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久しぶりに水島漫画の記事・・・残念な記事になってしまった。週刊文春6/4の記事から。もう「ドカベン」「あぶさん」に使うな野村監督とサッチーが水島新司に”絶縁状”過激な煽り文句だが実際の記事を読んでも要領を得ない。「ドカベンスーパースターズ編」で野村監督の現役時代の囁き戦術を一球さんが披露する話(当然野村監督も出演)が描かれたばかりなので驚いた。5/11に行われたプロ野球実行委員会の文書による申し入れがあり内容は以下のとおりだったといわれる。「今後は水島新司氏の漫画に野村監督の実名を利用しないよう、日本野球機構と水島プロダクション、出版社の間で交わされている覚書を改正して欲しい」その理由として「本人を離れたところでキャラクターが形成され本人のイメージが被るマイナスが大きい」と説明があったとされている。以上は球界関係者の発言で実際はどうなのかはわからないが概ねこういうことであるらしい。また「このまま放置すれば野村監督自身が差止請求をせざるを得ないケースもある」とまで楽天側が言ったとされている。楽天・米田代表によると野村監督側の要望があって、のことらしいが今になって何があったのか。文春は野村監督、野村沙知代にインタビューを試みているが野村監督は「俺は何も知らない。女房に聞いてくれ」の一点張り。一方のサッチーの方は問答にならず電話を切られ話を聞くことができなかったようだ。これについて問われた水島新司の方は「野村監督との親交に何の変化もございません」と直筆のFAXを送ってきたという。水島作品における野村克也は「あぶさん」では初期は南海監督ゆえに主人公を導く重要な役割を担い、以降、ロッテ、西武での選手としてはライバルとして、またヤクルト、阪神そして楽天の監督としてもそうだが主人公のかけがえのない師として度々登場していた。確か巨人とのトレード話が出た際、野村宅にあぶさんが訪れるというエピソードがありその際にはサッチー(かなり美人にかかれている)も登場していたと記憶する。文春の記事では山田のモデルも野村とあったが・・・そうでしたっけか?頭脳のある捕手で長打力はあるが鈍足・・・全部といわず野村のイメージがヒントになっている部分ももちろんあるだろうが・・・ちなみに野村は通算100個以上の盗塁を記録している。また「野球狂の詩」ではオールスターの敵軍選手・監督として以外に重要な役どころで登場する。水原勇気から三振を奪われる役どころがそれでこれをきっかけに女性プロ野球選手水原勇気が実現する。また水島に相談され女性プロ野球選手の可能性をアリとしたのも野村であると伝えられる。いわば水原勇気の生みの親の一人といって差し支えないだろう。のちの「新・野球狂の詩」においては水原の読心術で阪神時代の野村監督の作戦が次々に見破られるというエピソードが描かれている。「男を手玉にとる女の怖さ」みたいなものが主題で自分の表情のどこが読まれているのかを悩む野村の姿がなんともほほえましい。絶縁というと絶縁している南海OBが集まるエピソードが「あぶさん」の中では描かれているのだが問題にするならばそこ辺りで今さら何故?なのかわからない。文春の記事では「サッチーが「野村の名前で商売されるのは許せない」と言い出して楽天も頭を抱えている」とある。南海も阪神でも野村が監督を辞めた原因はサッチーといわれているが楽天が優勝の可能性ある今でも野村、今期限りの噂があるのはこのあたりに原因があるのだろうか。今更、水島漫画に野村が出ないからという向きもあろうがせめて「あぶさん」の最後(引退しても終わるかどうかわからないが)は師の登場があってこそ盛り上がろうに、と思うと残念でならない。
2009.05.30
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2009.05.16
