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怪獣少女は2017年8月12日のコミックマーケットに参加します。コミケ二日目、8月12日(土)国際展示場 配置場所は 東館(東2ホール)T-46aになります。今回の頒布は『メカゴジマガ』です。坂井孝行先生の『ゴジラVSメカゴジラ』の雑誌に掲載されたものの単行本には未収録となったメカゴジラVS平成怪獣総進撃回を再録する他、製作秘話、おなじみ怪獣オタな姫サマ大活躍の「なぞの転校生」もあります。その他前回から続くゴジラ本特集2017、あまり話題にでないミレニアム以降のゴジラコミカライズ特集も。ゲスト、キセンさんのメカゴジラにも注目です。当日限定、坂井先生の巨災対と仮面ライダーWとK-1ダイナマイトのコピー誌も出るかも。既刊『モスラ1』『モスラ2』も若干数ご用意できると思います。また英雄共闘館の委託同人誌『けものフレンズ超画報』も用意。特撮ムックを思わせる意匠の80ページ極厚同人誌です。8/12は怪獣少女を何卒宜しくお願いします!
2017.08.06
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冒険王版「仮面ライダーストロンガー」は「新・仮面ライダー」から本作までの第一期ライダーシリーズ全ての漫画化を手掛けたすがやみつるによって描かれている。 別冊付録などは競合するテレビマガジン、テレビランドではやっていなかったせいもあり漫画の分量は他誌を圧倒。75年4月号~1月号までで全10話、450ページ超が描かれた。 暴力・残酷描写を強烈に描きつつ家族や恋人同士の愛情をストーリーの中心に据えたドラマチックな作風でライダーを描いてきたすがやだが本作では過激なスプラッタ描写はやや少なくなりストロンガーと彼を慕うタックルを中心にした正統なヒーローものに近い作品になっている。 以下に登場した怪人などについてデータを挙げてみよう。 第1話-オオカミン、ガンガル、カマキリ奇械人(Aタイプ)第2A話-トラフグン、ゴロンガメ、タイタン第2B話-クラゲ奇械人、奇械人サソリ 第3話-奇械人ワニーダ、奇械人モウセンゴケ第4話奇械人ハゲタカン、カマキリ奇械人(Bタイプ-映像に近い) 第5話-タイタン、ジエネラルシャドウ(以下9話を除く全話)、メカゴリラ、クワガタ奇械人第6話-ケムンガ・ドクガラン、百目タイタン 第7話-岩石男爵、ドクターケイト、オオカミ長官、ドクロ少佐、荒ワシ師団長、隊長ブランク、鋼鉄参謀(荒ワシ師団長以外はデルザー集合場面にて)、百目タイタン 第8話-ドクターケイト、岩石男爵 第9話-ブランク、狼長官、ヘビ女、岩石大首領 第10話岩石大首領 (注※第2話Aは冒険王春休み増刊号に掲載。) 冒険王版は茂が復讐のためにブラックサタンに自ら改造されるのではない。ある組織から脱走しようとした茂が拉致、改造され映像とは逆に改造台に縛り付けられた茂がユリ子に助けられるという流れである。 余談だが脱走の際に茂と一緒に脱走したケンジが語るかたちで「背中に星型の痣がある妹」という伏線が引かれる。しかしこれが回収されることはない。 当然これはユリ子のことではないかと思われるが初回でセミヌードになるユリ子の背中に痣はないのだ。 タックル・・・岬ユリ子は本作においてはしばしば身を呈してストロンガーを救う。全エネルギーをストロンガーに与えたり酸素ボンベの限界で毒ガスで窒息して死に瀕した茂に捨て身の人工呼吸をしたりする。全編ユリ子は茂への好意を隠そうとはしない。 第2B話、元気のない茂にユリ子は買い物に行った時のことを話す。 「わたしねきょうエプロンをして買い物にいったらおくさんですかなんていわれちゃって 失礼ねえ こんなに若いのに ねえ」 生返事の茂にユリ子は心配そうな表情を浮かべる。 その後、奇械人サソリを倒した後にユリ子は「わたし わたしあなたのこと・・・・・・」と愛を打ち明ける。 茂は「やめろタックル・・おれたちはブラックサタンと戦う戦士だ!戦士は男でも女でもない・・・・・ ブラックサタンを倒す日まで人間になることは許されないんだ」とそれを拒むのだ。 その後も茂とユリ子は思いを胸にお互いに助け、助けられる。タックルの献身がなければストロンガーは戦いに生き残れなかった。まさに最高のパートナーなのだ。 冒険王版の特徴というと岬ユリ子のコミカルかつちょっとエッチな描写だろう。 第一話からしてカマキリの奇械人にパンツと靴下だけの裸にされてしまう。奇械人の「最後の一枚いただいたあー」がおかしい。 全裸で変身して「かっこよくタックル参上」、しながらひとコマであっさり倒されるおまけに泣きながら化粧を直す様子がかかれている。 「もみあって」と聞いてHなことと誤解して茂に殴りかかるなどの描写も(かなり強引だが)おかしい。 そして何といっても第9話の「女の武器を使う」話。牢に捕らわれたタックルがストリップでケイト戦闘員を籠絡する件が すがや版タックルの骨頂といえるのではなかろうか。 そんなタックルに最後の時が来る。再改造手術(すがや版ではドクターケイトが超電子人間への改造を行っている)後で不調のストロンガーの絶対の危機にタックルはガソリンを浴びせたドクターケイトに突っ込み電波をスパーク(触角を交差させて・・・という能力はこれ以外にみられない)、炎上させキックの機会を作る。 「ストロンガーが・・・茂が殺されるのなら・・・このタックルの命をかわりにあげるよ」 「いつもどじばかりふんでたけど あたしにできるのはこれくらいのものよ さあ早く」 ケイトを超電スクリューキックで倒したストロンガーの前には瀕死のタックルが横たわっていた。 「タックル・・・」 「そうよ私は電波人間タックルよ だから・・・ 涙を流すこともできなかった 茂・・・・あんたのことを・・・・好きだなんて」 「タックル! タックル タックル」 ストロンガーはタックルを抱いたまま号泣する(文字通りストロンガーの目から涙が・・・)。 「タックル おまえの戦いは終わった だれもじゃましない海の底でしずかにねむるがいい」 ユリ子の遺体を海に投げ込む茂・・・。 「タックルのばかやろう おれだって おれだっておまえが・・・・」 茂は空に浮かぶユリ子のイメージにデルザー軍団を倒すことを誓う。 「見ていろタックル・・・デルザー軍団はかならず このおれが息の根をとめてやる・・・ぶっこわしてやる」 タックルの最期はテレビマガジン、テレビランドでも描かれるがいずれもドクターケイトの毒に侵されて、という描写はない。テレビランド版がドクロ少佐と相撃ちになる、という展開をするのを除けばストロンガーを救うためにタックルは命を落とすことになるのだ。 冒険王版は激しく愛を乞いながら生きた彼女らしい最期を描き切った、と言ってよいだろう。 ただ遺体を海に投げ込む・・というのはいささか乱暴な気がしないではないが・・・。
2010.07.18
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パチのスペシャリスト、てれまんが贈る最新作が『パチ怪獣大図鑑2』。知らない人にはどうでもいいけど知ってる人には堪らないあのパチ怪獣たちの隠された秘密を徹底追求した同人誌の第2弾が発売です。スペクトルマンもかくや、の70年代(パチ)怪獣コミックの決定版「ロイヤリティーマン」の第二話そしてあのパチ史上に輝く「アイアンゴッド」(!!!)も待望の漫画化です。トランプや面子、駄菓子屋の軒先で大暴れしたあのパチ怪獣を大フィーチャー。コラム「パチお菓子の世界」本邦初公開もある「パチ怪獣ぬりえ」などはじめ(表紙)から終わり(裏表紙)までパチづくめの一冊です。怪獣少女は「パチお菓子の世界」や「パチ怪獣ぬりえ」を担当しております。新刊のレインボーマンはもちろん「スーパーパチロボ大戦」やサンダーマスク、アイアンキング、仮面ライダーシリーズ、人造人間キカイダー、ウルトラファイト・・・などなど特撮・アニメ作品のコミカライズの旧作も並ぶはずなので是非!!パチ怪獣やコミカライズの「てれまん」は8/14(金)東P20-bです。
2009.08.10
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2009年も「怪獣亭非日常」をよろしくおねがいします。ますます役にたたない怪獣ブログとして邁進していく所存です。といいながら・・・・年初めなので真面目にいきたいと思います。土山よしき・・・『人造人間キカイダー』の作画を事実上手掛けた石森プロの漫画家のひとり・・・という以前に70年代に多くの特撮コミカライズを手掛けた漫画家でありTV作品の副次的な作品であるコミカライズにおいてオリジナル同等、いや、それ以上の感動を与えてくれた作家が土山よしき先生なのだ。 土山先生のコミカライズは『科学』の『アスガード7』や『テレビランド』の『仮面ライダー』(X~ストロンガー)や『宇宙鉄人キョーダイン』、などがあるが残念ながら単行本になったものは少ない。 私の知っているものでは『キカイダー01』(といいながら収録されているのは『キカイダー』の漫画なのだが・・・)のダイダイカタツムリ編や『ロボット刑事』という朝日ソノラマのムックとコミックを兼ねた企画位しかみた記憶がない。 今のコミカライズの、特撮作品の出版状況を考えてもこれらの作品が再び日の目をみることがあるのだろうか? 端正に、登場人物を描写しヒーローの哀しみや孤独感をオリジナル以上にキメ細かに描く土山版コミカライズの全貌を顧りみるのは難しい。 しかし・・・今ニコニコ動画ではテレビランド版『キカイダー01』を見ることが出来るのだ。 ↓ 【ニコニコ動画】【テレビランド版コミカライズ】キカイダー01 ( 1 / 5 )【1973.12】以降はこちらから 【ニコニコ動画】【テレビランド版コミカライズ】キカイダー01 ( 2 / 5 )【1974.1】【ニコニコ動画】【テレビランド版コミカライズ】キカイダー01 ( 3 / 5 )【1974.2】【ニコニコ動画】【テレビランド版コミカライズ】キカイダー01 ( 4 / 5 )【1974.3】【ニコニコ動画】【テレビランド版コミカライズ】キカイダー01 ( 5 / 5 )【1974.4】最早、01でなく『人造人間ビジンダー』とでも呼ぶほかない。 テレビランド版『キカイダー01』、この最終回までの5回分は素晴らしい編集とあわせて宝物である。 全くキカイダーが登場しないこの01のクライマックス、原作版コミックスとは01のキャラクターが大きく赴きを変える作品だがリアルタイムで01を見ていた世代にはこちらの方が間違いなくイチローらしい。 土山版ビジンダーはテレビの悩めるヒロインでも結局は破壊されるためのキカイにすぎなかった蓮っ葉な女アンドロイドでもなくザダムへの復讐に生きる凛々しく強い、そして人間になれぬ哀しみを根底に持つ女戦士として魅力的に描かれている。 ビジンダー・マリの魅力もさることながら5話はどれも傑作。 ある意味テレビ版よりもカッコいいかもしれないワルダー編と酔っ払った八名信夫でそれ以上でもそれ以下でもなかったビッグシャドウが最終にして最強の敵になる土山版こそが私にとっての01だったのだ・・・。だからあの当時TVの01の最終回が辛くて・・・・。 関係ないけど『悪女』や『ぽっかぽか』の深見じゅん氏と土山先生はご夫婦だったのですね。今回ウィキペディアで始めて知りました・・。 なんとか今年は土山作品をまとめて読みたい・・・と思う今日この頃なのです。
