腐な給排水の改修工事であったが、
地域住民というか、入居者というか、低所得者というか、怖い人というか、
老人というか、クソガキ共というか、外国人というか、宇宙人というか、
百世帯を超えるそういった人達のプライベート的な、空間的な、ルーム的な、
にお邪魔して給排水工事を行うことが、
実に陳腐ではない、工事監督たちの心を木っ端みじんに破壊するポイントであった。
その、地域住民というか、入居者というか、低所得者というか、怖い人というか、
老人というか、クソガキ共というか、外国人というか、宇宙人というか、への、
工事の説明、連絡、調整、クレーム処理に、みんな心をズタズタにやられてしまうのだ。
さらに昨年からは、追い撃ちをかけるかのようにコロナ禍でざんがしょ?
そんなこんなで、着工時は、最悪の場合オイラもこの工事にて、
身も心も玉のように美しく砕け散るのであります!なんつって覚悟したのであるが、
蓋を開けてみれば、な~んてこたあない、よくよく思い返せば、そもそもこのオイラ自身が、
地域住民というか、入居者というか、低所得者というか、怖い人というか、
老人というか、クソガキ共というか、外国人というか、宇宙人というか、
の、コミュニティからウジのように湧いて出た人間であったので、
「おーおー、里の者たち、達者であったか、今帰った!我がホームタウン!まじ落ちつくうううう!」
ってな台詞を腹の底から叫びたい衝動を禁じ得ず。
なんだかもうキツネにつままれているかのように、工事は順調に、快調に、快便モリモリに進み申した。
てゆーか、昔からどういう訳か僕は、年上の女性に可愛がられるというか、不思議とよくして頂けるので、
不用意に現場内を巡回などしていると、ちょいとそこ行く監督さん、このお菓子食べてって!
あんら、監督さん、お家上がってお茶飲んでって!缶コーヒー待っていって!みかん持っていって!
年末の旅行でお土産買っといたから貰って!チューして!サインして!などなど。
素敵なマダムや、ばあば様に声かけまくられ放題、モテモテ放題なのでありました。
もう、最終的に現場事務所は、頂き物だらけで、少々困ったぐらいでありんした。あは、あはは。
まあ、たまたま、この現場は、頭の良い、計算の早い、暗記力や記憶力の高い、
そんな数値化出来る能力に秀でた生真面目な人には不向きで、
僕のように、コミュニケーション能力などの、非認知能力オンリーの人間からしてみりゃあ、
おちゃのこさいさい、屁のカッパの現場だったちゅうこった。ぶぶ、ぶはははああ。
僕の父は昔、名古屋市笹島のドヤ街に、日雇い労働者のホームレスを拾いに行く際、
「番頭さん、食べってって!飲んでって!」とホームレスたちから振舞われる、
食べ物だか何だか分からない、腐っているかどうだか分からない得体のしれない物を、
その場に座わって、彼らと共に、わいわい話をしながら飲み喰いしたという。
現場事務所に山になった食べきれない頂き物を物を見るにつけ、あの馬鹿な父が、ほんの一瞬偉大に思え、
今だのうのうと生きているあの父に、今死んでたらきっと感謝出来るのにい、もう!
と歯がゆさを感じる、春の始まりでわろし。
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