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「世界に誇れる日本の芸術家555」という新書が今年の初めに出ていてその中の一人に我らが水島先生が植田まさし先生らに混じって選ばれている・・・・なんでやねん・・・。 この本の555人のセレクトは非常に面白いのですがそれはまた別の話・・。 少年チャンピオン34号は「ありがとう水島新司先生画業50周年」の永久保存版記念特大号。 表紙に出版社の壁を越えてあぶさんや水原勇気まで載ったこの特集、全作品リストに年表、インタビューはともかくコメントを寄せたゲストが現在の連載漫画家26人(すべてイラストいり)に加えて50周年に合わせた50人、これがもの凄いのだ。 ON、ビートたけしや松井、江川あたりは別に驚かないのだが表紙同様、小学館・集英社・白泉社・講談社の漫画家が出版社の壁を越えてずらり1ページつかって絵つきでコメントを寄せている。ちばてつや(水島と同年齢なのには驚いた) さいとうたかを つのだじろう 永井豪 藤子不二雄A(シンちゃんと山田って・・) 矢口高雄(この方も同年齢だとか) 本宮ひろ志 山上たつひこ 川崎のぼる 影丸穣也 北見けんいち かわぐちかいじ さだやす圭 秋本治 という漫画全集のごときレジェンドに 高橋留美子 あだち充 井上雄彦(スラムダンク) 高橋ヒロシ(クローズ) ハロルド作石(BECK) 森川ジョージ(はじめの一歩) 曽田正人(め組の大吾) 満田拓也(MAJOR) 川原正敏(海皇紀) 寺島裕二(ダイヤのA) の現在を代表する作家がコメントを寄せている 同時代のチャンピオン作家(永井豪や山上たつひこら)がコメントにのみなのが残念だがあの鴨川つばめが似顔絵とコメントのみだけれど寄稿しているのが嬉しい。 見どころは1ページ使った祝いの言葉。 おなじみのパンチと犬小屋とか魚持った浜ちゃん・・の方もいらっしゃる錚々たるメンバーによる水島キャラが全く面白い・・脱力するもの(秋本治の山田はたぶん元巨人の大久保クラスの選手にしかみえないとか高橋陽一の明訓メンバーは野球できなさそうな位ひ弱そうとか・・)もあるがここは川崎のぼると高橋留美子のお二人に注目したい。 川崎のぼるといえば水島新司にとっての仮想敵「巨人の星」の作者だが水島が描くよりも迫力ある「球鬼」岩田鉄五郎(「鉄五郎のバラード」の薔薇を加えた絵だ)を描かれ、 高橋留美子ははじめてもらったサインが水島だったことを語られており実に貴重なラムと国立(目もと涼しげなるーみっくアレンジがいいです。これは貴重)の2ショットを描かれている。高橋留美子、コメントの好きだった作品に「ドカベン」が入っていないのが嬉しい。 ・・というのは私の好み(ドカベン嫌いの野球狂びいき)なのでファンの方は是非ご確認いただきたい。あえてドカベン絵から選べばさだやす圭の「孫六VS山田」かなあ・・。 で最後が「デトロイトメタルシティ」の若杉公徳なのは関連性思い浮かばなくて意外だ。 是非山田たちを「サツガイ」していただきたい。(この漫画しらない方、わかりにくくてスイマセン) で50周年を迎えた水島先生なのですが・・。 「あぶさん」は還暦のあぶさんは4割を打てるのかというなんともコメントしようのない展開。 で今週号の「ドカベンスーパースターズ編」はオールスターゲームで阪神の藤川VS全パ・・なのですが森本(日本ハム)と山崎(楽天)を除くと全く投手の里中含め先発メンバー8人が水島キャラ・・・うーん・・。 中でも微笑はスーパースターズ編では凡退しているのしか見たことない(山田や岩鬼をよく見せるためのかませ犬なので・・)のに全パの6番なのはねえ・・。みてないとこで打つタイプなのか? 水島先生の「おかしなおかしなプロ野球」の世界はどこまで続くのか・・こうなれば最後まで見届けたい、こういうのを「毒をくらわば皿まで」というのかと身をもって感じる今日このごろだったりする・・。