2009.01.03
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『てれびくん』で連載された内山まもるの最新ウルトラコミック『戦え!ウルトラ兄弟』を遅ればせながら読んだ。『てれびくん』連載時のサイズそのままのいわゆる小学館の超全集(てれびくんデラックス愛蔵版)と同じ仕様での発売、カラーグラビアで『ウルトラマンメビウス』の続編である今回のコミックスに至るまでのメインの敵アークボガールなど怪獣・宇宙人に関する情報を紹介し漫画に繋がる構成。アークボガールとその配下たる怪獣・宇宙人軍団とウルトラ兄弟の戦いを描く内山氏の筆致は全盛期と比べて衰えることなくさらにマニアックに展開。児童誌ゆえに大きなコマの分り易い展開(なにせ漫画を読む順番が矢印でしめしてある位)が内山氏が得意とする「1コマの中の怪獣やヒーローの乱戦」の画を魅せる展開になりその美しく完成度の高い画を大いに楽しむことが出来る。マニアックな例でいうと怪獣のラインナップ。メジャーから大マイナーまで実に30匹に及ぶ怪獣が登場する。ヒッポリト星人の面目躍如たる卑劣な罠に加担するのはマーゴドンとアトランタ星人にカーン星人。特にカーン星人は見開きの大ゴマで倒されるまさに男の花道、ここまでカーン星人がフィーチャーされたことがあっただろうか、いやないよなあ・・。今ひとつが豪華な客演。『ザ・ウルトラマン』のメロスと南夕子が21世紀に内山漫画で甦ると誰が考えただろう・・。ともうこの点だけでも必携の一冊といってよいと思う。なおかつ本作の続編となるメロスとジャッカル軍団の対決は現在連載中らしい。うーん・・・。漫画も凄いが冒頭の記事も凄い。当時TVでも使われた内山氏によるエンペラ星人(顔がわからない)と怪獣軍団の絵を写真で再現しているのだ。・・・何故かダンカンだけオミットされているんだけど・・・。いやもうこの記事を見るためだけにでも是非ご覧になって頂きたい、いや冗談抜きに本気で。
2008.04.11
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既に旧聞だと思いますが『フィギュア王』118号で一峰大二氏がウルトラセブンの新作を描きおろし掲載しておられます。しかも実相寺監督一周忌に合わせた幻の『宇宙人15+怪獣35』のコミカライズ。もうそれだけで怪獣漫画好きならば読まないわけには行かないし色々言う必要もないのでしょうけどこれについて少し。一峰大二版の漫画はこの怪獣がわんさかでてくることに特化したシナリオを大胆に脚色、自分の土俵にひっぱりあげて一峰版ウルトラ独自の世界を展開している。なのでケロニア・ギャンゴ・キーラ・ウー・メフィラス(すごい適当なセレクトだ)の登場する冒頭シーンは一峰版以外では考えられないチブル星人とザンパ星人が巨大化(多分)して登場している。以下登場するのは今回の黒幕バルタン星人とイカルス星人が連れてきたガブラ、リッガー、ペテロ、ギラドラス、恐竜戦車、レッドキング、スカイドン、ペスター、バド星人(シャプレー星人?)、パンドン、ケムラー、サロメ星人・・・である。最早、実相寺版の怪獣セレクトとはあまり関係ない(ピグモン位だろうか、オリジナルの脚本に近いのは)がそれもそのはずこのセレクト、一峰版コミカライズに登場した怪獣ばかりなのだ。なので脚本にあるカプセル怪獣揃い踏みは割愛されスカイドンは回転して球体になって転がる(アンギラスみたいだ)しチブル星人は巨大化して爪(オリジナルの作中では硬化剤の入ったカプセル)を飛ばし、漫画オリジナルのゴルダーまで登場している。バルタン星人の頭部のVの字が必要以上にでかいのは『バルタン星人の巻』の中扉絵を踏襲したためだろう(実は作中のバルタンはむしろ映像に近い)。後半に最後の怪獣パンドンまで登場するのには驚かされる。一峰版コミカライズの見どころはアイスラッガーをトドメに使うカッコ良さと切り裂きショーの大胆な面白さにあるのだが本作でも斬って斬って斬りまくる。好きなのはスプラッタに顔が飛び散るバルタンの最期とオリジナルでも工夫が光った今回おおあばれのガブラの最期だ。うーん、堪能した。そしてエピソードの最後にはゴードと共になんとセブン上司(ギザ・アイスラッガー)が登場しセブンを連れ帰ってしまう。つまりこのエピソード、驚くべきことにセブンの最終話なのだ。一峰版コミカライズには『史上最大の侵略』を基にした最終回が存在する。アンヌの悲しげな表情で終わる本話はパラレルなもうひとつの一峰版『ウルトラセブン』最終話として高く評価したい、一峰版怪獣漫画の総決算というべき作品といってよいと思う。せっかくならばワイアールやゴドラ、ベル、ゼロワンにクレイジーゴンにウルトラマンの怪獣(ヤマトン、ウェットン、サイボーグ恐竜含む)まで登場させてほしかった気があする。そこだけが残念でした・・。
2007.12.21
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コロコロ30周年シリーズのMyFirst BIG(平たくいえば小学館のコンビニコミックね)版「ザ・ウルトラマン」をやっと見つけました・・長かった。皆さん結構苦労されたみたいですが私も実に8軒廻りました・・。 そのうち2軒は同じコロコロ30周年シリーズの『いなかっぺ大将』がありましたので売れてたのかもしれませんが・・・。コンビニにおける配本のランク付けがあるとしたら『ザ・ウルトラマン』は低いのかも。講談社の『仮面ライダーSPIRITS』2巻本は結構どこにでおあったのに・・・結局売っているのを見つけたコンビニには2冊もありました・・。 うーん。アマゾンではコンビニコミックの新刊は基本販売されてないのですが中古・プレミアの方では300円の本書が既に1000円・・のプレミア状態。ですがこれだけ探してないともう面倒なので買っちゃうのもありかな・・という気にもなりますね・・。 中味の方はもういいよという感じの御馴染み『ザ・ウルトラマン』の『ジャッカル編』はいいとして今回の目玉は初めての単行本(といっていいのか、コンビニコミック・・)収録になる31ページの『ウルトラ5兄弟対ヤプール人』。 小学二年生の増刊号(昔はよくありましたが今はどうなんでしょう)に掲載された『ウルトラマンA』のエピソードでエースキラーとバラバが登場する13、14話の続編というべきエピソード。光の国が地球と激突しそうになるというどっかで聞いた様な展開になっています。空が割れて強豪怪獣(超獣じゃないところがイイ)4体が現われるのが見どころでしょうか。 内山まもるが現在『てれびくん』で展開している南夕子の登場が話題の『戦えウルトラ兄弟』は来年には単行本になるみたいでまずはめでたい。 当然『コロコロ一番』に掲載された分と『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟超全集』に収録された映画のコミカライズは収録されるだろうけれどせっかくなのでDVDのおまけ漫画(というより絵物語かな)も含めて単行本化してほしいところ。 あとは昭和期の単行本未収録がなあ・・・。 今回の本、『死闘!ジャッカル対ウルトラ兄弟!!編』とあるので『セブン対ファイタス編』とか『ウルトラ兄弟対バルタン帝国編』とかがあるに違いない(希望的観測)。宇宙囚人207さんの同人誌『ザ・ウチヤママモル』(なんて素敵なタイトル)で調べるとここ数年に渡り発売されたコンビニ本『帰ってきたウルトラマン』から『ウリトラマンレオ』の4冊の分を単行本に収録済みと考えて内山版の未収録は以下の通り。 『決戦ウルトラ兄弟対11大怪獣』読みきり73ページ 『ウルトラマンA 怪獣はかばの決闘』読みきり29ページ 『かがやけウルトラの星』読みきり93ページ 『ウルトラ戦士銀河大戦争』連載、内山版アンドロメロス180ページ 『ウルトラマンタロウ(小学五年生版)』112ページ(うち60ページが単行本未収録) で500ページ弱・・・来年の映画に合わせてでもいいので単行本化を強く希望します。コロムビアミュージックエンタテインメント ウルトラマン/ウルトラマン生誕40周年記念 ウルトラサウンド殿堂シリーズ(8) ザ・ウルトラマン↑こっちじゃなくて・・・↓こっちだってヴぁレジェンドヒーローリターンズ ザ・ウルトラマン メロス(ノーマルVer.)【インスパイア】
2007.11.22
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「仮面ライダーSPIRITS」の13巻が発売になっている。現在の展開は仮面ライダーV3文字通りの「最後の戦い」、四国編の完結。前巻で斃れたドクトルG、カニレザーに続き残る三幹部の最期も見どころであろうが何といってもV3・26の秘密の最強最後の技である火柱キックの描写に尽きるだろう。リアルタイムで「26の秘密」に心躍らせたものならばみたかった幻の技を村枝賢一は思い入れ強くまさに最強の技として描出しておりまさに「仮面ライダーSPIRITS」と呼ぶべき名場面になっている。また腕のアタッチメントを残して(ここでの風見との友情の証というべきしっかりと握られた右腕が泣かせる)バダンの(というよりも大首領の)もとへ向かった結城丈二の真意は如何に?最も普通の人間に近い本作の影の主人公といってもよいライダーマンの今後の動向が気になるところだ。歴代のライダーに変身、進化するJUDOとZXの戦いが続いているがむしろアマゾンとストロンガーの動向が気になって仕方が無い、というのは前巻読了後と同じ感慨である。本巻のもうひとつの読みどころは巻末のTVマガジン編集、田中利雄氏と村枝氏の特別対談であろう。この対談中のキャラクター掲載権を巡る攻防が面白い。仮面ライダーXの小学館雑誌掲載事件、がそれで、それを逆手にとっていく田中氏の辣腕ぶりが興味深い。なるほど、これで講談社が掲載叶わなかったゲッターロボとロボコンが何故TVマガジンに載ることになったのかがよく分かった。当時ロボコンは小学館(とテレビランド)が掲載権を持っていたのだがこれが堂々表紙になったのはこの「仮面ライダーX」事件がヒントだったのだなあ・・。ロボコンとタイホウバッフアローの懸賞ページでの奇妙な共演をよく覚えている。
