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異体字の世界著者は、JIS X 0213(第3・第4水準漢字)の開発に関わった人物。常用漢字表の成り立ちからJISコードの制定、JIS83の混乱を経て、Windows VistaのUnicode字体に至るまで、漢字標準化の経緯がよくわかる。異体字の多い人名を扱っているシステム開発に携わっている方は、知識として読んでほしい。高橋の「?」など、人名の異体字については法務省が「戸籍統一文字情報」という情報を持っており、これを解析すれば、すべての異体字をおさえることができるらしい。ところが、個人情報保護の観点から、この情報をシステム開発に流用することはできないらしい。一方で、われわれが依存しているJIS漢字表は経済産業省の所管、国語で学ぶ常用漢字表は文部科学省の所管である。標準化が進められているといっても、役所の縦割りの壁があるようだ。■メーカーサイト⇒小池和夫/河出書房新社/2007年7月 異体字の世界■販売店は こちら
2007.09.29
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サイエンス夜話飲み屋で二人の人物が科学の話をしているというシチュエーションで、進化論、超ひも理論、エネルギー問題から人間原理まで、広く浅く科学のトレンドを紹介している。難しい数式やグラフはないので、これをよんで「理解」するには至らないだろうが、自分の科学に関する知識を整理するのにちょうど良い本だと思った。最後のオチが笑える。■メーカーサイト⇒竹内薫・原田章夫/ソフトバンククリエイティブ/2007年5月 サイエンス夜話■販売店は こちら
2007.09.26
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下流志向TBS系列で日曜日に放映されている「噂の東京マガジン」の中に「やってTRY」というコーナーがある。遊園地で、海で、スキー場で、お嬢さんたちが課題の料理に挑戦して、ものの見事に失敗する。とろみを付けようと片栗粉を入れすぎて固まったり、油を入れたフライパンを放置して炎上するというのが、毎回のお決まりパターン――。そんなお嬢さんたちを地方のサバイバルな環境に放り出すという特別企画が、時々行われる。すると、どうしてなかなかバイタリティのある娘ばかりである。木の実をとったり、ヘビを素手で掴んだりと、食材を焦がして黄色い声をあげていた姿が嘘のようである。このギャップは何なのだろう――その答えの一部が本書にある。「ゆとり教育」の反動で公的教育が崩壊をはじめた。親たちは競って子どもを有名進学塾に入れ、そこから落ちこぼれた者は「負け組」となっていく。一方で、私塾はビジネスであるから、忠実に市場原理にしたがう。ところが、最近、ファイナンスの中で様々な方程式を解いているうちに気づいたのだが、そこには時間要素が無いのである。もちろん、複利計算のような場合に年度が変わるという「時間」要素はある。だが、消費動向が変化するとか、技術が進歩するといった要素がないのである。技術屋として実務に携わっている自分としては、強い違和感を感じる。こんな不完全な方程式で経営は動いていくのか――。このことは、本書でも指摘されている。著者は、子どもたちが勉強しないことには論理的な行動原則があり、それは、「彼らは市場の原則に従って、それに全力で抗うことを命じられている」(68ページ)ことだと指摘する。もしそうであれば、彼らは市場原理の不完全さに取り込まれた被害者である。本書で「賃金というのは労働者が作り出した労働価値に対してつねに少ない」(137ページ)と述べられているのは、市場原理が導き出す真理の1つである。市場原理に支配される限り、労働は等価交換されない。私は著者と異なり、教育を市場原理から開放しようというつもりはない。実際、「ゆとり教育」に問題意識を感じ、子どもを私塾に通わせているのだから。だが、市場原理下では労働の等価交換は望めないのと同様、教育の等価交換が不可能であることは承知している。親が金をかけたからといって、子どもが長時間勉強をしたからといって、偏差値が上がるわけではない。それでも、子どもは変化・成長する。その生物としてのバイタリティを自然のままに発現させてやりたい。「市場原理」も「ゆとり教育」と同様、限界があるのだ。その限界を超えて子どもを成長させてやるのが、われわれ親世代の役目であろう。■メーカーサイト⇒内田樹/講談社/2007年01月 下流志向■販売店は こちら
2007.09.21
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はやぶさ小惑星探査機「はやぶさ」を管理するJAXA(宇宙航空研究開発機構)と、その前身である宇宙研(宇宙科学研究本部)の歴史を描いたドキュメンタリーである。宇宙研は、「はやぶさ」を運用する現在も、ロケットから運用ソフトまですべて自家製である。「万能の個人を期待せず『集団によって万能』」(283ページ)というのが、宇宙研の「やり方」だそうだ。経済原則も必要だが、科学者・技術者として、こうした理念を知ることも大切であろう。本書の前半は、そんな宇宙研の創始者である糸川英夫博士の奮闘を中心に話が進んでいく。糸川博士といえば、われわれの子どもの頃には「ロケットの父」として憧れたを抱いた方である。だが、なぜかテレビや新聞で見た記憶がない。もちろんご存命であったわけだが(1999年死去)、すでに私が子どもの頃にはロケット開発の第一線を退いておられた。その顛末は、本書に詳しく記されている。その下りを読んで、いつの時代も、独創的な科学者・技術者は不遇であると感じた。宇宙研が、なぜ液体燃料ではなく固体燃料を選んだのか、なぜカッパ・ロケットには誘導装置を搭載していなかったのか、なぜミュー・ロケットまでは細身だったのか、なぜ内之浦に発射場を設けたのか――すべては糸川博士が、日本のロケット開発を成功させるために編み出した作戦だった。■メーカーサイト⇒幻冬舎 はやぶさ■販売店は こちら