ホントは隠れた名作「平成野球草子」みたいな水島らしい読み切りの野球漫画が一番読みたいのだけど・・・(蛇足ですが・・チャンピオン雑感)チャンピオンは私が昔も今も唯一買うことがある少年誌なのだけれど「無敵看板娘N」なきあと1番が「24のひとみ」で2番が「鉄鍋のジャン!R」というと辛そうだけれど今回ひさしぶりにほぼ全部読みました(読まなかったというか読めなかったのは「聖闘士星矢冥王神話」)が意外に楽しめた。何とかいいながらバキも浦安も読めてしまうので・・。 「ストライプブルー」と「ANGEL VOICE」がいい感じですがまだ導入部なのでこれからに期待。ホラーなヒューマンドラマ「私は加護女」と少年のダメさが心地いいヲタ版「南くんの恋人」・「ヤンキーフィギュア」が個人的にはツボかも。チャンピオンらしい変化球の漫画が今現在はないみたいなのでそのあたりも期待したいところかも。
2007.07.20
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1974年から「少年チャンピオン」に連載された「がきデカ」。 「ブラックジャック」「ドカベン」「マカロニほうれん荘」と並ぶ昭和50年代前半の「少年チャンピオン」黄金時代の代表作のひとつです。 死刑! アフリカ象が好き! 八丈島のきょんっ! んぺっ! にゃおんのきょうふ ぜっとぉぉーっ!!きんじられたぜっぉぉーっ!! 失礼しました・・これら異常なフレーズギャグと人体のモノ化、動物化と露出で当時の小学生の人格形成に大きな影響を与えた作品が「がきデカ」だったりします。 初期のがきデカが面白かったという意見がありますがどうして実は中盤から後半が実に面白い作品です。ご本人の方もそう思っていらっしゃったらしく 数年前出て今はコンビニコミックの形態で出ている「ベストオブがきデカ」は初期の短編は一切収録されず確か16巻と17巻の漫画しか収録されていなかったりします。(大人の別の事情があったのかもしれませんが) そんな全26巻(今でも購入可能)には続編が存在します。 山上たつひこがまんが家から小説家へ転身する直前の「がきデカファイナル」(91年刊)がそれでこちらはやたらとたま(「さよなら人類」の歌手)が出てくる意外は往年の絶頂期を思わせる快心の作ばかりでファンならずとも読んで欲しい一冊です。 この最終話で山頭火の如く旅に出たこまわり君は突如2004年末に2回集中連載で「ビッグコミック」にて復活します。 38歳になった山田こまわりを主人公にした「中春こまわり君」がそれで奥さんに家出されたこまわり君が主人公。 コメデイ部分はあれども人生の苦渋を感じさせるいい感じの作品に仕上がっていました。 06年はまた突然3回の短期集中連載。 今度は地べたを這いずり回るジュンちゃんの暗い人生がギャグと絡めてかかれていました。 さて・・噂では2006年末にも続編がの話のあった本作、未だ掲載がありません・・・故に普段は読まないビッグコミックが発売される度に毎回確認し続けているのですが・・・。 あぁーっ・・こまわり君が待ち遠しい・・・。
2007.02.12
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石川賢が亡くなってしまった・・。代表作は「ゲッターロボ」「虚無戦記」シリーズ・・。グロテスクでバイオレンスそしてナンセンスなギャグ。ゲッターロボに小学生のリアルタイムで接した世代にとってはトラウマであると同時に長く共にあり続けた作家だった。最初に読んだのは恐らく「変身忍者嵐」のコミカライズ。ノミドクロの出るギャグ編と記憶する。ギャグとバイオレンス(あとエロ)のいり混じった作品はその頃のコミカライズで多く描かれていたがアクション描写が強く印象に残っている。シャープな「キューティハニー」や馬鹿馬鹿しさ満点の「ドロロンえん魔くん」のコミカライズもオリジナル以上に好きな作品だ。えん魔くんの最終回(サイシュウ怪)ネタのナンセンスさは明確な最終回のない永井版よりも印象的である。「ウルトラマンタロウ」(サンデー版)のオリジナルと全く異なるハードな世界観も驚かされた。小学一年生版ではバルタンやメフィラスを串刺しにして殺すいかにも石川賢な描写もあった・・。考えると「魔界転生」も「天と地と」もコミカライズ。なによりも「ゲッターロボサーガ」なのだが・・・永井豪原作で作画を担当した(いうまでもなく「ゲッターロボ」には永井豪はデザインの示唆位で内容にはほとんど関っていない・・はずである)・・という追悼記事は・・確かに間違いではないのだが、真価が全く伝わらなく思え残念だ。もう虚無戦記もゲッターロボの続編も読めないと思うと非常に寂しい。ご冥福をお祈りします。