2007.09.25
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ナオミのこんな呼びかけを聞いたらイヤでも観にいってしまいそうな電王+ゲキレン劇場版・・。・・・というのはおいといて・・。特撮ヒーロー漫画家のうるとらわいるど7さんの新作が登場です。↓「うるとらわいるど7の英雄共闘漫画館」左下にある「目次へすすむ」からどうぞ。新作ヒーロー漫画は「マナーマン」!この世の悪を正々堂々、全力をもって打ち滅ぼすマナーマンの痛快な活躍をご堪能あれ!あ、勿論未読の方はウルトラマンや仮面ライダーの熱血70年代ティストのコミカライズ群も精読のほどを・・。
2007.08.17
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2体目のゴジラが死んで二日が過ぎた。1体目は1954年、芹沢大助博士の開発したオキシジェンデストロイヤーによって消滅した。そして二体目はここでゴジラが死んだ。すべては4日前に始まった・・・坂井孝行のゴジラ前作までの内容はこちらキングギドラに捧げるエミーの涙 ゴジラVSキングギドラぎゅっと抱いて・・不器用な愛の物語 ゴジラVSモスラゴジラの死を・メカキングギドラの復讐 ゴジラVSメカゴジラシリーズ最高傑作 ゴジラVSスペースゴジラ「ゴジラVSデストロイア」は95年に公開された第22作目、「ゴジラ」(84)を含めての平成VSシリーズ7作目にして最後の作品である。脚本に「ゴジラVSモスラ」以来の大森一樹を迎えた本作は1954年の第一作に負う所の多いストーリーである。初期にあった54年のゴジラが蘇る「ゴジラVSゴーストゴジラ」の企画に川北紘一のゴジを死なせたいという意見が結びつき平成VSシリーズの完結編というかたちになった本作はゴジラがメルトダウンして死ぬというその一点に全てを収束させた映画である。そこでは最早オキシジェンデストロイヤーの産物のデストロイアも山根家の人々もGフォースもその「ゴジラの死」の装飾的な枝葉末節に過ぎない。ただ伊福部昭の音楽が鳴り響く中のゴジラの荘厳な死を観客はみつめるだけなのである。坂井版「ゴジラVSデストロイア」は漫画版に一貫して登場した黒木翔とゴジラの戦いの決着を描いた 物語である。それは映画が三枝未希を2作目以降登場させたのに似ているが「ゴジラVSビオランテ」での付けられなかった決着が付いたとみる事ができるだろう。漫画が黒木特佐を出し続けたことに関係あるかどうかわからないが映画にも黒木は特殊戦略作戦室の特佐としてスーパーX3を操縦、デストロイアを粉砕しゴジラの最期に立ち会うこととなった。漫画の登場人物は 黒木翔(Gフォース司令、自衛隊特佐) 鈴木(Gフォース隊員) 青木一馬(Gフォース隊員) 結城晶(元Gフォース隊員) 佐々木(Gフォース隊員)植杉国守(防衛庁長官)川野博士黒木翔のみが自衛隊特殊作戦室特佐として映画にでている以外は別作品の主要人物とオリジナルの登場人物で映画の主要登場人物の伊集院、山根姉弟、三枝未希、芽留、国友、麻生、山根恵美子はいっさい登場しない。青木は「ゴジラVSメカゴジラ」の、結城晶は「ゴジラVSスペースゴジラ」の(漫画版での)主人公である。佐々木隊長も「ゴジラVSメカゴジラ」から、また「ゴジラVSスペースゴジラ」の権藤千夏、「ゴジラVSモスラ」の手塚雅子、藤戸拓也も1シーンのみ登場している。このあたりは坂井ゴジラの総決算といったオールキャストで嬉しい。細かいことだが元気になった雅子と拓也は3年後も結婚はしてなかったようだ。本作のヒロインである鈴木は「ゴジラVSビオランテ」における女性スーパーX2オペレーター(鈴木京香)と考えられるが坂井版「ゴジラVSスペースゴジラ」における登場時(これは映画版の鈴木京香に似せて描かれている)と大分キャラクターが異なっている。 コミック坂井版の内容紹介に移ろう。 香港にゴジラが出現する冒頭部分はそのまま映画と同じであるがコミックではこの事態にMOGERA2号機、3号機が出動している。これは前作で盗まれたMOGERAをメカゴジラ2が追うというシークエンスに似ているがやはり暴走するゴジラの強さを誇示するために熱線の体内放射で瞬殺される。Gフォースの切り札は海底の泥を研究しオキシジェンデストロイヤーを開発するというもので伊集院の役割がGフォースに振られている。Gフォースは研究室から出現したデストロイア幼体により壊滅、佐々木隊長の犠牲で黒木、青木、鈴木の三人だけが逃げ延びる。佐々木隊長は映画の原田大二郎も好演であったが漫画版の隻眼の鬼隊長として印象深い。「ゴジラの異常、それのこのバケモノ。何とかできるのは黒木さん、アンタだけだ・・。日本をいや世界をたのみましたぜ!」身体にダイナマイト!でデストロイア幼体とともに吹き飛ぶシーンは前半の最大の見せ場であろう。黒木は防衛庁に向かうが自衛隊への復帰を出現したゴジラジュニアを撃退することを条件とされるがデストロイアを作り出し2匹を相打ちにする映画ではジュニアはバース島消滅によりアドノア島へ向かっているところをゴジラをおびき寄せるためにテレパシーで東京に無理矢理上陸させられるのだが漫画ではここで出現し飛行体のデストロイアと相打ちになる。その最期も右の腕と脚を角ミサイルで吹き飛ばされるという残酷なものだ。(青木は新怪獣を作る黒木に怖さを、鈴木はジュニアの死にゴジラの気持ちを考える描写がある)ゴジラは東京に到着し死んだジュニアに姿に咆哮する。黒木は暴走するゴジラの体内で何がおこっているのか調べるためゴジラ内核分析器をスーパーX3で取り付けるパイロットとして前回のモゲラ泥棒で懲役中である結城晶を呼び出す。鈴木が結城を監視する件りは「ゴジラVSスペースゴジラ」を読んでいると結城の出鱈目さが再認識されて面白く、鈴木もここでのやり取りが作中一番活き活きしている。これは前作が漫画として面白く出来ているせいかもしれない。 スーパーX3は映画と違い冷凍兵器に特化しているわけではなくステルス機能を強化した高機動戦闘機といった感じである。ゴジラの脚にとり付いた感じでは全長10m位で映画の38mという設定と比べても用途もデザインも大幅に異なっている。ここからゴジラの核爆発の危険性とスーパーX3の故障、ゴジラ冷却のためのサンダーコントロールシステムの使用(「ゴジラVSビオランテ」の引用、坂井版「ゴジラVSモスラ」でも使用。)、デストロイアの復活、植杉の反乱と計算違いによるゴジラメルトダウンのサスペンスとなっていく。結末は映画と同じなのだがそこへの道筋がかなり異なっている。ゴジラの安心な核爆発、メルトダウンによる地球の危機と刻々と変わる状況に関るサスペンスを映画以上に細かく描いた点は良いとしてもそこがやや面白みに欠ける。怪獣たちが人間の右往左往の中見せ場を失っており(デストロイアは映画以上に影が薄い)、それに関る人間ドラマ部分では前作のような感情の高まりが薄い。本作がサスペンスに優れる「ゴジラVSメカゴジラ」や結城のドラマを貫徹した「ゴジラVSスペースゴジラ」に比べて印象が弱いのはそこが理由だと思う。 また雑誌と単行本では結末が異なる。雑誌版ではゴジラはメルトダウンすることなく立ち往生で結末を迎える。「ゴジラは・・・人類の生んだ最大の被害者、そして最強の敵ゴジラは・・・もう動くこともできません・・・」坂井版では人類はゴジラを生み出し、そして倒しながらまた再び自らの手で(ここが映画と異なる)ゴジラを生み出してしまう皮肉な結末を描いている。但しそこが「君を助けたくて」という愛の告白のような言葉とともに描かれるのが人間ドラマを重視した坂井孝行のゴジラらしいところではないだろうか。坂井版もそうだが映画でも明確に描かれなかったが絵コンテでは新たなゴジラの誕生の後、麻生の「ヤツは人類の敵か?味方か?」という台詞と放射熱線を画面に向かって吐くゴジラ、というショッキングな描写がある。果たしてジュニアは恐怖の王ゴジラになったのだろうか?坂井孝行によるゴジラはこれで完結である。しかし平成モスラ三部作も続けてコミカライズを手掛けることになる。そしてこのモスラシリーズはゴジラとはまた別の深い感動の漫画となるのだが・・・それはまた別の機会に・・。
2007.01.08
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前日の昭和ティストの怪獣特撮コミカライズの続きです。懐かしい昭和ティストのコミカライズ、実は「うるとらわいるど7の英雄共闘漫画館」というHPで展開されているものです。↓うるとらわいるど7の英雄共闘漫画館うるとらわいるど7さんはテレビマガジンや冒険王の70年代怪獣・アニメコミカライズ黄金時代の薫陶を受けてそのティストを上手く再現しつつ、非常に現代的にマニアックな仕掛をしています。当時の怪獣少年が本当に読みたかった漫画がここにあります。まるで「テレビマガジン」や「てれびくん」に連載されていたものの抜粋といわれても全く違和感がありません。むしろ連載中のブン全部読ませてほしいという感じです。懐かしくも濃厚な怪獣漫画の世界へようこそ・・です。一枚目の画像は「仮面ライダー2号誕生」の1ページです。本郷から一文字へのライダー継承、そのテレビでは描かれざる、ただみんな知ってるエピソード。オリジナルの幹部候補怪人、ジャガーマンのルーツっぽくていいですね。何よりもこの緑川ルリ子。これには泣きました。熱い感動のライダー誕生編です。こちらは驚愕の「ウルトラマンネクサス」の最終回。この主役交代パターンが幾つか。このパターン、「マジンガーZ」の最終回以外に当時読んだような気がしますが・・・タロウの初回でエースがやられているとか・・・その辺ご存知の方ご教示御願いします。このほか「仮面ライダー剣最終回」「仮面ライダー響鬼最終回」「ウルトラマンマックス」の「ツルク星人編」、「ニセウルトラマンゼノン編」に「最終回」「ウルトラマンメビウス」のベムスター登場編(これはTV放映前にかかれたものだとか)さらに「劇場版ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」の熱血コミカライズも読めるのでまあこんな所読んでなくて早速「うるとらわいるど7の英雄共闘漫画館」まで行っちゃって下さい!!!これからこの濃厚なコミカライズを読まれる方が心から羨ましい・・。うるとらわいるど7さんの新作に期待してます。
