産後リカバリーヨーガ embrace  <東京都調布市・世田谷区>

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2004.10.29
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カテゴリ: 上美知代の日常
 わたしの生まれた北国は11月のしんとした寒さを感じるころ,深呼吸すると雪の匂いがする。雪が間近にきているサインのようだ。ほんとにちいさな雪虫がゆらゆらとんでいたかとおもうと,外の世界がぐんと静かになり,雪が降りだす。

 いまでこそすっかり温暖化で雪の量も減ったけれど,ちいさいころは夜眠っている間に60センチくらい降り積もり,母は新聞屋さんが通れるように,朝5時にわたしを起こして大きなそりの上にビールケースを載せ,ケースの中にわたしが入って重しにし,我が家しか使わない100メートルほどのじゃり道にひとすじの道をつけていった。まだ誰の足跡もない雪の中を進んでいくのは寒かったけれど働きづめの母といっしょにいられる方が嬉しくてあたたかだった。

 中学へゆく道は片道30分かかり,雪の日の朝は車に圧雪されスケートリンクのようで,みんな面白いくらいよく滑って転んだ。あれはコツがあって,おそるおそる歩いているとまぁだいたい転ぶ。わたしはいつも遅刻ぎりぎりだったから,最後の直線距離500メートルは長靴でひたすら走るのだ。走ったほうが転ばない。

 はじめて男の子とキスをした夜も雪が降っていた。
 好きなひととキスをするのがこんないいものなのかとじんとして,たえず降ってくる雪の空を見上げて,くちびるに残った感触がなくなりませんようにと願った。

 雪にはあたたかい思い出が多いが,ときに圧倒的な威力で世界を一変させる。
 どうかいま故郷で被災されたひとたちの身を凍えさせないように。
 こころが凍えませんように。






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最終更新日  2004.10.30 06:50:04


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