おしゃれ手紙

2021.04.09
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テーマ: 読書(8467)
カテゴリ: 読書

家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくるー。
唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。
日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。
世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。
泉鏡花文学賞受賞。「海燕」新人文学賞受賞。
【目次】(「BOOK」データベースより)
キッチン/満月ーキッチン(2)/ムーンライト・シャドウ

「キッチン」は1987年に
「満月ーキッチン2」は1988年に
「ムーン・ライト・シャドウ」は1986年に書かれたものだ。
今から30年以上前!!!
当時、騒がれていたのをよく覚えている。
しかし読まなかった。
1970年代の「ポーの一族」も20年後に読んだくらい私は、本を流行りで読まないといえば聞こえがいいが、当時、本を読む体力がなかったのだ。
●読書日記●気に入った、気になったフレーズと◎私のメモ。

●(略)子供と年寄りがどんなに陽気に暮らしていても、うめられない空間があることを、私はだれにおしえられなくても随分早くに感じとった。
(略)愛されて育ったのに、いつも淋しかった。
・・・ いつか必ず、だれもが時の闇の中へちりじりになって消えていってしまう。
そのことを体にしみこませた目をして歩いている。
●「ワープロ買ったんだ!」
と雄一がうれしそうに言った。

◎そうそう、私もワープロを買ったのが、1989年か1990年だった。
まだ若い月が、そうっと空を渡ってゆこうとしているのが目に止まった時、バスが発車した。 (以上、「キッチン」)

◎この他にもバスに乗ったシーンの表現が好きで、何回も読み返した。
彼女たちは幸せを生きている。
どんなに学んでもその幸せの域を出ないように教育されている。
たぶん、あたたかな両親に。
(略)
幸福とは、自分が実はひとりだということを、なるべく感じなくていい人生だ。

私もそういうのがいいな、と思う。
エプロンをして花のように笑い、料理を習い、精いっぱい悩んだり迷ったりしながら恋をして嫁いでゆく。
そういうの、すてきだな、と思う。(「満月」)

◎金持ちで優しい親に守られてなんの苦労もせず大きくなった人、本当にいるのだ。
以前、友人に
「皇族の人たちって、本当に優しそうな顔をしてるよね。」と言うと、
「そらそうやわ、あの人ら、怒る理由があらへんもん」と友人は即座に言った。
彼女は結婚している時も離婚しても、金銭的な苦労をしていたのだ。
「私の言葉はどこまであなたの孤独にとどくのだろう。」

という言葉が本の帯に書かれてあった。
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Last updated  2021.04.09 12:07:54
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