2006.10.08
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突然ですが「ウルトラマンマックス」の最終回です。 宇宙空間での宇宙怪獣との戦い。サータンやルナチクス、ケンドロスなどのマイナー怪獣の登場も嬉しいかも。ウルトラマンゼノンとウルトラ兄弟の競演、しかもこのパノラマ風の画面作り・・。内山まもる作品を思わせる懐かしい昭和ティストですねー。地球にグドンとバードンも登場します。最強の機械獣の登場、さらに驚愕の展開が・・・。「ウルトラマンマックス」はM78星雲からきたという設定ながらウルトラ兄弟のいる世界とはパラレルな関係になっています。そこがいいところでもありもどかしいところであったわけですが・・・。この漫画ではそこを大胆にアレンジしウルトラシリーズをひとつの繋がった作品として扱っています。こうしてみると凄い展開だなあ・・。勿論映像作品はあれで文句なしなのですがこういうのが観たかったとも思わせる作品ですね。なんとこの「ウルトラマンマックス」にツルク星人も登場します。残酷ティスト溢れる描写、ミズキ隊員がツルク星人に斬られる描写は残酷でありながらエロティシズムが感じられます。このあたり往年の冒険王版すがやみつる「仮面ライダー」や桜多吾作「マジンガー」シリーズに通じているのかと。この物語はさらに見所満載だったりするのですが・・。時間切れなので・・この項続く・・(えーっ)
2006.10.07
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前作「ゴジラVSメカゴジラ」で終わるはずだった平成ゴジラシリーズ。アメリカ版製作の遅れで続けることになった中、何を描いたらよいのかその迷いがそのまま作品になったもの、それが94年の「ゴジラVSスペースゴジラ」である。本作は宇宙に運ばれたゴジラ細胞が結晶生物と合体して戻ってくるというビオランテの要素にメカゴジラの後継機モゲラの登場、さらにはモスラと小美人コスモスまで登場とこれまでのシリーズの要素を大量にとりこんでいる。しかしながら・宇宙から来た謎の生物スペースゴジラと死の結晶フィールドの戦い・スペースゴジラにリトルを結晶化されたゴジラの復讐戦・落ちこぼれのGフォース隊員新城と佐藤の物語・三枝未希を巡る行き過ぎた超能力プロジェクトと未希の初恋・ゴジラへの復讐に執着する男とその男を慕う女の物語・進退窮まるGフォース司令官の苦悩・・・・・などのストーリーが羅列されてるだけで交わることなく中途半端でどれもあまり面白くない。中心であるべき新城功二は実際主役らしい役どころを与えられておらず他のアクの強い人物に食われている。結局スペースゴジラ、ゴジラ、モゲラの福岡怪獣決戦以外には観る所がない困った作品なのである。ハードボイルド脚本家柏原寛司の描く権藤が千夏にライターを渡すシーンが感動に結実しないのはそこを納得させるだけのドラマが構築されていないからだろう。ただ、当時リアルタイムでみた子どもたちには異常に人気が高い作品であるのもみのがせない事実である。坂井版のコミック版ゴジラシリーズは毎回登場人物を絞ってきたがついに今回、主人公が登場しない。映画版の主要キャストは以下の通り新城功二(Gフォース隊員、橋爪淳 )佐藤清志(Gフォース隊員、米山善吉 )三枝未希(G研究所サイキックセンター主任小高恵美 )結城晃(元自衛隊隊員、柄本明 )権藤千夏(G研究所生物工学教授、吉川十和子 )麻生孝昭(Gフォース司令官、中尾彬 )兵頭巌(Gフォース武器開発責任者、副司令上田耕一)大久保晋(G対策協議会進化生物学博士、斉藤洋介 )コスモス (地球先住民の小美人、今村恵子 、大沢さやか)このうち本作に登場するのはコスモスを除けば主要人物はふたりだけである。これにおなじみの黒木翔が脇役として加わる。他に「ゴジラVSビオランテ」から冒頭で廃墟をレポートしていたCCNのレポーター、スーザン・ハーン、それにスーパーX2のオペレーターをしていた女性(鈴木京香)と思しき人物などが登場している(坂井氏がいかに「ゴジラVSビオランテ」がお気に入りかはこの辺の渋いキャスティングからもわかるだろう)そして・・権藤吾郎・・・本作の重要なキーパーソンである。探査機は結晶化した死の星とその原因たるゴジラらしき生物の映像を地球に送ってくる・・。一方Gフォース本部からは最新兵器であるモゲラが強奪される。犯人は元自衛隊員の結城晃。モゲラを追うのはメカゴジラ二号機(前作のデザインを踏襲)しかし能力差はいかんともしがたく撃破。しかし爆発の寸前女性パイロットがモゲラに乗り移っていたのだ。このあとは結城とGフォースの女性パイロットが喧嘩しながらゴジラを倒すためにバース島へ向かう。しかしスペースゴジラの出現によりモゲラは制御不能に。スペースゴジラは現れたゴジラを翻弄、リトルを結晶化するも光エネルギー確保のため福岡タワーへ移動。結晶フィールドを張り誰も近づけない光の王国を築こうとする・・。ゴジラは脚に巨大な結晶をうちこまれたまま福岡に上陸。フィールドは・・もはや人間の入れる場所ではなくなった・・黒木が叫ぶ。「ただ突き進んでいるのか同じ細胞が呼びあっているのかわからんが・・頼むゴジラ、スペースゴジラを倒してくれ」結城はモゲラでゴジラを撃つためフィールド突入を目論むも、女性隊員により強制分離される・・。このあたりまでの展開は映画の超能力開発シーンなどを省き結城の復讐と福岡決戦にのみ話を絞ることでスピードと緊張感のある展開でぐいぐい読者を引きずりまわす。実は映画はここまででもう最終決戦で終局だがここまでで漫画は約半分なのである。ここからは結城の夢による回想が始まる。「隊長の権藤一佐はふざけた奴で気に入らなかった・・」富士の樹海にバイオメジャーの隠したゴジラ細胞を探して入った調査隊は結城の失敗により死者まで出してしまう。瀕死の結城を背負った権藤は4日間かかって生還を果たす「恩ってなあ、売られるより売るに限るからなあ」と笑う権藤。・・権藤吾郎はその責任からか国土庁特殊災害会議Gルームへ実質的左遷となった・・。次は大阪ビジネスセンタービルのANBを使った作戦。権藤は結城を召還し作戦に参加させる。ANBは権藤と結城の2発が当たるも権藤はさらに2発目をゴジラの口に打ち込み3発目を撃たんとしたその時、帰らぬ人となった・・・。 「ゴジラVSスペースゴジラ」の骨頂はここにある。権藤吾郎の背中・・。いちども振り返らず恐怖に耐えた背中・・「権藤さんは安全のため部下に撤退命令を出しておいて自分はANBの次弾をセットしていた。ゴジラに背をむけたまま!トラックでも電車でもいい簡単に自分が殺せるモノが確実に自分の方へ迫ってきているときに、その音が確かにに届いているのに、自分の仕事(やるべきこと)をつづけられるか?ただの一度もふりかえらずに・・」「おれは永遠に借りをかえせなくなった・・」結城の行動理由は非常にわかり易い。ストレートな理由が非常に感動的だ。 ゴジラはスペースゴジラを葬る。巨大な脚の結晶がスペースゴジラの腹を突き破る。落下した福岡タワーの尖頭が咽を貫く。モゲラは合体・・ゴジラに最終決戦を挑む・・・。ここまででも十分面白いのだが・・さらにこのあとがある・・。戦いは長引きすぎていたのだ。登った朝日によりスペースゴジラが復活した・・・結晶フィールドがさらに巨大化し空へそびえる塔と化すのだった・・。ゴジラは?そして結城は復讐をはたせるのか?「ゴジラVSスペースゴジラ」の映画版は何故面白くないのだろうか?特撮に頼った作劇、中心のないエピソードの羅列、ドラマを担うことのない登場人物たち。超能力開発や超能力少女三枝未希とGフォース隊員の恋は結局の所物語と重なることもなく結城は不完全燃焼のまま退場を余儀なくされる・・。麻生が結城にモゲラに乗るのを強制するとか前述したライターのシーンは好きなのだがそれは映画の面白さとして結実することはなかったのである・・・。平成ゴジラをキングギドラ以降、自分の作品として描き続けた坂井には怪獣バトルしか見せ場のなくなってゆく映画に対する不満があったはずで、大量に投げ出された未消化な題材の幾つかの中から自分に合った題材、権藤吾郎への鎮魂歌を選び出した。「VSビオランテ」を愛する坂井氏であるが故にそのの思い入れが上手く昇華されよい方向に作品が導かれた・・・のである。本作の回想シーンにおける権藤は非常に魅力的な人物である。樹海でみせる笑顔もその背中も。あの背中に追いつきたい・・。それは結城の、男にとっての夢であり生きていくことそのものなのである。ドラマに隠れてはいるがゴジラとスペースゴジラの戦いはかなり激しい。脚に刺さった巨大な水晶体をつかったゴジラの逆襲は凄絶だし結晶化し砕けたスペースゴジラの顔面が突き立ったシーンはこれこそ映画でみたかった画といえるだろう。ただ理想の自分へと想いを馳せる男、男を思い続けながらもその背中を見守り無事を祈るしかない女・・・そんな不器用な男と女の「想い」の物語・・・。ラスト近くのやり取りが感動させるのはそれが人の想いとして結実しているせいではないだろうか・・。「ゴジラVSビオランテ」が好きな人、「ゴジラVSスペースゴジラ」に不満を感じた人、そして全てのゴジラファンに・・・是非とも自分の目で結末を確認していただきたい。最後に今ひとりの・・「ゴジラVSビオランテ」の登場人物の言葉でしめくくることにしたい。「・・・自分もあの大阪ビジネスパークの作戦に参加し権藤一佐のあの背中を見せていただいたものです。・・・自分は悲劇とは思いません。あのとき見せていただいたのは権藤一佐の死に様ではなく生き様だったと思っています・・そして、これが結城の生き様なんです。こうしなければ、やつは生きているとは感じられない人間なのだと思います!」※坂井孝行版「ゴジラVSスペースゴジラ」小学館、てんとう虫コミックスA5判1994年12月発売絶版ですが今ならamazonなどでも中古で購入可能みたいです・・・。特報!!「ゴジラ死す」ゴジラ最期の日迫る!!最強最悪のバイオ怪獣デストロイアの誕生。ジュニアの死に咆哮するゴジラ。メルトダウンするゴジラが日本を、世界を滅ぼす!青木が!佐々木隊長が!結城が戦う!破滅を食い止められるのは・・・奴しかいない・・世界の運命は黒木翔の手に委ねられた・・・。次回、完全オリジナルで贈る坂井孝行版「ゴジラVSデストロイア」にご期待ください!!