2006.11.18
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徳間書店から往年の雑誌タイトルを戴いた「COMICリュウ」が新創刊されました。表紙タイトルからみると「ドリームバスター」(宮部みゆき・中平正彦)が一番、「ルー=ガルー」(京極夏彦・樋口彰彦)、「三つ目の夢二」(大塚英志騎崎サブゼロ)、「陽だまり少女紀行」松本規之となるのですが・・最初のふたつは徳間が版権をもつ人気小説家の作品を原作を柱にというのはわかるし確かに面白いのは面白いのですが・・ちょっと弱いかな。(おもいでエマノンに次号からの銀英伝・・・もそうですよね)さらに吾妻ひでお「不条理日記2006」安彦良和「麗島夢譚」に鶴田謙二・梶尾真治の「おもいでエマノン」とビッグネームが並ぶのですが・・。私としては「不条理日記」とエマノン、(あとはルー=ガルー)があったから買ったのですが意外に中堅・ベテランのふくやまけいことか伊藤伸平、、五十嵐浩一、遠藤浩輝が面白く読めた。不勉強ゆえに存じ上げなかった小石川ふにと石黒正数が結構いい感じなので他の作品もちょっと読んでみようという気にさせられました・・。目指すところは旧リュウや少年キャプテンの延長線上にあるSFやファンタジー系の作品中心のラインナップですね。アフタヌーンを大衆化したような印象・・というのは言いすぎ?全部抵抗なく読めたのですが今後の展望として絶対読まなきゃ・・という牽引力が弱い気がするのでちょっと心配です。キャプテンの流れから島本和彦と唐沢なをきがいたらなあ・・というのもありますね。今回はなぜか押井守監督の「立喰師列伝」の番外編映画のDVDがついているのでお買い得といえばお買い得かも。書き忘れてましたが・・買って一番最初に読んだのは安永航一郎の「MMリトルモーニング」(どこがメルヘンなんよ!)なのは当然・・ながら秘密です。
2006.09.22
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↑早川文庫「クルクルくりん」全3巻、絶版の徳間書店版全5巻とり・みきは日記調のノンフィクション漫画の大傑作「愛のさかあがり」、ギャグ漫画家として完成度の高いギャグアンソロジー「ひいびい・じいびい」や叙情性やSFマインドあふれる「山の音」、「クレープを二度食えば」、その集大成たる未来の本にまつわる長編DAIHONYAシリーズなどの優れた作品を残していますが最初のメジャーヒットが「クルクルくりん」だったりします。この作品は80年代前半に描かれた美少女を主人公としたコメディで前作「るんるんカンパニー」がギャグの暴走で話がなりたっているのとは対照的にコメディ、しかもラブコメでしかしながら多重人格を扱った当時としては結構先鋭的なテーマの作品だったりします。今年になって文庫化された「クルクルくりん」ですが表紙及びあとがき漫画、隙間埋めイラストが描きおろしになり現在のとり・みき調の絵柄と20年前のオリジナルとのギャップがすごいです・・。どちらかといえばロリっぽかったくりんが同一人物の中学生とは思えない大人っぽい色気すら感じさせる姿に変貌しています・・・。私的なお薦めは「時をかけるくりん」「学園戦隊トリカマン」「こちら撮影現場」。「時をかけるくりん」はそのまま「時をかける少女」のパロディ。 原田知世に入れ込んでいた頃のとり・みきらしい作品。「学園戦隊トリカマン」は学園祭で戦隊特撮映画を作るというねた。