2007.09.20
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LANDISK Tera専用液晶ユニット [HDL-GT/LCD]LANDISK Tera [HDL-GT/GTR] シリーズの上側にスタック設置できる設計になっている液晶表示装置である。モノクロ液晶パネルにIPアドレスやLANDISKの名前、機種名、ファームウェアバージョンなどの各種情報を表示できる。また、PCレスでIPアドレス設定を行うことも可能となっている。接続インタフェースはUSBで、バスパワー駆動に対応。ホットプラグに対応しており、任意の抜き差しも行える。本体サイズは170(幅)x230(奥行き)x50(高さ)ミリ、重量は約1.1キロ。■メーカーサイト⇒アイ・オー・データ機器 LANDISK Tera専用液晶ユニット [HDL-GT/LCD]■販売店は こちら
2007.09.14
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格差なき医療著者は、旭川医科大学から遠隔医療を推進している眼科医である。IT技術者として、「遠隔医療」というのは1つのハードルである。正確な画像を遅滞なく送る必要がある遠隔医療では、多方面の技術が要求される。単に「正確な画像」というだけでも、解像度が高い、歪みがない、色が変わらない、など、さまざまな要因を「正しく」送受信する必要がある。著者の夢は、「宇宙基地との遠隔医療を実現すること」(202ページ)だという。素晴らしい。このノリで、いつでも・どこでも「格差なき医療」を支援する遠隔医療システムを実現させたいと思う。ただ1つ不安があるとすれば、医師の経済感覚であろうか。29ページに「遠隔医療のコストパフォーマンス試算結果」が掲載されているが、ビジネスの視点とはまったく異なる。この考え方の善し悪しは一概に言えないが、市場経済の中で「格差なき医療」を実現するのであれば、ビジネスの視点も加味していかなければならない。■メーカーサイト⇒吉田晃敏/講談社 格差なき医療■販売店は こちら
2007.09.12
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医療の限界著者は、「医療崩壊」(2006年5月)で医師の「立ち去りがたサボタージュ」を示し、現場から日本の医療の危機に警鐘を鳴らす泌尿器科医である。著者は、「こと医療については、市場原理にはなじみません」(184ページ)と主張する。その理由としてアメリカの歴史を紐解き、「市場原理主義は、宗教を背景にしており、歴史的、倫理的に日本人にはなじみのないもの」(188ページ)と説明する。これが真実かどうかは別として、医療が市場原理になじまないことに対しては同意する。市場原理では、消費者は自己の意志で商材を選択するだけの十分な情報をもっており、かつ、市場には十分な種類/量の商材が流通していることが大前提である。ところが医療の場合、あまりにも専門的であり、われわれと医療スタッフの情報量・情報理解度には彼我の差がある。さらに、医療サービスは常に不足している。ゆえに、日本国は皆保険制度を導入し、いつでも・どこでも同水準の医療サービスを受けられるという社会主義的なルールを編み出した。これらを考えただけでも、医療が市場原理で動くわけがない。さらに、われわれ国民は「医療はサービスだ」と主張する一方で、医師は患者を分け隔て無く診なければならない(医師法第19条「応召義務」)と強要する。だが、サービス業なら断っても良いのである。お客様が「神様」であるのは、正当な対価を払う場合に限定されるのだから。先日、奈良県で搬送中の妊婦が死産するという事故が発生した。昨年の妊婦死亡事故に続き、マスメディアの医療バッシングは度を超えている。母子手帳を持たないようなリスキーな妊婦を受け入れ、万が一のことがあったら、そのリスクは誰が負うのか――。われわれは権利ばかりを主張し、義務を放棄していないだろうか。これは医療だけでなく、日本人として考えていかなければならない問題である。■メーカーサイト⇒小松秀樹/新潮社 医療の限界■販売店は こちら
2007.09.11
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いびき軽減まくら いびきでお悩みの方、家族へのプレゼントに。“いびき”は、寝ている時に筋肉の緊張がゆるみ、気道が狭くなったときに起こることが多い。そこで、バイブレーターで筋肉を刺激し、気道を確保してしまおうというのが本製品。“いびき”を検知して、自動的にバイブレーターが作動する。それでも“いびき”が止まらない場合は、バイブレーションの強度が1段階上がり、それでも止まらなければ、さらにもう1段階アップするという。また、寝返りセンサーも備えており、寝返り後 30秒間はバイブレーターを作動させない。マイク出力端子を備えており、“いびき”を外部レコーダーに録音することができる。電源は、単三形乾電池×4 本。電源を切り忘れても 8 時間が経過すると自動的に電源が切れるオートパワーオフ機能を備えている。■メーカーサイト⇒フランスベッド いびき軽減まくら■価格比較・購入は こちら
2007.09.11
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オーディオ・ビデオ 圧縮入門JPEGやMPEGの圧縮技術にとどまらず、人間の視覚・聴覚の性質に立脚して圧縮技術が編み出されていることを解説した解説書。「シャノンの情報量」の計算式に関するコラムもあり、技術オタクとして読んでおきたい1冊だ。■メーカー/販売元 亀山渉/金子格/インプレス■販売店は こちら
2007.09.10
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