2006.09.14
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「ゴジラVSビオランテ」(89)のコミカライズは前作から恒例のてんとう虫コミックス版のほかに別な作品が存在します。OVA「戦えイクサー1」「冥王計画ゼオライマー」「ダンガイオー」シリーズを監督、最近では「エンジェルハート」を手掛けている平野俊弘の手による漫画がそれで角川のニュータイプ100%コミックスからなぜか映画公開の89年年末でなく翌90年の5月に発売されました。ストーリーそのものは非常に映画に忠実ですがデティール部分の違いが面白いので以下にその点を挙げてみましょう。美少女・三枝未希本編の主人公の「美少女」とは映画のVSシリーズに最後まで出演した三枝未希のこと。80年代後半のアニメっぽい独特な髪型と大きな眼の少女は映画の小高恵美とはまるで印象が違いますね。プロローグは1984年に小学生の未希がゴジラを予感し東京に出現したゴジラ(「ゴジラ(84)」にあたる)によって両親を失う姿が描かれます。「パパ!ママ!いやあ・・どうして・・どうして・・そんな・・ゴジラ・・どうしてこんなことするの!!」ゴジラは少女のといかけに答えず去ってゆきます。「お願い・・答えて・・お願い・・」白神博士と英理加1954年、1984年ののエピローグのあと1990年、になるのですが基本的には大森一樹の脚本の台詞を活かした比較的忠実な展開です。しかし異なる点がやはり幾つか存在します。違いのひとつは白神博士とサラジア共和国の扱いです。サラジアやバイオメジャーなどの登場はばっさり切られ博士は自らが生み出したビオランテの胎動により芦ノ湖の花獣出現以前に命を落してしまいます。言うなれば自分の娘に殺されてしまう・・ある意味映画より救われない展開ですね。映画の白神博士は娘を怪獣としてでも生き延びさせようとする狂気を内に湛えたマッドサイエンティストですが表面上は非常にダンディーです。しかし平野版では白髭に禿頭で耳の高さぐるりに髪が残っているといういかにも古典的博士のデザインになっています。スーパーX2今ひとつの大きな違いがスーパーX2のデザインでしょう。機体の8割を占める巨大なファイヤーミラーが十字状に開くデザインは本編よりかっこいいかもしれません。今の技術ならこのデザインも動かせそうですが・・。ゴジラVSビオランテ大阪ビジネスパークの決戦、権藤一佐の死からスーパーX2の撃墜。その後映画では若狭でのサンダービーム作戦になるのですがそこは省略されています。大阪のビル街に未希の願いに応えたビオランテが光とともに降臨します・・。降臨したビオランテは花獣の姿。しかし花の中央にはゴジラのような顔が・・。(本作では先行する芦ノ湖のシーンで薔薇の中央に顔が浮き出てきている描写がある)熱線を受けてさらに進化するビオランテ。絵的には非常にわかりにくいですが薔薇の中に顔があるというコンセプトは最後まで貫かれそれが膨れ上がったようなイメージで描かれています。抗核バクテリアがビオランテとの戦いの中で効きはじめゴジラはそのまま、敗北します。ビオランテは勝利の後、光となって宙へ帰っていきます。残念ながら沢口靖子の顔はうかんだりしませんが・・・最後は薔薇の花園に立つ英理加と「いつから私達は間違ってしまったのでしょう・・多分神への道を歩みはじめたと思ったときから・・もう一度あの時に戻って思い出してください・・・・」の台詞で締め括りとなります。本編とは違うデザインワークス、ことにスーパーX2は秀逸なデザインと思いますがやはりこの作品には怪獣映画の面白さが再現されたかと問われると残念ながらそうはいえないと思います。三枝未希は「ガメラ3」の比良坂綾奈と同じ立ち位置なのですがビオランテを呼び出す仲介役にとどまっています。(大阪湾での戦いも映画には忠実とはいえもう少しゴジラの精神に入り込めたら・・、とはいえオリジナルがそうなのでしょうがないといえばしょうがないのですが・・・という点で惜しいです。)その意味でゴジラVS美少女という部分が完遂されていないのが何とも残念な作品です・・・。
2006.09.07
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「ゴジラVSメカゴジラ」は93年のゴジラ映画40周年記念の第20作目、「ゴジラ」(84)を含めての平成VSシリーズ5作目の作品。映画版は海底から回収したメカキングギドラの頭部から23世紀のテクノロジーを使い対ゴジラ用の戦闘マシンを作るという導入から始まる。伊福部昭の音楽にのってのドッグに横たわるメカゴジラの姿が印象的な冒頭、青木一馬のGフォースへの転属、アドノア島の調査、ラドンVSゴジラ、ベビーの誕生、MG対ゴジラ最初の対決と機能停止、Gクラッシャー構想、ラドン復活、ベビーによるゴジラ誘導、最終決戦とほぼ怪獣に絡む戦いを中心に話が進む構成になっている。今回再見したのだがテンポよく進むストーリーは飽きさせず、VSシリーズではかなり面白い作品だと思う。今さらいうこともないが伊福部昭の音楽がまた素晴らしい(ラドンのテーマが好きなのです)。役者でいうと中尾明演じるGフォース司令官・麻生が迫力のある演技でゴジラ以上の圧倒的存在感を示しているのがこの映画の一番の見所だろう。また佐々木隊長を中心とするGフォースもプロフェッショナルな戦闘チームとして描かれ三枝未希の戦いも一応の決着をみることになる。坂井孝行版コミカライズの「ゴジラVSメカゴジラ」は怪獣バトルに特化した非常に漫画にしづらい題材に対し伏線を引きクライマックスを映画的な二転三転する展開に脚色しで映画とは違った面白さのある作品に仕上げている。まず登場人物から。 主人公は青木一馬(高嶋政宏)ヒロインは生物学者の五条梓(佐野量子) Gフォース隊長佐々木(原田大二郎)Gフォース隊員のキャサリン(S・スゥィニー)坂井漫画ではお馴染みの黒木翔特佐が自衛隊からGフォースに出向というかたちで前作から引き続き登場している。映画の主要人物である麻生司令官、三枝未希、Gフォースの曽根崎(宮川一郎太)、大前博士(川津佑介)は登場しない。映画と同じくメカキングギドラの頭部から始まる。メカゴジラのお披露目パーティから原因不明の暴走、と冒頭からぐいぐい引き込む演出。「ゴジラ×メカゴジラ」における機龍の暴走はここが案外ルーツかもしれない。転属になった青木一馬はスパルタな佐々木隊長(隻眼のたたき上げのプロの戦士。意外に人情家)にシゴかれる。青木の初任務はガルーダに搭乗しての五条梓博士のアドノア島恐竜化石調査への随行。梓は坂井版ではじゃじゃ馬の天才生物学者で大前博士不在の役割も負っている。アドノア島では本来ガルーダも青木も登場しないのがゴジラVSラドンにガルーダが絡みガルーダでゴジラを持ち上げるというシーンが前半の見せ場として付加されていて連載時の第1回のクライマックスになっている。重要なシーンはラドンの自己再生能力の描写だろう。(映画版では描かれていない為ラストのゴジラ復活が不自然に感じられる。)また 梓と卵の精神的結びつき、前作に通じる「怪獣と母性愛」がコミカルではあるものの丁寧に描写されている点にも注目したい。卵が梓がいなくなると光るという現象が起こる件り。青木と梓の関係が近づくきっかけにもなっており卵にもたれる梓の姿が大ゴマで描かれ印象的である。1回目の対ゴジラ出撃時、映画では青木はMGに乗りそびれ(て配属を変更にな)るが坂井版では海底で戦闘になる展開。MGは光線兵器主体なので海底の戦闘は不利なのだが映画ではみられないマニピュレーターモードによる戦闘(ジャンボーグAか9か)が見せ場に。「メカゴジラはゴジラとの格闘戦を前提に設計されています」引っこ抜かれた左腕からのミサイル発射、ミサイルを主体にオールレンジ攻撃でダメージを与える描写が盛り上がる。しかし何かの目的に取り付かれたかのようなゴジラの前に敗退する。青木は独房入りに。独房でで描いたスーパーメカゴジラ案が隊長の手で実行に移されることになる(映画では配車係の立場を利用してアシモフ博士に直談判してましたね)。ゴジラが卵を目的にしていると判断した黒木は卵(映画と違いベビーは生まれていない。あくまで翼竜の卵と思われている)を囮にと考えるが当然梓は逆上して反対する。言いまかされると黒木の予想通り卵を盗みだそうとする(この辺がじゃじゃ馬たる所以)も失敗。結局、卵と一緒にコンテナに乗ることを希望するのだった・・。梓と卵の載ったコンテナはラドンに奪われ、幕張のビルの上に。ラドンは攻撃で傷ついた身体で卵を孵化させようとする・・。青木の乗ったガルーダは梓を確保するもラドンをMGの攻撃から庇い墜落。そこにゴジラが出現してしまう。ゴジラの進撃をとめられず瓦礫に沈むMG。ガルーダはプラズマニードルでゴジラの両目を潰す。鮮血が飛び散り視力を失うゴジラ。かなり過激な描写。ゴジラはラドンと卵に近づいてゆく。梓はラドンと卵を救うためゴジラを殺す方法を佐々木隊長に伝える。「本当は・・こんなゴジラを殺す方法なんて教えたくなかった・・」※ここからは映画の結末を書きますので注意してください※映画版ではベビーゴジラの生体研究からゴジラの下半身の動きをつかさどる第二の脳が確認されその破壊の方法としてGクラッシャーが発案、三枝未希の超能力が第二の脳の場所を特定する眼になる。シリーズを観てきたものなら美希の苦悩の程がご理解頂けるはずだ。斃れたゴジラ。瀕死のラドンがMGに撃墜されゴジラの死体に覆い被さる。風化するラドンの身体。ゴジラの第二の脳が復活してゆく。ゴジラの眼に光が戻る。MGは計器に異常が発生。ゴジラ最強の赤い熱線でMGは完膚なきまでに破壊され大炎上する・・。美希のテレパシーを受け去ってゆくゴジラとベビー。映画はここで終わる。「やはり五条博士はアレが何だか知っていたのだ。わが自衛隊の膨大なゴジラデータをもってしても解らなかった唯一の器官、それは」「ゴジラ第二の脳」※※ここからは漫画のクライマックスです。全190ページの残り70ページ。未読の方はなるべく漫画を読んでからお読みになるのをお薦めします。MG頭部からのプラズマスパーク攻撃で第二の脳が破壊され動けなくなったゴジラ・・・。その時卵が孵化した・・・。卵からは四足の恐竜が・・ゴジラザウルス・・。この時点でベビーのデザインが上がってないなんてことが・・あったのだろうか。この辺は謎です。「じゃあゴジラは・・生まれてくるこの子の所にかけつけてきていたのか・・たった一匹に減っちまった、仲間を求めて!」「隊長、聞きましたか!ゴジラに 害意はないしそれに下半身の死んだゴジラは人類の手にあまる獣でもありません。