くりんのライバルの麻衣ちゃんが戦隊ものを「意味もなく爆発したり巨大化したり宅地造成所で戦ったりしてくだらない」と妙に詳しく批評するのもおかしいですね。同級生のブチ子さんがデザインを担当するのですがこれが当時科学戦隊ダイナマンのデザインを手がけていた出渕裕その人でトリカマンのライバルキャラ(キメラっぽいかな?)や戦隊のデザインもやってます。無駄に豪華だな・・。「こちら撮影現場」は「さよならジュピター」の撮影現場訪問ねた。作中ではくりんたちが学級新聞の取材でいくことになります。作中での映画のタイトルは「さよなら木星またきて四角」。総監督は小松左京ならぬ小町写経。「小惑星の上に小学生がいる」というギャグをこそこそくりんと作者が相談する件などいかにもとり・みきらしいです。川北監督やまだ助監督だった手塚昌明監督の姿もみることがてきます。東宝なのでゴジラもちゃんと登場するのがうれしいところ。ゴジラに遭遇したくりんは女自衛隊員の性格が現れて小町総監督は「ゴジラ対美少女木星の大決闘」の着想を得たりと賑やかなお祭り作品ですね。この作品は岩井小百合主演でテレビドラマ化されています。くりんの父に宍戸錠、ジェームス吉田に高田純次、麻衣に有森成美というちょっと変わったキャスティング。原作のファンであるが故に放送当時はあえてみなかったのですが今となっては見てみたい作品ですね・・。
2006.08.05
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みなもと太郎はあの面白い「風雲児たち」や「ホモホモ7」の今更説明不要の漫画家である。小学生の頃読んだ「乞食王子」が面白くてそれ以私にとってみなもと太郎はずっと気になる漫画家であり続けた。世界名作ものは「レ・ミゼラブル」はずっと所有していたものの「ハムレット」はどっかにいってしまっていたのだが今回全5話収録の「みなもと太郎の世界名作劇場ハムレット」として発売となった。まずはめでたい。今回再読したが暴力や残酷、そしてお色気がさりげなく盛り込まれて大人になった今だからわかる部分があるのに気づいた。面白いです、これは。今回の目玉は約1/3を占める「ドン・キホーテ」。映画「ラ・マンチャの男」に感動した作者が長い間あたためなんと27年後に描かれたこの物語はなんと現代のオタクが主人公なのである。舞台は2036年、主人公はオタクのまま老人となった呑木放手(どんきほうて)。みなもと太郎作品はスターシステムで演じているのはホモホモ7のボスのあの方。サンチョ役はあの口のでかいあの人。宇宙に出た呑木氏は酸素過多など諸々の事情により姫を守って戦う誇大妄想狂のヒーロー、ドンキホーテになってしまう。彼は売れない歌手の少女ドルシネアを姫と思い込んでしまうのだが・・。自分の夢を否定され現実にカエレといわれ正気を取り戻す呑木放手。ここでドルシネアが語る「宇宙戦争」のエピソードの使い方が実に素晴らしい。あとは書かないが、ギャグ作品でありながら原作に対する敬意が強く感じられることとその見事な換骨奪胎ぶりは評価されるべきであろう。これは実に私にとっても、恐らくあなたにとっても感動的な物語だと思う。是非一読を。「みなもと太郎の世界名作劇場ハムレット」はマガジンファイブから定価2000円で発売中。余談だが「ドンキホーテ」の絵の一部は夏目房之介さんっぽいがこれはどうなんだろう?↓こちらは「ホモホモ7」
2006.06.26
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先日ドロロンえん魔くんのことを書いた時、次は「猫目小僧」かよとか言ってたのですが、映画が間もなく公開でした・・。ああ、そこまで・・・。http://www.nekomekozo.jp/そんなこんなで無料のインターネットTVであるGYAOの「溜池NOW」を観ました。↓ここで観られますhttp://www.gyao.jp/variety/zigoro/この番組はSAKUSAKUの人気者であった増田ジゴロウとオタ度も可愛さもMAX状態の中川翔子(しょこたん)が競演するサブカル情報番組・・・といったらよいのか・・・。