絶滅させず保護しましょう」「わかっとる!戦意を喪失した敵は敵ではない!」佐々木隊長の意外な優しさが伝わるシーン。MGはゴジラの保護に目的を切り替える・・「ゴジラ、もういい、それ以上動くな」コントロールを失うMG。パネルは全て同じ文字が「ゴジラニ死ヲ」その瞬間「メカキングギドラの亡霊」が目覚めた。メカキングギドラのブラックボックス、「ゴジラ抹殺」のプログラム(最初の暴走が伏線)が。全てのコントロールを受け付けずゴジラ抹殺を遂行し始めるMG。光線を浴びせ背ビレを引き裂くMG。そして・・二匹目のゴジラ(ベビー)を認識するMG・・。ゴジラはベビーの盾になりマトモに砲撃を受けて首が・・・千切れます。怪獣王ゴジラここに死す・・・。このあたりの描写、容赦がない。瀕死のラドンもまたMGの攻撃で墜落、ゴジラの死体に覆い被さる。ラドンには周囲の生き物を使って自己再生する力がある・・。「あのラドンの同化作用・・・今度はゴジラの身体を吸収して復活をはかっていると思われます」「その逆だ!ラドンの方が溶けている・・・ラドンが自分の命を与えている・・。ベビーを守るために」映画でもこれ位の説明はあっても良かった気がする・・。ゴジラ復活!メカゴジラは搭乗員を脱出させる。放出される佐々木とキャサリン。「メカゴジラを侵しているメカキングギドラのプログラムは人命優先のはず。それがパイロットを降ろしたということは・・・」「相討ち覚悟で戦う気だ!」このあたりの最終バトルは迫力十分、追い討ちに次ぐ追い討ち。映画のあっさりした結末をおぎなってあまりある展開。しかもガルーダに乗っている青木と梓はまだ脱出できていない・・。オールレンジ攻撃、手首を発射してゴジラを固定、頭部からのプラズマスパーク用のニードルで再び第二の脳を攻撃!その瞬間、ゴジラがニードルを叩き落とす。「やったあ」とキャサリンが思わず言うのがいい。ゴジラの放射熱線を避けたMGはワイヤーがそのままでビルに頭から垂直に激突。ゴジラが後ろからメカゴジラの首をねじ切るという昭和ゴジラのリスペクトはまさに燃える展開。首をねじ切られたMG。終わりかと思われた瞬間、ワイヤーを放出ゴジラをぐるぐる巻きに拘束。 (「GMM東京SOS」に似てるかも・・)「ゴジラニ死ヲ」あと30秒「ゴジラニ死ヲ」あと10秒「いやーここから出して」「もうダメだーっ」間一髪、の脱出・・。そして・・・爆発の臨界「ゴジラ!早く逃げて!」「メ、メカゴジラ・・」MGの最期に涙する青木。この辺りの描写もいい。ゴジラは・・・その爆発にも耐えて生き残る・・。ゴジラの咆哮・・。「なんて生命力だ・・」「あたり前よ・・・。彼には守るべき仲間ができたんだもの・・。」ラストは海に向かい背を向けて去るゴジラとベビー・・・。前作でストーリーそのものを変えてしまった坂井孝行は今回、大筋は追いつつまるで違う作品を生み出している。映画版の面白さは麻生司令官の人を引きずり回すような存在感に美希の物語の終息(実際はそうならなかったが)派手な光線の応酬である特撮の極み、GフォースMGの非情さ、ベビーゴジラの愛らしさとラドンの献身・・・。にある。一方、そんな実際の映画の面白さと別の所で坂井版は伏線をきちんと引きたたみかける展開の面白さでこういう怪獣映画が観たいと思わせてくれる作品を作り上げている。いや本当にこの映画が観たかった・・。
2006.08.27
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以前紹介した「冒険王版新・仮面ライダー哀哭編」を遅ればせながら読みました。すがやみつるによる冒険王連載分の72.6月号からV3編になる73.8月号までの18回分を収録、ページ数は820ページです。冒険王は秋田書店の漫画雑誌でこの頃は特撮ものやアニメの作品のコミカライズを中心にした雑誌でした。ちょうど時期的にはテレビマガジンが創刊から半年、第二次怪獣ブーム転じて変身ブームの頃になります。「仮面ライダー」シリーズのすがやみつるの作品の特徴は過激な残酷描写やホラー描写ちょっとエッチな描写にあるのですがこの最初期はややそれは影を潜めています。残酷描写はXからアマゾンの時期にエッチな描写はストロンガーの時期(テレビランド版「がんばれロボコン」の頃)に最高潮を迎えるのですがだんだん描写が過激になってゆくのがわかりますね。すがや版のライダーの楽しみに怪人の複数登場があります。たまにしかテレビでは観られない怪人の協同戦線の描写が毎回観られて今みてもわくわくさせられますしゲルショッカー時にショッカーの残党が登場するのもテレビと違い世界観の広がりが感じられます。またガラガランダやクラゲウルフなどのオリジナルになってしまった怪人デザインも昔はイヤだったのですが今はそれが嬉しかったりしますね。今回の目玉、未収録だった「仮面ライダー対ショッカーライダー」はテレビ版のあっけない展開と異なり首が飛んだりの描写が多く見所の多い作品です。オリジナルの展開が多い本作ですが地獄大使がショッカーを本当に裏切るとか死神博士が変身しないとかの展開のほかピッケルシャークが正々堂々とした騎士道精神の持ち主だったりするとかの改変や改造された人間の(おもに怪人の)哀感を多く描いています。たとえばクラゲウルフの父への思い(なんか「マジンガーZ」のローレライに似た話・・)とか改造された恋人(ノコギリトカゲとナイフアルマジロ!!)の悲しみや人間の心をとりもどして死ぬミサイルヤモリとか情にからむ話が多いですね。人間の母親から怪人(ドクバリグモ)が生まれるとかコウモリやヤモリにかまれて怪人に(それはまずいのでは・・)とか怪奇趣味が多く特に前者の生理的な不愉快さ(それでも親子の情愛の物語になっている)はかなりのものだと思います。特撮やアニメコミカライズ華やかなりし時代のこの作品、意外に重く読ませます。巻末にはコミカライズの一方の雄、冒険王で一緒にマジンガーシリーズを連載していた桜多吾作との対談収録されているので興味のある人にはお薦めします。というか桜多吾作の分も完全版でだしてほしいな、色々と。次巻が楽しみなのですが、ミリオン出版さんには内山まもる版ウルトラマンの完全版をお願いしたいです。
2006.06.29
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力尽きたツルギを救ったのはウルトラの母「あなたは銀十字軍隊長・・いやウルトラの母」いやこれはカッコいい台詞。ウルトラの母、少ない台詞でも声優が池田昌子というのは嬉しいですね。・・・ペギー葉山の方がもっと感動したでしょうが・・。ディノゾールの群れ対GUYS斬鉄怪獣再び。まずはボガールがいなくなったのに怪獣が出現するのに理由をつけてあるのは嬉しい。ライトンR30(キングジョーのあれ?)により「ガメラ3」のギャオスなみの群れが1匹のこして壊滅。地上に降りた1匹もスペシウウム弾頭弾で哀れ斬首。気になることひとつ。ディノゾールが斬ったトンネルの切り口あれはあれでいいのかな???ディノゾールリバースの出現、GUYSの作戦うーん、かなり大胆な。どこかのHPで言及されてましたがあれ、デストロキングに似てる、確かに。遠距離攻撃のため第二のマケット怪獣ウィンダムが出現。ウィンダムらしく考えのなさそうな飛び込みがおかしいですね。ふたつの首からの斬鉄攻撃その特殊にして危険な攻撃がふたつ首になってさらに危険度2倍にアップ。苦戦するメビウスとGUYSにツルギいや青いウルトラマンが救援にやってきます。2対2(頭が)では分が悪いかWウルトラマンに流石のディノゾールRも・・。命名=ぴかっと光るからウルトラマンヒカリ確かにタロウと同じくらい語呂が悪い・・。「却下」だの「かわいくない」だのジャイアンに非難が集中する中賛成するミライって・・・やっぱりウルトラマンの感覚は人間と違う。さて無難に怪獣出現に理由はつきましたが以後はどうなんでしょう。期待してます。今後の話ですが雑誌情報では全くありえないノーマークの怪獣の再登場が・・・。でもあの怪獣、ウルトラ怪獣シリーズでソフビ出ていたんですよね。(誰のことでしょう?)そしていよいよ巨大宇宙人登場。あの宇宙人の登場も全く・・・いや驚きました、メビウス・・。
2006.06.27
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「ゴジラVSモスラ」は平成VSシリーズ最大のヒット作です。要因としては女性に人気の高いモスラの「怪獣総進撃」以来の復活が大きかったようです。そういえば田中好子はモスラが大好きで自ら出演を望んだという話を聞いたことがあります。大森一樹による脚本は「インディジョーンズ」を引用し前半はインファント島の未開の密林をいく冒険もの、後半は小美人を追ってきたモスラの都市破壊とゴジラとの対決に人類に向けられた地球=ガイアの怒りの産物であるバトラが絡むというモスラらしい秘境→東京へと移動するストーリーです。ある意味典型的であるのですがつまるところ見所は怪獣たちの決戦に尽きるので話をそのままコミカライズしても面白くはならない・・。そこで坂井孝行はこれを男と女の愛の再生の物語へと書きかえているのです・・。坂井版「ゴジラVSモスラ」は隕石の落下から始まります。ゴジラの復活、そして人間により汚れた地球の怒りがバトラとモスラを眠りからよびさます・・。坂井版の登場人物は藤戸拓也(別所哲也)トレジャーハンター手塚雅子(小林聡美)丸友商事のエリートで藤戸の元彼女。見た目も非常に若く映画のように「元妻」とは書かれていません。設定も国家環境計画局員から丸友の社員に変更。念のために書いておくと映画ではヒロインではありません。友兼剛史(大竹まこと)丸友商事の若きトップ。映画とは全く印象がちがいますね。コスモス・地球先住民の生き残りの小美人これらの登場人物と関りなく自衛隊の黒木特佐が登場、M6000TCシステム(「ゴジラVSビオランテ」で使用)などを駆使してモスラと戦います。それ以外の国家機関に関る登場人物は前回登場の土橋も含め三枝未希以下一切登場しません。また丸友社員の安藤、拓也と雅子の娘みどりもでてこないのです。映画では丸友の森林伐採による土砂崩れにより出土した巨大な卵の調査に考古学者である藤戸と国家環境計画局の雅子に丸友の社員安藤(村田雄浩)の3人がむかいコスモスと出会うのが発端です。坂井版では丸友の社員である雅子がインファント島開発工事のため遺跡取り壊しの許可証を拓也に書かせようとするところから始まります。