第4回は楳図かずおのコスプレ?をしたしょこたんがお宅訪問するという内容なのですが楳図かずおに逢って「うれしいもう死んでもいい!!」と叫ぶしょこたんは実に素晴らしいですね。動物園でリスを観て「(漂流教室では)リスがペストを運んだんですよね」と楳図先生本人ですらわすれているような(「そうだっけ?」はちょっと笑いました)ことを思い出すしょこたん偉い。道端に座り込んで「ビチグソがばれたのらー」と叫ぶしょこたんは最早、神といってもさしつかえないのではないでしょうか・・。サイレントな増田ジゴロウはともかく中川翔子を観られるだけでこの番組は千金に値するとおもっております。1~4回も視聴可能なので毎回変わるしょこたんの綾波レイ他のコスプレも是非ご覧下さい・・。
2006.05.13
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少し前話題になったドラえもんの最終話です。ドラえもんの最終話といえば、今までのことが植物人間ののび太が見た夢だったというのがありましたが、これはまた別の話で最近誰かの創作として広まり都市伝説化していた最終話を田島・T・安恵コミカライズした同人誌です。藤子・F・不二雄の「ドラえもん」には実は2つの最終話が存在します。ドラえもんの連載が始まったのは1970年の1月号で連載はよいこ、幼稚園、小学1年生から4年生までの6誌。小学五年生、六年生には連載がないので小学四年生の三月号で漫画は終わります。最初の最終話は71年の小学四年生三月号で時間旅行の管理が厳しくなりドラえもんが泣きながら未来へ強制送還されるというものです。二つ目は翌72年の小学四年生3月号でのび太が人に頼りすぎるのでドラえもんが未来に帰ることになり、のび太はドラえもんが安心して帰れるよう独りで自転車に乗る練習をする・・。これは最初の73年のアニメ版の最終回でもありました・・。で皆さんご存知の「さようならドラえもん」」なのですがこれはすぐ翌月の「帰ってきたドラえもん」に続くので厳密には最終回ではありません・・。以後藤子F不二雄はドラえもんの最終回を描くことはありませんでした。(毎年の小学六年生の三月号掲載分は最終回なのでしょうが厳密にはそれにあたらないですよね)さて本題の最終話なのですが、あらすじは・・・以下かなりネタバレになりますのでご注意を・・。テレビに映る野比博士の姿。そのテレビを眺めつつ酒を飲みながら談笑する3人の男たち。一人は出木杉。日本の総理大臣である・・。出木杉は他のふたりに「タイムパラドックスという言葉がある・・」と話を始めた・・。いつものように「ドラえもーん」と泣きながら帰ってきたのび太がみつけたのは動かなくなったドラえもんだった。驚いたのび太はドラミちゃんにタイムテレビで相談する。どうやら電池切れらしいと聞きほっとしたのび太だったがドラえもんにはバックアップ装置である耳の部分がないので電池を換えるとそれまでの記憶が全部なくなってしまうということを聞かされ愕然とする・・。さらに何故かのび太の住む時代への時間旅行が制限されドラえもんはそのままになってしまう。数年後。高校の成績発表。のび太が一番・・。のび太は呟く「でも・・ぼくの欲しいのは点数じゃない知識なんだ・・」静香はそんなのび太に強く魅かれてゆく。さらに時は流れ、今、その時が来ようとしている・・。田島氏によるコミカライズドラえもんの最終回の骨子を上手く利用しタイムパラドックスの生む感動を見事に描いて見せてくれます。出木杉が語るこの辺のデティールのオモシロさは大元の話になかったのではないでしょうか。機会があれば是非読んでいただきたい一冊です。
2006.04.14