以降、→コスモスとの出会い→ゴジラ出現、モスラ誕生、バトラとゴジラもつれあって海底へ姿を消す(坂井版では海底火山の噴火)→コスモスを追ってモスラの東京破壊、繭に→みなとみらいでのゴジラ、モスラ、バトラの対決→海底に沈むゴジラとバトラ→地球へむかう巨大隕石を止めるためバトラのかわりに宇宙へむかうモスラというストーリーの流れは同じなのですが作品の印象は全く異なります。一番大きな変更は雅子のキャラクターです。映画版と違い若く子供のいない雅子は本作のヒロインです。優秀なキャリアウーマンである雅子は仕事の遂行のためには汚いことも厭わない女性ですがモスラが生まれたばかりの赤ん坊ということに強く反応し優しい心根を垣間見せます。映画ではコスモスを研究機関に売り飛ばすのは拓也でしたが坂井版では雅子から友兼の手に渡っているように変更されています。コスモスを追ってきた幼虫モスラが自衛隊に攻撃され、死に瀕すると自分のしたことを悔いて慟哭するのです。 大事にしていた会社表彰の記念品の腕時計(グローリーウォッチ)を壊した雅子は拓也に心情を吐露します。「私の後先考えない仕事狂いのせいでモスラを殺してしまった・・。一生忘れないわ・・、モスラの悲鳴・・、私の罪・・・。」この後、モスラが死んでいないことを知った雅子は元気を取り戻してコスモスをモスラに返すべく丸友商事へ向かいます。クライマックスでは怪獣決戦に並行して雅子が友兼にコスモスをモスラに返すよう説得する姿が描かれてゆきます。コスモスはテレパシーでモスラを攻撃するバトラ、そしてゴジラに必死で語りかけて行きます。それはかって地球を汚して滅ぼされた民の生き残りの、今生きる者への義務としてだったのでしょうか。錯乱した友兼の銃弾からコスモスを庇い最後はその友兼をすらゴジラの熱線により割れたガラスの破片から庇い雅子は瀕死の重態に。薄れてゆく意識の中、雅子は拓也に話しかけます。 「私・・あなたと別れて本当に・・後悔したの・・・辛くて・・、仕事にすがって、おかしくなってた・・」しゃべるなという拓也に雅子は続けます。「いいでしょ・・、やっと素直になれたんだもん・・抱いて・・ぎゅっと・・」雅子を心配する拓也を気遣うように「あんまり・・・泣かないでね・・」と言ったあと静かに息を引き取ります。雅子が死んだその時、コスモスを通じて雅子を見ていたバトラが一転、モスラと協力してゴジラを攻撃し海へ運びます。そして半身を熱線で吹き飛ばされながらもゴジラとともに海底深くに沈んでゆきます・・・。バトラは自らの命を「人類の変わろうとする証」である雅子に与え死んで行くのでした・・・。 バトラが人類に一度希望を託そうと変心するプロセスがやや強引であるにも関らず感動するのはきっちりと人間ドラマを描こうとする意思にあると思われます・・。本作を経て坂井版ゴジラの面白さと凄さは次作「ゴジラVSメカゴジラ」で完全に映画を越えることになります。最後にディテールの面白いところを。コスモスがゴジラとバトラにテレパシーで説得を試みるシーンがあります。この際ゴジラの心を覗いたコスモスの台詞は「ゴジラはだめだわ・・テレパシーが通じているかどうかでさえ・・・。おそろしい・・・」なのですがここではゴジラの心奥が「三大怪獣地球最大の決戦」などとは違い人間と近いバトラなどと違い人にははかりしれないものと表現されていて結構興味深いシーンになっていますね・・。
2006.03.30
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1984年のゴジラ復活以降VSシリーズを経て「ゴジラ2000」まで小学館のコロコロコミックはゴジラ映画のコミカライズを継続していきます。ゴジラ(84)は後に「女衒」など青年漫画やイラストを手掛けた岩田和久、5年後の「ゴジラVSビオランテ」はコロコロで「ドラゴン拳」のちにホームズや伝記や学習漫画を描く小林たつよしにより描かれています。しかしこの2作は原作映画に忠実なコミカライズであまり面白みは感じられませんでした。2年後の「ゴジラVSキングギドラ」から以降「ゴジラVSデストロイア」までの5作品を手掛けることになるのがのが坂井孝行です。坂井氏は「あまいぞ!男吾」のMOO念平と同じ大学の漫画研究会出身で「ゴジラ」の他では「ストリートファイター」(劇場版、TV版)や「超者ライディーン」などのコミカライズが多い作家です。また「スーパーロボット大戦」のアンソロジーなどでも短編を発表しています。(確かコンバトラーVのちづる主演作でしたか・・)現在はてれびくんにおいて平成の仮面ライダーシリーズのコミカライズをされているようです。オリジナルの作品として「K-1ダイナマイト」があります。前置きが長くなりました。今回の本題、坂井孝行の「ゴジラVSキングギドラ」に話を移しましょう・・。映画「ゴジラVSキングギドラ」は深海を進む潜水艇が首を一本失い眠るキングギドラを見つけるところから始まります。これはラスト近くの23世紀の未来人エミー・カノーが20世紀末の日本を救うため地球均等会議の上司を説得するシーンに繋がりキングギドラに対しては何の感情も描かれていません。しかし坂井孝行は深海に横たわるキングギドラに対しエミーにこう言わせます。「この深海で200年も生きていたなんて・・。キングギドラ・・・・・許して・・・」 眼を瞑って語り掛けるエミーの頬には一筋の涙が光っている・・。映画と同じシーンでありながら印象の全く異なる所から始まる本コミカライズ(以下坂井版ゴジラと呼称します)はストーリーの流れそのものに映画との大きな変更はありません。しかしページ数の都合エピソードを削るため登場人物が大幅に削られています。登場人物は 寺沢健一郎 ノンフィクションライター。ゴジラをステーキにして食ってやるが口癖。 エミー・カノーウイルソングレンチコ 以上、三人の未来人アンドロイドM11土橋内閣安全保障室長(映画では腰の低い小林昭二、坂井版では貫禄あるマッチョなヒゲの男)黒木特佐(高嶋政伸が「ゴジラVSビオランテ」で演じた。映画は不登場)三枝未希(小高恵美)や新堂会長(土屋嘉男)、真崎教授(佐々木勝彦)などの映画での主要登場人物は登場しません。その結果タイムワープシーンはエミーと寺沢、M11のみ、当然ラスト近くのゴジラと新堂が見つめあう名シーンもありません。何よりも平成VSシリーズ全作に出演した超能力少女三枝未希が出ないのは大きな改変でしょう・・。それに対して黒木特佐は以後坂井ゴジラの顔となっていく のですがここではそれは置いておきます。登場人物が減ることによりタイムワープによるゴジラザウルスのゴジラ化回避→キングギドラ出現→ゴジラ登場→キングギドラとの対決、エミー除く未来人の最期→ゴジラ札幌壊滅、東京蹂躙→メカキングギドラとゴジラの対決がテンポよく191ページ内におさまっています。ひとつ特記すべきはラスト。映画ではゴジラと共に海に落下したメカキングギドラからエミーの乗った飛行艇キッズが浮上、そのまま未来に帰るのですが、漫画版は違います・・。寺沢「やったなエミー」エミー「(得意げに)ふふふっ」M11「高熱源体接近!!」キッズは海からの熱線に包まれる・・。メカキングギドラと共に海底へ沈んでいくゴジラが海中から熱線を吐いている!!M11「防御シールド・・消失・・。次を食らったらこんどこそダダダメでどす」エミー「M11?」M11「今今の熱線で私の回路もも・・・・」エミー「エ、M11、M11-っ」光る海。熱線の火柱が上がる。一本、二本、三本、四本、五本・・・手動で必死にかわすキッズのエミー。エミー「いやああああああああ!!(泣きながら絶叫)」やがて海底深く沈んだゴジラの熱線は水面まで届かなくなる・・・。映画版のあっさりしたラストの印象を補う視覚的に訴えるサスペンス感のある展開でした・・・。このラストとトラッド(=キングギドラ)のために見せる涙に映画版とは違う坂井ゴジラ独自の面白さがあります。以後坂井ゴジラはこの後も続くのですが次作「ゴジラVSモスラ」ではさらに大胆な独自の展開がみられることになるのです・・。
2006.03.28
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「怪獣王ゴジラ」といっても映画ではありません。平成ゴジラシリーズが高い興行成績を上げる中1992年コミックボンボン誌に10ヶ月に渡り連載された漫画です。時期としては91年末に「ゴジラVSキングギドラ」が公開された後に始まり、92年末の「ゴジラVSモスラ」の公開後迄の時期の連載でした。設定としては平成VSシリーズと昭和ゴジラが歴史として重なった歴史。構成が怪獣研究家の安井尚志なのでかなりマニアックになっています。漫画は河本ひろし。18禁の爆乳漫画でおなじみの方ですね。1「マッド鬼山からの挑戦」2「ゴジラ怒りの放射熱線」3「メカ怪獣の狂騒曲」4「ゴジラ処刑される」5「怪獣VS恐竜」6「WX星人の正体とは」7「赤い海のワナ」8「目ざめよゴジラ」9「史上最大の決戦(前編)」10「史上最大の決戦(後編)」以上全10話。基本的なストーリーは以下の通りです。太平洋サタン環礁の無人島に住むマッドサイエンティストマッド鬼山。主人公の日出雄少年は兄の安全保障室Gチームの金子一佐はゴジラとともに鬼山の作り出す怪獣と戦うことになります・・。第1話。30年前白根山で誕生したバラゴンの一部を使い海底怪獣シーバラゴンを作り出した鬼山。この辺いかにも怪獣好きが好みそうな設定です。バラゴンを見た金子が「・・今から三十年ほど前フランケンシュタインと戦い富士山麓の地底に消えたはずの怪獣だが・・・やつは地底怪獣だ。海ではいきられないはず。しかもこいつは全長百メートルもあるぞ」と怪獣マニアの読者の突っ込みどころを先回りするのは安井氏らしい。このバラゴン角も牙も異様に長いんですけどね。この後ゴジラが現れて・・はパターンですが面白いのはここから。攻撃、ゴジラ登場で対峙する二匹。ゴジラ「ゴアゴォォ(なんだてめえは)」バラゴン「ングッ(・・・)」そうです。この作品怪獣が怪獣語で会話するのですよ。バラゴンが身の軽さをいかして逃げ回ると「ゴゴゥ・・(このヤロー)」「グガアッ(てめえにげんじゃねえ」「ゲゴゴゴッ(ならばこれでもくらいな)」「グガッ(なにっ!!)」という具合。しかし幾らゴジラと同じ100メートルサイズになろうと格の違いは歴然としていてバラゴンは角を折られゴジラの熱線で倒されます・・。「ゴジラがまた海に」「海はゴジラの家なんだよ」「わしのだいじなバラゴンを・・ゴジラのやつおぼえてろよぉ」マニアックかつ少年マンガの王道な展開です。しかしまあ、このゴジラの言葉の汚いこと。勘違いした「オレさま」口調なのがちょっと気になります・・。第2話にはビオランテとメガロが登場。