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「ドラえもん」の最初の頃の単行本でドラミちゃんしかでてこない作品が何篇かあります。これは「オバケのQ太郎」の「オバケのP子日記」(1966年女学生の友)みたいなスピンオフの「ドラミちゃん」(1974年1月号~9月号、小学館BOOK→小学生BOOK)なのですが残念ながら独立した単行本にはなっていません。単行本が手元にないので対応作品全部がわからないのですが 「テレビ局を始めたよ」 「ウラシマキャンデー」 「地底の国探検」 「海底ハイキング」 「ネッシーが来る」 「とう明人間目ぐすり」 「山おく村の怪事件」 がそれにあたります。 連載期間から考えて第1話とあと一話が単行本(FFランド)未収録のようですね。単行本でこれらの話には違和感があります。1ドラえもんが出てこない2パパの顔が違う3ママの体型が太り気味4スネ夫が出てこない。ズル木というキャラが出てくる5しずちゃんとジャイアンをのび太が別の名前で呼ぶ6ドラミちゃんのエピソードは科学ネタが多い・・海底、恐竜、地球の核などでしょうか。勿体ぶってもしょうがないのですがこれはドラミちゃんが住んでいるのはのび太の家ではない ことに起因しています。実はのび太のいとこ(のび太のママと姉妹)の関係にある のび太郎の家なのです。単行本未収録の話にのび太郎がのび太の家に来る話(「小学館BOOK」)がありドラミちゃんはその最後で「私、のび太郎さんのうちに行くことにきいめた、きいめた!」というセリフがあります。以後ドラミちゃんの出てくる話はのび太ではなくのび太郎とその家族友達の話となりのび太やドラえもんは出てこないわけですね。当然ながら、単行本におけるスィッチを切って横になったドラえもんの変わりにドラミがのび太の世話をするという「ケロロ軍曹」でパロディ化されていたページは単行本時の追加描き足しになります。単行本化の際、のび太郎のママ(顔は別人)、カバ太(だったっけ)などは顔だけをのび太のママやジャイアンに描き直しています。故にのび太のママがやけに太ってたりします。でも姉妹なのにあまりにてないんですよねこのふたり。パパの方はそのままになっています。しずちゃんにあたるみよちゃんも同様にそのままですね。ズル木はさすがにスネ夫にかきなおすには体型が違いすぎたため書き直されていません。そのためズル木が残りスネ夫がでてこなくなりました。科学ねたが多いのは掲載誌が小学館BOOK(今のてれびくん的な雑誌)がリニューアルして小学生BOOKになり内容がウルトラマンやキカイダーなどのキャラクター中心から当時の子供の興味のひとつであったUFOや宇宙人、ネッシーなどUMAねたの多い内容になったためです。(科学もUMAもごちゃ混ぜかいという突っ込みはさておき)漫画はドラミちゃん以外記憶にないですね。後の「ワンダーライフ」(小学館版のムーですね)に繋がるには早過ぎたのか6ヶ月で廃刊になりました・・・。描き直す前の原稿はのこってないのか気になるオリジナル版「ドラミちゃん」は今、凄く読みたい一冊であります。
2006.03.17
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こうの史代はほのぼのかわいい画の作家でにわとりやいんこの漫画やちょっと変わった恋愛漫画を描く作家さんです。で今年になって「夕凪の街 桜の国」という作品で熱い注目を集めています。これには泣きました。まず、難しいテーマを漫画として昇華し演出力と構成力で読ませる作者の力量に感動します。だから漫画作品として優れていてなおかつ重いテーマを読む人に強く訴えかけ、読ませます。それでいて素朴でかわいい絵柄はほのぼのとしたユーモアを感じさせ連作3編を読んだあとには爽やかな感じが残る作品です。何も云いません、漫画が好きだと思う人ならば読んでこの作者の並ではない力量を感じてください。繰り返し読むごとに発見があります。10年に1冊はいいすぎにしてもかなりの傑作であるのは間違いありません。恋愛ものとして非常に純度が高く心を揺さぶる点でもポイント高いです。桜の舞うあの橋のシーンの美しさに・・・。
2005.10.16
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