ゴジラがビオランテを根元から引っこ抜きメガロに向かって投げるという展開、とんできたビオランテをメガロが殺獣光線で綺麗さっぱり焼き尽くすという「仲間を焼き殺すとはなんて残酷なヤツなんだ」な展開です。第3話はメカゴジラ(昭和)とメカニコングが登場。鬼山が川崎海底トンネルでメカゴジラの電子頭脳を発見し再生という展開は「ゴジラVSメカゴジラ」より早い。鬼山がメカニコングを「100メートルサイズにつくったんじゃよ」とわざわざいわせるあたりも細かいですね。第4話はラドンが登場。「グルルル・・(訳:うす汚え焼き鳥め)」はかっての相棒にあんまりでしょう。第5話はゴジラがタイムワープ光線を浴びてしまいます。恐竜に戻って焦るゴジラの台詞が面白い。「グケガガガッ(訳;どうしちまったんだオレの姿が昔のゴジラザウルスに戻っちまった)」一方アンキロサウルスは光線を浴び逆にアンギラスに。顔つきから見て初代のようです。身体をまるめてアンギラスボールになる大技を「ゴジラファイナルウォーズ」よりも10年早くやってます。・・まあ最後は「グワッワガ(訳:アンギラスよ怪獣花火にしてやるぜ)」なんですが。最後は地球へキングギドラとガイガンが向かっているところで終わってます。第6話ではWX星人がキングギドラ三世をでゴジラに挑戦。この三世、羽根を振動させ透明になるという能力を持っていますがあまり役に立っていません。透明なところに放射熱線を吹きかけられて「空が燃えている・・」登場をするためだけの能力のような。ギドラの鳴き声はゴジラがグ系に対しキ系です。たとえば「キュルルルルン!(訳ゴジラよ空から地面に叩きつけてやる)」とか「キキッ(訳:しまった)」だったり「キュルルン(訳:カタをつけてやる)」と思えば「キエエエン(訳:死ね~)」という訳です。これはあの昭和ギドラの金属音なのでしょうねキ系。最後はゴジラのヌクレアタイフーン(?)で真ん中の首以外を失い逃げ去るギドラ。傷ついたゴジラも海へ落下していきます。第7話では「海が赤いわっ」と羽根の生えたエビラが登場。所詮はエビラなのですがこれは囮でゴジラは液体窒素で南の海の上で凍結します。第8話では防衛軍により処刑されかけるゴジラでしたがマッド鬼山の仕掛けたコントロール装置で復活、街を破壊します。Gチームに装置を破壊されたゴジラは正気に戻って鬼山が操縦するガイガンと対決し撃破します・・。ん?正気に戻って・・・街を破壊しないのかゴジラ?第9話では鬼山はゴジラの身体を中心にキングギドラの首、バトラの羽根を持つキングゴジラを誕生させます。鬼山は自分を怪獣に合成し怪獣の頭脳となる暴走ぶりです。怪獣になりたかったのか、鬼山。第10話では防衛軍の最終兵器マシーンゴジラが登場。(注:「ゴジラVSメカゴジラ」の企画はこの時点ではまだありませんでした。)ゴジラのことを一番よく知っているという理由(戦闘にあまり関係ないよなあ)で神子一佐はともかく小学生の日出雄くんと科学者のリンダ博士が操縦するのはいかがなものかと思いますが・・。両手がメーサーになるあまり意味のないギミックのついたマシーンゴジラは腹部にビオランテまで合成していたキングゴジラにたちまち形勢逆転。そこへゴジラ登場。後ろからビオランテの顔を持つ腹部を熱線で貫通します。・・メガロの時といいビオランテ嫌われてるのでしょうか?最後はゴジラがキングゴジラとともに「ググッワッ(おれの故郷マグマの中に帰ろうぜ)」と火山にダイブ。・・・・。そんな設定でしたっけ?最後は空に浮かぶゴジラの顔。「またへんなやつがあらわれたらオレさまがたたきのめしてやるぜ!!グワアアアアッ!!」・・・で完結します。いにしえの番長まんがだなあ。おまけ漫画「ストリートファイターゴジラ」で本編未登場のヘドラとモスラ(モス子)が登場。凄い爆乳の小美人コスモスも出てきます。爆乳漫画家・河本ひろしの最大の功績はゴジラの漫画に小学生巨乳絵美子ちゃん、爆乳女教師水野亜美(仮名、亜美ちゃん、緊縛されてるし)、爆乳国連科学者リンダ・ミラーと毎回欠かさず巨乳を登場させたことにあった、と・・・・。え?そんな結論か??
2006.03.20
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91~95年にかけてのいわゆる平成のVSゴジラシリーズは2005年のファイナルウォーズの観客動員不振ぶりとは対象的にその年のベスト10に顔を必ず出しような興行的成功を収めたシリーズでした。そんな中、コロコロとボンボン、当時の2大児童向けマンガ雑誌では「ゴジラVsモスラ」、「ゴジラVsメカゴジラ」の2作品が競作として劇場公開に合わせて描かれています。今回はボンボン版、作画川石てつや、構成安井尚志の作品について語ります。「ゴジラVsモスラ」の映画との一番の違いは主人公が三枝未希の弟、晃司(オリジナルキャラクター)にかえられていることです。幼年向けの作品ではしばしばあることですが読者が感情移入しやすいようにの変更だと思われます。あとは藤戸夫妻(別所哲也と小林聡美映画版と違い夫婦らしい)と同行するの安東(村田雄浩)が悪人ということくらいでしょうか。あとは安井が原作を担当した「怪獣王ゴジラ」と同じく怪獣同士の会話。特にバトラが饒舌。ゴジラとバトラの会話?はこんな風。クライマックス海上までゴジラをモスラと運んできたバトラはゴジラのパンチで瀕死の状態・・モスラに後を託して落下するシーン・・。ゴジラ「くそっ!はなせ!はなさねえか!!」バトラ「ヘッ!そんなつれねえこと言いなさんな。このままいっしょに死のう・・ぜっ!!」何か日活アクションの宍戸錠みたいです、バトラ。「ゴジラVsメカゴジラ」は続けて川石てつやと安井尚志が担当しています。主要登場人物は青木(高島政弘)に佐々木隊長(原田大二郎)、三枝未希(なんとはなからメカゴジラのパイロット)の3人だけ(!)。青木が前作の晃司なみのこどもっぽい暴れん坊に設定されています。本作は4ヶ月間の短期連載で、シミュレーション、トラップ、スクランブル、ラストバトルの4回構成。劇場版で幻となったシミュレーションのバトラ、ギドラとの戦闘、ゴジラ(なぜか正体は初代メカゴジラ・・)との対決も再現されています。1話ごとに盛り上げを作る構成のためガルーダを使ったメカゴジラメガキャノンモードに工夫と苦労が伺えます。さてラストバトルではGクラッシャーを使うのをとめようとするベビーゴジラを佐々木隊長が「じゃまするな!きさまあ!」と殴りとばすなどのあんまりな展開がみられます。読者ひきまくりです。ラドンと合体後一転してメカゴジラを痛めつけるゴジラの描写が迫力あり、ラストゴジラが去ると同時に崩れ落ちるメカゴジラなんて描写はいいですね。あと何故か単行本版巻末には映画に沿った9Pの漫画が掲載。こちらは五条梓博士(佐野量子)もちゃんと登場します。川石版はストーリーは登場人物を減らし単純化しているとはいえ大筋では意外と映画に忠実です。しかし残念ながら怪獣の対決と怪獣に関る人間たちのドラマを上手く描ききっているとはいえません・・・。一方のコロコロ版は・・・。
2006.03.11
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「ケロロ軍曹」は今はガンプラはでてくるけれど児童漫画という印象が一般的になってきていますが藤子・F不二雄的な世界観に濃厚なパロディがさらっとはいっているのが面白い、非常にマニアックな漫画です。ただ、正統な児童漫画としても読めるし十分に面白いのですが、小学館漫画賞を児童部門で受賞したニュースを聞いたときには何か みんな、だまされているという印象を受けたのは否定できません。さて、今回の「ケロロ軍曹12巻」はギロロのヤセ我慢な恋情話などに加え児童向けの「ケロロランド」(これも最初は冗談と思い込んでました・・)掲載分も収録されおり明らかに雰囲気が違う、「ドラえもん」で小学一年生掲載作品がまじっているような違和感を感じさせてまたその感覚が面白いです。昭和40年代特撮ファンにはやはり「ばァれェたァかァー」でしょう。このコブラ型のヴァイパー星人はケロン人の天敵で以前も「ゴレンジャー」ネタをやってたのですが今回のネタは・・・。まあ「コブラ」つながりで。(わかるかな?)※ついでにいわずもがなのことをいえばサイコガンだしねー。あとはダグラムネタとかおなじみオシシ仮面とか・・・まだまだいいたいことはありますがこの辺で・・ゲロゲーロ。
2006.03.03
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「怪獣王ゴジラ」といっても映画の話ではありません。1992年コミックボンボン誌に10ヶ月に渡り連載された漫画です。時期としては91年末に「ゴジラVSキングギドラ」が公開された後に始まり、92年末の「ゴジラVSモスラ」の公開後の時期の連載でした。設定としては平成VSシリーズと昭和ゴジラが歴史として重なった歴史。構成が安井尚志なのでかなりマニアック。漫画は河本ひろし。18禁の爆乳漫画でおなじみの方ですね。太平洋サタン環礁の無人島に住むマッドサイエンティストマッド鬼山。主人公の日出雄少年は兄の安全保障室Gチームの金子一佐はゴジラとともに鬼山の作り出す怪獣と戦うことに。「30年前に白根山で誕生したバラゴンの一部を使って」海底怪獣シーバラゴンを作り出した鬼山。この辺いかにも怪獣好きが好みそうな設定です。バラゴンを見た金子が「・・今から三十年ほど前フランケンシュタインと戦い富士山麓の地底に消えたはずの怪獣だが・・・やつは地底怪獣だ。海ではいきられないはず。しかもこいつは全長百メートルもあるぞ」と怪獣マニアの読者の突っ込みどころを先回りしてつぶします。角も牙も異様に長いんですけどね。この後ゴジラが現れて・・はパターンですが面白いのはここから。攻撃、ゴジラ登場で対峙する二匹。ゴジラ「ゴアゴォォ(なんだてめえは)」バラゴン「ングッ(・・・)」そうです。この作品怪獣が怪獣語で会話するのですよ。バラゴンが身の軽さをいかして逃げ回ると「ゴゴゥ・・(このヤロー)」「グガアッ(てめえにげんじゃねえ」「ゲゴゴゴッ(ならばこれでもくらいな)」「グガッ(なにっ!!)」という具合。しかし幾らゴジラと同じ100メートルサイズになろうと格の違いは歴然としていてバラゴンは角を折られゴジラの熱線で倒されます・・。「ゴジラがまた海に」「海はゴジラの家なんだよ」「わしのだいじなバラゴンを・・ゴジラのやつおぼえてろよぉ」マニアックかつ少年マンガの王道。ただ河本ひろしだけにお友達の絵美子ちゃんのお乳も子供サイズとは思えない程大きかったりするのでした・・。
2006.02.26
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